この記事について
本記事はカナダとアイルランドの比較についてまとめています。
35歳まで申請可能なカナダのセカンドワーキングホリデー(ROワーホリ)については別記事にてまとめています。
ワーホリ渡航先を選ぶ際、「英語圏であること」を条件に比較されている方も多いでしょう。
今回はカナダのワーホリとアイルランドのワーホリを徹底比較します。
アイルランドワーホリの情報はまだまだ少ないですが、ビザ発給の条件からビザ申請方法も解説します。
このページの目次
アイルランドとカナダ ワーホリ各種条件
どちらの国も、年齢制限は18-30歳、滞在可能期間は1年です。
(※滞在期間の延長についてはこの後説明します)
アイルランドが日本とワーホリ協定を結んだ当初は「25歳以下またはフルタイムの学生・仕事をしていること」が条件でしたが、2015年6月申請より撤廃され、アイルランドにも行きやすくなりました。
それではアイルランドとカナダの条件を比較しましょう。
カナダ※ | アイルランド | |
---|---|---|
年間発給枠 | 6,500 | 800 |
募集期間 | 通年、定員に達するまで | 年2回(例年は1月と6月) |
就学制限 | 最高6ヶ月まで | 制限なし |
就労制限 | 制限なし | 週39時間まで |
ビザ延長 | 最大1年(ROビザを利用) | 不可 |
大きな違いは「定員」と「就労・就学の制限」、「ビザ延長」について。
それぞれの違いを解説します。
アイルランド年間発給枠(定員)は年間800人だけ
カナダのワーホリの枠は年間6,500名ですが、アイルランドのワーホリの定員はなんと800人です。
まずはカナダの定員についてご説明しますね。
カナダの年間ワーホリビザ発給枠は基本的に早い者勝ちのシステムです。
定員に達し次第、募集が締め切られます。
枠が埋まるのは例年9-10月頃。
申請は早めにしましょう。
(詳しくは別記事カナダのワーキングホリデーの募集スケジュールをご覧ください。)
一方のアイルランドの年間募集枠は800人。
毎年1月と6月の年2回申請申し込み受付があり、許可が下りたら書類を提出してビザ申請する仕組みです。
(申請について詳しくは後述します)
募集時期を逃さないようにしましょう。
ポイント
- アイルランドは年間800人・年2回の募集
- カナダは年間6,500名まで!早めに動こう
就労・就学について
就労・就学制限はほぼありません。
詳しくご説明しますね。
就学制限の比較
カナダでワーホリ中に就学できるのは6か月までです。
それ以上学校に通いたい場合はカナダの学生ビザを取る必要があります。
アイルランドにはそのような制限がありませんので、希望であれば長期間学校に通うことが可能です。
就労制限の比較
カナダのワーホリに就労時間の制限はありません。フルタイムの勤務が可能です。
アイルランドでも週39時間まで働くことが可能となっています。
フルタイム(8時間×5日)で働くと週40時間なので時間制限については気にしなくて良さそうです。
ただし、いわゆる正社員の仕事は週39時間を超える可能性が高く、就くのは難しいと考えた方が良いでしょう。
ポイント
- どちらの国も短期の語学学校やアルバイトなら問題なし
- カナダでは正社員の職に就くことも可能
滞在の延長について
アイルランドのワーホリを延長することは出来ません。
アイルランドにもっと滞在したくなった場合は別のビザを申請する必要があります。
(他のビザについては後述します)
カナダにも、ワーホリ自体の延長制度はありません。
しかし、ROワーホリビザ(通称セカンドワーホリ)を利用することにより、ワーホリと同じ条件でさらに1年間滞在することが出来ます。
このROワーホリビザの年齢制限は35歳まで。
31歳を超えていても、ワーホリを使い切ってしまっていても申請可能です。
ただし、年間募集枠はかなり少なく、基本的に募集は年1回。
ROワーホリビザを使って滞在を延長したい場合は、アンテナを張って情報収集しましょう。
どちらの国もワーホリ以外で働けるビザがあります
条件はありますが、カナダもアイルランドも、学生ビザで週20時間まで働くことが出来ます。
詳しい条件はこちら
31歳以上でも海外で働けるプランを紹介!カナダとアイルランドも
カナダにはさらに公立カレッジを卒業すると、就労ビザ(ポスグラビザ)がもらえる制度もあります。
インターンシップ付きの学生ビザである、コープ(Co-op)ビザという選択肢も。
どちらの国も、気に入ったら収入を得ながら滞在を伸ばせる制度が充実しています♪
ポイント
- アイルランドのワーホリは延長不可
- カナダはROビザ利用で合計2年滞在できる
- 両国、ワーホリ以外にも働けるビザがある!
アイルランドのワーホリビザ申請方法
前述の通り、例年1月と6月の年2回申請申し込み受付があり、許可が下りたら書類を提出してビザ申請する仕組みです。
基本的な条件
条件は以下の通り。
- 現在日本に居住していること(申請時を含む)
- 一定期間(最長1年)アイルランドで休暇を過ごすことを本来の目的とすること
- 申請書受理時点で、18歳以上30歳以下であること
- 扶養家族(配偶者含む)を同伴しないこと
- 有効なパスポートと帰国用航空券、またはそれが購入できる資金を保持していること
- アイルランド滞在中、生活に必要な資金として50万円以上の預金があること
- 以前「ワーキング・ホリデープログラム」でアイルランドへ渡航した経験がないこと
- 健康かつ、犯罪歴が無いこと
- 滞在期間をカバーする医療保険に加入すること
どれも基本的なもので、条件面でのハードルは低いですね。
1年間の保険に加入しなければなりませんが、条件として設定されていない国でも保険は必ず入っておいた方がいいです。
結局保険にかかるコストは省けませんので、最低限の条件と言ってよいでしょう。
欧米諸国と比べると物価も安く、最低証明しなければいけない預金額も少なめです。
申請の流れ
前述のとおりまず申し込みがあり、許可が下りたらビザ申請が出来るシステムです。
大まかな手順は以下の通り。
- アイルランド大使館のウェブサイトより申請書をダウンロードし、必要事項を英語で記入し、申請受付期間中に指定のE-mailアドレスへ送付
- 申請結果が、申請受付期間終了後の翌月中旬までに E-mail で送られてきます
- メールに記載されている必要書類(申請書、写真、パスポート、英文履歴書など)を合同会社 VFS サービシズ・ジャパンに書留で郵送
- ワーキング・ホリデー・オーソリゼーション(許可証)が発給されます
①申請申し込み手順詳細
例年年2回抽選が行われます。
アイルランド大使館から申請書をダウンロードして記入。
指定された期間中に専用アドレス(workingholiday.ie.jp@vfshelpline.com)にメールを送り応募します。
第2回目抽選:6月15日〜6月30日
※上記は例年の期間です。年により日程は変わります。詳細はアイルランド大使館でご確認ください。
申請結果は、申請受付期間終了後の翌月中旬まで(2月中旬と7月中旬)に E-mailで届きます。
申請許可メールを受領した方は②必要書類の提出へ進みましょう。
②必要書類の提出
許可メール受領後、下記必要書類を書留でアイルランド大使館に郵送します。
(パスポート、医療保険、航空券以外の提出書類は返却ありません。)
必要書類は以下の通りです。
- 申請許可の E-mailを印刷したもの
- 申請書と写真2枚 (パスポートサイズ、6か月以内に撮影したもの)
*ステップ1で作成した申請書を印刷、写真1枚は申請書に貼付し、もう1枚は郵送 - パスポート原本(滞在予定+6か月以上の有効期間が必要)
- パスポートのコピー(顔写真のページとスタンプが押印されているページ)
- 英文履歴書(簡易なものでA4サイズ1枚程度)
- 最終学歴校の英文卒業証明書または在籍証明書原本
- 英文残高証明書原本(個人資金として50万円以上)
- 滞在期間をカバーする医療保険証券又は付保証明(英文原本とA4コピー1枚)
- 片道航空券又は往復航空券(原本とA4コピー1枚)E-チケット、予約確認書可
- 補足申請フォーム、申請料振込控え(詳細は申請許可の下りた方に別途案内)
- ご自身の住所、氏名記載の返信用レターパック510の封筒(郵便局にて購入)
必要書類内容確認後、ワーキング・ホリデー・オーソリゼーション(許可証)が発給されます。
なお、アイルランド入国から1か月以内に、現地移民局にて外国人登録(IRP/旧GNIB)をする必要があります。
入国したらすぐに手続きをしましょう。
必要費用は以下の通り。
- ビザ申請料 ¥16,200
- 外国人登録GNIB(IRP)料 €300(約¥39,000)
また、働く際にはアイルランドの税務当局(Revenue Commissioners) への登録も必要です。
納税(源泉徴収)の為にPPS(Personal and Public Service) 番号を取得します。
こちらも早めに取得しましょう。
アイルランドのワーホリビザに落ちたら?
申請許可が下りない場合もあります。
年2回しか申請の機会がないため、これを逃してしまったり許可されなかった場合、再申請まで半年近く待たなければいけません。
募集枠も少ないので、落ちてしまった場合他のプランも考えましょう。
次の募集で再申請する
申請回数に特に規定はないので、再申請も可能です。
前回申請内容に不備があったなどの場合は、間違いがないかしっかり確認しましょう。
(犯罪歴など特別な理由があり落されてしまった場合は再申請しても許可は難しそうです)
また、その年度の定員に達してしまった場合、翌年の募集がかかりしたい再挑戦もいいでしょう。
ただしこれは半年、または1年でも渡航を待てるという方のみ。
既に仕事を辞めた、休学した、もうすぐ30歳になる、などで早く行きたい場合も多いですよね。
その場合以下の選択肢も検討しましょう。
学生ビザでアイルランドに語学留学する
アイルランドに長期で行く方法はワーホリだけではありません。
90日以内の短期留学の場合、学生ビザは不要です。
入国時に押されるスタンプがいわゆる観光ビザに相当。
スタンプに書かれた日付が観光ビザの有効期限です。
念の為、入国時に出国チケットと語学学校の入学許可証を提示できるよう準備をしておきましょう。
90日以上の長期留学をする場合、入国後に学生ビザと外国人登録(IRP)を申請する必要があります。
語学学校に25週間以上通学される方は、2か月間のホリデー期間が付与され最大8か月間の滞在が可能。
週20時間(ホリデー期間は週40時間)まで働くことができます。
また、最大2回までの延長が可能。
85%以上の出席率などが必要ですが、最大24か月(8か月×3回)学生ビザでアイルランドに滞在できます。
学費はかかりますが、2年間も働きながら暮らすことが出来るんですね!
25週間以上通学される方は、Exit Examと呼ばれる英語能力試験の受験が義務付けられています。
この試験は入学前、申込み時点でどの試験を受けるのか決めておき学校経由で申し込みをしておく必要があります。
学生ビザ延長時にもスコアの提示が必要です。
学生ビザで働ける国は少ないのでありがたいですね♪
あわせて読みたい
他の国のワーホリに行く
「英語を学べる国」なら他に、カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・イギリスが協定国です。
カナダ・オーストラリア・ニュージーランドは、ワーホリ以外にも働けるビザがあるので、目的に合わせそちらも検討してもいいでしょう。
学生ビザでも働けます(カナダは公立校またはカレッジのみ、語学学校は対象外)。
もし「日本人が少ない国がいい」なら南米(チリ・アルゼンチン)や北欧、その他欧州の小国はいかがでしょう。
2022年現在26ヶ国も協定国があります。
カナダのワーホリビザ申請方法
移民局のウェブサイトからオンライン申請です。
下記の必要書類を準備したうえで申請を開始しましょう。
⇒カナダのビザアカウント作成ページ
申請に必要なもの
- 家族情報申告フォーム
- 英文履歴書
- 証明写真
- パスポートのコピー
- 必要に応じ:健康診断、無犯罪証明書、生体認証(顔写真および指紋)
※書類は全て英文、明瞭なカラースキャンか写真が必要です。
書類が2ページ以上に及ぶときは、1つのファイルに保存しましょう。
抽選に当たったら?
マイページに招待レター(Invitation)が届きます。
10日以内に招待の受諾ボタンをクリックする、ワーホリビザ本申請に進めます。
受諾から20日以内に書類を提出しましょう。
ワーホリビザの申請が承認されたら?
「ワーキングホリデー就労許可通知書」がオンラインアカウントに届きます。
この「ワーキングホリデー就労許可通知書」はビザそのものではなく、ワーホリビザとの引換券のようなものです。
これを印刷してカナダ入国時に持参してください。
空港でビザと切り替えることが出来ます。
参考
もっと詳しい申請方法は別ページカナダのワーホリビザ申請方法にまとめています
各国共通:ビザ申請時の注意事項
どこの国にビザ申請する際も気を付けたい注意事項についてお伝えします。
特にパスポートの有効期限は超重要なので、必ず確認してください。
要注意:パスポートの有効期限
通常ビザは最高でもパスポートの有効期限までしか出ません。
さらにアイルランドのワーホリ申請の条件として、「パスポートの効期限が出国予定日より6か月以上、見開き2ページ以上の余白がある」必要があります。
期間が足りないか、ぎりぎりの場合は日本国内のパスポートセンターで延長してから申請を行いましょう。
渡航後も様々な事情で再申請が必要になった時、お持ちのパスポートの有効期限が迫っていると手続きが煩雑になります。
コロナ渦のように、手続きの為に簡単に帰国できない状況になる場合もあります。
「あと1年あるからいいや」ではなく、余裕をもって延長手続きすることをお勧めします。
クレジットカード
通常、ビザの申請料金はクレジットカード決済のみです。
本人名義のVisa, MasterCard でしたらほとんどの国で使えます。
カナダのワーホリ申請費用の支払いにはVisa, MasterCard, American Express, JCB, UnionPay が使えます。
加えてMasterCard, Visa Debit カードも使えるので、Debit 機能付きの銀行カードでもいいですね。
名義は本人のものである必要はありません。
注意事項
※記載の料金や情報は法改正等により予告なく変更することがあります。また、このページの内容は各国大使館・領事館等より情報を収集し細心の注意を払って作成しておりますが、正確なものであることを保証するものではありません。ビザ取得の際は、必ず各国大使館・領事館等の情報をご自身でもご確認ください。
⇒アイルランド政府公式サイト:ワーキングホリデービザについて
⇒カナダ移民局公式サイト:ワーキングホリデービザ(International Experience Canada)について
まとめ
ワーホリ渡航先としてはまだまだ知名度が低いアイルランドですが、学生ビザでも働けるなど実は留学生にやさしい制度が整っています。
手付かずの大自然のなか、日本人が少ない地域でスローライフを送りたいという方にはぴったり♪
映画の中の景色は感動するはずですよ♪
カナダもROワーホリ(セカンドワーホリ)ビザを利用して最大2年間滞在できる可能性があります。
どちらの国もワーホリ以外にも働けるビザがあるので、海外に長く住みたい方にはとても魅力的です。
ワーホリビザ申請の条件と、ワーホリ中にできる事を比較しました。
渡航の参考にしてください♪