ワーホリ前に別のビザでカナダに入国する方法

監修者 監修者
村山まりえ

移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。

ワーキングホリデービザ(ワーホリビザ)とは、31歳まで取ることができる、カナダで仕事や観光ができる夢のようなビザです。

ところが、残念なことに一生に一度しか取得できないという制約があります。

そんな貴重なワーホリですから、有効に使いたいですよね。

今回は、ワーキングホリデービザ(ワーホリビザ)を無駄にしない、100%有効活用する方法について徹底的に解説します!!

ご注意ください

この方法にはリスクが伴います。また、ビザ発行に関しては「移民局のオフィサーの判断がすべて」です。弊社で確実性・その他のリスクを保証するものではありません。

「ワーホリビザについてまず知りたい!」という方は、こちらの記事を先にご覧ください。動画でも解説しています。

「ワーホリビザ」を無駄にしない使い方

今まで、5,000名以上の方の留学に携わってきました。

ひとりひとり、自分の留学の希望に合ったビザを取得してカナダに滞在、留学されたのですが、ひとつ気になっていることがあります。

末永

ワーホリビザのもったいない使い方をしている人が多いんです!

ワーホリビザは、1年間、カナダでこんなことができます。

  • カナダで働く
  • カナダの学校に通う(6か月未満)
  • カナダで観光する

そうです、1年間、何をしてもいいんです。

そして、何でもできる強力なビザであるだけに、ワーホリビザは一生に一度しか取れません。

何がもったいないかというと、上で挙げた「カナダの学校に通う」と「カナダで観光する」は観光ビザ学生ビザでもできるんです。

カナダの各種ビザでできる事を一覧表にするとこのようになります。

観光する学校に通う働く
観光ビザ※ 3×
学生ビザ ※ 1×
学生ビザ ※ 2※ 4
ワーホリ※ 5
コープ
(※ 1)語学学校もしくは6か月未満のプログラム
(※ 2)カレッジ以上の学位レベルかつ6か月以上のプログラム
(※ 3)6か月未満、インターンが含まれないプログラムなら就学可
(※ 4)週20時間まで、インターン期間中は週40時間までなら就業可
(※ 5)6か月未満なら就学可

ここで注目してほしいのが、「働く」の項目です。

留学生が一般的に申請するビザの中で、カナダでフルタイムことが出来るのはワーホリビザだけなんです!

ワーホリビザが「最強」と呼ばれる所以ですね。

仕事が見つかるまでの期間は学生ビザなどを使って、ワーホリの1年間はワーホリでしかできないカナダで働くことにみっちりと使いましょう。

また、ワーホリビザは、カナダの就労ビザの一種類で、就労ビザを持っている期間の就労は、カナダ永住権取得の重要なポイントになります。

ワーホリビザの1年間で申請の条件を満たすことができる「BCPNP ELSS」永住権制度もあります。

ワーホリの1年間は、「何となく楽しく過ごす1年間」にもなるし、「カナダ永住につながる、人生のターニングポイントの1年間」にもなるんです!

それでは、ワーホリビザを無駄にせず、学生ビザを組み合わせて100%有効活用する方法をご紹介します。

ご注意ください

学生ビザではなく「観光ビザ」を組み合わせることもできますが、こちらはお勧めしません。なぜかというと、観光ビザはあくまで短期滞在用のビザであり、カナダでの生活や今後のビザ申請に不利益になる可能性があるからです。詳しくはページ下部をお読みください。

こんな人におススメ

ワーホリ前に学生ビザで入国するパターンは、こんな人におススメです。

  • 1年間丸々働きたい
  • 滞在先の確保など、カナダの生活に慣れてから仕事を始めたい
  • はじめに語学学校に行きたい

それぞれについて、詳しく説明しますね。

就活期間を無駄にしたくない

「カナダに着いたら最初からバリバリ働くのだ!」という気合十分な場合でも、やっぱり最初は学生ビザで入国することをすすめます。

ワーホリビザの有効期間は、ビザの発行日から1年間です。

でも、カナダに着いてから、仕事を始めるまでには、

  • 求人情報を探して、
  • 求人に申し込んで、
  • 面接をして、
  • 採用される!

など、実際に働き始めるまでには思ったより時間が掛かります。

職種にもよりますが、就活には数か月かかることもあり、「ビザの期限は迫ってくるのに、仕事が見つからない!」と焦る原因になることも。

仕事を始めるまでに時間がかかると、せっかく1年間働けるワーホリが無駄になってしまいます。

ですので、最初は学生ビザで入国して求職活動をして、面接で採用が決まったら、最初の出勤日の直前にアメリカとカナダの国境に行き、一旦出国、再入国してワーホリビザをもらいます。

こうすることで、ワーホリビザの1年の間すべて働くことができます。

滞在先の確保など、カナダの生活に慣れてから仕事を始めたい

カナダに着いた直後はホームステイをすることをおすすめします。

ですが、ホームステイはバンクーバーダウンタウンなどの都心部にはほとんどありません。

そして、ワーホリの就労先としてメジャーな飲食店は、都心部に集中しています。

さらに、がっちりお金を稼ごうと思うと、深夜まで営業している居酒屋などのお酒が出る飲食店がおすすめです。

深夜まで営業している店で働くと、仕事が終わって帰る時間も当然遅くなります。

バンクーバーを始め、カナダは治安が良いのですが、深夜に、郊外で独り歩きをするのは危険です。

以上のことから、都心部で遅い時間まで働く場合、滞在先は職場に近いところにするのがベターです。

自分がどんな職場で、どんな時間帯の仕事をしたいのか決め、求職活動と並行して、安全に職場に通える滞在先も見つけておきましょう。

語学学校(ESL)に通える

1か月~3か月程度語学学校に通うと、カナダでの生活に慣れるとともに、英語力が伸びるので、仕事を始めてからの生活が、より快適・有意義になります。

働き始める前に語学学校に通うと、こんないいことがあります。

  • 英語力が上がり、応募できる仕事の選択肢が広がる
  • カナダで他の留学生の友達(日本人も含めて)ができる
  • 留学の先輩から助けがもらえる
  • 楽しみながら、海外で暮らす不安を解消し自信をつけることが出来る

語学学校に通う学費は痛い出費ですが、その出費以上にカナダ生活のクオリティが上がります!

上に挙げた、「友達ができる」というのが意外に重要です。

仕事を始めて生活が職場と自宅の往復になると、閉ざされた人間関係で交友関係を広げていくのが難しくなります。

語学学校に通って、友達を作っておくと、仕事の愚痴や悩みを中立的な立場で聞いてもらえたりします。

留学、ワーホリ中の友達は本当に貴重ですよ

ワーホリビザでも、半年以内なら語学学校(ESL)に通うこともできます。

ですが、どうせ学校に行くのなら、学校を通うことを目的とした「学生ビザ」の取得をお勧めします。

そうすることで、ワーホリの期間を有効活用出来るだけでなく、ビザの面でも整合性が取れて、今後のビザ申請がシンプルになります。

私立カレッジに通える

私立カレッジの中には、6か月未満のプログラムを提供している学校もあります。

短期のプログラムには、ビジネスマネジメントやホスピタリティマネジメントのプログラムが多いです。

私立カレッジに通ってからワーホリビザを取ることで、よりレベルの高い就労先を見つける可能性が高まります。

ワーホリ申請のタイミングとメリット・デメリット

1年間フルタイムで働ける権利を無駄にしない、学生ビザを組み合わせる方法ですが、ワーホリビザはいつ申請するのが良いのでしょうか?

他のビザで入国してからカナダ国内でワーホリ申請するパターンと、渡航前に日本からワーホリ申請し、申請が下りてからカナダに入国するパターンがあります。

それぞれメリットとデメリットがありますので、ご自身に合う方を選びましょう。

パターン① 学生で入国後、カナダでワーホリビザ申請

ワーホリの抽選は、例年11月頃に、次年度の受付が始まります。

ただし、移民局の判断によるので、開始時期は読めず、大幅に遅れる可能性もあります。

また、ビザのプロセス期間(ビザ承認までにかかる期間)が長い場合、想定していた時期にワーホリの申請が下りないことも。

さらに、抽選は定員に達した時点で終了になりますので、渡航・申請時期によっては抽選に当たらないリスクがあるので、時期は慎重に検討しましょう。

稀ではありますが、コロナ渦のように、ワーホリの抽選自体が中止・行われない可能性もあります。

ただし、入国審査の際、オフィサーにワーホリビザを有効化されてしまうことは防げます

(入国時には、そもそもワーホリビザ申請をしていないので当然ワーホリビザを発行されることはありません)

パターン② ワーホリビザを事前に日本で申請/取得し、学生で入国

日本でワーホリ申請し、承認が下りてから渡航するパターンもあります。

この場合、ワーホリビザを事前に取得できるので、カナダに来てからワーホリに当たらなかったというリスクはありません。

また、すでに承認が下りているので、自分の希望する日にワーホリに切り替えることが出来ます。

(コロナなど特殊な場合を除きます)

ですがこちらの方法にもリスクはあり、それが入国時に誤ってワーホリビザが発行されてしまうことです。

ワーホリの承認を受けた状態で、観光や学生ビザで入国することは問題ありませんが、このルールを移民局のオフィサーが知らない場合があります。

信じられないと思うかもしれませんが、入国審査では、オフィサーがルールです。

きちんと説明できれば通常はワーホリビザが発行されることはないのですが、一度発行されてしまうと取り消しは非常に困難、基本的には出来ません

最近特に、このようなケースが増えていますので、このようなリスクがあるということを頭にとめておいてください。

ワーホリ前に学生ビザでカナダに入国する場合

学生ビザでカナダに入国することも可能です!

「学生ビザ」や「就学ビザ」という名称が一番流通していますが、正式には「就学許可証(Study Permit)」と言います。

簡単にいうとカナダ人以外の人がカナダで留学し、勉強するために必要な許可証が、学生ビザということです。

学生ビザの取得方法

では、学生ビザを取得するには、具体的にどうすればよいのでしょうか?

学生ビザはオンラインで申請することができます。

詳しくは「カナダ学生ビザの申請の手順」という記事で解説しています。

ワーホリ前に学生ビザで入国するメリット

学生ビザで入国する場合、いくつかメリットがあります。

学生ビザのメリット

  • ビザのステータスが安定している
  • 6か月以上学校に通うことができる
  • 銀行口座の開設ができる
  • 片道航空券での渡航が可能

では、1つずつ説明いたしますね。

ビザのステータスが安定している

観光ビザの場合「観光ビザ」という許可証自体は発給されませんが「学生ビザ」はカナダ入国時に許可証が発給されます。

許可証には、ビザの種類や期限が記載されており、ステータスが明確です。

空港でのビザ発給手続きについては、以下の記事もご覧ください。

他の国へ旅行しカナダへ再入国する際、ビザを持っているので、比較的スムーズに入国することができます。

6か月以上学校に通うことができる

6か月未満の場合は「観光ビザ」で就学可能ですが、逆を言えば、6か月以上カナダの学校で勉強することはできません。

学校に通う中で、通う期間を伸ばしたい!もっと勉強したい!という方もいらっしゃいます。

「学生ビザ」の場合は、6か月以上学校に通うことが可能です。(延長する期間によっては、学生ビザの延長が必要な場合があります)

銀行口座の開設ができる

ビザ(許可証)が発給されるため、カナダの銀行口座の開設ができます。

日本からカナダの口座に送金ができるのはもちろん、口座開設時に発行されるキャッシュカードは、デビット機能付きのキャッシュカードなので、口座にお金を入金すれば即日利用が可能です。

デビットカードがあれば、現金を持ち歩かなくて済みますし、支払い手数料やATM引き出し手数料がかからないので無駄や手間がかかりません。

片道航空券での渡航が可能

学生ビザの承認を受けた状態でカナダに入国するので、帰りの航空券を取得する必要はありません。

そのため、航空券の費用をおさえることができます。

【非推奨】ワーホリ前に観光ビザでカナダに入国する

「ワーホリビザと観光ビザを組み合わせる」と言っても、特別なことは何もしません。

ただ、ワーホリのことを黙って、観光ビザカナダに入国するだけです。

この件に関しては、カナダ移民局への質問と、その回答がウェブサイトに掲載されています

working holiday visitor
カナダ移民局ホームーページ「よくある質問」ページでの回答

内容をざっくりと訳すと、

質問:「私のワーホリビザが承認されましたが、私はまだ働きたくありません。しばらくの間、観光ビザでカナダに入国してもいいですか?」

答え:はい、あなたが観光ビザの条件を満たしていて、就労しないのであれば問題ありません。

Can I enter Canada as a visitor for now?

観光ビザの利用がおすすめできない理由

観光ビザでの入国には、注意してほしいことがあります。

観光ビザでカナダ入国時の注意点

  • 帰りの航空券が必要
  • eTAが必要
  • オフィサーからの指摘があれば正直に説明する必要がある

観光ビザで入国するので、半年以内に帰国する航空券eTAが必要になります。

また、入国審査官にワーキングホリデーの許可が既に出ている(または申請している)事を指摘されたら、嘘はつかずに「ワーホリの許可は得ているが、観光ビザが終わった後、ワーキングホリデーへ切り替えるつもり」と説明する必要があります。

ご注意ください

入国審査官の判断によっては強制的にワーホリが発行されてしまうこともあります。必ずしもこの方法での入国を保証するものではありません。

上記リスクを回避のため、ワーホリは、カナダに入国してからの申請がおススメです。

また、観光ビザはあくまでも短期間・観光目的での滞在を可能とすることを目的としたビザです。

カナダでのステータスはゼロ(居住者ではなく旅行者扱い)となり、生活にも様々な制約が課されます。

そのほか、今後のビザ申請・切り替えに不利益を及ぼすケースが増えています。

「観光ビザ」は取得が容易なので見落としがちですが、特に、長期滞在する可能性が少しでもある方にはリスキーな選択となりますので、おすすめはしておりません。

ワーホリを無駄にしない方法まとめ

ワーホリビザは年齢条件以外の条件が厳しくないので、比較的容易に取れます。

でも、ワーホリビザを安易に使って、せっかくの一生に一度の1年間を最大限活用しないのはもったいないです。

カナダで1年間好きな職場、職種で働けるって、本当に貴重なんですから!

ワーホリを100%活用するためのビザや学校の使い方についての相談も無料で承っています。

気軽にご相談くださいね♪

免責

ビザ申請、永住権申請の手続きや規定、ルールはカナダ移民局が予告なく頻繁に変更しています。

そのため、こちらのサイトに記載してある情報を元に何らかの判断を行う際には、弊社にご相談いただくか、カナダ移民局のウェブサイト等をきちんとご確認ください。

弊社のサイトは、ビザ申請、永住権申請に関する責任を負うものではございません

弊社サイトをご覧になってご自身でお手続きをすすめたり、他社に相談したりして生じたいかなる問題に関して、弊社では一切責任を負いません

執筆者 執筆者
村山まりえ

移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。

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