BC州独自の移民プログラム「BCPNP ELSS」とは?

BCPNP ELSS
監修者 監修者
村山まりえ

移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。

この記事をご覧の皆さんは、カナダに移住するために様々な方法があることをすでにご存知のことと思います。

地理的に日本に最も近く、在留日本人の数がカナダで最も多いバンクーバー。世界で最も住みやすい街としてランクインするこの街が属しているのが、ブリティッシュ・コロンビア (BC) 州です。

他の州と同様に、BC州でも独自の州推薦プログラムとして「BC PNP」を運営しており、今回は、そのプログラムの中でも特に「BCPNP ELSS」と呼ばれる中程度レベルの職種を対象にしたBC州独自の移民プログラムについて紹介していきます。

免責

ビザ申請、永住権申請の手続きや規定、ルールはカナダ移民局が予告なく頻繁に変更しています。

そのため、こちらのサイトに記載してある情報を元に何らかの判断を行う際には、弊社にご相談いただくか、カナダ移民局のウェブサイト等をきちんとご確認ください。

弊社のサイトは、ビザ申請、永住権申請に関する責任を負うものではございません

弊社サイトをご覧になってご自身でお手続きをすすめたり、他社に相談したりして生じたいかなる問題に関して、弊社では一切責任を負いません

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「BCPNP ELSS」とは?

本記事で紹介する「BCPNP ELSS」とは、日本語にすると「ブリティッシュ・コロンビア州運営の州推薦永住権取得制度の初等レベル及び準専門職対象プログラム」となります。
その名のとおり、「エントリーレベルセミスキルド」職が対象となるカテゴリーです。

そもそも、BCPNPとは?

BC」はご存知ブリティッシュ・コロンビア州、「PNP」は「Provincial Nominee Program」を指しますので、「BCPNP」は「ブリティッシュ・コロンビア州の州政府推薦プログラム」ということができますね。

そもそもカナダ政府は、私たちに馴染みのある日本とは違い、いわば次のような2層構造となっています。

  1. Federal ・・連邦政府、カナダ家としての政府のこと。
  2. Province ・・・州政府、いくつかの州と準州が合わさってカナダの連邦を形成しています。

そのため、永住権取得の制度も2層構造になっていて、全ての永住権申請は最終的にカナダ連邦政府に承認されますが、その過程において、

  1. 連邦政府のシステムを直接使って永住権申請する方法
  2. 各州政府に与えられた権限の中で週から推薦を受けて連邦政府に永住権申請する方法

の2つの方法が存在します。

そのため、各州政府は州ごとに独自の永住権推薦制度を設けており、州政府は連邦政府に対して永住権申請者を独自の権限で推薦 (Nominate: ノミネート) することができるのです。

カナダは非常に広く、地域によって特色が大きく異なります。各州が独自の審査基準を設けることで、より柔軟にその時その場所で必要な人材を移民させることができるような仕組みになっているんですね。それが「PNP」、州推薦プログラムということになります。

PNPに関する基本情報や、各州の使用プログラムの概要については、こちらの「PNPとは?州から移民推薦状をもらってカナダ永住権を取得しよう!」の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

ELSSはエクスプレス・エントリーとは連接できない州独自のプログラムですので、エクスプレス・エントリーと並行して使用することはできません。

ELSSとは?

「ELSS」は、「Entry Level and Semi Skilled(初等レベル及び準専門職)」の略称で、その名のとおり「エントリーレベルセミスキルド」職が対象となるカテゴリーです。

州の北東部の開発地域Northeast Development Region of the provinceで勤務する場合はすべてのTEER 「4」または「5」の職種が対象となり、観光業・接客業・長距離運送業・食品加工業・ヘルスケア職の中で、さらに指定された業種であれば、勤務地域を選ばずに対象となるカテゴリーです。

通常、カナダで「スキルド」「専門職」と呼ばれる職業レベルは、カナダの職業分類「TEER」においてレベル「3」以上を指します。例えば、カナダでの職歴を元に永住権申請を行う「カナディアン・エクスペリエンス・クラス」では、TEER「3」以上での職歴のみが計算の対象になっています。これはすなわち、大学や専門学校などで資格や経験を取得して行う職業が移民の前提とされているということができます。

しかし、州政府が独自に行う永住権推薦プログラム「PNP」では、その推薦対象や基準もすべて州政府の裁量に任せられていますから、よりフレキシブルに基準を作ることができます。

BC州は、観光業や接客業が高い需要をもちます。長距離運送業や清掃業はかねてより高い需要がありますし、またヘルスケア職はパンデミック禍においてその重要性が見直されたと言えます。
このようにELSSでは「スキルド職」以外にも移民の対象を拡大することで、より柔軟に必要な人材の獲得を目指しています。

BCPNP ELSSの対象職種

BCPNP ELSS プログラムで必要とされる職種にはどんなものがあるのでしょうか?

州北東部の開発地域を勤務地とすることで、すべてのNOC「C」「D」の職種を対象に本プログラムを利用することが出来ますが、一方、それ以外の地域を対象にした場合、対象職種として大きく分けて次の4つの分野があります。

  1. トラベルとホテルなどのホスピタリティ業
  2. ツアー、レクリエーション、カジノ業
  3. 飲食業
  4. 清掃業
  5. 食品加工業

対象職種の分野を見るだけで、今ブリティッシュコロンビア州がどんな人材を求めているのか分かりますね。つまりELSSの対象職種は次の条件に当てはまるものということが出来ます。

  • TEER「4」と「5」だけが対象
  • 上記の指定4職種なら地域問わず利用可能
  • 指定職種以外は北東部開発地域のみ対象

該当する職業名については、以下で詳しく紹介していきます。

トラベルとホテルなどのホスピタリティ業

バンクーバーやビクトリアをはじめとして、ブリティッシュ・コロンビア州は世界中から多くの観光客が訪問することから、ホスピタリティ産業が非常に盛んです。

TEER旧NOC職種名
643146525Hotel Front Desk Clerks (ホテルのフロント係)

ツアー、レクリエーションガイド、カジノ関連職

TEER旧NOC職種名
643206525Tour and Travel Guides (ツアー/旅行ガイド)
643226532Outdoor Sport and Recreational Guides (アウトドアスポーツ/レクガイド)
643216533Casino workers (カジノ従業員)

飲食関連職

TEER旧NOC職種名
643006511Maîtres d’hotel and Hosts/Hostesses (接客責任者)
643016512Bartenders (バーテンダー)
652006513Food and Beverage Servers (レストランなどのサーバー)
652016711Food Counter Attendants, Kitchen Helpers and Related Occupations
(軽食カウンター従業員/キッチン手伝い/関連支援職)

ホテル・リゾート雇用の清掃関連職

TEER旧NOC職種名
653106731Light Duty Cleaners (軽作業清掃員)
653116732Specialized Cleaners (専用清掃員)
653126733Janitors, Caretakers and Building Superintendents (用務員/管理人/監督者)
652106721Support Occupations in Accommodation, Travel and Facilities Set-Up Services
(宿泊/旅行/施設設定サービス業支援職)
653206741Dry Cleaning, Laundry and Related Occupations (ドライクリーニング/洗濯関連職)
653296742Other Service Support Occupations (その他のサービス業支援職)

食品加工業

食品や飲料の工場や販売店での製造に関する5職種もELSSの対象として指定されています。

お弁当の製造工場や缶詰工場などは日本人従業員の需要もあり、日本人にも有利な求人情報が出されることもあります。

TEER旧NOC職種名
941409461Process Control and Machine Operators, Food and Beverage Processing
(食品/飲料加工制御/機械作業員)
941419462Industrial Butchers and Meat Cutters, Poultry Preparers and Related Workers
(産業精肉業/肉切り屋/家禽下処理作業員/関連労働者)
941429463Fish and Seafood Plant Workers (魚介類工場作業員)
941439465Testers and Graders, Food, Beverage and Associated Products Processing
(食品/飲料加工の検査員/評価者)
951069617Labourers in Food, Beverage and Associated Products Processing
(食品/飲料加工の作業員)

BCPNP ELSSの申請条件

ELSSの申請をするためには、他のPNPのプログラムの利用と同じく次のようないくつかの条件をクリアする必要があります。

  • 居住場所の条件
  • 雇用契約する職種の条件
  • 賃金に関する条件
  • 就労経験に関する条件
  • 就労ビザに関する条件
  • 語学力の条件
  • 申請条件の維持に関する条件

居住場所の条件

申請者は、申請時点でブリティッシュ・コロンビア州内に居住している必要があり、その時点で国外や州外に居住している場合には、このプログラムを利用することが出来ません。

ブリティッシュコロンビア州議事堂

 雇用契約する職種の条件

先ほど紹介したとおりですが、BCPNP ELSSの利用には、対象職種である必要があります。

雇用に際して、雇用内容を提示する書類「ジョブオファー」をフルタイム・無期限の内容で雇用主より提示されていることが必要となります。

ジョブオファーは、一般的に次の内容を含むことが求められます。

  • 採用職業タイトル名とその責務
  • 支払われる賃金
  • 基準労働時間
  • 週平均30時間以上のフルタイムで期限を定めない、年間を通じたものであること
  • 法定の賃金以外の待遇内容 (年金、医療保険、障害保険、病気休暇、住居・食事手当てなど)
  • 有給休暇
  • 組合関連の合意事項

賃金に関する条件

年収の条件は大きく分けて、①最低条件以上であることと②合理的な賃金であることの2つがあります。

①最低条件以上であること

申請時点で、基準以上の最低収入条件をクリアしている必要があります。基準要素は次の2つです。

  • 家族規模 (本人プラス、一緒に申請を行う配偶者やこどもの数)
  • 勤務地域 (グレーターバンクーバー地域かそれ以外か)

家族規模が多ければ、それだけ養う人数も多くなり経済的な責任も大きくなります。その分ハードルが高めに設定されるのも理解できますね。また、グレーターバンクーバーとそれ以外の地域では、一般的に賃金レベルに差が生ずることがありますので、そこら辺も考慮されています。

ここでの年収とは、あくまでもジョブオファー内で提示されたものです。一般的には、時給でのオファーのケースが多いため、イメージしやすいように下に示した一覧表の中では、換算時給額を併記しています。

家族の規模グレーターバンクーバー地域 左記以外の地域
本人のみ$26,426 (時給$12.70)$22,024
2名 (+配偶者など)$32,899 (時給$15.81)$27,418
3名 (+配偶者+子など)$40,445 (時給$19.44)$33,706
4名$49,106 (時給$23.60)$40,925
5名$55,695 (時給$26.77)$46,416
6名$62,814 (時給$30.19)$52,350
7名以上$69,935 (時給$33.62)$58,284

②合理的な賃金であること

続いて、オファーされる賃金が合理的でなければならないという条件についてです。

そのオファーされた職業名の市場レートに見合ったもの、すなわち中間賃金以上である必要があり、同等の学歴や職業訓練、職歴のバックグラウンドをもつカナダ国籍保持者やカナダ永住者と比較しても説明ができること、雇用主が他に雇う従業員などと比較しても一貫性があることが求められます。

極端な話で言うと、より高得点を得るために年収を●000万円でオファーしてしまおう!などという目論見が、現実的に通用しないということですね。

中間賃金とは、その職業で働く人の給与を並べたときに平均値ではなく、中間値となるものを示した賃金です。例えば、90%の労働者が20ドルの時給で働く職業があるとして、5%は16ドルで、残りの5%が極端に1000ドルをもらっていたとしても、基本的には中間値をとることで20ドルということができます。

上記の2つの賃金計算は、基本給のみでカウントするため、残業代や追加手当、ボーナス、交通費、チップなどを考慮することができませんので、職種によっては注意が必要です。

就労経験に関する条件

就労経験に関する条件として、対象職種で週30時間×連続9か月以上の就労経験が必要です。

ジョブオファーが根拠になるため、同じ職種でも雇用主が変わってしまうとカウントはリセットされていまいますし、間を空けることなく連続で週30時間のフルタイム労働を9か月間維持するということも簡単なことではありません。

法的には、年次休暇 (Annual vacation leave) を利用する場合には、その就労期間の「連続」カウントが途切れることなく再開できるうえ就労時間としてカウントできることとされています。一方で、育児休暇、病気休暇、2週間を超える休暇などの場合は、途切れることなく再開できるものの、その期間の就労時間カウントはストップしますので、休養を取る場合でも、どの枠組みを使っているのかは明確にしていきたいですね。

就労ビザに関する条件

上記のエクスプレス・エントリーの申請条件を満たすための「カナダでの職歴」をカウントするためには、有効な就労ビザを保有して就労していることが条件となります。すなわち、学生ビザをもってパートタイムで就労していた期間や、ボランティアでの期間は就労期間としてカウントすることができません。

しかし、NOCスキルレベル「C」と「D」のみが対象となるELSSでは、就労ビザを発行してもらい働くという選択肢がありません。
そのため、このプログラムを利用するための就労時間を満足するために必要な就労ビザは、理論上次の種類だけに限定されます。

人生で一度きり使えるカナダでのワーホリを使ってしまったり、すでに31歳を超えてワーホリ申請ができない場合などで、このプログラムを使う方法にお悩みの場合は、まずは弊社までお気軽にご相談ください。

語学力の条件

永住権申請に際して公式に認可を受けている「IELTS」「CELPIP」などの公式試験で、過去2年間以内に必要なスコア、すなわちカナダ式語学力基準 (CLB) 「4」以上の結果を取得していることが求められます。

リスニングリーディングライティングスピーキング
IELTS4.53.54.04.0
CELPIP4444
CLB「4」の参考値

申請条件の維持に関する条件

上記のような申請時に必要な各種条件を、申請期間中は常に維持しておく必要があります。

簡単そうに見えるこの条件ですが、英語の最低条件はクリアしていても最終的に招待状が来るための点数に達しない場合や、最低基準となる収入額が物価上昇により改訂されたり、雇用主との就労条件の契約に変更が生じすることも考えられます。様々な要因により、この条件を維持することができなくなることも十分考えられますので、油断してはいけない条件ということを覚えておいて頂きたいと思います。

なお、申請への招待 (ITA: Invitation to Apply) を受領した時点で就労ビザが期限切れになる事態は容易に想像できます。通常は雇用主に就労ビザを発行することをサポートしてもらうなどして、就労ビザを維持することが必要ですが、ELSSではそれが出来ないため、次のような救済措置が設定されています。

登録を行った時点で9か月間の連続した就労期間をクリアしており、引き続き有効なジョブオファーがあり、雇用主が引き続き積極的な求人を行っている場合には、就労ビザが期限切れになったり帰国してしまった、または観光ビザへ変更がされたとしても、申請条件は維持されているとみなすことができます。

申請者自身に関する条件のまとめ

  • ✅ BC州に居住していること
  • ✅ BC州内で対象職種のフルタイム・無期限のジョブオファーを取得していること
  • ✅ 家族規模・勤務地域に見合った基準以上の年収があること
  • ✅ オファー賃金が合理的な範囲であること
  • ✅ 対象職種で週30時間×9か月以上連続で就労していること
    ✅ 有効な就労ビザを保有して就労していること
  • ✅ 語学力がCLB「4」以上であること
  • ✅ 申請条件を期間中は常時維持すること

BCPNP ELSSの対象事業者

BC PNPを利用するための条件として、「申請者自身の条件」を上記で述べきました。
実際には、その他に、雇用してくれる事業者 (雇用主) に対する条件もいくつかあるので紹介します。

  • 法人登記・事業所登記に関する条件
  • 操業期間に関する条件
  • 従業員数に関する条件
  • 求人広告の掲載に関する条件
  • 株式保有に関する条件

法人登記・事業所登記に関する条件

事業者が、ブリティッシュ・コロンビア州内に法人登記または事業所登記をし、有効な営業許可を得て、物理的に州内に拠点を構えてビジネスを行っている必要があります。

本社がBC州にない場合でも、州内に1つ以上の事業登記をした事業所が運営されていれば、条件的には問題ありません。

 操業期間に関する条件

事業者が、ブリティッシュ・コロンビア州内で2年間以上の操業実績があることが必要です。

従業員数に関する条件

事業規模や従業員数に関する条件として、事業者が無期限でフルタイムの従業員を5名以上雇用していることが必要です。
グレーター・バンクーバー地域以外の場合は、3名以上が条件です。

 求人広告の掲載に関する条件

事業者は、申請者がBCPNPを申請する前に14日間以上、所定の方法でカナダ国籍保有者やカナダ永住者を対象として求人広告を掲載し、求人を行う必要があります。

 株式保有に関する条件

申請者が、事業者の株式などの所有権を10%以上を保有していないことが条件となります。
雇用主に対する条件というよりは、こちらも申請者自身の条件のひとつということもできますね。

事業社 (雇用主) に関する条件のまとめ

  • ✅ ブリティッシュ・コロンビア州内に法人登記または事業所登記があること
  • ✅ ブリティッシュ・コロンビア州内に物理的に拠点があり有効な営業許可があること
  • ✅ 2年以上BC州内で操業している実績があること
  • ✅ 5名以上の無期限のフルタイム従業員を雇用していること
  • ✅ 14日間以上の求人広告掲載していること
  • ✅ 申請者が事業者の所有権を10%以上持っていないこと

働き始める前に確認しておきたいこと

これまでの項目で、申請者自身の条件や、雇用主に関連する条件を紹介してきました。

いざ申請をしよう!という場面で、条件に合致していないことが判明するという最悪のシナリオを避けるべく、本記事をご覧の皆さんは、働き始める前に次の視点でもう一度雇用条件について一緒に確認してみましょう。

  • オファー職種の確認
  • 雇用主が事業者の条件を満たしているか確認

オファー職種の確認

本記事では、様々な職種がELSSの対象になることを紹介してきましたが、ご自身がオファーされたのELSSの対象となっていることをしっかり確認してください。

例えば、同じ食品関係の業種で働く場合でも、調理師やシェフなどの職種としてオファーがあると、スキルド職ではありますが、本プログラムELSSの対象ではなくなります。

雇用主が事業者の条件を満たしているか確認

雇用主が事業者としての条件を満たしているか、事業実態を調査してみましょう。

BC州内での操業歴や従業員数については、働き始める前に確認することができるかと思います。
ご自身がBCPNPで永住権申請を追求したい旨を事前に話しておき、協力してもらえるかについて確認しておきましょう。やや聞きづらい内容かもしれませんが、雇用主がBCPNPの条件を満たしていないことが働き始めてから判明したり、申請に協力してくれなかったりして困るような事態を回避するためには、働き始める前に確認しておくのが理想的です。

雇用主にお願いすること

雇用主がBCPNP申請に協力してくれるとしても、実際にはどう協力していいか分からないケースも珍しくありません。
何をお願いすべきかをご自身がよく理解しておき、具体的に何をして欲しいのかについてお話しできることが円滑に申請を進行させるコツになってきます。
実際には、就労ビザを発行するほどBCPNP申請は、雇用主の負担を要しません。つまり、雇用主に、多額の費用負担や審査を受ける必要はありません。しかし、以下の作業が必要です。

  • 申請の前に14日間以上の求人広告掲載を行うこと
  • Employer Portalというオンライン登録を行い、登録料$230を支払うこと
  • 申請者の雇用を証明する書類を作成すること
  • 雇用主の業歴などを証明する書類を作成すること

就労ビザの申請の際に必要となるLMIAに比べれば、負担は大きくありませんが、それでも雇用主の協力が絶対的に必要です。

公立カレッジや大学を卒業して取得できるポスグラビザやワーホリなど、9か月以上の職種を限定しないで働ける就労ビザをお持ちであれば、ELSSの申請の経験と理解のある雇用主を紹介できる場合もありますので、お気軽にご相談ください。

BCPNPのポイントシステムで点数を計算する

申請者自身、職種や雇用主 (事業者) など必要な条件をすべてクリアしたら、やっと申請のスタートラインに立つことができます。

BCPNPでは、「SIRS :Skills Immigration Registration System)」と呼ばれる独自の点数計算システムを運営しており、そこで定期的に実施されるドローイング (抽選) により合格基準点が示されます。その回で審査通過された候補者の中の最低点を意味するので、それより高い点数を有していた場合に、審査通過となり、次の申請の段階に進むことができます。
ELSSの場合は、最大155点満点の配分となります。

ここでは、具体的にどういった条件で何点の数字が与えられるのかを詳しくみていきます。


経済的要素 (Economic Factors)  計75点

  1. BC州のジョオファーにおけるスキルレベル要素 15点
  2. BC州のジョオファーにおける賃金要素 50点
  3. 勤務地域要素 10点

人的財政的要素 (Human Capital Factors)  計80点

  1. 直接関連のある過去の職歴要素 25点
  2. 個人の最高学歴要素 25点
  3. 語学力要素 30点

経済的要素 (Economic Factors) 合計110点の内訳について

75点分が与えられる「経済的Economic要素Factors」では、雇用主により提示されたジョブオファー内に示されるNOCコードによるスキルレベル分類年収賃金主な勤務地に応じた点数配分です。

BC州のジョオファーにおけるスキルレ ベル要素 15点

ジョブオファー内で提示されるポジション名のスキルレベルに応じた点数を基本点として得ることが出来ますが、ELSSはスキルレベルTEER「4」と「5」を対象としたプログラムですので、ここは一律に5点の基本点となります。
そのジョブオファーの職種で現在就労中である」場合には、追加点が与えられます。

基本点要素

スキルレベル点数
TEERスキルレベル「4」「55点

追加点要素

追加点要素点数
登録職種で現在BC州内でフルタイム雇用されている10点

BC州のジョオファーにおける賃金要素 50点

ジョブオファー内で提示される賃金に応じて最大50点分が割り振られています。

まずは、申請する家族の規模に応じた最低収入条件以上が提示されていることが求められます。
当然、永住権をともに申請する家族規模が大きくなればなるほど、その責任が大きくなることから、必要な申請条件は厳しくなっていきます。

家族の規模グレーターバンクーバー地域 左記以外の地域
本人のみ$26,426 (時給$12.70)$22,024
2名 (+配偶者など)$32,899 (時給$15.81)$27,418
3名 (+配偶者+子など)$40,445 (時給$19.44)$33,706
4名$49,106 (時給$23.60)$40,925
5名$55,695 (時給$26.77)$46,416
6名$62,814 (時給$30.19)$52,350
7名以上$69,935 (時給$33.62)$58,284
表: 家族規模、勤務地域による最低条件

上の表の中で、括弧内で2列目に示しているのが、週40時間労働で換算した場合の時給です。多くの方にとって、時給換算の方がしっくりくると思い算出して掲載していますので、参考にしてください。
夫婦だけ、などのように家族2名での申請であっても、最低賃金 (BC州では$15.65) での労働ではクリアできない水準です。

年収時給換算 (週40時間計算)点数
$100,000 以上$48.08以上50点
$97,500 ~ $99,999$46.88 ~ $48.0838点
$95,000 ~ $97,499$45.67 ~ $46.8837点
$92,500 ~ $94,999$44.47 ~ $45.6736点
$90,000 ~ $92,499$43.27 ~ $44.4735点
$87,500 ~ $89,999$42.07 ~ $43.2734点
$85,000 ~ $87,499$40.87 ~ $42.0733点
$82,500 ~ $84,999$39.66 ~ $40.8732点
$80,000 ~ $82,499$38.46 ~ $39.6631点
$77,500 ~ $79,999$37.26 ~ $38.4630点
$75,000 ~ $77,499$36.08 ~ $37.2629点
$72,500 ~ $74,999$34.86 ~ $36.0828点
$70,000 ~ $72,499$33.65 ~ $34.8627点
$67,500 ~ $69,999$32.45 ~ $33.6526点
$65,000 ~ $67,499$31.25 ~ $32.4525点
$62,500 ~ $64,999$30.09 ~ $31.2524点
$60,000 ~ $62,499$28.87 ~ $30.0923点
$57,500 ~ $59,999$27.64 ~ $28.8722点
$55,000 ~ $57,499$26.44 ~ $27.6421点
年収時給換算 (週40時間計算)点数
$52,500 ~ $54,999$25.24 ~ $26.4420点
$50,000 ~ $52,499$24.03 ~ $25.2419点
$47,500 ~ $49,999$22.84 ~ $24.0318点
$45,000 ~ $47,499$21.63 ~ $22.8417点
$42,500 ~ $44,999$20.43 ~ $21.6316点
$40,000 ~ $42,499$19.23 ~ $20.4315点
$38,750 ~ $39,999$18.63 ~ $19.2314点
$37,500 ~ $38,749$18.03 ~ $18.6313点
$36,250 ~ $37,499$17.43 ~ $18.0312点
$35,000 ~ $36,249$16.83 ~ $17.4311点
$33,750 ~ $34,999$16.26 ~ $16.8310点
$32,500 ~ $33,749$15.63 ~ $16.269点
$31,250 ~ $32,499$15.02 ~ $15.638点
$30,000 ~ $31,249$14.42 ~ $15.027点
$28,750 ~ $29,999$13.82 ~ $14.426点
$27,500 ~ $28,749$13.22 ~ $13.825点
$26,250 ~ $27,499$12.62 ~ $13.224点
$25,000 ~ $26,249$12.01 ~ $12.623点
$25,000 未満$12.01未満0点

勤務地域要素 10点

勤務地域によっても追加点が与えられることがあります。
メトロ・バンクーバー地域では追加点がありませんが、ビクトリアやナナイモ地域では2点、スコーミッシュでは8点などと差があり、大きな点数要素であることが分かります。

地域名点数
スティキーン地域 /中央沿岸部地域 /北部ロッキー山脈 地域 / ワディントン山岳地域 /スキーナクイーンシャーロット地域 / パウエルリバー地域 /サンシャインコースト地域 / クーテネイ境界部地域 /アルバーニクラクワット地域10点
キティマット・ティキーン地域 /バルクレー・ネチャコ地域 / スコーミッシュ・リルエッ地域 /ストラスコ地域 / コロンビアシュスワッ地域 /東部クーテネ地域8点
ピースリバー地域 /コモックス・バレー地域 / カリブー地域 /中央クーテネ地域6点
オカナガンシミルカミーン地域 /カウチンバレー地域 / 北部カナガン地域 /フレイザー・フォートジョージ地域4点
トンプソンニコラ地域 /ナナイモ地域 /中央オカナガン地域 / 州都地域 /フレイザー・バレー地域2点
メトロバンクーバー地域0点

人的財政的要素 (Human Capital Factors) 合計80点の内訳について

80点分が与えられる「人的財政的要素Human capital factors」は、BC州の経済に貢献できる個人の技術skills経験experience能力competenciesを指標として点数配分されています。

直接関連のある過去の職歴 要素 25点

オファーされた職種と「直接関連のある」過去の職務経験があれば、カナダ国内外を問わず、ポイントを加算することができます。
例えば日本での過去の職務経験を証明するためには、在職証明書や上司からの推薦状、給与明細や源泉徴収票などの給与証明などの提出が必要になります。

「カナダで1年以上直接関連のある職歴がある」場合には追加点を得ることが出来ます。

この「直接関連のある」と「職歴」の定義的な条件としては、次のようなものがあります。

  • 同一のNOCであるのがベスト
  • 上位スキルレベルのNOCの場合はどう直接的に関連するかを説明することが必要
  • 下位スキルレベルのNOCはカウント不可
  • 年数は週30時間以上フルタイムの場合に算出可
  • 週30時間未満のパートタイムの場合、加算は可能だが、フルタイムの50%でカウント
  • カナダ国内だけでなく、海外の経験もカウント可能
  • 対象は過去10年間
  • 給与が支払われた職歴のみが対象でボランティア給与支給が証明できないものはカウント不可
  • 給与が支払われたCo-opでの就労経験も上記の条件に合致すればカウント可能

基本点要素

関連職歴点数
60か月以上 ( 5年以上 )15点
48か月 ~ 59か月 ( 4年 ~ 5年未満 )12点
36か月 ~ 47か月 ( 3年 ~ 4年未満 )9点
24か月 ~ 35か月 ( 2年 ~ 3年未満 )6点
12か月 ~ 23か月 ( 1年 ~ 2年未満 )3点
12か月未満 ( 1年未満 )1点
なし0点

追加点要素

追加要件点数
申請職種に直接関連するカナダにおける職歴 1年以上10点

個人の最高学歴要素 25点

カナダ国内外の学歴に関する点数要素が最大25点配分されています。

日本などカナダ国外の学歴を点数化する場合、特定の審査機関による学歴査定 (Educational Credential Assessment、通称ECA) を利用して証明を得ることができれば、追加点を獲得できます。
また、最高学歴がカナダのカレッジや大学だった場合には、追加点6点、BC州内の学校の場合には8点とされています。

この追加点について注意しなけれならないのは、たとえ2つ以上に該当する場合でも、1つ分でしか加算することができない点です。ほかにも、学歴の定義として次のような条件が設定されています。

  • 個人の最高の学歴のみが対象 (大学院を卒業し修士号を取得した場合に、大学卒業時の学士号の分も合わせてカウントは不可)
  • 完全に修了している学歴のみが対象 (部分的な卒業・修了はカウント不可)
  • 6か月以上の教育期間のみが対象
  • 遠距離教育プログラム (distance education learning program) はカウント不可
  • 基本点要素追加点要素も1つずつのみ選ぶことができ、重複して点数取得は不可

基本点要素

最終学歴点数
修士号博士号17点
大学院卒業卒業証明/卒業証書 11点
学士号(大学卒業) 11点
高卒後教育の修了証明書(職人)11点
准学士号4点
高卒後教育の修了証明書(一般)2点
高校卒業またはそれ未満0点

追加点要素

追加点要素点数
高卒後教育をBC州完了している8点
高卒後教育をBC州以外のカナダ国内で完了している6点
認定機関の学歴査定を得ている4点
BC州の職業訓練/教育産業研修機関(ITABC’s) 修了している4点
  • 大学院卒業卒業証明/卒業証書
    大学卒業後 行う教育で得られた卒業証明や卒業証書が対象
    一般的に大学や大学院が発行するもので、通常2学期分以上の学校教育期間を要するもの
  • 高卒後教育の修了証明書 (職人)
    教育を受けた国がその教育を「職人教育」と認定していることが条件
    これが個人の最高の学歴に該当する場合には、申請時にそれを証明する書類の提出が必要
    教育を受けた経験があってもこの証明を受けておらず申請時に提出できない場合には、この項目での加点は不可
  • ESLなどの語学学校遠距離教育プログラム
    追加点の学歴の対象外
  • 認定機関からの学歴査定を受けることによる追加点については、最高学歴がカナダ国外の高卒後教育機関 (カレッジ等) の修了であり、WESなどの認定機関による学歴査定を経て外国での学歴として認められた場合が対象
    学歴を得た国が発行する内容に応じて学歴点が付与
    たとえば、カナダ国外の大学院等で修士号を取得したものの、学歴査定を通じそれが学士号相当である評価された場合でも、基本点要素となる最終学歴の項目では修士号に該当する17点を得ることができ、追加点要素の項目では学歴査定結果があるということで4点の追加点を得ることが可

語学力要素 30点

最大30点分の英語またはフランス語による語学力による点数要素です。

多くの方が利用する英語の場合、IELTSやCELPIP等の公式英語テストのスコアを利用することができます。カナダ式語学力基準 (CLB) という点数評価に換算して使用しますが、CELPIPはカナダ移民のために作られた試験ですので、スコアを換算せずにそのまま読み替えることが出来ます。

語学点に関する条件は。、次のとおりです。

  • 試験結果の提出が必要
  • IELTS (ジェネラル) / CELPIP (ジェネラル) / フランス語試験TEFのいずれかの認定試験であること
  • 4科目の最低点となるCLBに応じて付与
  • 試験結果発行日から2年間有効
  • 登録時だけでなく審査通過後の申請時点でも有効であること
CLB点数
10以上30点
926点
822点
718点
614点
510点
46点
4未満 / 試験結果なし0点

必要な点数はどれくらい?

ご自身が現在でどれくらい、またこうした条件をクリアすればこれくらいというおおまかな獲得点数を理解されたかと思います。

では、この点数は実際にどのように使われているのでしょうか?
それを知るためには、BC州政府が年間を通じて行っているPNPの各申請カテゴリーにおける「Drawing」(抽選) の結果を追う必要があります。

ドローイングについて

これは、該当プログラムの最低点 (カットオフスコア) を示すもので、それ以上の点数を保有している人には、申請を行う権利を招待する招待状 (Invitation to Apply、通称ITA) が付与されるというものです。

BCPNPでは、2週間に1回程度の頻度でドローイング (抽選) が行われています。
最近では、利用プログラムや対象職種を限定した部分的なドローイングも増えてきています。

ドローイング点数

ELSSカテゴリーにおけるエクスプレスエントリー利用のカットオフスコアを一覧にしてみると、パンデミック直前から現在まで、おおよそ次のような点数で推移しています。

年間の最低点数年間最大点数
2019年6780
2020年7585
2021年6885
2022年7682
2023年8287(7月現在)

「80点」を取るモデル: かえでさんのケース

では、一体どういった人が「80点」を取ることができるのか、かえでさんのケースをモデルにシミュレーションしてみましょう。

かえでさんの基本情報

  • 年齢28歳
  • 日本の4年制大学を卒業
  • 日本で調理師としてフルタイムで2年間の就労経験あり
  • キッチンヘルパーとして1年間のパートタイム就労経験あり
  • 英語力はIELTSで全科目5.5
  • BC州の私立カレッジのCoop留学でカナダに渡航
  • Coopで半年間フルタイム就労
  • Coop就労先の雇用主から継続して雇用したい旨オファーを受ける
  • ワーホリに切り替えてから同ポジションで連続1年間フルタイムで就労

ジョブオファーの内容

  • フルタイム、無期限
  • ポジション名「キッチンヘルパー」
  • 時給16.50ドル
  • 勤務地はバンクーバーのダウンタウン

就労先の基本情報

  • 創業3年のレストラン
  • 本店はカルガリーだが、BC州にも支店がありBC州の営業許可を持っている
  • フルタイム従業員はかえでさんを含め6名、パートタイムが3名
  • かえでさんの就労ステータス獲得に協力的

  1. スキルレベル: レベルD+現在フルタイム雇用⇒ 15点
  2. 賃金: 年収換算で$34,320⇒ 10点
  3. 勤務地域メトロバンクーバー地域0点
  1. 直接関連のある過去の職歴: 計4年+カナダ職歴1年⇒ 22点
  2. 個人の最高学歴: 日本の4大+BC州で私立カレッジ卒⇒ 19点
  3. 語学力: CLB6⇒ 14点

  合計80点

※Coop期間は、連続9か月のための就労期間としてのカウント不可だが、関連職歴期間としては考慮可能

BCPNP ELSS の申請方法

申請条件をすべて満たし、ドローイングの最低点数以上が見込めるポイントが確保できたら、いよいよ登録や申請を行うことが出来ます。

登録や申請には、ブリティッシュ・コロンビア州に対するもの、連邦政府に対するものとそれぞれにいくつかのステップがあります。

BCPNPに登録

BCPNP申請の最初のステップは、BCPNPのオンライン登録です。
いくつかあるBCPNPの制度の中から、「ELSS」を選択肢、ご自身の情報を入力していきます。この時点では、書類添付の必要はありません。

この登録作業を行う前に雇用主が「Employer Portal」に登録を行っておく必要があります。個人のBCPNP登録にあたり、雇用主の登録番号の入力が必要になるためです。また、雇用主は登録の14日以上前から、所定の求人広告を行っている必要があります。

インビテーションが送られてくる

自分の登録したポイントが、ドローイングの最低点よりも高かったら、申請招待状 (ITA、インビテーション) がオンラインで送付されます。このインビテーションを受け取った日から30日以内BCPNPの申請を完了させる必要があります。

ブリティッシュコロンビア州への申請

インビテーションが届いたら、やっとBCPNPの申請を行うことができます。

申請に必要な書類

BCPNPの登録に関する情報の裏付けとなる資料を添付します。

  • ジョブオファー
  • 年収の証明
  • 過去の職歴
  • 学歴の証明
  • 英語力の証明
  • 雇用主が条件を満たすことの証明 など

ブリティッシュコロンビア州への申請期間

BCPNPの申請は、3か月程度で手続きが完了し、州からの正式な推薦状 (ノミネーション) を受けることが出来るのが標準です。

しかし、現在すべての手続きに遅延が生じており、往々にしてこの審査期間や手続きが長引くことが予想されます。余裕をもって手続きを進められるように準備をするとともに、万が一長引いてしまってもカナダで働けるような滞在根拠を確保しておくことが重要です。

連邦政府への申請

ブリティッシュ・コロンビア州のノミネーションがもらえたら、180日以内連邦政府への申請を完了させます。

申請に必要な書類

申請に必要な書類はBCPNPの申請時とほぼ同じですが、連邦政府への申請に際して初めて求められるものもあります。

  • ジョブオファー
  • 年収の証明
  • 過去の職歴
  • 学歴の証明
  • 英語力の証明
  • 雇用主が条件を満たすことの証明
  • 健康診断証明
  • 警察証明 (無犯罪証明) など

健康診断や警察証明は、取得から時間が経ち過ぎた書類は認められないため、適切なタイミングで取得プロセスを開始するのが重要になります。ご不安がある場合には、弊社にお気軽にお問い合わせ下さい。

また、日本とカナダ以外にも、18歳以降になってから6か月間以上滞在経験のある国がある場合には、その国での警察証明の提出も必要になります。複数回の滞在でも、合計で6か月を超える場合には対象になってしまいます。

カナダ以外の国にワーホリ経験があるような方や、短期出張でも同じ国に何度も入国しているような場合には、その国の警察証明の手続きも考慮に入れた計画が必要になります。

連邦政府への申請期

ELSSでは、エクスプレス・エントリーなどを利用できないことから、州政府独自の審査や手続きを受けることが必須になります。標準の審査期間はおおよそ15か月間と言われており、更に処理案件が非常に多く手続きに時間を要している現在、これよりも遅延することが予想されます。

申請者自身の条件に関する項目でも紹介したとおり、申請条件のひとつに「申請条件を維持し続ける」というものがあります。標準審査期間が長めに設定されている上に、手続きや審査業務の遅延が予想されることから、この条件が非常に重要かつ維持が難しいということがお分かりいただけるかと思います。ある程度長い期間のあるポスグラビザなどがある場合は別として、通常は雇用主に追加の就労ビザの発行をサポートしてもらい、登録後の審査期間も同じ就労を続ける必要があります。

BCPNP ELSS まとめ

  • 特定の職種で9か月間ブリティッシュコロンビア州で働くと申請できる
  • 特定の職種の分野は観光・飲食業、食品加工業、長距離トラック運転手
  • 申請者自身には年収、英語力などの条件がある
  • 雇用主 (事業者) にも事業歴、従業員数などの条件がある
  • 雇用主の負担はLMIAが必要となる就労ビザの発行よりもずっと少ない
  • ポイントシステムでドローイング最低点数以上のポイントを得る必要がある
  • 申請は、ブリティッシュコロンビア州、連邦政府にそれぞれに行う必要がある
  • 申請期間中、申請時の条件を常に満たしている必要がある (就労ビザの延長が必要)

これまで紹介してきたBCPNP ELSSは低い専門性の職種で、9か月という短い期間で申請条件を満たすことができる、比較的永住につながりやすい制度です。
しかし、ドローイングに関する点数条件も比較的低めですが、エクスプレス・エントリー・システムを利用することができず、標準の審査期間は15か月と長めであること、その間にも申請条件を維持しないといけないので、長期的な戦略をもって利用する必要のあるプログラムであると言えます。

最終的に永住権を取得するまでは長い道のりになりますが、まずはその第一歩として、弊社にお気軽にご相談ください!

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執筆者 執筆者
村山まりえ

移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。

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