カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
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カナダ国内から就労ビザや学生ビザを申請して承認された時に、ビザの発給を受けるためにカナダをいったん出国して、再入国する必要がある場合があります。
日本に行く機会があれば、日本からカナダに戻ってきた時に、空港でビザをもらえばよいのですが、時間もお金も掛かるので、簡単には日本に帰れませんよね。
そんな時は、アメリカに陸路で出国、再入国するのが便利です。
でも、国境を越えるのって緊張しますよね。国境にいる係員の人ってコワモテの人が多いし。
ご安心ください。カナダ生活21年の専門家だから知っている、ビザ切り替えにおすすめの国境事務所やビザ切替えの手続きの方法をご紹介します。
このページの目次
【注意】フラッグポールでトラブルが散発しています
2023年6月現在、フラッグポールにおいて「ビザが正常に有効化されず、その後の手続きができなくなる」というトラブルが発生しています。
ビザ原本を受け取ったのに、実は有効化されていなかった、つまり「(担当オフィサーが)ビザを発行(印刷)したが、システム変更を行わなかった(システム上は有効化されていない)」という事態です。
厄介なことに、「受け取ったビザがアクティベート状態(有効)がどうか」は、ビザ原本を見るだけでは分かりません。
ですので、記載内容はもちろんのこと「アクティベート状態になっているか」も、オフィサーに確認した方よいかもしれません。
フラッグポールとは?=カナダ〜アメリカ国境でのビザ切替え
「Flag Pole(フラッグ・ポール)」とは、ビザ切替えのために、カナダとアメリカの国境に行って、出国してすぐ再入国することを指します。
カナダ国内からカナダのビザを申請すると、申請内容によっては
- 完成したビザが送られてくる場合
- 「Port of Entry(ポートオブエントリー)」という、ビザの引換券のような書類が送られてくる場合
があります。
②のポートオブエントリーとは、カナダに入国した時にビザを発給してもらえる書類です。
ビザをもらうために、カナダをいったん出国して再入国しなければなりません。
この際にフラッグポールを行うと、ビザをスムーズに切替えられるのです。
カナダとアメリカの国境の旗の周りを回ってすぐ戻ってくる感じが、フラッグ・ポールという名称に表れていますよね。
フラッグポールはどこでできる?
フラッグポールは、国境事務所で行います。
カナダとアメリカは陸続きなので、カナダとアメリカを結ぶ道路には国境事務所が設けられているのです。
どこの国境事務所に行っても手続きの方法は同じですが、どうせなら混んでいないところがいいですよね。
そこでバンクーバーに住む人にお勧めなのが、「Point Roberts(ポイント・ロバーツ)」というアメリカの街との間の国境事務所です。
フラッグポールができる「ポイント・ロバーツ」ってどんなところ?
ポイント・ロバーツはバンクーバーから車で1時間くらいで行けるアメリカの都市です。
下の地図で見てもらうと分かるのですが、半島の先っちょのところだけ、アメリカ領にはみ出しています。
これは、カナダとアメリカの国境を北緯49度線に沿って定めたためです。
半島の先っちょしかありませんが、ポイント・ロバーツはれっきとしたアメリカの都市なのです。
ポイント・ロバーツがおすすめである理由
ポイント・ロバーツは、以下の理由でフラッグポール(ビザ切替え)におすすめです。
ポイント・ロバーツをビザ切替えにおすすめする理由
- バンクーバーから直線距離で一番近くにあるアメリカ国境であること
- 国境を越える交通量が多くないので、空いていること
- バンクーバーからスカイトレインとバスを使ってアクセス可能なこと
バンクーバーから近いのは上の地図で見れば一目でわかりますよね。
日常生活でこの国境を行き来する人は多くないため、混んでいないのです。
ただし、時間の制限があるので、以下の時間内に行ってください。
ポイント・ロバーツの営業時間
月〜木曜日
10:00〜14:00
スカイトレインとバスを使ったアクセスについて、次で確認しますね。
フラッグポールができるポイント・ロバーツへの交通アクセス
バンクーバーのウォーターフロント駅からポイント・ロバーツの国境までのアクセスをご紹介します。
スカイトレインとバスを乗り継いで、片道1時間半くらいで行けますよ。
スカイトレインで、Bridgeportまでいく
まずバンクーバーダウンタウンのウォーターフロント駅からスカイトレイン(カナダライン)に乗って、Bridgeport(ブリッジポート)の駅まで行きます。
バス601に乗ってSouth Delta Exchangeまでいく
ブリッジポートに着いたら、601番のバスに乗って、「South Delta Exchange」まで行きます。
別の行き方もあります
601番のバスをSouth Delta Exchangeで降りずに、終点の一つ手前の「SB 54 St NS 2 Ave」というバス停まで乗っていくこともできます。
この場合、歩く距離が500メートルくらい長くなりますが、バスの乗り換えで待ち時間があることを考えれば、歩くのもいいと思います。
C84 のバスに乗る
South Delta Exchangeで601番のバスを降りたら、同じ場所でC84のバスに乗って、「WB 1 Ave FS 56 St」のバス停で降ります。
バス停を降りたら、そこから歩いて5分ほどで国境事務所があります。
なにもない寂しい通りなので、ちょっと不安に感じますが、歩いているとアメリカ国旗を掲げた事務所が見えるので心配しなくても大丈夫です。
フラッグポールの方法
それでは、ポイント・ロバーツの国境事務所でのフラッグポールの方法を説明します。
必要書類
フラッグポールに必要な書類はこちらです。
ワーホリビザ切替え必要書類 | 備考 |
---|---|
パスポート | |
ワーホリビザ承認レター | |
医療保険の保険証書 | 1年間カバーされているもの ※1 |
現在お持ちのビザ | |
英文残高証明書(もしくは最低25万円の資金が証明できるもの) | 1週間以内に発行されたもの(カナダ政府サイト) |
ESTA | 事前に登録しておきましょう |
※1医療保険については、クレジットカード付帯の保険などではビザの期限が短くなってしまう可能性があるので、必ず1年の保険が証明できる証書をご準備ください。 >>>格安の留学生保険はこちらから
最初はアメリカに出国する
アメリカの国境事務所に徒歩で行きます。国境事務所の手前で国境線をこえているのですが、アメリカに行ったという感覚はありません。
車の列の脇を通って係官の所まで行き、「フラッグポールをしに来ました」と言って、パスポートを見せます。
「フラッグポール」という単語を使うと、係官がこちらが何をしに来たのかすぐ分かってくれて、話が早いです。
※注意※
I'd like to flag pole. などと文章でいうと、相手に伝わらない場合が多いです。アメリカ人はカナダ人と異なり、日本人の英語は聞き取ってもらえません。単純に単語で、"フラッグポーリング"とだけ伝えてください。
アメリカでの手続きはすぐに終わって、カナダ側に戻るように指示されます。
アメリカ入国のためには、ESTAが必要です。
登録には時間がかかるので、事前に登録しておきましょう。(ESTAの登録方法はこちら)
支払いにはカナダドルではなくアメリカドルが必要になるので、クレジットカードなどがあれば便利でしょう。
参考
以前は陸路での入国の場合はI-94Wも可とされていましたが、2022年5月から陸路でもESTAが必要になりました。稀に、ESTAを求められないケースもあるようですが、本来は絶対必要なものです。ESTAの登録は済ませておきましょう。また、オフィサーにI-94W の記入を求められた場合は、「ESTAを持っています」と説明してください。
※陸路での入国の場合は、I-94Wが必要になる場合があります。
※注意※
オフィサーによっては、【ESTAとI-94W両方必要】と言われてしまう場合もあります。
その場合は、I-94Wの費用(6USドル程度)が追加で発生しますので、万が一に備えてクレジットカードをお持ちください。
歩いてカナダに戻る
来た道を歩いて戻ります。ポールをぐるっと回るのではなく、同じ道を歩いて戻るだけなので、アメリカに行ったという感覚はやっぱりありません。
戻ったら、カナダ側の国境の高速道路の料金所のような所(受付)に徒歩で近寄って行って、係官に「フラッグポールでアメリカから戻ってきました」といいます。
この時の係官はちょっと怖い感じの人で、「アメリカで高額のものを買ってないか?」とか「武器を持ち込んでいないか?」などと真顔で聞かれました。
アメリカには1分位しかいなかったので、ちょっと変に感じましたが、質問には真面目に答えます。
型どおりの質問が終わった後、国境事務所の中に入ってビザ切替えの手続きをするように指示されます。
カナダの国境事務所でビザ切替えの手続き
カナダの国境事務所に入って、「ビザを切替えたい」というと、手続きをしてくれます。
今回はワーホリビザへの切り替えでした。
土曜日の午前中に行ったので、事務所はとても空いていました。
ビザ切替えの手続きはバンクーバー国際空港でのビザ発給手続きと同じです。
必要書類を見せて、型どおりの質問に答えて、10分くらいで終了しました。
ワーホリビザを発給してもらえて、「やれやれ、ひと安心」と言いたいところなのですが、その前に次のことにご注意ください。
【重要】受け取ったビザは必ず確認してください!
国境事務所に限らず、カナダでビザ発給を受けると、ビザの記載内容が間違っているということが結構あります。過去には以下の間違いの事例がありました。
- ビザの期間が間違っている
- 氏名、生年月日、性別が異なっている
- そもそもビザの種類が違う
日本だったらあり得ないような間違いですが、それが起こるのがカナダです。
ですので、ビザが発給されたら、氏名、生年月日、有効期間などが正しいか、その場で必ず確認しましょう。
間違いがある場合はその場で指摘すれば正しいものと交換してくれます。
SINナンバーのトラブル
フラッグポールでビザ切替を完了し原本が発行されたにも関わらず、システム上ではアクティベイトされてケースが報告されています。
その場合、システム上はビザがアクティベイトされていないので、その後SINナンバーが発行できなくなります。
ビザ発行時に必ず審査官にSINナンバーも発行できるアクティベイトの状態になっているか確認をお願いします。
ビザ有効期限のトラブル
ワーホリビザは原則として「有効化したその日から1年間」有効です。
しかし、オフィサーの勘違いにより「承認レターの有効期限」に合わせてビザが発行されてしまうケースが報告されています。
有効期限ミスの例
・ワーホリビザ承認レター有効期限: 2024年12月15日
・渡航日(アクティベート日): 2024年8月15日
・誤ったワーホリビザ有効期限: 2024年12月15日
・正しいワーホリビザ有効期限: 2025年8月14日
カナダ移民局のサイトにも「ワークパーミット(ワーホリ)の有効期限と承認レターの有効期限を混同しないように」と注意書きがあります。
ビザ切り替え時に、念のために下記の文言を印刷して持参した方がよいでしょう。
まとめ
入国やビザの切替えの手続きは、いつでも緊張するものですが、手続きする国境事務所を選ぶことで少しですがストレスを軽くすることができます。
カナダ・アメリカ国境でのフラッグポールの手続きだけでなく、ビザの手続きには分からないことや不安なことがたくさんあります。
まずはカナダ留学コンパスにご相談ください。カナダ滞在の目的に応じた最適なビザの種類と、取得方法をアドバイスします。
申請代行は有料になりますが、ビザの相談は無料です!
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