カナダ・ケベック州への移民が難しい理由

カナダでの留学やワーホリを経験して「カナダが大好きになったので移民したい!」と考える方が多くいらっしゃいます。

幸いカナダは移民国家なので、永住へのルートもたくさんあります。

しかし、カナダには多数の永住プログラムがあるとは言え、実際にはあまり選択肢はありません。

  • 大きな資金が必要な投資移民
  • ビジネスプランや実行力が必要な起業移民
  • 相手が必要な結婚移民

など、難易度が高い永住方法を除くと、ほとんどの方は「カナダでの就学や就労経験がある人のための移民プログラム」を使うことになります。

その中で、カナダの州が独自に行う地方の移民プログラムは条件がゆるいケースもあり、カナダ移民を希望している方にとって重要な選択肢ともなります。

「カナダで移民しやすい州はどこだろう?」と調べて、日本語の情報でケベック州マニトバ州ユーコン準州などをおすすめする記事を見かけた方もいるかと思います。

しかし、ネットの情報とは裏腹に、実はこれらの移民先は誰にでもおすすめできるものとは限りません。

今回の記事では、ケベック州移民に関するよくある勘違いと、安易におすすめできない理由をご説明します。

ケベック州とはどんなところ?

ケベック州といえば歴史ある美しい建物や、フランス文化が色濃く残る魅力的な街並みが知られていますが、実際にケベック州とはどんなところなのでしょうか?

ケベック州は「ちょっとフランス語が多い場所」ではない!

【セリフ】かえで(笑顔)
かえで

ケベック州はフランス語も話すんですよね。でも、同じカナダの中だし、英語は通じるだろうからカナダ留学経験があればケベックにも住めますよね?

実は、このように「ケベック州はちょっとフランス語が多い」ぐらいの認識の方が多いです。

しかし、もしあなたがただカナダ移民の手段としてケベック州への移住を検討されているなら、まずこの時点でぜひ一度立ち止まってみてください!

ケベック州は「ちょっとフランス語が多い」のではなくフランス系移民の州であり、いわばカナダの中の外国なのです。

カナダとケベック州の歴史

カナダの歴史をざっくり紐解くと、まずイギリスが漁をするためにカナダの東海岸まで最初に進出して来ました。

そして、フランスの方はビーバーの毛皮を求めて、今のケベック州のあたりに定住します。

その後、英仏戦争でイギリスが勝ち、一度はイギリスが現在のカナダ東部エリアを占領することになったのですが、フランス系移民は完全な融合を拒否し、独自の文化・言語を維持します。

その後、今のアメリカ側で植民地のイギリス支配からの脱却を求める南北戦争が起きたわけですが、そこで奴隷の反乱に合い、困ったイギリス人たちがカナダに移民して来たため、イギリス系移民は非常に多くなりました。

南北戦争が終わり、独立したばかりのアメリカの北への侵略に対抗する格好で、このイギリス領をフランス系移民もひっくるめて、カナダという国にしました。(かなり簡素化しているので知りたい方は別途調べてくださいね!)

つまり、カナダという国の成り立ちの中で、イギリス系移民と融合したことは一度もないので、ケベック州では独自の文化・言語が育っています。

【セリフ】かえで(汗)
かえで

よく分かるような分からないような…。

ちょっと分かりにくいかもしれないですね。

日本の中の沖縄のようなイメージ、と言うとなんとなく掴みやすいかもしれません。

「沖縄の方言はあると聞いたけど、沖縄も同じ日本の県だから、東京や大阪とそんなに変わらないですよね?」にはきっと日本人の方は皆さん、「NO!」と答えるでしょう。

それほど独自の文化を築いているというイメージです。

ケベック州への移民は簡単ではない

ここまで、ケベック州がカナダの中での外国であることをイメージいただけたと思います。

【セリフ】かえで(汗)
かえで

でも、とりあえずケベック州で移民した後、もし気にいらなければバンクーバーやトロントなど他の都市に移動すればいいですよね?

はい、カナダの憲法上、移動の自由は保障されていますからもちろん移民後どうしてもケベックが合わないと思えば移動することはできます。

だからと言って、安易にケベック州への移民を決めるのは考え物です。

ケベック州 Economic Class の条件変更

実は、ケベック州移民については非常に重要なポイントが2020年1月に変更しています。

ケベック州の Economic Class(※日本人の方で検討される方が多い、PEQクラスもこの中に入ります)での移民を希望する方は、移民申請の際に「Attestation of learning about democratic values and the Québec values expressed by the Charter of Human Rights and Freedoms」を提出する必要があります。

Attestation of learning about democratic values and the Québec values expressed by the Charter of Human Rights and Freedomsとは?

権利と自由憲章における、民主主義的価値とケベック的価値についての学習の証拠、とでも言いましょうか。

舌を噛んでしまいそうですね。

この「Attestation(証拠)」とは具体的に、20問からなるケベック州に関するテストに75%以上(15問以上正解)のスコアで合格することです。

これは申請者だけではなく、申請者の家族、18歳以上の子供にも必要です。

この合格がない場合、他の要件を満たしていても移民申請は却下となります。

また、合計で3回までしか挑戦することができず、3回目に落ちるとこれも申請は却下となります。

(ケベック州政府の移民に対する姿勢と強い主張があふれ出している33ページにも渡るガイドはこちら。)

このテストで、ケベック州が移民を希望する方に理解してほしい5つの要素が書いてあります。

ケベック移民テストの内容

Key 1: Québec is a Francophone society(ケベック州はフランス語の文化である)
Key 2: Québec is a democratic society(ケベック州は、民主主義社会である)
Key 3: Equality between women and men(男女の平等)
Key 4: The rights and responsibilities of Quebeckers(ケベック州民としての権利と義務)
Key 5: Québec is a secular society(ケベック州は非宗教の社会である)

元々ケベック州の移民申請にはフランス語力の証明の提出も必須でした。

しかし今回はそれだけではなく、ケベック州に住んでフランス語を話し、ケベック州で働き、暮らす意思がある方しか移民を受け付けない、というケベック州の姿勢が感じられます。

それがこのテストというステップの導入に繋がったのだと思われます。

一定数の移民は最終的には州外に出てしまうかもしれないことは想定はするものの、基本的にはケベック州の移民はケベック州に残ってほしいということですね。

もちろんモントリオールなど大都市では英語も十分に通じますから、旅行や短期の滞在でしたら素晴らしい街です。

しかし、もし「基本的には英語を話すカナダという国に移民したい」という思いが強いのでしたら、ケベック州は合わない可能性が高いかもしれません。

移民しやすいと言われた PEQ も条件変更

【セリフ】かえで(汗)
かえで

ケベック州のPEQというカテゴリが移民しやすいと聞いたんだけど…。

はい、ケベック州には PEQ(Programme de l’expérience québécoise)、つまり「ケベック経験者クラス」という移民プログラムがあります。

PEQには

  • 就学経験
  • 就労経験

の2ストリームがあります。

ケベックでの①就学経験(留学生としての経歴)で申請する場合、就労経験がなくても大学や大学院、一部の職業訓練校のDiplomaプログラムを修了するとそのまま移民申請ができました。

ケベック州でも英語で学べる教育機関やプログラムも一部ありますし、キャリアカレッジ(教育訓練校)のプログラムでも申請ができまるため他州より有利(移民しやすい)と言われてきました。

実際に日本人でもPEQでケベック州移民を達成した方はいらっしゃいます。

ただ、実はこちらも2020年のパンデミックの最中に規定の変更が起き、2020年7月以降は就労経験が必須となりました。

大学学位などがある場合は12ヶ月の就労経験

職業訓練校の場合は18ヶ月の就労経験が必要です。

今は制度の一部移行措置はあるものの、将来的にこの就労経験要件が改めて撤廃になることはないのではと思います。

そう考えると、ケベック州の移民制度も決して他州と比べて「移民しやすい」と言えるほどでは既になくなった、ということが分かります。

ネットの情報に注意!

このように、過去には「ケベックなら就労経験不問だから簡単に移民できる」として知られていたこともあり、ケベック州での移民を検討していた方も少なくありません。

ネットではまだまだケベック州を「カナダ移民の裏技」として紹介しているサイトも残っています。

しかし、移民情報は頻繁に更新されますし、今回ご紹介したようにケベック州の移民制度はここ数年で条件が大きく変わっています。

ネットの情報を参考にする際は、その情報が最新のものか、正確がどうかぜひ確認してみてください。

ケベック州の移民制度 まとめ

ヨーロッパの影響が色濃く残り、美しく歴史的な街並みが魅力のケベック州は世界中から観光客や留学生が集まります。

一時は「簡単に移民できる」とウワサも広がりましたが、現在は条件が就労経験が必須になったり、事前にケベックに関するテストに合格しなければ移民はできません。

これらの理由から、ただカナダ移民の手段としてケベック州を選択するのはおすすめできません。

もちろんフランス語に興味がありフランスの文化が好きならば良いのですが、そうではない方にには合わない可能性もあります。

カナダ移民という目的達成のためだけにケベック州移住を検討されている方は、ぜひこれらを参考の上ご自身に合うかどうかを今一度考えて頂ければと思います。

もしフランス語に強い興味があり、モントリオールで暮らしてみたいと考える方は、モントリオールの FSL(French as Second Language)という第二言語としてフランス語を学ぶ学校があります。

このように、いきなりケベック州での移民を目指す前に現地で短期的にでもフランス語を使って暮らしてみるのもおすすめです。

カナダ留学に関して気になることがあればお気軽にご相談ください。

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そのため、こちらのサイトに記載していある情報を元に何らかの判断を行う際には、弊社にご相談いただくか、カナダ移民局のウェブサイト等をきちんとご確認ください。

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