マニトバ州は永住権が取りやすい?州の移民プログラムについて

かえで

カナダに移住したいけど、どこの州がいいのかな?ネットで検索してみよ!

かえで

あ、どうやらマニトバ州は移住の条件が緩くて、永住しやすいみたい!よし、マニトバ州に決めた!

末永

ちょっと待った!!

「●●の州は簡単に永住できる」を鵜呑みにするのは危険です!!

マニトバ州もいい場所ですが、永住となるとまた話は違います!

末永

マニトバがどんな場所で、あなたがどんな仕事に就くかイメージできていますか?

 

 

この記事では、マニトバの州の移住制度(PNP)の説明と、なぜおすすめしないのかを具体的に解説します。

※2022年の時の状況をもとに記事にしています

マニトバ州の永住制度

まず、カナダの各州・準州には、それぞれが独自に設けた移民プログラムがあります。

末永

簡単に言うと、州が欲しい人材に対して「この人を移民で入れてほしい!」と推薦状を出してくれるシステムで、これがあると永住しやすくなります。

この州独自の移民推薦プログラムをPNP (Provincial Nominee Program)、プロビンシャル・ノミニー・プログラムと呼びます。

PNPについての詳しい情報は「PNPって?州から移民推薦状をもらって永住権を取得しよう!」と参考にしてください。

 

マニトバ州にも独自のPNPプログラムがあります。

その名もマニトバ州ノミニープログラム(Manitoba Province Nominee Program, MPNP)

MPNP はさらに細かくストリーム(分類)に分かれています。

その中で、日本人にとって現実的なルートはあるのでしょうか?

マニトバ州 PNP の主要ストリーム

マニトバ州のPNPには大きく分けて3つのストリーム(分類)があります。

  1. Skilled Workers Stream(マニトバ州で就労経験などがある人)
  2. International Education Stream(マニトバ州の学校を卒業した人)
  3. Business Investors Stream(マニトバ州で起業や投資をする人)

上記の中で、3つめの起業や投資を目的とした永住の条件を満たす方は少ないと思いますので、今回は省略します。

日本人にとって可能性がある①と②を詳しく見てみましょう。

①Skilled Workers Stream

Skilled Workers Stream(スキルド・ワーカーズ・ストリーム)はマニトバ州で職歴がある人、またはこれからマニトバ州で働ける人を優先するプログラムです。

このストリームはさらに2つに分かれていて、条件や対象が異なります。

(A) Skilled Workers in Manitoba(マニトバ州で6ヵ月以上の職歴と、同じ会社のフルタイムジョブオファーが必要)

(B) Skilled Workers Overseas(過去にマニトバでの就労・就業経験がある、またはマニトバに家族等が住んでいる)

(B)に当てはまる方は少ないので、(A) Skilled Workers in Manitoba を目指す方が現実的です。

ここで重要なのが「6ヵ月の就労経験」と、同じ会社からジョブオファー(内定通知書)が必要という条件です。

【セリフ】かえで(笑顔)
かえで

マニトバで6ヵ月働けばいいんだね?何かしら仕事は見つかるだろうしそれならできそう!仕事はどこでもいいよ!

セリフ【末永】
末永

実はここに落とし穴が…

まず、カナダで働くには働くためのビザが必要です。

カナダに入国してすぐに働けるビザと言えばワーキングホリデービザがありますが、これは有効期限は1年です。

もし、6ヵ月働いたあとにそこの会社がジョブオファーを出してくれなければ、どうなるでしょうか?

【セリフ】かえで(汗)
かえで

そしたら、次は違う会社で6ヵ月働けばいいんじゃ…あ!

セリフ【末永】
末永

そうです、1年の有効期限しかないワーホリビザで、新たに6ヵ月の職歴を積み直すの現実的ではありません!!

ワーホリで入国したその日から働きはじめて、6ヵ月後に退職した翌日から速攻で別の会社で働き始められる人がどれぐらいいるでしょうか?

つまり、この永住プログラムでは万が一雇用主がジョブオファーを出してくれなかった場合のやり直しが利きません。

実際に、カナダではジョブオファーを出さない企業はたくさんあります。

マニトバ州のような「簡単に永住できる」として知られている州は特にジョブオファー目的で就労する移民が多いです。

企業側もそれを分かっているので、ジョブオファーをちらつかせて移民を長く働かせ、いざとなったら「うちはジョブオファーは出していない」と見捨てるケースもあります。

ジョブオファー目当てで働いたにも関わらず、結局雇用主の理解を得られずそのまま帰国するしかないパターンは珍しくありません。

もちろん可能性はゼロではありませんが、どれだけリスクが高いかイメージできるかと思います。

なお、カナダの公立カレッジを卒業後に申請できるポスグラビザでは最大3年間働けますが、そもそも公立カレッジに入るのには2年で250~300万円ほどかかるのと高い英語力が必要ですのでこちらもハードルは高いです。

②International Education Stream

続いて、2つ目の永住権ストリームMPNP International Education Stream(MPNP インターナショナル・エデュケーション・ストリーム)をご紹介します。

末永

これは簡単に言うと「留学生を優先的にマニトバ州に永住させよう」という制度です。

インターナショナル・エデュケーション・ストリームは、さらに3つ永住ルートに分かれています。

さらに3つに分かれた永住ルート

  1. Career Employment Pathway(マニトバ州の学校卒業とジョブオファー)
  2. Graduate Internship Pathway(大学院修了)
  3. International Student Entrepreneur Pilot(起業)

この3つの中で、Graduate Internship Pathway(大学院修了が条件)と International Student Entrepreneur Pilot(卒業後起業する条件)はハードルが高いので、今回は説明を省略します。

ですので、ここからはCareer Employment Pathwayに絞ってご紹介します。

MPNP International Education Streamの申請条件

それでは、MPNP International Education StreamーCareer Employment Pathwayの具体的な申請条件をご紹介します。

マニトバ州は永住権が取りやすい州です」などとネットでは紹介されていることもありますが、確かに申請の条件は多くないです。

International Education Stream – Career Employment Pathwayの申請条件
最低条件

教育

マニトバ州で過去3年以内にdesignated post-secondary institution(指定された高校卒業以降の教育機関)を卒業していること。(1年以上、2学期以上でフルタイムのプログラム)
英語力 CLB 7 以上
マニトバ州内での雇用 フルタイム、1年以上の雇用契約(ジョブオファー)を受けていること。職種はマニトバ州が求める職種(In-Demand Occupations list に記載の職種)で、卒業したプログラムに関連したものであること。
資力 マニトバ州に永住した後の生活を支える可処分資産があること。(金額は Low Income Cut-Off (LICO) requirements をご参照ください)
適応性 申請時にマニトバ州内に居住していること。
永住権取得後もマニトバ州に継続的に居住する意思を示すこと。

以上が申請のための条件です。

では、それぞれの条件を具体的に検討してみましょう。

教育の条件

「マニトバ州の学校を卒業しなければならない」というのは、ブリティッシュコロンビア州(BCPNP)のインターナショナル・グラデュエートの制度(他州の学校卒業でも可)に比べると厳しいです。

でも、「卒業する学校が公立カレッジ、大学に限られない」というのは、逆にBC州の制度よりもハードルが低いですね。

英語力の条件

英語力の条件は、CLB7以上です。

決して低いハードルではありませんが、受験する試験にCELPIPを選べば十分クリアできる条件ですよ。

雇用の条件

マニトバ州が指定する業種で1年以上のジョブオファーを受けていれば、過去にカナダで就労経験がなくても申請可能です。

条件を満たすジョブオファーさえあれば、マニトバ州の学校を卒業後すぐに永住権を申請できる、というのがMPNP International Education Streamの魅力です。

でもここに、大きな落とし穴が隠されているんです。

マニトバ州最大の難点「仕事探し」

ここまで、マニトバ州 MPNP の主な申請請条件は「職歴」と「ジョブオファー」とご紹介してきました。

実はこの、「ジョブオファー」こそが、マニトバ州での永住権取得をおすすめしない最大の理由なんです。

マニトバ州で「ジョブオファー」を出してくれる就労先を見つけることが、とても難しいんです。

日本でも都心部などに仕事が集中するのと同様、カナダでもやはり、バンクーバー・トロント・モントリオールなど人口の多い都市に、より多くの仕事があります。

それ以外にも、ジョブオファー取得が難しい理由をご説明します。

マニトバ州には日本人がいない!

大前提として、マニトバ州の人口の大半は「白人」です。

2016年の国勢調査では、人口の約82.5%が白人で、17.5%がマイノリティーという結果が出ています。

(比較として、バンクーバーがあるブリティッシュコロンビア州の人口は69.7%が白人で、30.3%がマイノリティー人種です)。

さらに、マニトバ州のこの17.5%のマイノリティー人口の内訳を見てみましょう。

マニトバ州の人口におけるマイノリティー率
フィリピン人 6.4%
南アジア 3.4%
アフリカ系 2.4%
中国人 1.8%
ラテン系 0.8%
東南アジア 0.7%
アラブ系 0.4%
韓国人 0.4%
西アジア 0.2%
日本人 0.2%

Census Profile 2016より引用

マニトバ州のマイノリティー人種のうち日本人が、0.2%です! 1,000人に2人しか日本人がいません。

中国人、韓国人を合わせてやっと2%です。

この数字が何を意味するかと言うと、マニトバ州には日本人、東アジア人を対象にしたマーケットがないということです。

日本食レストランも少ないですし、日本食を扱うスーパーマーケットも限定的です。

(もちろん、全くない訳ではありませんが、ブリティッシュコロンビア州やオンタリオ州に比べたら、非常に少ないです)

また、そもそも飲食店の数自体も比較すると非常に少ないです。

飲食店の雇用主の数(州別)
オンタリオ州 25,471
ブリティッシュコロンビア州 10,236
マニトバ州 1,892

Canadian Industry Statistics (Full-service restaurants and limited-service eating places) より引用

マニトバ州の指定職種には、日本人が永住権取得する際の定番の「Food service supervisors(飲食店のサーバーのスーパーバイザー)」、「Cooks(調理師)」の職種も含まれてはいます。

これらの職種であれば、それほどビジネス経験などがなくても就きやすいですよね。

ですが、日本食レストランをはじめとした、日本人が雇われやすい飲食店がマニトバ州にはほとんどありません。

現地のカナダ人と競争して職を得ることができるか?

かえで

別に、日本食レストランや日本食スーパーにこだわらなければいいんじゃないの…?

たしかに、MPNP International Education Streamはマニトバ州の高校卒業以降の学校を卒業していることが申請の条件なので、カレッジや大学に通っている間に高い英語力・人脈が身につくかも知れません。

レストランで絶対に働かなければならない訳ではありません。

末永

しかし、カレッジ・大学に1年~2年通ったとしても、ネイティブのカナダ人と争って就職先をゲットするのは、現実的には難しいのです。

実際に、バンクーバーやトロントなど比較的日本人が多いエリアで移民を達成した方ははじめに日系企業で仕事をして、永住権を取得したあとにカナダ企業への就職に挑戦したり、学校に戻ってさらに英語力や知識を増やしてキャリアアップするという方も少なくありません。

決して、日本人は日本人の会社でないと移民できない、と言っているのではありませんが、他の都市よりもそういった受け皿が少ないということはマイナス情報ではあります。

マニトバ州の主要産業は農業である

冒頭部分で、マニトバでの職探しがイメージできていますか、とお伝えしましたが、移民する州を決める際は、その州の主要産業、つまり、あなたが就けるチャンスが多い産業を知っておくこともとても重要です。

カナダの内陸部にあるマニトバ州の主要産業は、農業・観光・エネルギーセクター(電力・石油産業など)、そして製造です。

日本でも、就職を考える際、大阪・東京・名古屋などで仕事を探すのと、地方都市で探すのとでは、業種や賃金水準が異なりますよね。

場合によっては、地方都市ではそもそもあまり需要がない・就職口のない分野もあるかもしれません。それと全く同じことがカナダにも当てはまります。

とは言え、国土が狭く、交通網が発達している日本では、首都圏外から都心に出勤などということも可能なため、働き口は近郊都市から探し、必要なら引っ越し・または少し通勤を頑張ればいいと思う方もいるかもしれません。

ですが、カナダの国土は実に日本の20倍以上です。

つまりマニトバ州に住むイコール、マニトバ州で仕事をするということで、マニトバ州の産業・仕事の範囲から就職を考える必要があります。

そこがあまりイメージできておらず、自分のやりたいことや、日本での経験や興味のあるプログラムを受講し、都会の感覚と同じように、現地でやりたい仕事・やりたい職種に就くことをイメージしてしまう方が意外と多いのです。

そのため、制度の条件だけを挙げ、安易に「マニトバ州なら移住しやすいよ!」と誘うのは無責任だと言わざるを得ません。

それでもマニトバ州で就職したい場合

それでもマニトバ州で就職して永住権を目指す場合、「カナダ人がやりたかがらない仕事」を選ぶことで可能性は高まります。

カナダ人から人気がなく、人手が足りておらず需要が高い仕事と言えば

  • 農業
  • 工場勤務などの製造業

など。

もちろんこれらの仕事に就いたからと言って必ずジョブオファーがもらえるわけではありませんが、カナダ人のライバルは減りますので就職の可能性は高まります。

ただし、上記の仕事を長期間続けるのは簡単ではありませんし、大変な環境で勤める強い意志が必要です。

まとめ

最後にもう一度、マニトバ州の永住制度 Manitoba PNP について、まとめてみます。

  • 短期就労者向けのストリーム:マニトバ州で6ヵ月以上の職歴と、同じ企業からのジョブオファーが必要
  • 留学生向けのストリーム:マニトバ州のカレッジ、大学にフルタイムで1年(2学期)以上のプログラムを卒業すること(英語力条件はCLB7と結構高い)
  • ジョブオファーを得ることが現実的には困難!

マニトバ州での永住を目指す希望を打ち砕く内容で、とても心苦しいのですが、あえて記事にしました。

特に最近、無責任な個人ブログや海外移住を推奨するまとめ記事などがに騙され、マニトバに永住権取得しようと渡航して失敗した方からの相談が増えています。

特定の州への永住を安易に勧めるインターネット上の情報に、どうか惑わされないでください。

カナダ留学コンパスでは、常駐の有資格の移民コンサルタントが、一人ひとりにあった永住プランをご案内します。

「過去に○○州で簡単にカナダ永住権を取得した人から聞いた」という情報について質問を受けることがたくさんあります。

過去の誰かの体験談は、ほとんど役に立ちません

 

移民に関する法律や制度は頻繁に変わるので、3年前成功した方法で今年も成功するとは限りません。

カナダ永住権を取得するかどうかは、人生の重大なターニングポイントです。

きちんと有資格のビザコンサルタントに相談して、取り組みましょう。

カナダ永住に、抜け道はありません。

学歴、職歴、英語力、資金など、それぞれに異なるスタートラインから、どれだけの時間と労力と資金を費やすことができるかによってカナダ永住ができるかどうかが決まります。

決して楽ではありませんが、不可能でもありません。

まずは無料相談をご利用ください。

いっしょにカナダ永住を目指しましょう!

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ビザ申請、永住権申請の手続きや規定、ルールはカナダ移民局が予告なく頻繁に変更しています。

そのため、こちらのサイトに記載していある情報を元に何らかの判断を行う際には、弊社にご相談いただくか、カナダ移民局のウェブサイト等をきちんとご確認ください。

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