カナダへの永住って実際どうなの?

カナダに永住するのは難しくなったという話を最近耳にします。

カナダへの永住は難しいのでしょうか、簡単なのでしょうか?

この答えは人によって、またタイミングによって大きく異なります。

かえで

それでも、実際のところ、私でもカナダに永住できるのか、知りたいです!

よく聞かれる質問ですが、残念ながら誰にでも当てはまる回答はありません。

それでも、少しでも一般的な回答に近づけるために、カナダがどんな人を移民として求めているのかを解説します。

カナダ移民のハードルが上がっている

今、カナダに移民するためのハードルが上がっているのをご存じですか?

その理由を端的に答えるならば、カナダが世界的に人気だからです。

お隣のアメリカを筆頭に、移民に消極的な政策をとる英語圏の国が増えているため、世界中の優秀な人材がカナダに集まっています。

カナダは移民に消極的なの?

移民のハードルが上がっていると、カナダは移民に消極的なのかと思ってしまいますが、そんなことはありません。

下の表は2020年から2022年までのカナダの移民受け入れ目標人数です。

受け入れ目標数
2020年 2021年 2022年
経済移民 195,800 203,050 212,050
家族移民 91,000 91,000 91,000
難民、人道移民 54,200 56,950 57,950
合計 341,000 351,000 361,000

移民受け入れを毎年1万人ずつ増やすよう計画されていますよね。

カナダは人口の1%の移民を毎年受け入れることを目標に掲げていて、2020年の受け入れ目標人数は全体で34万1,000人です。

35万人というと、東京都では北区、大阪府では高槻市の人口と同じくらいです。

これだけの人数を、しかも毎年受け入れていること、しかもカナダの総人口が日本の3分の1程度であることを考えると、カナダが移民に積極的であることがお分かりいただけると思います。

カナダ移民のシステムは不公平?

突然ですが、移民のシステムは外国人申請者にとってはとても不公平にできています。

カナダは移民国家で、イギリスの植民地時代はもちろん、独立してからも脈々と移民を受け入れ続けています。

でも、カナダ移民のシステムは何のためにあるのでしょうか?

村山

カナダの移民システムはカナダ人のためだけにあります!

カナダ移民のシステムはカナダ人のためのもの

当たり前ですが、カナダの移民システムはカナダという国を発展させるため、カナダで生活するカナダ人を幸福にするためにあります。

(こう書くと、カナダは自分たちのことばかり考えているように聞こえますが、カナダは世界中から難民を広く受け入れています。難民の受け入れはカナダの国益より人道のためですが、日本人が難民としてカナダ永住権を申請するケースはまれなため、この記事では経済移民に絞って紹介します)

永住権申請に関する規則や申請方法は、カナダ全体や各州の経済や政治状況が複雑に絡み合って決まります。

移民局内での状況変化などで時には何の予告もなく変わる上に、それぞれの担当オフィサーのルールの認識の仕方や個人的な感情などによっても結果は変わっています。

ですので、同じタイミングで、同じ条件で申請しても、許可がスムースに出るときもあれば、追加書類を求められたり、本来送られてくるはずの通知が来ない場合なども多くあります。

同じ条件で申請したのに不公平

そして、今回ご紹介する一番 ”不公平だな“と感じられる要素が申請のタイミングです。

3年前に申請をした人たちと今申請した人たちのハードルの高さが、同じプログラムで同じ条件で申請した場合でも大きく異なることがあるんです。

経済移民がエクスプレス・エントリーを始めとするポイント制になってからは、申請条件を満たしていても、同じ時期に申請している他の申請者と限られた定員を争うことになります。

その結果、申請のための最低条件を満たしているだけではなく、その時の申請者の中で上位に入る必要があります。

同じ条件で申請しても、時期によって移民できるかどうかに差があることを、サンプルケースで具体的に見てみましょう。

サンプル1:BCPNP ELSS

カナダに移民するにはいくつかの方法があります。

大きく分けると、連邦(国)と州(地方)の移民制度です。

カナダの移民制度全般については、こちらの記事をご覧ください。

カナダ各州が独自に定める移民制度の中でも、ブリティッシュ・コロンビア州では、専門性レベルの比較的低い職種での永住権取得に道を開いています。

ブリティッシュ・コロンビア州の永住制度、エントリーレベル・セミスキルド(ELSS)については、こちらの記事をご覧ください。

では、サンプルケースを見てみましょう。

R・Nさんは日本の大学を卒業した31歳、大学を卒業後、居酒屋やレストランでサーバーとして働きました。

そして30歳の時、年齢制限ぎりぎりでワーホリビザを取得してカナダに来ました。

カナダ留学コンパスのアドバイスに従い、カナダには最初観光ビザで入国し、語学学校に3か月通ったあと、ワーホリビザに切り替えました。

カナダ永住権にも興味があったR・Nさん。

ワーホリビザ取得直後からブリティッシュ・コロンビア州のELSS対象職種のレストランサーバーで働き始めました。

ELSSは専門性の低い職種でもカナダ永住ができる、はずだったのですが、申請のタイミングによって運命に大きな差が出てしまうのです。

R・Nさんプロフィール

  • 年齢:31歳
  • 日本の学歴:4年制大学卒
  • 日本の職歴:居酒屋、レストランのサーバー3年
  • カナダの学歴:ESLのみ
  • カナダの職歴:レストランサーバー9カ月
  • カナダの収入:$33,280/年
  • 英語力:S/4 L/4.5 W/4 R/3.5(IELTSジェネラル)

R・Nさんのポイントを表にまとめるとこのようになります。

必須ポイント
ポイント 2017年 2020年
カナダの職歴 25
カナダの収入 9
日本の職歴 9
学歴 15
英語力 6
合計 64 40 72

必須ポイントは2017年、2020年の永住権申請が認められる最低のポイントです。

R・Nさんのポイントは64点なので、2017年の最低ラインの40点は余裕でクリアしています。

いっぽう、2020年は最低ラインが72点に上がっているので、R・Nさんのポイントでは足りません。

では、どうしたらいいでしょうか?

R・Nさんの場合、英語力が申請の条件を満たすぎりぎりのレベル(CLB4)だったため、英語力でポイントを稼ぐ余地があります。

IELTSのスコアをS/5.5 L/5.5 W/5.5 R/5.0(CLB6)まで上げるとどうなるでしょう。

必須ポイント
ポイント 2017年 2020年
カナダの職歴 25
カナダの収入 9
日本の職歴 9
学歴 15
英語力 14
合計 72 40 72

最低ラインの72点まで上がりました。

ですが、永住権取得の最低ラインは毎年上がっていますので、最低ラインにぎりぎり届いただけでは安心できません。

職歴や収入でポイントを増やすと、より確実に永住権が申請できます。

サンプル2:BCPNP スキルドワーカー

次のサンプルケースは、専門技術のある美容師さんのケースです。

A・Tさんは日本で美容師をしていた31歳。

ワーホリでカナダに来て美容師として働き、ワーホリ終了後は就労ビザをサポートしてもらい、合計2年、カナダで働いています。

英語は語学学校に通ったのみで、今のスコアはCLB4です。

BCPNP スキルドワーカーのプログラムで申請すると、どのようになるでしょうか?

A・Tさんプロフィール

  • 年齢:31歳
  • 日本の学歴:2年制専門学校卒
  • 日本の職歴:美容師6年
  • カナダの学歴:ESLのみ
  • カナダの職歴:美容師2年
  • カナダの収入:$37,440/年
  • 英語力:S/4 L/4.5 W/4 R/3.5(IELTSジェネラル)

A・Tさんのポイントを表にまとめるとこのようになります。

必須ポイント
ポイント 2017年 2020年
カナダの職歴 30
カナダの収入 13
日本の職歴 25
学歴 6
英語力 6
合計 80 73 96

必須ポイントは2017年、2020年の永住権申請が認められる最低のポイントです。

A・Tさんのポイントは80点なので、2017年の最低ラインの73点はなんとかクリアしています。

いっぽう、2020年は最低ラインが96点に上がっているので、A・Tさんのポイントとはかなり差があります。

では、どうしたらいいでしょうか?

A・Tさんの場合、日本の最高学歴が2年制の専門学校なので、カナダで2年制の職業訓練のためのカレッジに通って卒業すれば、その学歴を最高学歴として申請できます。

2年制の職業訓練カレッジ卒業で11点、ブリティッシュ・コロンビア州の学校を卒業することで8点もらえるので、学歴のポイントが19点に上がります。

英語力もCLBスコアを一つ上げて5にしました。

さてどうなるでしょう?

 

必須ポイント
ポイント 2017年 2020年
カナダの職歴 30
カナダの収入 13
日本の職歴 25
学歴 19
英語力 10
合計 97 73 96

最低ラインを上回る97点まで上がりました。

これでもやはり最低ラインにぎりぎりの水準なので、英語力をさらに伸ばして、より安心できるポイントを稼ぎたいところです。

サンプル3:エクスプレス・エントリー(CEC)

例C)エキスプレスエントリー(CEC)
年齢)28歳
日本学歴)大卒
日本職歴)事務3年
カナダ学歴)ESL のみ
カナダ職歴)アドミンオフィサー 1年
英語力)IELTSジェネラル
S/6 L/6 R/6 W/6

最後のサンプルケースは、大卒事務職でエクスプレス・エントリーを使ってカナダ永住を目指すケースです。

S・Oさんは日本の4年制大学を卒業後、3年間事務職で働きました。

就職3年目で、大学時代からずっと付き合っていた恋人と破局。

別れ際、ドロドロにもめたので、何だかいろいろと疲れてしまいました。

人生を一回リセットしたいと思い、仕事を辞め、ワーホリでカナダに行くことにしました。

カナダでは運よくアドミンオフィサー(オフィス管理事務職)の仕事が得られ、1年働いたところでエクスプレス・エントリーの申請をします。

2017年と2020年で、S・Oさんの申請はそれぞれどうなるでしょうか?

S・Oさんプロフィール

  • 年齢:28歳
  • 日本の学歴:4年制大学卒
  • 日本の職歴:事務3年
  • カナダの学歴:ESLのみ
  • カナダの職歴:アドミンオフィサー 1年
  • LMIA付きのジョブオファー:なし
  • 英語力:S/6 L/6 W/6 R/6(IELTSジェネラル)

S・Oさんのエクスプレス・エントリーのポイントは以下のとおりです。

必須ポイント
ポイント 2017年 2020年
年齢 110
学歴 120
カナダの職歴 40
英語力 68
学歴と英語力 26
職歴と英語力 50
ジョブオファー 0
合計 414 413 431

必須ポイントは2017年、2020年の永住権申請が認められる最低のポイントです。

S・Oさんのポイントは414点なので、2017年の最低ラインの413点はなんとかクリアしています。

いっぽう、2020年は最低ラインが431点に上がっているので、S・Oさんのポイントとはかなり差があります。

S・Oさんはどうやってポイントを稼いだらいいでしょうか?

S・Oさんの場合、雇用主に協力してもらい、LMIAの条件を満たしたジョブオファーが得られれば、50点が加算されます。

ワーホリ終了後にカナダで働き続けるには就労ビザが必要なので、いずれにしても雇用主のサポートは必須です。

LMIAの条件を満たしたジョブオファーが得られたとすると、S・Oさんのポイントは次のようになります。

 

 

必須ポイント
ポイント 2017年 2020年
年齢 110
学歴 120
カナダの職歴 40
英語力 68
学歴と英語力 26
職歴と英語力 50
ジョブオファー 50
合計 464 413 431

464点、十分最低ラインを超えています。

S・Oさんの場合、雇用主に協力してもらって職歴でポイントを稼ぐことが、永住権申請に必要なポイントを稼ぐために有効でした。

決め手は「学歴」、「職歴」、「英語力」

3つのサンプルケースを紹介しました。

どのケースでも、同じ条件で2017年に申請していたら永住権取得が可能でしたが、2020年ではハードルが上がっていました。

同じ条件で申請したのに、申請した時期が違うだけで永住権が認められないのは不公平に感じますが、仕方がありません。

そして、ポイントを稼ぐために使ったのは、「学歴」、「職歴」、「英語力」でした。

なぜこの3つの要素がカナダ移民に重要なのでしょうか?

それは、カナダがどんな人を移民として求めているかに関係します。

カナダのためになる移民はどんな人?

カナダの移民システムがカナダ人のためのものなのは理解できました。

カナダの人気が上がっていて、昔と同じ条件で申請しても永住権が認められない可能性があることも分かりました。

不公平だとは思いますが、しょうがないです。

でも、カナダ人のための移民システムで、どんな人が求められているのでしょうか?

村山

カナダをより良い国にしてくれる人が求められています!

かえで

なんだか分かるような、分からないような…。

では、分かりやすい例で説明しましょう。

あなたのチームや会社に新たに一人採用するとしたら、どんな人に入ってほしいですか?

 

かえで

それならイメージできます!
チームを勝たせてくれる人や、会社の業績を上げてくれる人に来て欲しいです。

 

 

そうですよね。

 

では、選手や社員として優秀だったら、誰とも仲良くしなかったり、日本語が話せなくても大丈夫ですか?

かえで

うーん。
やっぱり日本語は話せて、仲良くしてくれる方がいいかもしれないです。

カナダが求めている人材も同じです。

カナダ経済に貢献してくれる人、カナダの社会に溶け込んでくれる人を求めています。

そして、カナダ経済に貢献してくれるかどうかを測る指標が、「職歴」

職歴を得るための強力なツールとなるのが、「学歴」

学歴を得るためのツールとなるのが、「英語力」、なんです。

学歴と英語力はカナダ社会に溶け込めるかを測る指標としても機能しています。

それぞれ具体的に説明しますね。

職歴:納税でカナダに貢献

高い職歴を持った人がなぜカナダに求められるのか、これは分かりやすいですよね。

職歴が高ければ給料が高い、給料が高ければ納める税金の額も高い。

カナダの経済に直接貢献してくれる人を、カナダは欲しがっています。

また、納める税金だけでなく、カナダの会社の業績を上げて、カナダ経済全体の底上げをすることも、高い職歴を持った優秀な移民には期待されています。

学歴:カナダの仕組みを根本から理解

高い学歴がある人は、高い職歴を得やすいです。

また、カナダでの学歴に絞って言うと、学生としてカナダの教育システムを体験することは、カナダの仕組みを根本から理解することつながります。

カレッジ、大学の学生としてカナダで生活すると、住民としての権利、義務、責任を求められます。

カナダのカレッジ、大学をきちんと卒業していることは、住民としてカナダに溶け込んで生活していたかどうかの指標にもなるのです。

英語力:社会の一員として必須の能力

カナダ社会に溶け込んで責任のある大人として行動するには、ある程度の英語力が必須です。

現実的には、母国語のコミュニティを頼りに、英語を使わないで生活することも可能ではありますが、それではカナダから求められる人材になることは難しいです。

英語力は、学歴や職歴にもつながります。

さらに永住後、カナダで子供を学校に通わせるような場合は、学校とのやりとりに英語はもっと必要になります。

カナダ永住をゴールとするのではなく、カナダに永住して幸せに暮らすことを目標とするのであれば、じっくり腰を据えて英語を勉強することは、大いに価値があると言えます。

まとめ

カナダの永住権制度について、実際に移民が可能なのか、何が決め手となるのかについて解説しました。

ここでもういちどまとめます。

カナダ移民制度まとめ

  • カナダの移民制度はカナダ人のためのもの
  • 求められるのは経済と社会を発展させてくれる人
  • カナダの移民制度は不公平で、同じ条件で申請しても時期によって結果が異なる
  • カナダ移民が人気なのは他の国(特にアメリカ)よりも移民受け入れに積極的なため
  • 3年前よりも移民のハードルは確実に上がっている
  • ハードルが上がった分のポイントを稼ぐには、「学歴」、「職歴」、「英語力」が有効
  • 永住後の生活をより幸福にするために、英語を勉強して決して損はない

カナダの移民制度は不公平だと書きましたが、同じ条件で世界中からの移民希望者が競争して、その結果ハードルが上がっているので、とても公平だということもできます。

ハードルが低かった時代に移民した人と比べて、不公平だと嘆いても始まりません。

カナダが魅力的だからハードルが上がったのだと考えれば、カナダ永住権の価値はさらに上がります。

カナダ永住に必要な「学歴」、「職歴」、「英語力」

その中でもまずは英語力のアップから始めましょう。

カナダ留学コンパスがお手伝いします。

気軽にご相談くださいね♪

 

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