こんにちは。
カナダ留学コンパスのコウキです。
今回の記事では、私がカナダ永住権を取るまでの経験をお話ししたいと思います。
カナダ永住権取得は申請のタイミングなどによって条件が変わるので、私の経験はこれから永住権を申請する際にそのまま役立つことはありません。
でも、カナダ留学や永住権申請を迷っている時に背中を押すような情報になってくれたら嬉しいです。
では、まずはなぜカナダ留学を思い立ったのかから始めます。
英語オタク
自分がなぜカナダに永住しようと思ったのかを振り返ると、その原点は「英語が好きだった」ことにあると思います。
歌と映画が英語好きのきっかけ
学校の教科としての英語も好きでしたが、それ以外に、英語の歌や映画など、実際に使われている英語に強く興味を持っていました。
兄が洋楽好きだったので、ビートルズやカーペンターズといった、私が子どもだった当時に既にクラシックとなっていたロック、ポップスに、知らないうちに親しんでいたのが大きかったと思います。
映画については、「スクリーンプレイ」という、映画のセリフを起こした本を何度も何度も読み返して、「サウンド・オブ・ミュージック」や「ショーシャンクの空に」など好きな映画のセリフを覚えてしまいました。
また、日本のアニメ映画の英語版のDVDもかなり活用しました。
高校時代の出会い
高校1年生の9月から、アメリカからの交換留学生がクラスに来ました。
今思えば、日本語を話さない人と英語で話したのはそれが初めてだったかも知れません。(中学校に外国語指導助手の先生がいましたが、彼らは日本語がかなり上手でした)
この時、自分の中での英語の位置づけが、「学校の教科」から「コミュニケーションの道具」に変わったことをはっきり覚えています。
その留学生の彼は1年でアメリカに帰りましたが、帰る頃には日本語がかなり上手になっていて、私とも英語よりも日本語で話す方が楽なくらいでした。
この時に、「留学スゲェ!」と思っていましたが、自分が高校、大学時代に留学しようとは思いませんでした。
というよりも、当時は選択肢として想像もできなかったというのが正しいかも知れません。
仕事をしながら趣味で英語を勉強
その後、日本で普通に大学に進学、卒業して、就職しました。
その間も英語は趣味として勉強を続けていて、大学の公開講座に通ったり、TOEICや英検を定期的に受けたりしていました。
コツコツと知識を増やしたり、テストの点数を上げていくことが好きだったので、英検は1級、TOEICは960点まで取りました。
仕事をしながら英語を勉強するコツは、楽しむことです!
私の場合、検定試験の教材の勉強と並行しながら、自分が楽しいと思える趣味に英語を近づけました。
具体的には、音楽、映画、読書です。
音楽は英語の歌詞が分からなくても楽しめますし、歌詞が分かって歌えるようになると更に楽しいです。
映画はDVDを使って、日本語字幕→英語字幕→字幕なしの順番に見ました。
最低3回見ることになるので、何度でも見たくなるようなお気に入りの作品を見つけました。「オペラ座の怪人」、「レ・ミゼラブル」、「マンマ・ミーア」など、ミュージカル映画は、音楽と映画の要素が両方入っていて、何度も繰り返して観るのに最適でした。
読書は「チャーリーとチョコレート工場」などの児童書と、村上春樹さんなど日本の作家の英訳された本を読みました。
仕事をしながら英語を勉強するコツは、ストレスを溜めないように工夫することと、隙間時間を有効に活用できる勉強方法を見つけることでした。
カナダ留学、永住に向けた英語の勉強方法について詳しくはこちらの記事もご覧ください。
カナダカレッジ留学
英語を趣味に日本で仕事を続けていましたが、英語で大学の勉強をしてみたいという考えは常に頭にありました。
そして、子どもが5歳になる直前、カナダに留学をすることにしました。
カナダを選んだのは、こんな理由からです。
留学先にカナダを選んだ理由
- アメリカより公的医療制度が整備されている
- アメリカより治安が良い
- 親が公立カレッジ・大学に通えば子どもの公立学校の学費が無料
3番目の、子どもの学費が無料になるという点に強く惹かれました。
自分自身のチャレンジに加えて、息子に幼年期から英語環境を経験させたいという思いから、カナダ公立カレッジへの留学を決意しました。
カナダのカレッジ選び
カナダの公立カレッジと決めたら、次は学校選びです。
当時は留学エージェントに手続きを依頼しましたが、学校選びについてはエージェントにはあまり相談せず、全て自分で決めてしまいました。
私がカレッジを選ぶ時に、次の条件をつけました。
私がカレッジに求めたこと
- 2年制の公立カレッジであること
- ビジネス関係の学科があること
- Co-op(有給インターン)が選択可能な学科があること
この3点を満たす学校は多くなく、バンクーバーとビクトリアの数校に絞られました。
その中から、日本への直行便が出ている立地の良さを考慮して、バンクーバーのカレッジを選びました。
このカレッジ入学するには、TOEFL、IELTSなどの公式英語テストで所定のスコアを取ることが必要です。
英語は普段から勉強していましたが、TOEFLの試験の英語は別物です。
試験対策のための勉強をして、2回目のTOEFL受験で目標スコアを取ることができました。
私の通ったカレッジの立地、教育内容には大満足でしたが、バンクーバーの隣のニューウェストミンスターという市のカレッジでは、英検1級が入学資格に使えたので、もっとリサーチしていれば、TOEFLの勉強をしなくても良かったと後で知りました。
ただ、TOEFLの勉強で身につけたアカデミック・イングリッシュの基礎はカレッジに入ってからとても役に立ったので、英語スコアを取ってカレッジ入学というルートは正解だったと思います。
私の場合は自分で決めた選択肢に満足できたので、結果オーライですが、これからカナダ留学、永住を考える方は、エージェントを上手に活用した方がいいです。
カナダ留学コンパスの無料相談もご利用ください。
カレッジでの勉強
カレッジではビジネスマネジメントの2年制の学科に入学しました。
最初の学期に、受講制限いっぱいの5科目を履修登録しましたが、カウンセラーに相談したところ、3科目までにしておいた方がいいとアドバイスされたので、3科目に減らしました。
その3科目も、経済学、マーケティング、カナダのビジネスの基礎という留学生が最初の学期に取るのにオススメの科目にしました。
経済学、マーケティングは日本の大学で受けたことがある内容を、もう一度英語で学びなおすという感じだったので、大変でしたがストレス少なく勉強することができました。
学校のカウンセラーさんは、最大限に頼りにした方がいいです。
余談ですが、後の方の学期で、自分の興味のある科目の法学と政治学を取りましたが、吐きそうになるほどハードでした。
日本の大学で勉強していたので好きな科目だったのですが、日本の法や政治とカナダのそれは全く違うので、全くのゼロから勉強をすることになりました。
今思えば、日本の知識がカナダの法学、政治学の勉強に役立たないのは当たり前です。
でも、これらの厳しい科目も含めて、カナダのカレッジでの勉強はとても楽しくて有意義でした。
子どもは公立学校に
留学の最初の3か月は、家族を日本に残してホームステイをしました。
その3か月間の間に、子どもを通わせる学校を決め、その学区内に家を探しました。
私が留学を始めた年の9月から、息子がバンクーバー市の公立学校のkindergarten(幼稚園)に通い始めました。
バンクーバー市では、公立学校のkindergartenは日本の幼稚園とは異なり、小学校(elementary school)の中に組み入れられています。イメージとしては小学校ゼロ年生といった感じです。
息子は今では学校が大好きなのですが、入学当初は大変だったようです。
日本にいる時から英語には慣れさせていたのですが、それでも、最初は緊張していました。
入学して2か月後位にハロウィーンの行事があって、一緒にトリック・オア・トリートに回ってくれた友達と仲良くなったあたりから、学校を楽しめるようになったようです。
カナダ永住への挑戦
カレッジを卒業後、3年間のポスグラビザを取得して、バンクーバーの留学エージェントに就職しました。
カナダ永住権取得を真剣に考え始めたのは、この頃でした。
就職した留学エージェントに有資格の移民コンサルタントが常駐していて、どのような制度を使ってカナダ永住権を取得できるか相談できたのが良かったです。
どの制度を使って永住するかをまず決める
カナダ永住権を取得するには様々な制度を利用可能です。
私が永住権取得を検討しだした時も、カナダでの就職直後に永住権を申請できる制度がありました。
しかし、申請は出来ても、承認されるだけのポイントを稼ぐことが難しそうであったため、1年間カナダで働いて、エクスプレス・エントリーのカナディアン・エクスペリエンス・クラスでの永住を目指すことにしました。
制度の組み合わせも検討
カナディアン・エクスペリエンス・クラスを使うと決めた後も、エクスプレス・エントリー単体で申請するか、PNPとの合わせ技で申請するかの検討が必要でした。
エクスプレス・エントリーの場合、1200点満点のポイントシステムで470点前後のポイントを獲得する必要がありましたが、当時の私の状況では、470点に全然足りませんでした。
年齢のポイントがほとんどゼロに近かったことが痛かったです。
ポイントを伸ばす方法としては、以下の方法がありました。
永住権のポイントを稼ぐ方法
- 日本の過去の勤務先に就労を証明してもらう
- 今働いている会社にLMIAを取得してもらう
- 英語の試験で高得点をとる
- カナダでの就労が2年になってから申請する
もう一つの方法としては、ブリティッシュ・コロンビア州のPNPとエクスプレス・エントリーを併用することが可能でした。
私はカナダの公立カレッジを卒業して、ブリティッシュ・コロンビア州の企業で働いていたため、BCPNPのInternational Graduateという制度を利用することが可能でした。
BCPNPのInternational Graduateもポイント制でしたが、年齢がポイント算定の対象外だったので、年齢で不利にならずに済みます。
200点満点で当時は80点程度稼ぐことが必要で、得点の伸ばし所はエクスプレス・エントリーとLMIA以外は一緒でした。
そこでまずは、BCPNPのInternational Graduateで推薦を受けるのに必要なポイントを稼ぐことを目指すことにしました。
英語試験はCELPIPを受験
永住権取得に必要な英語試験は、IELTSのジェネラルかCELPIPを選ぶことができますが、私はCELPIPを選ぶことにしました。
なぜCELPIPを選んだかというと、
CELPIPを選んだ理由
- 過去に受けたことがあるTOEFLにテストの実施方法が似ていた
- パソコンベースの試験の方が好きだった
- オンラインの教材、模擬テストが充実していた
というのが理由でした。
永住権取得に必要なスコアを取るには、2、3回受験しなければいけないだろうと言われていたので、永住権申請が可能になる就職後1年になるタイミングまでに余裕をもってCELPIPを受験しました。
CELPIPの落とし穴
CELPIPテストの結果は、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの各項目が、1~12の12段階で採点されます。
私の初めてのCELPIP受験の結果は
リーディング 12(満点!)
リスニング 10
ライティング 8
スピーキング 6
で、各項目の平均は9でした。
当然、永住権申請には、この平均値9というスコアが使えると思っていたのですが、何とCELPIPは一番低い項目のスコアが全体のスコアとなるんです。
だから私のスコアは6になってしまいました。
BCPNPを申請
CELPIPのスコアが6になってしまったのはかなりショックだったのですが、まずはBCPNPのInternational Graduateの申請をしてみることにしました。
BCPNPもエクスプレス・エントリーも、申込者プールに名前を登録するところまでは無料でできます。
申請の招待状(ITA)をもらって本申請をするタイミングで申請費用が掛かります。
これがBCPNP申請当時のポイントです。
- 職種のポイント…30点
- 収入のポイント…11点
- 居住地のポイント…0点
- 就労経験のポイント…13点
- 学歴のポイント…15点
- 英語力…14点
合計…83点
私が永住権を申請した当時は、BCPNPのInternational Graduateの推薦がもらえるラインが80点前後だったため、CELPIPの受け直しをしなくても、ブリティッシュ・コロンビア州の推薦を受けることができました。
今思えばとてもラッキーなタイミングでした。
州の推薦を受けて、永住権申請
私が使った制度は、BCPNPのInternational Graduateとエクスプレス・エントリーを合わせたもので、州の推薦を受けるとエクスプレス・エントリーのポイントが600点もらえる、というものでした。
永住権申請が認められるのが470点程度だったので、600点もらえると無条件で合格するということです。
ブリティッシュ・コロンビア州の推薦を受けたことが、エクスプレス・エントリーの申請に反映されると、すぐに本申請の招待状(ITA)が届き、本申請をすることができました。
本申請をする際には、家族全員がカナダ政府指定の内科医の健康診断を受けたり、妻と私が無犯罪証明書を取得し足りすることが必要でした。
無犯罪証明書の発行に思ったよりも時間が掛かったので、もう少し早めに手配しておけば良かったと、今考えれば思います。
必要な書類を揃え、エクスプレス・エントリーを本申請した後、6か月で承認の可否が決定されるということでしたが、それより早く、3か月程度で承認がおりました。
承認後も色々大変でした
永住権承認の通知は文書で届き、そこにははっきりと永住権申請が認められたと書いてあるのですが、永住権そのものが認められるためには、ランディングという手続きをする必要がありました。
ランディングとは、直訳すると「着陸」という意味で、カナダを出国して再入国した時に初めて、カナダ永住権が正式に認められるというルールです。
ランディングをすると永住権が認められるのですが、永住者としてカナダ出入国をするためには永住者カード(PRカード)が必要です。
私の場合は、6月に永住権の承認が下りたのですが、7月に家族が日本に一時帰国する予定があったので、すぐにランディングしてしまうと日本からカナダに入国する時点でPRカードが届いていない可能性が高かったので、カナダに帰国後の8月にランディングの手続きを行うことにしました。
ランディングはポイントロバーツという国境事務所で問題なく出来たのですが、PRカードが息子の分だけ届かず、問い合わせた所、カナダ移民局のシステム上は発行済みとなっているものの、行方不明になっているというトラブルがありました。
その年の年末にも日本に一時帰国する予定を入れていたことから、最悪の場合、航空券をキャンセルすることも考えましたが、日本に出発する1か月前にやっとPRカードが届きました。
まとめ
カナダ永住権は、カナダの公立カレッジ、大学を卒業して、永住権の対象となる専門性レベルB以上の仕事に就ければ、かなりの確率で取得することができると思います。
申請するタイミングによってハードルが上がったり下がったりするので、自分が承認された経験から判断するのは適当ではありませんが、カナダが移民に広く扉を開いているという姿勢であるのは間違いありません。
今は特にお隣のアメリカが移民に消極的なため、相対的にカナダの移民先としての人気が上がっているため、永住権申請や州の推薦を受けるために必要なポイントも上がっている状態です。
私が永住権を取得できたのはタイミングが良かったという運の要素もありますが、まとめると次の理由です。
- カナダの2年制の公立カレッジを卒業した
- カレッジ卒業後にポスグラビザを取って専門性レベルBの職種で就職した
- 英語で必要最低限のスコアが稼げた
- BCPNPのInternational Graduateの申請条件を満たしていた。
- BCPNPのポイント制度に年齢の不利がなかった
- BCPNPに必要なポイントが低いタイミングだった
やはりタイミングが良かったのが一番の要因です。
2020年現在、BCPNPのInternational Graduateの必要ポイントは100点前後で推移しています。
仮に私が今100点前後のポイントを目指すとすると、職歴、英語力でポイントを伸ばすことになりますが、エクスプレス・エントリー単体でのポイントも伸びるので、BCPNPを使わないで申請することになると思います。
ポイントを伸ばすには、学歴、職歴、英語力でポイントを稼ぐしかありません。
これからカナダ留学、永住を目指す方へのアドバイスとしては、公立カレッジ、大学の卒業が、その後の就職にも永住権申請にもとても強力な武器になる、ということです。
公立カレッジ入学には英語力が必要になりますが、そこで伸ばした英語力は永住権申請の時にも役立ちます。
もう一点アドバイスとしては、永住権取得を目指すなら、カナダでの就職先は永住権につながる職種にすることです。
自分の興味のある職種があっても、永住権が取れるまでは、永住権につながりやすい職種で割り切って働くことが大事です。
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カナダに入国するためにはビザが必要だよ! こちらの記事も参考にね。