移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。
2021年2月13日、カナダの永住権申請における歴史的な動きがありました!
なんと、一度に2万人以上に永住権申請の招待状が発行され、しかも合格最低ライン(スコア)が過去にないレベルの低さだったのです。
つまり、現在カナダの永住権申請の条件が非常にゆるくなっているので、永住権取得を目指している方にとっては大きなチャンスなんです!
今回の記事では、この歴史的なカナダ永住権の動きについて、速報でお知らせします。
こちらの動画でも分かりやすく解説しています!
カナダの永住権制度「エクスプレス・エントリー」
まず、カナダ永住権を取得する方法をおさらいしておきましょう。
カナダの永住権制度の王道なのがエクスプレス・エントリー(Express Entry)と呼ばれる制度です。
エクスプレス・エントリー全般についてまずは詳しく知りたいという方は、こちらの記事からご覧ください。
エクスプレス・エントリーは、一定の条件を満たす申請者のプロフィールをポイント化して、合格ラインを越えた申請者に永住権を与えるというプログラムです。
学歴、職歴、英語力、年齢などさまざまな項目がポイント化され、ポイントが高ければ高いほど優先されます。
2週間に1度程度、ドローイング(選抜)が行われ、ポイントが合格ラインに達していると「カナダ永住権申請への招待状(Invitation to Apply、ITA)」が発行され永住権を申請できるようになります。
エクスプレス・エントリーのポイントは1200点満点で、過去5年ほどの記録を見ると約450~480点の合格点を推移してきました。
また、一度にITAが発行されるのは3,000~5,000人程度です。
歴史的な大量ITA発行!
このように、一般的にエクスプレス・エントリーの合格点は450~480点、一度のドローイングで合格するのは4,000~5,000人程度となっていました。
しかし、2021年2月13日にこれまでの流れを覆すような、前代未聞のドローイングが行われたのです!
なんと、今回に限っては合格点が75点。
しかも、一度の27,332人もの申請者に ITAが発行されたのです!
このドローイングがいかに異常か、昨年11月以降に行われたドローイングの結果と比較してみてください。
ドローイング日 | 対象プログラム | ITA(招待状)発行数 | 招待最低点 |
2021年2月13日 | カナディアン・エクスペリエンス・クラス | 27,332人 | 75点 |
2月10日 | PNP | 654 | 720点 |
1月21日 | カナディアン・エクスペリエンス・クラス | 4,626人 | 454点 |
1月20日 | PNP | 374人 | 741点 |
1月7日 | カナディアン・エクスペリエンス・クラス | 4,750人 | 461点 |
1月6日 | PNP | 250人 | 813点 |
2020年12月23日 | プログラム不問 | 5,000人 | 463点 |
12月9日 | プログラム不問 | 5,000人 | 469点 |
11月25日 | プログラム不問 | 5,000人 | 469点 |
11月18日 | プログラム不問 | 5,000人 | 472点 |
11月5日 | プログラム不問 | 4,500人 | 478点 |
これまで見たことのないような低いポイントの人を含め、大量にITA を発行しているのが分かります。
さらに、昨年まではドローイングの対象となるプログラムは不問でしたが(エクスプレス・エントリー制度の中にもさらに細かなプログラムに分けられています)、今回はカナディアン・エクスペリエンス・クラス(CEC)やプロビンシャル・ノミニー・プログラム(PNP)と呼ばれるプログラムに限定して発行されています。
CEC も PNP も、プログラムの条件上申請者がすでにカナダ国内にいる可能性が高いため、コロナの入国規制の影響を受ける可能性が低いため優先されたと思われます。
このように、過去の流れから見ても、今回のドローイング結果は異常としか言いようがありません。
今後のカナダ移民状況はどうなるの?
気になるのが、今後のカナダ移民がどのように推移するかということです。
昨年10月に発表されたカナダ移民計画書「2021-2023 Immigration Levels Plan」では、カナダはこれから3年間、これまで以上に多くの移民を受け入れると述べています。
移民受け入れ予定数(内エクスプレス・エントリーからの移民) | |
2021年 | 401,000人(108,500人) |
2022年 | 411,000人(110,500人) |
2023年 | 421,000人(113,750人) |
COVID-19の流行により、2020年のカナダの移民受け入れ実績が当初の移民受け入れ目標(341,000人)を大きく下回っているとの報道もあります。
つまり、今回の異常とも言える招待状の発行数は、2020年の移民受け入れ落ち込みを補填するものである可能性もあります。
また、カナダの移民大臣のMarco Mendicino氏が先月ニュース番組のインタビューに答えた中で、パンデミックの状況下では短期ビザによるカナダ滞在者をカナダ移民に転換することに力を入れるとの意向を示していました。
カナディアン・エクスペリエンス・クラスによる申請者の多くは短期就労ビザでカナダで働きながら永住権を申請しているので、今回のITA大量発行はMendicino大臣の意向に沿ったものと言えるかも知れません。
ただし、2021年のエクスプレス・エントリーによる移民受け入れ目標数108,500人のうち、36,708人に既に招待状が送られていることは、これから年末に向けて招待状発行数が絞り込まれる可能性があります。
今後の動きについて具体的な発表はありませんが、カナダ永住権取得を目指している方にはチャンスとなる可能性もあるので、できるだけ準備をはじめておくことをおすすめします。
エクスプレス・エントリーの招待状が大量発行:まとめ
2021年2月13日に、カナダの永住権申請における歴史的な動きがありました。
今後の動向について確かなことは現時点では何も言えませんが、カナダ全体の方針としては移民受け入れを拡大していくことに間違いはありません。
今回のような、最低点75点でのドローイングが再びあるかは分かりませんが、今までの目安の最低点(450点~480点程度)に満たなくても、カナディアン・エクスペリエンス・クラスの申請条件さえ満たしていれば申請の準備だけでも進めドローイングを待つのも得策かも知れません。
今までカナダ永住は難しいとあきらめかけていた方も、ぜひ再度ご検討ください。
まずは、カナダ留学コンパスの無料相談をご利用ください。
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