カナダの西側に位置するブリティッシュコロンビア州には、バンクーバーやビクトリアなどの大きな都市があります。
大都会の印象が強いブリティッシュコロンビア州ですが、自然の気配も色濃く、山や海でのアクティビティも盛んです。
この記事では、ブリティッシュコロンビア州についてのさまざまな情報をご紹介します。
- 日本からのアクセス
- 天候・治安などの基本情報
- おすすめスポット
これからブリティッシュコロンビア州に渡航予定の方は、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
ブリティッシュコロンビア州の基本情報
ブリティッシュコロンビア州は、カナダの大都市であるバンクーバーが位置する州です。
StatisticsCanadaによると、2023年1月時点での人口は539万人以上とされており、オンタリオ州・ケベック州に続いて、カナダで3番目に人口が多い州となっています。
ちなみに、ブリティッシュコロンビア州の広さは95万㎢ほどで、す。この面積は日本の国土面積の約2.5倍にあたります。
一方で、人口数は大阪市と名古屋市を足した程度で、人口密度が極めて低いといえます。
そんな広大なブリティッシュコロンビア州は、自然が豊かで気候も穏やかな環境です。日本企業の進出が多い州でもあることから、日系人や日本人の留学生・渡航者を見かける機会も多くあります。
ブリティッシュコロンビア州の歴史
ブリティッシュコロンビアというイギリスを連想させる名前の通り、この地はかつてイギリスの植民地でした。
イギリスのヴィクトリア女王は、カナダとアメリカの両国を流れる川「コロンビア川」に着目します。アメリカとカナダの区別をつけるために、この地に「ブリティッシュ(イギリスの)コロンビア」という名をつけたのが、由来だそう。
そんなブリティッシュコロンビア州のネーミングの歴史は、州旗にも描かれています。
上部にはイギリス国旗と同じユニオンジャックに、王室を意味する冠。下部の海に沈む太陽は、太平洋側にあるブリティッシュコロンビア州の位置を表現しています。
ファーストネーション(先住民)について
ブリティッシュコロンビア州では、現在も多数のファーストネーション(先住民)が生活をしています。
ファーストネーションとブリティッシュコロンビア州の関係構築は、現在においても課題とされているものです。
ファーストネーションの人々が意志決定の場に積極的に参加できる機会の増加や、さまざまな支援が受けられる制度の構築などが、施策されています。
BC州の取り組みについてもっと知りたい方はこちら
ブリティッシュコロンビア州はどこにある?
ブリティッシュコロンビア州は、カナダの西部に位置します。
州最大の都市であるバンクーバーが有名ですが、州都はバンクーバー・アイランドにあるビクトリアです。
また、ブリティッシュコロンビア州の南はアメリカとの国境線に触れます。国境を一歩越えれば、アメリカのワシントン州・アイダホ州・モンタナ州です。
バンクーバーからアメリカの大都市シアトルまでは、バスで4時間ほどで到着します。距離が近いことから、国境を越えたシアトルに買い物や観光目的で訪れるカナダ人は少なくありません。
同じくカナダの大自然やアクティビティを求めて、シアトルからバンクーバーへ訪れるアメリカ人も多くいます。
カナダの州についてもっと詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてください。
参考
日本からのアクセス
ブリティッシュコロンビア州にある、バンクーバー国際空港行きへの直行便が、成田から出ています。
バンクーバー国際空港以外にも、ケロウナ空港やビクトリア国際空港などの主要な空港が、ブリティッシュコロンビア州にはあります。しかし日本からこれらの空港への直行便は出ていないようです(2023年5月時点)。
バンクーバー国際空港への直行便を運行している航空会社は、ANA・エアカナダ・JAL・アメリカン航空などが挙げられます。直行便に乗れば、8時間半ほどの渡航時間でバンクーバーへの到着が可能です。
航空費用を節約したい場合は、経由便を選択するのも、ひとつの手です。しかし、渡航時間は倍以上かかるため、長時間のフライトが苦手な人は注意しましょう。
また、ブリティッシュコロンビア州は太平洋に面した地域です。そのため、クイーンエリザベス号や飛鳥Ⅱなど、豪華客船の停泊地としても知られています。
予算に余裕がある方や観光目的の方は、日本経由・日本発の船で渡航する方法も検討してみてはいかがでしょうか。
ブリティッシュコロンビア州内の交通機関
ブリティッシュコロンビア州で使用される交通機関は、車やバスが主流です。大都市では通勤時間帯のバスの運行数が多く、車内は混雑しています。
どの都市であってもバスの路線は充実しているため、滞在中の移動手段はバスをメインに使用すると良いでしょう。
そのほかにも国内線やフェリー(シーバス)、水上飛行機なども運航しています。
水の上を走るシーバスや水上飛行機は観光客にとくに人気が高い移動手段です。移動目的ではなく、景観を楽しむアクティビティとして利用する人も少なくありません。
また、ブリティッシュコロンビア州では鉄道も利用されています。ただし日本の電車のように一駅の間隔が短くないため、長距離の移動に使われることがほとんどです。
ブリティッシュコロンビア州の天候、気候
ブリティッシュコロンビア州は、太平洋に面しています。そのため海岸沿いのエリアは、その他の地域に比べて降水量が多くなる傾向にあります。
一方で、全体的な降水量は日本よりも少なく、梅雨時の5・6月も雨に悩まされることはほとんどありません。一方で気温が低い10月〜1月の降水量が多いことから、日本よりも厳しい冬の寒さを実感するでしょう。
気温は、8月の最高気温の平均が24.1度、最低気温の平均が15.5度と日本よりも涼しいといえます。一方で、12月になると最高気温の平均が4.1度、最低気温の平均が-1.3度とぐっと下がります。
冷え込む日は−10度を下回ることも多いため、冬のブリティッシュコロンビア州を訪れる際は防寒対策をしっかりしたほうが良いでしょう。
出典
- 気象庁|過去の気象データ(2023年5月時点)
- Government of Canada|Historical Data(2023年5月時点)
- 気象庁|地点別平年値データ・グラフ(2023年5月時点)
ブリティッシュコロンビア州のベストシーズンと適した服装
ブリティッシュコロンビア州を訪れるのであれば、夏がおすすめです。植物がもっとも活き活きとしており、ブリティッシュコロンビア州の雄大な大自然の本来の姿に触れられます。
また、カナダ人にとって夏の時期はとても短く貴重な時間です。そのため夏のシーズンにはブリティッシュコロンビア州で多くのイベントが開催されます。
中でも、バンクーバーで6月に開かれる「バード・オン・ザ・ビーチ(bard on the beach)」は、現地の人々にも人気の夏イベントです。日本からの航空券が高い7・8月よりも前に渡航し、ブリティッシュコロンビア州の楽しい夏の始まりに、参加してみてはいかがでしょうか。
ブリティッシュコロンビア州と日本の時差
カナダは面積が広いため、州によって日本との時差が異なります。ブリティッシュコロンビア州の場合、日本との時差は17時間です。
たとえば日本が1月1日の0時のとき、カナダでは12月31日の朝7時になります。また、5〜11月のサマータイムでは時差が-16時間に縮まります。
カナダの州ごとの時差とサマータイムについて詳しい情報は、下記の記事を参考にしてください。
ブリティッシュコロンビア州の治安
ブリティッシュコロンビア州には複数の都市があり、エリアごとに治安は異なります。
たとえば、大都市であるバンクーバーの場合、2021年度の重犯罪指数を示す数値(CSI)は90.11とされています。州都のビクトリアの場合は148.43、リタイア世代が多いのんびりした片田舎のケロウナでも、重犯罪指数は141.93とバンクーバーより高めです。
数字だけ見るとバンクーバーの治安が良いように感じますが、数値はあくまで目安です。観光客を狙った犯罪・事件はどこのエリアでもあり、注意力不足から危険な目に合うことも考えられます。
ブリティッシュコロンビア州に渡航する際は、夜に1人で出歩かないことや、スマホや財布をしっかり守ることなどを意識して、犯罪・事件に巻き込まれないよう注意を払いましょう。
詳しい指数は、カナダ政府のサイトで公開されています。
参考
- Government of Canada|Crime severity index and weighted clearance rates, police services in Vancouver,British Columbia
- Government of Canada|Crime severity index and weighted clearance rates, police services in Victoria,British Columbia
- Government of Canada|Crime severity index and weighted clearance rates, police services inKelowna,British Columbia
ブリティッシュコロンビア州の特徴・おすすめポイント
ブリティッシュコロンビア州の特徴は、雄大な自然です。太平洋に面した州であることから海の存在を感じられ、内陸部では山々の息づかいに触れられます。
海と山、どちらの環境も身近にあるため、マリンスポーツやウィンタースポーツなどのアクティビティも盛んです。旅行などの短期滞在の際は、季節を感じられるエリアに足を運び、自然に触れる遊びを楽しんでみてください。
留学などの長期滞在の場合は、交通の便が良い都市部を拠点に選ぶことをおすすめします。
平日は学業、週末はブリティッシュコロンビア州ならではのアクティビティを楽しむことで、充実した日々を過ごせるでしょう。
ブリティッシュコロンビア州のおすすめスポット・アクティビティ11選
ブリティッシュコロンビア州の魅力は、美しい自然に満ちている点です。大都市であっても開放的な印象を受け、どこにいてもカナダらしい伸びやかな雰囲気を感じられます。
そんなカナダの魅力を求めて多くの国から人々が訪れることから、ブリティッシュコロンビア州にはアクティビティや観光スポットがたくさんあります。
ここからはブリティッシュコロンビア州のおすすめ観光スポットやアクティビティについてご紹介します。
ブリティッシュコロンビア州への渡航を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
バンクーバー近郊
ブリティッシュコロンビア州最大の都市であるバンクーバー周辺は、さまざまな観光スポットに溢れています。
ガスタウン
映画で見るようなレトロな街並みが魅力のガスタウン(Gastown)は、バンクーバーに訪れたらぜひ足を運びたいスポットです。
たくさんのショップが立ち並び、お土産を購入するのにも最適の場所といえます。ここでしか見ることができないガス時計は、ぜひその目でチェックしておきましょう。
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スタンレーパーク
バンクーバーのスタンレーパーク(Stanley Park)は、都会の中に広がる緑のオアシスです。園内には水族館や展望スポット、ミニチュア鉄道などがあり、レンタサイクル・バイクなども楽しめます。
慣れない外国で人混みや都会の喧騒に疲れた際は、ぜひ立ち寄りたい癒しのスポットです。
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グランビルアイランド
グランビルアイランド(Granville Island)は、かつてバンクーバーの工場街として栄えていました。現在は食事やショッピングを楽しめる、観光スポットとして人々に愛されています。
グランビルアイランドには活気ある市場やビール工場などもあり、大人にとってワクワクする要素が満載です。対岸にある圧巻のビル群の景色も、ぜひ目に焼き付けておきましょう。
公式サイト(英語)
バンクーバー周辺の観光スポットについては、下記の記事にも詳しく記載されています。
バンクーバーアイランド
バンクーバーアイランド(Vancouver Island)は、州都ビクトリアがある、カナダ本土の西側に浮かぶ島です。
太平洋に囲まれた島であることから手付かずの森林が残されており、珍しい動物や植物なども多く生息しています。
ホエール ウォッチングや、ストーム・ウォッチングなども楽しめるエリアとして、有名です。
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ビクトリア
ブリティッシュコロンビア州の州都であるビクトリア(Victoria)は、イギリスを連想させるクラシックな街並みが特徴です。
一方でローワージョンソンストリートやチャイナタウンなどに足を運べば、絵本の世界を飛び出してきたような雰囲気も、堪能できます。
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ビクトリア(Victoria)
下記では、ビクトリア旅行をする方におすすめのスポットと、留学生向けのビクトリアの情報についてまとめています。
ビクトリアへ足を運ぶ際は、ぜひチェックをしてみてください。
ナナイモ
港町でもあるナナイモ(Nanaimo)は、ファースト・ネーション(先住民)の言葉で「人の会う場所」を意味します。
その言葉を裏付けるように、美しい自然と海の景色に惹かれて訪れる人が多い都市です。中でも港町らしいアクティビティである海洋動物ウォッチングは、観光客に高い人気を誇ります。
タイミングがよければ、ナナイモの浅瀬で寝転がる野生のアシカやアザラシに出会えるかもしれません。
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ナナイモの詳細については、下記の記事でも解説しています。ナナイモへの渡航を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
トフィーノ
サーファーの聖地として知られるトフィーノ(Tofino)は、バンクーバーアイランドの西側に位置します。
海でサーフィンにチャレンジするもよし、手つかずの森林の散策や海辺でキャンプを楽しむもよし。自然に触れられる遊びがトフィーノにはたくさんあります。
公式サイト(英語)
ウィスラー
バンクーバーの北に位置するウィスラー(Whistler)を訪れるなら、冬がおすすめです。
ウィスラーは山間部に近い、雪が積もる街です。ウィンタースポーツが盛んなことから、世界中からスノーボーダーやスキープレイヤーなどが訪れます。
春夏には、雪解け後の大地を使ったアクティビティが豊富で、マウンテンバイクや雪壁のハイキングなどが楽しめます。
ウィスラーに関しては、下記で詳細を記載しています。気になる方は確認をしてみてください。
ケロウナ
ケロウナ(Kelowna)はブリティッシュコロンビア州の南に位置します。ゆったりとしたのどかな都市で、定年退職後のセカンドライフを始める場所としてカナダ人に選ばれることも多い街です。
ケロウナはワインの産地としても有名なため、街のいたるところにワイナリーがあります。ケロウナを訪れた際は足を運んで、お気に入りのワインを探してみてはいかがでしょうか。
下記の記事でケロウナの詳細について解説をしています。ケロウナのおすすめ観光スポットもたくさん紹介しているため、ぜひチェックしてみてください。
ホワイトロック
ブリティッシュコロンビア州の南西部にあるホワイトロック(White Rock)は、小さな港町です。街のどこを歩いても海の風を感じられ、穏やかで優しい雰囲気は地元カナダ人からも愛されています。
ホワイトロックのランドマークであるホワイトロック浅橋は、空と海の境界線が曖昧になる絶景スポット。ホワイトロックを訪れた際は、ぜひその広大な景色を楽しんでみてください。
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プリンス・ジョージ
ブリティッシュコロンビア州北部に位置するプリンス・ジョージ(Prince George)は大自然に囲まれた都市です。
日本での知名度はあまり高くなく観光客も他の都市に比べて多くありません。しかしその分、地元の遊びやグルメに溢れています。
街の中には公園や博物館がたくさんあるため、地元の人々に混ざってのんびり過ごすことができます。
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まとめ
カナダの主要都市を抱えるブリティッシュコロンビア州には、大自然に触れられるアクティビティやスポットがたくさんあります。
観光客が多いことから外国人に慣れている人も多く、旅行などの短期滞在先としてはもちろん、留学で長期滞在をするにも適した場所です。
これからブリティッシュコロンビア州へ訪れる予定の方は、記事の内容を参考にして、充実した日々を過ごせるプランニングをしてみてください。