
ワーキングホリデーは、18歳から30歳の人が参加できる、国際交流プログラムです。
日本と相互に協定を結んだ国が対象で、2019年現在、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど、21カ国が対象になっています。
ワーホリ(ワーキングホリデー)の定義
ワーキング・ホリデー (Working Holiday) 、通称ワーホリとは、18歳~30歳を対象に、日本と協定を結んだ国にて異文化に触れながら、就学・就労・滞在ができる制度です。
働きながら外国の文化が体験できる、夢のような制度ですが「海外で1年間生活をする」……と聞くといろいろと心配になりますよね。
今回の記事では、カナダ留学の専門家がカナダ ワーキングホリデーのメリットとデメリットを徹底的に解説します。
このページの目次
ワーホリでカナダに行くメリット
カナダにワーキングホリデーで行くことにどんなメリットがあるのでしょうか?
ワーキングホリデーをすることのメリットとは、それぞれの「留学の目的」によって変わってきますが、ここではこれまでサポートをしてきた方々の「留学の目的」を参考にしつつ説明をしていきたいと思います。
- 英語が話せるようになる
- カナダに友人ができる
- 国際感覚が身につく
- 外資系企業に就職できる
- 貯金ができる
- 外国の永住権が取れる
- 多様性が身につく
- 観光を楽しめる
英語が話せるようになる
「カナダにワーキングホリデーで行きたい」という方の一番の目的は「英語が話せるようになりたい」ではないでしょうか。
英語圏の国の中でも、カナダに行くことには、大きなメリットがあります。
実は、日本人が学校で学んできた英語の発音は「アメリカ英語」で、カナダ英語はアメリカ英語に非常に近いからです。
カナダの場合、アメリカと地理的、経済的に強力な結び付きがあるので、カナダで英語をマスターした後に、アメリカで就職するなど、キャリアの発展につながりやすいことも魅力です。
カナダに友人ができる
このメリットはカナダ以外の国へのワーキングホリデーにも当てはまります。
日本にいても外国人の友人ができることはありますが、自分が海外に出れば、出会いの可能性は段違いに広がります。
海外で友人を作る際に気をつけたほうがいいのは、「カナダ人の友人」を作ることだけにこだわりすぎないことです。
滞在先のカナダ人との出会いだけでなく、その国に来ている外国人との出会いもとても貴重です。
これは、ワーホリ先で出会う日本人の友人にも当てはまります。必要以上に日本人を避けることに意味はありません。
その国のカナダ人と友達になる、というこだわりを捨て、異国での貴重な出会いを大切にしましょう。
国際感覚が身につく
カナダに限らず、海外で生活すると、日本の常識が世界で通用しないことを痛感します。
日本の良さを再発見することも含めて、世界の常識を肌で体験できることがワーキングホリデーの大きなメリットです。
1年間海外に住むと、短期の旅行では体験できない、その国での生活を体験することができます。
余談ですが、身につけた国際感覚を日本で発揮する時にはちょっとした注意が必要です。
注意点!
何かにコメントする時、「イギリスでは~」、「カナダでは~」などと話し始めると、「海外自慢の面倒くさい奴」と思われて、せっかくいい内容を話そうとしても、聞く耳を持ってもらえないので、気をつけましょう!
外資系企業に就職できる
ワーキングホリデーを経験しないで、日本の大学を卒業して就職するよりも、英語をメインで使用する外資系企業に就職しやすくなることがあります。
ただ、企業はワーキングホリデーの経験そのものをプラスに評価することはありません。
ワーキングホリデーで、企業から見て魅力的と思える経験「滞在中に何をしてきたのか」が評価の分かれ目となります。
企業から見たら、どちらが魅力的だと思いますか?
- 語学学校を卒業した後、アルバイトをしてました
- 語学学校を卒業した後、専門学校でホスピタリティを学び、カナダでインターンをしてきました
しっかりとした「目的」とそれを「実行」して、日本の就職活動の際の強力なアピール材料を持つことが大切です!
貯金ができる
カナダでの生活にはお金がかかります。でも、滞在中に働けることがワーキングホリデーの大きな魅力です。
あまり知られていませんが、カナダの場合、ワーキングホリデーでガッチリ働くと、日本で働くよりも稼げて、貯金して帰ることができる場合もあります。
外国の永住権が取れる
ワーキングホリデーの受け入れをしている国の中には、積極的に海外からの移住者を認めている国があります。
移民国家として知られる、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドがその筆頭です。
移民国家とひと言で言っても、その国ごとの国内情勢によって、海外からの移民を積極的に受け入れる時期とそうでない時期があります。
オーストラリア、ニュージーランドの移民受け入れの状況について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
多様性が身につく
ワーキングホリデーで行ける国は様々ですが、上で挙げた移民国家のカナダ、オーストラリア、ニュージーランドは異なる文化的背景を持った国民が多く、多様性への理解が深いです。
日本人は日本を単一民族国家だと思っていて閉鎖的なので、多様性への理解を肌で感じることができるのは、ワーキングホリデーの貴重なメリットと言えます。
観光を楽しめる
ワーキングホリデーの趣旨の一つには、「カナダを肌で経験してもらうこと」ことです。
観光をすることも、ワーキングホリデーの立派な目的となるので、日本に帰ってから、ワーキングホリデーで滞在した国の観光の魅力を伝えることが出来るくらいに滞在先を満喫しましょう。
ワーホリでカナダに行くデメリット
いっぽう、ワーキングホリデーでカナダに行くデメリットには、どんなものがあるでしょうか?
よく聞くデメリットをまとめてみました。
- 英語が上達しない
- 日本人とばかり仲良くなる
- 希望する仕事につけない
- 日本の就職に役立たない
- 日本のキャリアが中断する
- 気候が合わない
- お金がかかる
- 日本から遠い、時差が大きい
- 食事が合わない
- 人種差別をされて辛い思いをする
ほとんどは上記で挙げたメリットの反対のこととなりますが、ひとつずつ、詳しく解説していきます。
英語が上達しない
「英語の上達」を目的にしてワーキングホリデーに来た人の中には英語が伸びない人もいます。
そんな中には、「海外に行けば英語がペラペラになる」という幻想を持っていることが原因の場合が多いです。
じつは海外に「行くだけ」「住むだけ」では英語が話せるようにはなりません。
どういうことか?と言うと、海外に住むだけではなく、英語を勉強し、その英語を実生活の中で使うことで英語が上達していきます。
日本人とばかり仲良くなる
よくある失敗談にワーホリで1年間も海外で住んでいたのに、結局日本人の友達としかつるんでなかったという話があります。
やっぱり同じ母国語で話せるというのはラクですよね。でも、日本人とだけつるんでいると英語を話すチャンスが減ります。
かと言って日本人を避ければいいということではありません。
カナダでワーホリ、留学をする時に、よく相談されるのが、「日本人がいないところに行きたい」ということです。
日本人が周りにたくさんいると、日本語ばかり使ってしまって英語が上達しないという考えなのだと思いますが、海外で日本人を避けることに意味はありません。
海外で困った時、ぐちを言いたい時に、日本語で相談に乗ってくれる友人がいる方がずっと安心です。
とは言っても、日本人だけと一緒にいて、日本語だけを使って生活するのでは、何のために海外にいるのか分かりません。
語学学校に通って、日本人の友達も、日本人以外の友達も作りましょう。
そして、グループの中に日本人以外の友達が1人でもいれば、自然と会話は英語になります。
「日本人が少ないから」という理由で留学先、ワーキングホリデー先を選ばないほうが良いことについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
希望する仕事につけない
ワーホリでカナダに行っても、仕事に就けないと嘆く方がいます。
その方はなぜ仕事に就けないのでしょうか?
そもそもですが、自分がどんな仕事を希望しているか、冷静に考えてみましょう。
「イベントの企画の仕事がしたい」などと高望みをしていませんか?
日本の場合で考えてみましょう。カナダからワーホリできた日本語片言のカナダ人を、企業の人事担当者は雇うでしょうか?
わたしだったら雇いません。それと同じです。
自分の今の英語力、就労経験を冷静に評価して、雇われる可能性のある会社、職種で働きましょう。
逆に、「どうしてもこの業種で働きたい!」という目標があるのなら、その職種でどのような人が採用されているのかを調べて、雇ってもらえるように自分の価値を上げましょう。
カナダの場合、ワーホリの前に学生ビザでカナダに来て、カレッジのコープ、インターンなどで経験を積んでから就職活動をすることも効果的です。
カレッジのCo-op、インターンで働いた会社でワーホリ期間中にそのまま働き続けられるケースも多いです。
ワーキングホリデーの1年間の前に学生ビザでカナダに滞在することができるか、検討してみてください。
カナダのカレッジで体験できるインターンについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
留学と組み合わせることで、ワーキングホリデーの可能性がどう広がるか、詳しくはカナダ留学コンパスにご相談ください。
カナダ永住、より良い企業への就職、など、それぞれの目標に応じたワーキングホリデーの価値を最大化するためのプランをご案内します。
日本の就職に役立たない
ワーキングホリデーの一番のデメリットはこの、日本の就職に役立たないということかも知れません。
日本では、横並びの新卒一括採用の慣習が根強いため、他の人と(採用担当者の常識と)違ったことをする人を、意識的、無意識的に排除しようとする傾向があることは確かです。
ワーホリ = 遊びと思われる
また、ワーキングホリデーの「ホリデー」という部分から、ワーキングホリデーを遊びとみなされることもあります。
でも、本当に遊びとしか言えない経験しかしていないのであれば、評価してもらえないことも仕方がありません。
ワーキングホリデーが貴重な体験だったと胸を張って言えるようなものにするために、日本の企業の採用担当者の気持ちになって、ワーキングホリデーでどんな体験をしてきた人だったら採用したくなるか、考えてみましょう。
企業で直接役に立つ経験でアピール
当たり前ですが、企業は即戦力を求めています。
新卒ではなくワーキングホリデーを経て就職しようというのですから尚更です。
ワーキング・ホリデー後に日本でどんな業種、職種で就職したいのか、明確なイメージを持って、ワーキングホリデー中にどんな会社で働くを考え、それが実現できそうなワーキングホリデー先の国を選びましょう。
日本のキャリアが中断する
ワーキングホリデーは31歳になるまでに申請できる制度なので、社会人が一度会社を辞めて、次の就職先とのギャップの期間に利用することもよくあります。
こうした際にデメリットになりうるのが、日本で今まで働いていた経験が中断してしまうことです。
日本で積んだキャリアにつながる内容でワーキングホリデー先で働くのが理想ですが、その業種、職種で外国人の雇用を求めているかによって希望した職種で働けるかは異なります。
採用されるために、カナダでの学歴が有効になる場合もありますので、カナダ留学コンパスにご相談ください。
留学と組み合わせたワーホリプランをご案内します。
気候が合わない
ワーキングホリデーでは世界の様々な国に行けます。
気候が日本に近い国もあれば、暑い国、寒い国もあります。
緯度によって日照時間も違います。
こうした気候の違いによって、体調を崩してしまう可能性があることもワーキングホリデーのデメリットと言えます。
カナダの場合、緯度が高いので、基本的にはとても寒いです。
例外的に、バンクーバーなどの西海岸は、メキシコ湾流という暖流が近くを流れている影響から、緯度に比べてとても暖かいです。
西海岸から離れると、緯度どおりの寒さになります。
また、緯度が高いので冬の日照時間が短く、バンクーバーの場合冬は雨も多いので、気分が落ち込んでしまうことがあります。
こうした、日本との気候の違いは、ワーキングホリデー前によく調べて理解しておくことで対処できます。
寒くて暗いカナダの冬ですが、街はそれに合わせてデザインされていますし、気候に合わせた生活の知恵も豊富です。
例えば、カナダでは、冬の日照時間が少ないことについては、ビタミンDのサプリメントを摂ったりすることで健康への影響が出ないように対処しています。
冬の日照時間が短い分、夏は夜10時位まで明るくて、とても気持ちがいいです。
日本と気候が違うことには、ネガティブな面だけでなく、ポジティブな面もあります。
日本との差を、良いところも悪いところも、1年みっちり体験できるのがワーキングホリデーの良さです。
お金がかかる
ワーキングホリデーで海外に行くと、お金がかかるということがデメリットです。
ですが、他の海外短期滞在ビザと大きく異なり、働くことができるのがワーキングホリデーなので、お金を稼ぐことができます。
ワーキングホリデーのデメリットとは、希望していた職種で仕事ができず、期待していた収入が得られないことです。
このデメリットは、十分な準備をして、ワーキングホリデーの就職先を見つけることで解消することが出来ます。
日本から遠い、時差が大きい
日本から物理的に離れることもデメリットです。
これは、普段ワーキングホリデー先での生活を楽しんでいる間は気にすることが少ないデメリットですが、「家族が急病になったりして、すぐ日本に一時帰国しなければいけない」といったような時に問題になります。
物理的な距離だけでなく、日本への直行便が飛んでいる頻度なども考慮して滞在先を決めましょう。
食事が合わない
海外の食文化に合わず、体調を崩してしまう可能性があることもワーキングホリデーのデメリットです。
「体調を崩してしまう」とまでは行かなくても、海外で外食中心の生活になると、太ってしまうことが多いです。
滞在の始めはホームステイにする、シェアハウスなどに移った後でもできるだけ自炊する、などの対策を取ることで、太り過ぎを予防しながら出費を抑えることも出来ます。
人種差別をされて辛い思いをする
まずお伝えしておきたいのが、カナダは人種差別に厳しい国です。
学校では子どもたちは自分と異なる文化を尊重するように教えられますし、学校に多様な文化的背景の子どもが集まっています。
わたしの子どもが通っているバンクーバーの公立小学校では、英語以外の言葉を話さない子どもの方が、むしろ少数派です。
そういうこともあり、カナダで人種差別を受けることはとても少ないですが、差別を受ける可能性もゼロではありません。
わざわざ海外にワーキングホリデーで行ってまで差別をされるのを恐れてワーキングホリデーで海外に行くことをやめるのはすごくもったいないと思います。
差別される痛みを知ることは貴重な経験でもあります。
痛みを知っている人の方が、他の人の痛みに共感でき、寛大になれます。
日本に帰ってから、気づかないうちに誰かに差別的な態度を取ってしまうことを回避できるかも知れません。
まとめ
いかがでしたか?
ワーキングホリデーで海外に滞在することにはメリットもデメリットもあることがお分りいただけたと思います。
そして、デメリットはほとんどメリットの裏返しであること、事前に対策することでデメリットを打ち消したり、メリットに変える事ができるのではないでしょうか?
「海外で生活する」という新しい体験にデメリットとリスクはつきものですが、そのデメリットを恐れてワーホリに行かない、という選択もすごくもったいないと思います。
是非カナダ留学コンパスにご相談ください。
カナダへのワーキングホリデーのデメリットをなるべく減らし、メリットを最大化するプランをご案内します。