移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。
カナダ留学コンパスでは、カナダへの永住する方法を多数ご紹介しています。
その中でも就労ビザをいかに獲得するかが重要で、カナダ永住のスタートラインに立つための大事なステップになります。
就労ビザには様々な種類があります。
例えば
- 雇用主を限定しているもの
- ポスグラビザのように、指定の学校を卒業することによって取得可能になるもの
などなど。
今回の記事では、社会人が
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就労ビザ
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永住権申請
の流れでカナダ永住権を取得するまでのケースを、具体的な例を使いながら見ていきます。
カナダ永住の概要については「カナダの永住、永住権制度についてまとめ」をご覧ください。
就労ビザやその他すべてのビザ情報は「カナダのビザ情報まとめ」で詳しく紹介しています。
このページの目次
永住権の合格ラインが高くなっている!?
カナダ永住権制度はポイントシステムで、いかに高いポイントを稼ぐかが重要です。
2019年現在、特にブリティシュコロンビア州でこの合格ラインが高くなっている傾向があります。
これは、カナダへの永住の条件自体が厳しくなっているというわけではありません。カナダへの移住を希望が増えたため、競争が激しくなってきている、ということです。
その競争に勝ち抜けるプランを用意して臨まなければいけません。
永住プランを綿密に考えましょう
カナダ永住にどんな制度を使うのか、綿密に考えましょう。
まず最初に考えるのは、カナダの永住制度の2つ
- カナダ連邦(国政府)の永住制度「エクスプレス・エントリー」
- 州政府(地方政府)の永住制度「PNP」
のどちらかを使うか。
それぞれに長所と短所があります。
エクスプレス・エントリーとは、2015年から導入された熟練労働者(スキルド・ワーカー)を対象にした永住権制度です。
簡単に言うと、年齢・学歴・職歴などが考慮され、カナダの経済発展に貢献しそうな人を優先的に受け入れる永住制度です。
制度や条件については「カナダ永住への道:エクスプレス・エントリーとは?」に詳しく紹介しています。
PNP(Provincial Nominee Program)とは、それぞれの州が独自に設ける移民制度のこと。
人口が減少して積極的に移民に来てもらいたい地方が、条件の合った移民に推薦状を出してくれるプログラムです。
この州政府推薦プログラム(PNP)については「PNPって?州から推薦状をもらって永住権を獲得しよう」をご覧ください。
ここからは、カナダ永住権取得へのプランをどう固めていけばよいのか、サンプルケースに沿って解説します。
※注意事項※
この記事では、永住権申請を分かりやすく解説するためにサンプルケースを用いています。
今回のケースのように、永住権を取るためには数年掛かるのも珍しくありません。
しかし、数年経つと、永住権の制度や制度ごとの合格ラインが大きく変わることがあります。
制度の条件が変わってしまったり、申請しようと思っていたプログラム自体が廃止になるなんてこともあります。
実際にプランを立ててカナダに留学、就職して、数年掛けて条件を満たしても、「合格ラインが下がってそこまでの準備は必要なかった」「合格ラインがさらに上がって永住権申請ができなかった」ということが起こりうることをご理解ください。
今回のサンプルケースは「今の制度が数年後も続いている」という仮定の世界を前提にしていることにご注意ください。
永住権獲得までのサンプルケース
ここでは、カナダの永住権を目指して奮闘した日本人のサンプルケースをご紹介します。
J・Yさん(仮名、30歳)のケース
J・Yさんは全国チェーンのファミリーレストランに勤める30歳の男性で、実家で両親、姉と暮らしています。
J・Yさんは大学在学中から今の会社でアルバイトとして働いていて、卒業後正社員として就職しました。
就職してから8年が経ち、副店長、店長と順調に昇進しましたが、今の仕事が正直きついと感じています。
レストランの仕事は、学生のアルバイトを中心に回っていますが、シフトを当日キャンセルする子が多く、彼らの穴埋めをするためにキッチンやフロアの勤務に入るので、本来の店長業務のデスクワークの時間がほとんど取れません。
朝8時の開店から夜11時の閉店まで勤務していることがほとんどで、休日はほとんど取れません。
自分の周りの先輩の様子を見ても、昇進しても給料が上がらない割に責任ばかりが増え、5年後、10年後に自分が同じ状態になっていると思うと、まったく希望が感じられません。
先が見えない今の仕事環境から、退職を決意したJ・Yさん。
会社を辞めたあとのことは考えていませんが、まずはワーキングホリデーで海外に行ってみたいと思っていました。
J・Yさんは既に30歳なので、ワーキングホリデービザを取得するにはギリギリのタイミングです。
ネットでの情報収集を始めたところ、カナダ留学コンパスのウェブサイトを見つけました。
ワーホリ先をカナダにするかもまだ決めていなくて、カナダ永住のことなど考えたこともありませんでしたが、カナダ留学コンパスの無料相談で、J・Yさんの人生が大きく変わることになります。
カナダ留学コンパスの無料相談
J・Yさんは、カナダ留学コンパスの無料相談で、カナダのワーキングホリデーについて聞いてみることにしました。
カナダは海外から永住者を広く受け入れています。
事前に計画をしっかり立てれば、カナダ永住も十分可能ですよ。
カナダの永住などまったく考えていなかったJ・Yさんでしたが、専門家の説明を聞いて、カナダ永住に興味が出てきました。
プランが何も決まっていなくても、カナダ留学コンパスの無料相談をご利用ください!
自分でも気づいていなかった、隠れたニーズを発見するお手伝いをします。
では、J・Yさんのカウンセリング内容はどんなものだったのでしょうか?
こんにちは。よろしくお願いします。
まずは、カナダ渡航の希望をお聞かせください。
カナダにワーキングホリデーで行ってみたいと思っています。
英語力はどのくらいですか?
カナダでワーホリ中に、どんな仕事をしたいですか?
英語は大学まで勉強したので、普通です。
レストランで働きたいと思っています。
ワーホリ後のキャリアはどのようにお考えですか?
日本での再就職でアピールできたり、カナダでキャリアを積んでいくためには、ワーホリでただ働くだけでは十分ではないです。
学校に通って、英語力をアップしてから働くのがおすすめですよ。
そうなんですか?実は日本での仕事に疲れてしまって、カナダでは休みたいと思っていたんです。
ワーキングホリデーの1年間を遊びに使って満喫することも、もちろん可能です。ワーキングホリデーですから。
でも、日本でレストランの調理の経験をお持ちなら、しっかりプランを立てて勉強して働くことで、カナダの永住権を取ることも十分可能なんですよ。
カナダ永住権について考えてみたことはありますか?
いえ、まったくないです。
でも、可能性があるなら、詳しく話をお聞きしたいです。
永住を目指すのでも、ガッチリ遊ぶのでも、カナダ滞在の最初の数カ月は語学学校に通うことを強くおすすめします。
理由は、語学学校に通うと英語ができるようになるだけでなく、カナダに人脈ができるからです。
語学学校に通うと、仕事探しや、職場での普段の生活に絶対にプラスになるので、語学学校に通ってからお仕事をされるのがいいですよ。
そうなんですね。では、語学学校に通おうと思います。
レストランでの就職は大変ですか?
バンクーバーのような観光客の多い都市で、日系のレストランなら、問題なく仕事が見つかりますよ。
レストランの調理の仕事は、カナダ永住に繋がりやすい仕事のひとつなんです。
そうなんですね。
永住についても考えてみようと思います。
カナダ留学コンパスの無料相談で、J・Yさんはカナダ永住権に興味を持つようになりました。
J・Yさんのカナダ渡航前のプロフィールは以下のとおりです。
J・Yさんプロフィール(カナダ渡航前)
- 年齢:30歳
- 学歴:4年制大学卒(日本)
- 職歴:レストランアルバイト3年間、レストラン正社員8年間(日本)
- 英語力:TOEIC660点
- 同伴家族:なし
- カナダ滞在歴:なし
J・Yさんはカナダ永住できるのでしょうか?
事前にプラン作成
カナダ永住権取得のためのポイントを稼ぐには、学歴、職歴、英語力を伸ばすのが最も一般的です。
J・Yさんはカナダ留学コンパスの無料相談で語学学校に通うこと決めましたが、永住権取得のポイント対象になる、カナダのカレッジ、大学に通う予定はありません。
職歴、英語力のポイントで勝負です。
J・Yさんは、エクスプレス・エントリーのカナディアン・エクスペリエンス・クラスでのカナダ永住を目指すことにしました。
カナディアン・エクスペリエンス・クラスは、1年間のカナダでの専門性レベルB以上の職種でのフルタイム就労が申請のための条件なので、ワーキングホリデービザの期間中フルに働いたとしても、申請条件を満たすと同時にビザが切れてしまいます。
ワーホリビザが残り半年くらいのタイミングで、LMIAの手続きをして、就労ビザを取得しましょう!
J・Yさんはこのプランをもとに、カナダへ飛び立ちました。
カナダ留学と仕事探し
日本でワーキングホリデーのビザを申請し承認されましたが、まずは学生ビザで入国しました。
入国後3か月間語学学校に通い、その間に仕事探しをしました。
仕事探しの際は、
- ワーキングホリデー終了時に、ビザサポートをして欲しいこと
を強調して求職活動をしました。
ワーホリ後のビザサポートの要望に難色を示して採用に至らなかったこともありましたが、この点に妥協するわけにはいきません。
カナダ留学コンパスの履歴書、面接サポートも利用して、J・Yさんは日系レストランのクック(調理師)の職種で採用されました。
勤務開始日の前の週にアメリカとの国境に行ってワーキングホリデービザを取得し、すぐにSINナンバーも取得しました。
ここまでの流れ
カナダ留学コンパスに相談
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学生ビザなどでカナダに入国
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3か月間語学学校に通う
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その間に仕事探し
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日系レストランの調理師で採用
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観光ビザからワーホリビザに切り替え
ワーホリ後は就労ビザを取得
J・Yさんは一生懸命働いたので、職場からの評価も非常に高く、雇用主は快くビザサポートをしてくれました。
ワーホリビザが切れる4か月程前から就労ビザ申請のためのLMIAの手続きを開始し、無事に2年間の就労ビザを取ることができました。
そして、ワーホリビザが切れると同時に、クックとしての就労期間が1年間になり、永住権申請のスタートラインに立つことができました。
ここまでの流れ
ワーホリビザで調理師として働く
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ワーホリビザ期限4か月前に就労ビザ切り替え準備開始
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LMIA手続き開始
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2年間の就労ビザ取得
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1年分の職歴を使い、永住権申請準備開始
いよいよ永住権申請
さて、J・Yさんの永住権申請は成功するのでしょうか?
J・Yさんプロフィール(永住権申請時点)
- 申請者:J・Yさん(32歳)
- 学歴:4年制大学卒(日本)
- 職歴:レストランアルバイト3年間、レストラン正社員4年間(日本)、クック1年間(カナダ)
- 英語力:CLB6(CELPIP全バンド6)
- カナダ滞在歴:1年間
さて、この時点でJ・Yさんはカナダ永住権取得ができるのでしょうか?
エクスプレス・エントリーのポイント計算
J・Yさんはカナディアン・エクスペリエンス・クラスの申請条件を満たしています。
早速、エクスプレス・エントリーの1200点満点のポイントシステムで、何点取れるか計算してみましょう!
J・Yさんのポイント計算(エクスプレス・エントリー)
- 年齢 99点
- 学歴 120点(4年制大学卒業)
- カナダの学歴 0点
- 英語力 36点
- カナダの職歴 40点(1年間)
- 英語力と学歴による加点 13点
- 英語力と日本の職歴による加点 25点
合計 383点
383点、かなり足りません。
エクスプレス・エントリーのドローイングの最低点は450点前後なので、かなり足りません。
点数を上げるために
では、確実にインビテーションをもらうために、スコアを上げるにはどうすればいいでしょう?
大丈夫です。次の方法を提案します。
J・Yさんの場合は、次の方法があります。
J・Yさんがポイントを上げる方法
- 英語テストのスコアを上げる
- カナダでの職歴を2年にする
カナダでの職歴を2年にするのは、今の就労ビザの有効期限内に可能です。
英語テストは受験料が高いので再度受けるのは辛いですが、背に腹は代えられません
結局腹を括って、CELPIPをもう一回受けました。
その結果、リーディング、リスニング、ライティングで7を、スピーキングで6の成績を取ることができました!
カナダでのクックの職歴を2年にして、英語スコアをアップさせたことにより、J・Yさんのポイントは452点になりました。
すぐに無事にインビテーションがもらえ、その後本申請。
およそ半年後、J・Yさんはカナダ永住権を取ることができました。
まとめ
最後に、J・Yさんがどのようにしてカナダの永住権を獲得したのかまとめます。
J・Yさんの強み
- 申請時の年齢が若かったため、年齢のポイントが高得点だった
- 日本でのNOCレベルB相当の就労経験があった
- ワーホリ初期からビザサポートしてくれることを条件に就職先を探した
- LMIA就労ビザを取ってカナダ滞在を延長することができた
- カナダでの職歴を2年間に伸ばした
- 英語テストで得点を稼げた
カナダ永住権取得でポイントを稼げる要素は、学歴、職歴、英語力です。
カナダ渡航前からしっかりとプランを立てることが何より大事です。
ワーホリ中の就労でアピールして、ワーホリ終了時にビザサポートをしてもらえるかどうかが鍵です。
まずはカナダ留学コンパスの無料相談をご利用ください。
カナダ永住権取得は決して簡単ではありませんが、カナダ留学コンパスが永住までサポートします。
一緒にカナダ永住を目指しましょう♪
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