カナダで永住権や就労ビザを申請するときに必要なジョブオファーがあります。
そもそもジョブオファーとはなんのことを指すのでしょうか?
本記事では「ジョブオファーとは?」という基本から、ジョブオファーが必要な人やジョブオファーの取り方を紹介します。
このページの目次
ジョブオファーとは?
ジョブオファー (job offer)とは、日本語に直すと「雇用契約書、採用通知」に当たるものです。
わかりやすく言うと、雇用主からの仕事の内定のことですね。
つまり、カナダに住もうと思った時に聞く「ジョブオファー」という言葉は、「この人にうちの会社で働いてもらうことにしました」という証明証の書類(PDFデータ)を指します。
カナダでの雇用契約の手順
ジョブオファーがどういうものかをもう少し理解するために、カナダでの雇用契約の手順を紹介しましょう。
カナダでの雇用契約はおおむね、次のような手順を取ります。
雇用契約の手順
- 雇用主がジョブオファーを発行する
- 従業員がジョブオファーを受諾する
- 雇用契約が成立し、就労が開始する
日本では「採用通知」と「雇用契約書」は別々になるのが普通ですよね?
ところがカナダの場合は、会社によっては、ジョブオファーが雇用契約書を兼ねる場合(ジョブオファーに雇用主と従業員がそれぞれサインする)がありますよ。
ジョブオファーの形式
ジョブオファーの形式に決まった型はありません。
ほとんどの場合、下記のような内容が含まれています。
- 会社の正式名称と事業名
- 職種(業務内容)
- 職場の所在地
- 主な職務内容
- 就労開始予定日
- 雇用予定期間
- 雇用主名
- 雇用主の連絡先
- 賃金(給与)
- 就労時間
- 待遇
特に注意しなくても、雇用主が出してくれるジョブオファーに上記内容が書かれていることがほとんどです。
念のため確認して、漏れている項目があったらジョブオファーに加筆してもらうといいでしょう。
ジョブオファーはどんな場合に必要?
ではどういう場合にジョブオファーが必要になるのでしょうか?
大きく分けて2つのケースがあります。
それは、カナダで就労ビザを取得するときと、永住権を取得するときです。
①「就労ビザ」の申請に必要なジョブオファー
カナダで働くために必要な「就労ビザ」を取得するには、雇用主からのジョブオファーが必須です。
よく考えれば当たり前ですよね。
働く場所が決まっていない人には就労ビザは出しようがありません。
カナダの就労ビザには2種類あります。
- オープン就労ビザ
- クローズド就労ビザ
このうちのクローズド就労ビザとは、働ける雇用主と職種が限定されたビザです。
そして、このタイプの就労ビザを申請するには「LMIA (Labor Market Impact Assessment)」の審査を通らなければなりません。
LMIAとは(外国人を雇うことが)雇用市場への悪影響を与えないかの審査です。
②「永住権」の申請に必要なジョブオファー
カナダの永住権プログラムにはさまざまな種類がありますが、その多くにはジョブオファーが必要です。
永住権の申請にジョブオファーを使用する場合、必ず条件を満たしている必要があります。
カナダ永住の条件例
- フルタイム(週30時間以上)、季節雇用は不可
- 1年以上の雇用期間、または無期限雇用
- 専門性レベルB以上の職種
ただし、永住権のプログラムの中にはジョブオファーが不要な永住権プログラムもあります。
詳しくはカナダ永住でおすすめの2第王道ルートという記事をご覧ください。
【参考】「ワーホリ」の申請にジョブオファーが必要?
カナダのワーホリ、外国人の若者が自由に1年間カナダで過ごせるビザです。
ワーホリ中は学校に通っても、働いても、遊びや観光をして過ごしてもいいです。
このように、ワーホリビザに過ごし方の制限はないため、ジョブオファーは不要です。
【例外】2021年のワーホリではジョブオファーが必須でした
2021年はコロナによる入国制限の影響を受けていました。
そのため、、カナダのワーホリ申請にもジョブオファーが必要でした。
でも2022年のワーホリでは、例年通りジョブオファーは不要です。ご安心ください。
ジョブオファーの取り方
ここまで、ジョブオファーについて解説してきましたが、そもそもの問題があります。
それは、ジョブオファーを得ることは非常に難しいということです。
日本にいながらジョブオファーを得ることは不可能
まず、日本にいながらカナダのジョブオファーを得ることは不可能だと思っていてください。
もしあなたが経験も豊かで、非凡な能力を持っていたとしても不可能です。
なぜなら、外国人にジョブオファーを出す、つまり「外国人を雇うこと」は手続きが大変だから。
外国人を雇うことは、カナダ人の雇用を奪うことになる。そのため、カナダ政府も簡単に働けなくしているのです。
雇用主の気持ちになって考えてみてください。
会ったこともない、しかも長く勤務して貢献してくれるかわからない外国人を雇うなんてリスクが高すぎますよね?
それだったら、英語も話せるカナダ人を雇うほうが合理的になります。
合法的に働けるビザを取ってから
では、ジョブオファーをもらうためにはどうすればいいのでしょうか?
まずは、ハードルの高い「就労ビザ」や「永住権」がなくても合法的に働ける状態になることです。
外国人であってもカナダで合法的に働ける状態なら、雇用主にとっての負担も減りますよね。
でも、そもそもカナダで合法的に働くにはどうすればいいのでしょうか?
学生ビザでカナダに入国したり、ワーホリでカナダに入国するのです。
たとえば、ワーホリなら1年間という制限はありますが、カナダで合法的に就労することが可能なのです。
もちろん、それでもジョブオファーをもらうのは簡単ではありませんが、直接対面でお願いできるだけでもハードルは大きく下がります。
雇用主の立場になって想像してみると、この2人のどちらを雇いたいでしょうか?
どちらを雇いたい?
- オンラインの求人広告に、会ったこともないうえ働けるビザのない外国人が応募してきた
- 店頭に貼ってある求人広告を見て、働くビザのある留学生が直接応募してきた
とくに飲食店は日本人が比較的採用されやすい職種なので、たくさんお店を回ってお願いすればジョブオファーを出してくれる雇用主をきっと見つけられます。
カナダで働けるビザの種類についてはこちらもどうぞ。
ジョブオファーのまとめ
本記事ではカナダのジョブオファーがどういうものかについて紹介しました。
外国人である私たちがカナダでジョブオファーをもらうのは難しいです。
でも、手順を間違えなければその確率はグッと上がります。
カナダでジョブオファーがほしいと考えている人はぜひ、気軽にご連絡くださいね。