【2026年最新】飲食で働く日本人はカナダ永住権を取れる? EE・PNP・LMIAの現実を点数試算で解説

飲食で永住権は取れる?2026年の現実を点数で試算
監修者 監修者
末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。カナダ留学情報を発信するTwitterアカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万を超える。現在までサポートしてきた生徒数は4000人以上。

監修者

ワーホリで日本食レストランに勤め、店長を任されるようになった。

このままカナダに残りたい、飲食店で働きながら永住権を目指したい……そう考える日本人は少なくありません。

結論から言うと、2026年の制度のもとでは、飲食店の仕事を軸に永住権を目指す道は、以前よりはるかに狭くなっています。

この記事では、典型的なワーホリ店長のケースで点数を試算し、それでも残りたい人・帰国を考える人それぞれの選択肢を整理します。

ご注意

この記事は、2026年10月18日時点の一般的な情報提供を目的としています。個別のビザ・永住権の可否は、必ず移民コンサルタント(RCIC)などの有資格者にご確認ください。

【結論】飲食の仕事で永住権を目指す道は2026年に大きく狭まった

冒頭でも触れたとおり、飲食の仕事で永住権を目指すのが難しくなった理由は、次の3つです。

ジョブオファーで点数を上乗せできない

2025年3月に、EEのジョブオファー加点が廃止されました。

2026年11月3日に復活する加点も「高賃金職種」に限られ、飲食店の店長や調理師は対象外です

都市部ではLMIAがほぼ出ない

失業率が6%以上の都市圏では、低賃金の職のLMIAは審査されません(参考:LMIAとは)。

なお、人気のバンクーバーの失業率は7.0%(2026年10月19日現在)です。

州の推薦(PNP)も飲食を絞っている

バンクーバーのあるBC州は、2026年に医療・保育・建設などの優先分野を中心に招待しており、飲食が入れる枠は事実上ありません。

【補足】永住権のルートはエクスプレスエントリーだけではない

「カナダ永住権」と「エクスプレスエントリー(EE)」は、イコールではありません。

エクスプレスエントリーは、就労経験・学歴・語学力を点数(CRS)にして、永住権の申請者を選ぶ連邦の仕組みです。

永住権のルートの一つにあたります。ほかのルートと一緒に以下まとめました。

ルート概要
エクスプレスエントリー(EE)点数(CRS)の高い順に招待される。CEC(カナダ経験クラス)など3つのプログラムを含む
州の推薦(PNP)州が独自の基準で推薦する。EEと連動する枠では、推薦されるとEEの点数が+600点
家族スポンサー配偶者などのカナダ市民・永住者による呼び寄せ
各種パイロット地方コミュニティや介護職などを対象にした期間限定の制度

この記事で扱う、厳しくなった話の多くは、エクスプレスエントリーの点数の仕組みの変化によるものです。

エクスプレスエントリーは、就労経験から永住権を目指す人の代表的なルートなので、飲食で働く多くの日本人に直接関係します。

これまでの王道ルートと2024〜2026年の変化

かつて、カナダに残りたい日本人の「王道」とされたのが、飲食店でLMIAを使うルートでした。
雇用主がLMIAを出したり、給料を高くすることで、ワークビザや永住権を狙うルートです。

かつての王道ルート

  1. ワーホリで日本食レストランなどで働く
  2. 雇用主がLMIAを申請し、ワークビザで働き続ける
  3. LMIA付きのジョブオファーで、EEの点数が+50点(上級管理職は+200点)
  4. その上乗せで足切りを超え、永住権へ

このルートは、2024年から2026年にかけての一連の変更で、ほぼ使えなくなりました。

2024〜2026年の主な変更

時期変更飲食で働く人への影響
2024年9月26日失業率6%以上の都市圏で、低賃金の職のLMIAの審査を停止大都市の飲食店でLMIAを取るのが難しくなった
2025年3月25日EEのジョブオファー加点(50点・200点)を全員廃止「オファーで点数をかさ増し」ができなくなった
2026年4月23日BC PNPの「Entry Level and Semi-Skilled」枠が閉鎖飲食などが比較的入りやすかった州の枠がなくなった
2026年7月17日LMIAの「高賃金」の基準が、BC州で時給36.60ドルから38.40ドルに上昇高賃金の枠に乗せるハードルがさらに上がった
2026年10月9日LMIAの審査拒否の対象が、全国41都市圏のうち30に拡大(前の期間は26)バンクーバー(失業率7.0%)で、低賃金のLMIAは引き続き審査されない
2026年11月3日(予定)EEに「高賃金職種」の加点を新設。ジョブオファーに最大100点、カナダ就労経験に最大70点を上乗せ飲食店の店長・調理師は対象外。加点を受ける人との点差が開く

2026年11月3日のエクスプレスエントリー改定のポイント

高賃金職種かどうかは、本人の給与ではなく職種(NOC)ごとに決まります。

そのNOCで働く人全体の賃金の中央値が、全労働者の中央値の1.3倍以上なら対象です。

職種の賃金水準ジョブオファーの加点カナダ就労経験(12か月以上)の上乗せ
全国中央値の2倍以上100点70点
1.5倍以上70点40点
1.3倍以上50点20点

押さえておきたい点

  • 対象は186職種で、管理職・エンジニア・IT・医療・弁護士・電気技師などです。調理師(コック)、飲食店の店長、一般事務はリストにありません
  • 賃金は実際に支払う賃金ではなく、その職種の平均値の額が対象となります。 つまり、賃金が上がったから対象になる、とはなりません。
  • オファーと経験の加点は合算されず、高いほうが採用されます。上限は配偶者なしで150点、同伴ありで140点です
  • 施行後、既存の候補者の点数が再計算されます。その間(最大2週間ほど)は抽選が止まる見込みです

【試算】典型的なワーホリ店長はエクスプレスエントリーで永住権に届くか

ではここで、典型的なワーホリ店長がエクスプレスエントリーで永住権に届くかを試算してみます。

典型的なプロフィールでは、英語を最高水準近くまで上げ、カナダで2〜4年働いて、ようやく足切りに届くかどうかです。

比べる相手は、2026年10月15日のCEC(カナダ経験クラス)枠の足切り、519点です。

試算の前提

  • 29歳以下・独身(配偶者の同伴なし)
  • 日本の4年制大学卒(学歴認定ECA取得済み)
  • 日本で2年の就労経験(熟練職種=TEER 0〜3)
  • ワーホリで飲食店の店長(NOC 60030)として1年フルタイム勤務
  • IELTS General Training:4技能すべて6.5(リスニングはCLB7、ほかはCLB8に相当)

試算での点数は約408点

項目点数
年齢(29歳以下)110
学歴(学士)120
英語(L:CLB7、R/W/S:CLB8)86
カナダでの就労経験(1年)40
学歴×英語、学歴×カナダ経験26
日本での職歴×英語、日本での職歴×カナダ経験26
合計約408

今の足切り519点まで、約110点足りません。

英語力と働いた年数を変えると

英語(IELTS General)カナダ経験1年2年4年
全技能6.5(現状)約408点約445点約464点
L8.0・R/W/S7.0(CLB9)約470点約507点約526点
L8.5・R8.0・W/S7.5(CLB10)約482点約519点約538点

表の読み方

  • 英語が6.5のままでは、4年働いても約464点で届きません
  • CLB9まで上げると、4年で約526点となり、今の足切りをわずかに超えます
  • CLB10まで上げると、2年で約519点。足切りとほぼ同じ水準です
  • 2年目に伸びるのは約37点です。経験点に加え、組み合わせの加点も上がるためです。3年目以降は組み合わせの加点が上限に達するので、伸びは経験点の分だけになります

年齢が上がると点数は下がる

年齢の点数は、30歳で5点、32歳で16点、35歳で33点下がります。

たとえば26歳でワーホリに来て4年働けば、30歳になります。経験で増えた点数の一部が、年齢で相殺されるわけです。32歳で4年の経験・CLB9の場合は、約510点です。

試算から分かること

  • 英語力は、EEの点数を上げる最も大きな手段です。ただ、CLB9や10を獲得するのは並大抵のことではなく、ほぼ不可能に近いです。ゆえに、英語だけで足切りを超えるのは難しく、カナダで働く年数との組み合わせが必要です。
  • ワーホリは最大2年なので、3年目以降は別の就労許可が要ります。ROワーホリやヤングプロフェッショナルを併用し、合法的に働き続ける手段を確保できるかが、最大のハードルになります
  • 11月3日以降は、高賃金職種の候補者の点数が上がるため、足切りが今より上がる可能性があります

試算についての注意

あくまで仮定に基づく目安です。実際の点数は、年齢・職歴の扱い・試験の内訳で変わります。IRCCの公式計算ツールで確認し、判断はRCICにご相談ください。

PNP・フランス語・LMIAは使えるか?

では、ほかの手段も見てみましょう。

EEの点数表の中で、現実的に大きく効くのはPNP(+600点)とフランス語の2つです。

ただし、飲食の仕事のままBC州でPNPを狙うのは、今はほぼ不可能です。

エクスプレスエントリーで足せる加点の一覧(独身の場合)

加点の方法点数現実性
州の推薦(エクスプレスエントリー連動のPNP)+600最も大きい。州・職種ごとの条件次第
フランス語(全技能NCLC7以上)+50(第2言語の点数も最大24)効果は大きいが、習得に数年かかる
カナダでの学歴(1〜2年のディプロマ)+15(学位2つ扱いで学歴点も+8)学費と時間が必要。加点の見直しが検討中なので無駄になる可能性あり
カナダでの学歴(3年以上、修士など)+30費用が大きい。日本円で1000万円以上の予算が必要なことも
カナダの市民・永住者の兄弟姉妹+15該当者のみ。廃止が検討中
高賃金職種のジョブオファー+50〜100飲食店の店長は対象外

フランス語:足切りが80点以上低い

2026年10月16日のフランス語枠の抽選では、5,000人が招待され、足切りは435点でした。前日のCEC枠の519点より、80点以上低い水準です。

この試算例の方の場合、カナダ経験1年の約408点でも、フランス語でNCLC7を取れば約470点になり、足切りを超える計算です。

ただし、ゼロからの習得には年単位の時間がかかります。

州の推薦(PNP):飲食の優先度は各州で下がっている

州の推薦(PNP)ではどうでしょうか?

BC州

  • 2026年の招待は、医療・保育・獣医(Care)、建設(Build)、高い経済効果(Innovate)の優先分野ごとに行われています
  • Innovateの基準は回ごとに変わります。直近の2026年9月24日は、時給52ドルかつ年収10万5千ドル以上(TEER 0〜3の職)か、州の点数131点以上でした
  • 「Entry Level and Semi-Skilled」枠は、2026年4月23日に閉鎖されました
  • 2026年の推薦枠は、8月に1,000人が追加されて6,254人です。登録者7,695人(10月6日時点)のうち、130点以上は203人にとどまります

ほかの州

  • ニューブランズウィック州:2026年2月3日から、宿泊・飲食業(NAICS 72)の職場で働く人を、Express Entry枠と熟練労働者枠の受付対象から外した。飲食店の店長・調理師もこれにあたる
  • マニトバ州:2026年2月4日から、一時滞在者向けの枠(TRRP)で、ホスピタリティ・飲食分野の申請を受け付けていない
  • アルバータ州:観光・ホスピタリティ分野のジョブオファー向けの枠がある(アルバータで生活・就労していることが条件)

国全体では、2026年のPNP経由の受け入れ目標は91,500人で、前の計画の55,000人から大きく増えています。

ただ、飲食の職種は、各州で優先度が下がる傾向にあります。
つまり、他州に行けばまだ大丈夫と考えるのは非常にリスクが高いです。

LMIA:大都市の飲食店ではほぼ使えない

最後にLMIAの場合はどうでしょう?

LMIAの現状

  • 低賃金の職:失業率6%以上の都市圏では審査されません。2026年10月9日〜2027年1月7日の期間は、バンクーバー(失業率7.0%)が対象です。トロント、モントリオール、カルガリーを含む30都市圏が対象になっています
  • 高賃金の職:BC州では時給38.40ドル(年収約8万ドル)以上なら、失業率に関係なく審査されます。ただし、LMIAのためだけに給与を上げても、その職の相場や同じ職場のカナダ人の給与と合わなければ認められません
  • 採用人数の上限:低賃金の外国人労働者は、原則として職場の従業員の10%までです。従業員10人未満の職場なら1人までになります
  • 都市圏の外:リゾート地など、都市圏(CMA)の外にある職場なら、低賃金のLMIAも審査は受けられます
  • EEとの関係:LMIA付きのオファーそのものでは、EEの点数は増えません

※なお、「お金を払えばLMIAを出してあげる」という話は、詐欺や違法のリスクが非常に高いので、絶対に応じないでください。
現状の移民法の範疇ではLMIA獲得は上述のように困難で、雇用主が意図的にしているか、知識不足で言っているかはさておき、信じないほうが賢明です。

今後検討中のエクスプレスエントリー改革

IRCCは2026年10月15日、エクスプレスエントリーの改革について意見募集の結果を公表しました。

いずれも未決定です。変更する場合は、まずカナダ官報(Canada Gazette, Part I)で案が示されます。

日本人に影響しそうな案

  • 連邦の3プログラム(FSW・CEC・FST)の統合
  • 最低条件として、語学力CLB6と高卒資格を求める
  • 年齢の点数の扱い(中堅の年代に不利だという意見が出ている)
  • カナダでの学歴による加点の見直し(学士・修士・博士に限るべきという意見も出ている)
  • 配偶者の点数表と、兄弟姉妹の加点の廃止(関係者の多くが支持)

とくに学歴加点が絞られれば、カレッジのディプロマを経由してエクスプレスエントリーを目指す道に直接響きます。

語学力の最低条件が設けられれば、英語力は「あれば有利」から「なければ土俵に乗れない」ものに変わります。

あわせて、2026年のカナダの移民計画では、永住者の受け入れを2028年まで年38万人で据え置く一方、新規の一時滞在者は2025年の67万3,650人から2026年には38万5千人へと、43%減らす方針です。

次の2027〜2029年の計画は、2026年秋に発表される予定です。

残りたい人へ・帰国を考える人へ

厳しい現実をお伝えしましたが、ここからは、それぞれの立場でできることを整理します。

「カナダに残れない=失敗」ではありません。大切なのは、早めに現実を知って、自分に合った選択肢を計画的に選ぶことです。

カナダに残りたい人

カナダに残りたいと思っている人はこちらに注力してください。

今からできること

  • 英語力を最優先で上げる:EEで最も効く手段です。今後は最低条件になる可能性もあります
  • フランス語やPNPを長期で計画する:短期で結果は出ませんが、届く可能性を大きく変えます
  • ファミリークラスも検討する:現時点でパートナーがいれば、ファミリークラスでの移民は確実な方法です

留学やCo-opを含めた「残るためのプラン」は、カナダ留学コンパスで相談を受け付けています。

日本への帰国を考えている人

カナダでの就労経験、英語力、異文化の中で働いた経験は、日本の転職市場で十分に評価されます。

外資系企業、インバウンド関連、グローバル展開する企業などでは、カナダ帰国者を積極的に採用しているところもあります。

帰国後の転職を成功させるコツ

  • 帰国の3〜6か月前から動き出すと、帰国と同時に新しい仕事を始められる可能性が高まります
  • カナダにいる間に、オンラインで内定まで進めることもできます

キャリアUPコンパスでは、カナダ在住・帰国予定の方向けに、カウンセリングから職務経歴書の作成、面接対策、内定まで無料でサポートしています。

よくある質問

LMIA付きのジョブオファーがあれば、エクスプレスエントリーの点数は上がりますか?

上がりません。ジョブオファーの加点は、2025年3月25日に廃止されました。2026年11月3日に新設される加点も高賃金職種のオファーが対象で、飲食店の店長や調理師(Cook)は含まれません。

ワーホリ1年の経験だけで、永住権は取れますか?

取れません。

フランス語は、どのくらい効きますか?

全技能でNCLC7以上を取ると+50点で、第2言語の点数も加わります。2026年10月16日のフランス語枠の足切りは435点で、試算のプロフィールなら、カナダ経験1年でも届く計算です。ただし、ゼロからの習得には数年かかります。

バンクーバー以外なら、LMIAは取れますか?

都市圏(CMA)の外にあるリゾート地などの職場なら、低賃金のLMIAも審査を受けられます。ただし、採用人数の上限があり、安易に安定した仕事は見つかりません。また、LMIA付きのオファーだけでは、エクスプレスエントリーの点数は増えません。

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末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。カナダ留学情報を発信するTwitterアカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万を超える。現在までサポートしてきた生徒数は4000人以上。

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