カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
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「海外で現金を持ち歩くのは危険だよ」とよく言われます。
では、留学やワーホリなど、カナダに滞在する際、お金はどうやって管理すればいいのでしょうか?
本記事では、カナダでのお金の管理・保管方法や、資金管理で知っておくべきポイント、現金だけで生活するのをオススメしない理由について紹介します。
このページの目次
カナダでの資金の管理方法とは?
カナダで生活をするときに避けて通れないのが資金の管理方法です。
お金を使わずに生活することはできないので、何らかの方法でお金を管理する必要があります。
カナダでの資金の管理方法は、主に次の3つになるでしょう。
お金の管理方法
では1つ1つ詳しく紹介します。
カナダ現地で銀行口座を開く
もっとも安全で便利なお金の管理方法は、現地で銀行口座を開設することです(参考:カナダの銀行口座を開設する方法)。
銀行口座を作るときに、その銀行のキャッシュカード(デビットカード)がもらえます。
このキャッシュカードは、カナダ国内のお会計でクレジットカードのように使えますよ。
キャッシュカードで支払うと、手数料がかからずに銀行口座から直接お金を引き落とせます。
カナダ現地の人たちにとっては一番メジャーなお支払い方法ですよ。
カナダで口座を開設するための条件は?
「え? 外国人がカナダの銀行口座なんてつくれるの?」と思いそうですが、特定のビザがあれば意外と簡単にできます。
長期の「学生ビザ」や「ワーキングホリデービザ」での滞在でも開設できるのです。
逆に、短期留学や「観光ビザ」で滞在する場合は、原則として銀行口座の開設ができませんよ。
特に、ワーホリやコープなどで働く予定がある場合、必ず求められるので早めに作っておきましょう。
短期留学、観光ビザの場合は口座開設はできませんが、銀行窓口担当者の判断で開設できたという例もごくまれにあります。
ただ、現住所を証明するために光熱費請求書などの提示を求められるため、可能性はほとんどないと思っていてください。
「Wise」で日本から送金すると安い
カナダの銀行口座ができたら、日本の銀行口座から送金します。
その際、日本からカナダの銀行に「海外送金」をすると、手数料がものすごく高いのでオススメしません。
代わりに使うのが、Wise(旧Transfer Wise)というネットサービス。
Wiseは下記の図解のような仕組みなので「海外送金」になりません。
つまり、格安で海外送金ができてしまいます。
海外送金でWiseを使わないと損をするので、すぐに申し込みしましょう。
日本の銀行口座を使う
海外で資金を管理する方法として次に紹介するのは、日本の銀行口座をそのまま使う方法です。
次のような「カード」を日本で発行しておけば、カナダ国内でもお支払いで使えます。
カードの種類
- クレジットカード
- トラベルプリペイドカード
- トラベラーズチェック(※ 廃止になりました)
カードはセキュリティとしても安全だし、お支払いは日本の銀行口座から直接引き落とされるのでラクなんですよね。
ちなみに、カナダのほぼすべてのお店では、こちらのようなクレジットカードで支払う機械があります。
ただし、お支払いをするたびに「為替手数料」がかかるため、持っているなら前項で紹介した銀行のキャッシュカードを使うのがオススメです。
クレジットカード
一番オススメのカードは、もちろんクレジットカードです。
クレジットカードの場合は、利用限度額には注意する必要があります。
もし、限度額を超えて利用すると借金になるので高い利子がかかることは知っておきましょう。
クレジットカードの選び方とオススメのカードはこちらで詳しく紹介しています。
弊社が留学生にオススメしているカードは、年会費無料、ネットだけで完結 & スマホだけで支払いのできるセゾンカード・デジタルです。
トラベルプリペイドカード
クレジットカードとは別の手段として「トラベルプリペイドカード」もあります。
これは、カードの中にお金をチャージでき、海外で使える「プリペイド式電子マネー」の一種です。
つまり「Suica」「nanaco」「WAON」の海外で使えるバージョンですね!
クレジットカードよりも手数料が高いというデメリットはありますが、審査がないので未成年でも所有できることがメリットです。
弊社がオススメしているトラベルプリペイドカードはキャッシュパスポートです(参考:キャッシュパスポートとは?)。
【廃止】トラベラーズチェック
以前まで海外へ渡航する際、トラベラーズチェックを購入する方がいましたが、日本国内では2014年3月31日にトラベラーズチェックの販売が終了しています。
トラベラーズチェックは現金の代わりに持ち歩く紙媒体の「小切手」でした。
新たに購入はできませんが、換金はまだ受け付けているところがあるようです。
換金場所もいつ無くなるかわからないので、トラベラーズチェックをお持ちの方は、早めの換金をお勧めします。
両替したカナダドルを持っておく
最後に紹介する「カナダで資金を管理する方法」は、両替したカナダドルを現金で持っておく方法です。
これは日本でも日常的にやっているのでシンプルですが、カナダでは「現金を使うこと」は主流ではありません。
とはいえ、現金しか対応していない場面にもまれに出合います。たとえば、家賃が現金でしか払えない物件など。
そういうケースも想定して、渡航直後にシェアハウスなどを探す場合は多めに持参してもよいでしょう。
ただ、カナダで銀行口座を開いていれば、キャッシュカードを使ってATMから現金を引き出せるので、そこまで気にする必要はありません。
なお、日本で両替すると手数料が高いため、両替するなら日本円をカナダに持っていき、現地でするのがお得です。
両替する際は、防犯・利便性、どちらにおいても、20ドル札以下の小額紙幣を希望するといいですよ。
カナダでの資金管理のポイントまとめ
カナダでの資金管理の方法について紹介してきましたが、今度は資金管理のポイントをまとめます。
資金管理のポイント
現金は少額にする
カナダは「カード社会」なので、基本的には現金を使わずに生活できます。
でも、ごくまれに現金しか使えない場合があるので、少しは用意しておきましょう。
カナダで現金を持つときのその他の注意点はこちらです。
現金についての注意点
- 日本円をカナダに持っていき、現地で両替するとお得
- 安全を考えて、20ドル札以下の小額紙幣で持つ
- 盗難などのリスクも考え、最大でも10万円ぐらいまでにする
- 渡航直後にシェアハウスなどを探す場合は多めに持参する
必ずクレジットカードを持っておく
短期滞在の場合でも、長期滞在の場合でも、クレジットカードは必ず用意しましょう。
クレジットカードについてその他の注意点はこちらになります(参考:海外長期滞在におススメのクレジットカード比較)。
クレカについての注意点
- 必ず1枚は持っておく
- ネットだけで完結、スマホだけで使える「セゾンカード・デジタル」がオススメ
- 国際規格は「VISA」か「Master Card」にする
- 未成年は持てないので「トラベルプレイペイドカード(キャッシュパスポート)」を持っておく
- 支払いのたびに為替手数料がかかるので、持っているならカナダの銀行のキャッシュカードを使う
長期滞在ならカナダの銀行口座を持つ
長期滞在をするなら、絶対にカナダの銀行口座を持つようにしましょう。
「え? クレジットカードでいいのでは?」と思われそうですが、為替手数料がかかるのです。
日本国内で使う場合は手数料はかかりませんが、海外で使う場合は「為替手数料」が毎回かかります。
カナダの銀行口座を持つときのその他の注意点はこちらになります。
カナダの銀行口座の注意点
- 日本からカナダの銀行に「海外送金」をするときは「Wise」がお得
- 口座を持つともらえるキャッシュカードを使えば、お支払い時に手数料がかからない
- 短期留学や「観光ビザ」では口座を開設できない
- ワーホリやコープなどで働く予定がある場合は必ず用意する
現金だけで生活するのをオススメしない理由
前項で「現金」のお話になりましたが、現金だけで生活するのはやめましょう。
カナダで現金だけで生活するのをオススメしない理由を紹介します。
現金だけの生活がNGである理由
1万ドル以上の現金の持ち込みは申告が必要
そもそもの話ですが、カナダへの入国時に1万ドル以上の現金を持ち込みする場合は申告が必要です。
同様に日本から海外への持ち出しにも制限があり、「100万円相当額を超える現金などの海外への持ち出し、海外からの持ち込みをする場合には、日本税関において所定の届け出が必要」です。
高額の現金の持ち歩きは危険なうえ、入出国時に監査の対象となる可能性が高いため、おすすめしません。
ちなみにカナダに持ち込む金額については上限はありません
(※1万カナダドル以上の場合は申告が必要)
紛失や盗難のリスクがあるから
1万ドルまで現金で持ち込めるとはいえ、紛失や盗難は怖いですよね。
いくらカナダが治安のいい国だとはいえ、置き引きなどの軽犯罪は起こります。
ホテルやシェアハウスで保管中に盗まれる可能性もゼロではありません。
かといって、全財産を片時も肌身離さず持ち歩くのも危険です。
安全を考えると、現金の持ち込み・保管は最低限の金額にして、カードで生活することをオススメします。
お店で対応してもらえないことがあるから
そして、カナダでは現金のみで生活するのをオススメしない理由の3つ目は日本では考えられない理由です。
お店によっては、なんと現金に対応してもらえないことがあるから。
たとえば、カフェで100ドル札を出すと「おつりがない」と拒否されることがあります。
防犯のため、店舗のレジには少額の現金しか置かないようにしているのが普通だからです。
高額紙幣は「偽札の可能性」を疑われることもあるんです(どうせ偽造するなら高額紙幣を刷りますよね)。
そのくらい、カナダでは現金での支払いが主流ではないということですね。
まとめ
本記事ではカナダに滞在する方のために、お金の管理方法について詳しく解説しました。
オススメなのは、日本でクレジットカードを作ったうえで、カナダで銀行口座を開設し、Wiseを使い格安で送金すること。
いずれの方法を取るにしても、万が一の場合の保険としてクレジットカードは必須です。1枚は必ず作っておくといいですよ。
参考
各カードのメリットや手数料も解説⇒海外長期滞在におススメのクレジットカード比較