移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。
こんにちは!今回のブログは、ケベック州の永住権申請について混乱が生じているというニュースについてご紹介します。
ケベック州はカナダ東部に位置する、カナダ第二の人口規模の州で、カナダ第二の都市モントリオールがあります。(でも州都はケベックシティ)
フランス語が主に使われるなど、カナダ国内でも常に独自路線を保つ州で、十数年に一回カナダからの独立を問う住民投票を行ったりしています。
永住権制度でも、様々な制度の説明の最後に「ただしケベック州を除く」という注意書きがあることが多く、カナダ国内でも異色の存在です。
そんな、我が道を行くケベック州で、永住権申請に大混乱が起きているというニュースをご紹介します。
18000件の永住権申請が宙ぶらりん
今回の混乱は、2018年8月以前に申請された永住権申請およそ18,000件が宙ぶらりんの状態になっているというものです。
新興政党が政権を掌握
混乱の発端は2018年10月の州議会議員選挙に遡ります。
この総選挙では、新興政党のケベック未来連合(CAQ)が過半数を獲得し、初めて州の政権を握りました。
CAQは移民抑制を公約に掲げる政党で、今まで長期政権を担ってきた自由党に代わって政権を取りました。
新たな州の移民法を提出
CAQは2019年2月に新たな州の移民法を州議会に提出しました。
ところが、通常は新しい法律ができても、それが施行されるまではそれまでの法律が適用されるはずなのに、2018年8月以前に申請された永住権申請およそ18,000件の申請がストップしてしまったことに今回の混乱の原因があります。
そもそも、新法は州議会で成立すらしていないのに、過去の永住権申請に遡及させようというのは、かなり無理があります。
18000件の申請が破棄されそうに!
CAQの州政府は、この18,000件の申請を破棄して申請費用を払い戻そうとしましたが、それはさすがに州の最高裁判所に差し止められました。
現在、この18,000件の申請はまさに宙ぶらりんの状態で、州政府と州最高裁判所の間で膠着状態が続いています。
詳細は、こちらのニュースをご覧ください。
Injunction halting shredding of 18,000 immigration files to be renewed
Injunction halting shredding of 18,000 immigration files to be renewed https://t.co/gkwnkuiHLz pic.twitter.com/ioMByv1f3l
— Montreal Gazette (@mtlgazette) 2019年3月5日
この他にも、ケベック州のCAQ政権は、ケベック州移住者が3年以内にフランス語とケベック州についてのテストをパスできなかったら州から追い出す。
とか、警察官、公立学校の教師などの公職者が、宗教のシンボルとなる装飾を身につけることを禁じる。
などといった議論の的になる政策を導入しようとしています。
今回、ケベック州の選挙で自由党が大敗したことは、2019年10月の連邦選挙にも影響がありそうです。
州レベルでも、連邦レベルでも、ケベック州から目が離せません。
まとめ
いかがでしたか?
新政権が前政権を批判、否定するための道具に、18000件の永住権申請が利用された構図で、対象となった18000件の申請者の方は本当に気の毒です。
このような情勢であることから、カナダ留学コンパスでは現在ケベック州への永住を目指すことはおすすめしていません。
BC州のように制度的に永住権の獲得可能性が高いエリアで挑戦なさることを強くおすすめします。
詳しくは、カナダ永住に関連する記事をカテゴリにまとめましたのでご覧ください。
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