カナダのモントリオールはどんな都市?特徴・気候・おすすめの観光スポットをご紹介

モントリールの夕景

モントリオールは、カナダのケベック州に位置する街です。

フランスの文化が色濃く残り、カナダにいながらヨーロッパを感じさせる不思議なエリアとされています。

そんなフランスの魅力が詰まったカナダの都市、モントリオールにはどのような特徴観光スポットなどがあるのでしょうか。

この記事では、モントリオールにワーホリ・留学で訪れるメリットデメリットをふくめ、モントリオールへの渡航に役立つ情報ばかりをまとめています。

モントリオールを訪れる方はぜひ参考にしてください。

モントリオールの特長

モントリオール公園からの景色

モントリオール(Montreal、フランス語の綴りはMontréal)は、カナダのケベック州最大の都市です(人口・経済規模による)。

同じ東海岸の都市トロント(オンタリオ州)に次ぐ、「カナダ第二の都市」としても知られています。

モントリオールの大都市圏の人口は、2021年時点で429万1,732人、中心部の人口は176万2,949人とされています(カナダ政府統計による)。

モントリールとフランス文化

また、モントリオール大都市圏では、第一言語としてフランス語を選択している人が住民全体の約62%ほどです。

フランス語圏の中では、パリとキンシャサに次ぐ規模で、フランス語が広く活用されたエリアとして知られています。

フランス語をメイン言語とし、街並みもフランスを連想させることから、「北米のパリ」と呼ばれるモンテリオールですが、なぜここまでフランスの文化が色濃く残っているのでしょうか。

モントリオールは元々、フランスの探検家のジャック・カルティエがこの地をMont Real(モン・レアル:王の山)と名付けたことが由来とされています。

その後、フランスによる入植が開始されたことが、今のモンテリオールのフランス文化のはじまりです。

カナダにいながら異国を感じられる地として、モントリオールは人気の観光地であり、商業も発展しています。

州都であるケベックシティまで、車で3時間ほどというアクセスの良さも、モントリオールが人気の都市である理由の1つです。

モントリオールはどこにある?

空から見たモントリオール

モントリオールがあるケベック州は、カナダの西側に位置します。

ケベック州の南東部、アメリカの国境にほど近い位置にある島が、モントリオールです。

セントローレンス川とオタワ川を辿っていくと、モントリオール島にたどり着きます。

モントリオールを含むケベック州全体の位置関係や詳しい内容については、下記の記事に記載してあります。気になる方は、参考にしてください。

日本からモントリオールのアクセス

日本からモントリオールへは、ANAの「エアカナダ」から直行便が出ています。

直行便に乗れば12時間半ほどで、モントリオールへ到着が可能です。

しかし直行便の数は少なく、ほとんどの航空会社が1〜2箇所経由で、モントリオール着の便を運航しています。

経由地を挟む便を利用した場合、到着までの時間は17〜25時間ほどかかります。

半日以上〜丸1日以上空の上で過ごすことになるため、飛行機内で快適に過ごせる工夫を取り入れた上で渡航しましょう。

また、料金は往復で25万円前後が相場です。

金額は時期によって上下するため、安い航空券を求める方はオフシーズンを狙って渡航することをおすすめします。

トロントからモントリオールのアクセス

トロントのトロント・ピアソン国際空港から、モントリオール・ピエール・エリオット・トルドー国際空港までは、飛行機で1時間15分前後ほどで到着します。

車での移動であっても5時間半ほどです。

バンクーバーからモントリオールのアクセス

バンクーバー国際空港からモントリオール・ピエール・エリオット・トルドー国際空港までは、飛行機で5時間弱かかります。

車での移動では2日以上かかります。

時間やガソリン代や宿泊の費用を考えると、飛行機を利用したほうが負担が少ないでしょう。

モントリオール市内の交通

モントリオール市内は、バスでの移動がおすすめです。本数が多く、ほとんどの主要エリアを結んでいます。

また、ダウンタウンを観光する際は、地下鉄も便利です。4つの路線があり、観光スポットやショッピングエリアなど、観光地として人気の場所を網羅しています。

モントリオールの地下鉄は他の国と比べて治安が安定していますが、スリや盗難などには気をつけて活用しましょう。

モントリオールと日本の時差

モントリオールと日本との時差は、14時間あります。

日本のほうが14時間早く進んでおり、日本が1月1日の0時のとき、モントリオールは12月31日の朝10時です。

サマータイムは時差が少なくなり、日本との差は13時間になります。

カナダの州ごとの時差とサマータイムについて詳しくは、こちらの記事もご覧ください。

モントリオールの気候

モントリオールの景色

モントリオールは、寒暖の差が大きい地域でもあります。

夏は気温が30℃を超えることも多く、湿度も比較的高いので蒸し暑く感じます。

一方、冬の気候は非常に厳しく、1981〜2010年平年値によると1月の月平均気温は-9.7℃、最高気温の平均が-5.3℃、最低気温の平均が-14.0℃と非常に寒いです。

北極からの寒気団に覆われると、日中でも最高気温が-20℃以下となり、晴れた無風の朝には-30℃前後の猛烈な冷え込みとなることがあります。

このような厳しい寒さの対策として、世界屈指の規模である、モントリオール地下街(The RÉSO)が発達しています。

冬季に訪れる場合は、寒さと雪対策をしっかりと用意することが必要です。

モントリオールのベストシーズンと適した服装

チューリップとモントリオール公園

モントリオールのベストシーズンは、過ごしやすく人も賑わうです。

日照時間も伸びるため、外へ出かけたり遊んだりする時間も長くなります。

ただし、モントリオールは基本的に寒いエリアです。

そのため、夏であっても朝晩は冷え込みを感じます。

日中は日本で過ごす夏服でも問題ありませんが、朝夜の気温で風邪をひかないように、羽織り物や上着も持参したほうが良いでしょう。

モントリオールに留学・ワーホリに行くメリット

モントリオールの道

モントリオールは、フランスの文化が色濃く残る街です。

他のエリアにはない特色が際立ち、渡航をした際はモントリオールならではの経験を得られます。

ここでは、モントリオールに留学・ワーホリに行くメリットについてご紹介します。

留学に最も適した都市で英語とフランス語を同時習得

モントリオールは北米有数の大学都市として知られており、市内には4つの総合大学が存在します。

また、それ以外にもいくつもの教育機関がひしめきます。

特に、芸術文化分野・学生友好度・文化の多様性・経済負担度などが世界中の学生から好評で、2017年にはクアクアレリ・シモンズ社の『留学に最も適した都市ランキング』で、一位常連のロンドンを抜き、トップへ輝きました。

このような「教育の質」だけでなく、日常生活の中で英語とフランス語を同時習得できることが、モントリオールに留学する最大の魅力と言えるでしょう。

カナダ随一の歴史を感じながら生活できる

モントリオールでは、街中にある数多くの教会、石畳のヨーロッパ調の旧市街の街並みなど、フランス文化の薫り高い異国的な雰囲気を体験することができます。

ご想像の通り、美食の町でもあり「北米のパリ」と呼ばれています。

一方で、19世紀の終わりから20世紀の始めにかけては英国系移民が街を発展させてきました。

その名残で、ヴィクトリア朝の建物をはじめ、英国文化も色濃く残っています。

ちなみに、人口の一割強が英語を第一言語としているそうですよ。

芸術の街、モントリオール

モントリオールは、芸術の街としても知られており、年中アートやイベントが楽しめます。

例えば、毎年夏(8月20日付近)に行われるモントリオール映画祭

2008年には「おくりびと」がグランプリに、2010年には深津絵里さんが最優秀女優賞に輝くなど、日本でも大きく報道されました。

その他には、全世界を魅了するエンターテイメント集団、シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)も、モントリオールを本拠地としています。

そのため、新作はモントリオールから始まるものも少なくないんですよ。

さらに、ジャズフェスティバルはカナダで一番と言われ、世界中からファンを集め盛りあがるイベントです。

また、トロント・オタワをはじめ、ニューヨークなどアメリカの大都市へのアクセスも良く、北米の旅行にも最適ですよ♪

モントリオールに留学・ワーホリに行くデメリット

秋のモントリオール

モントリオールは美しく、カナダにいながらフランス文化に触れられる街です。観光客も多くたくさんの魅力を備えていますが、留学・ワーホリで渡航する方にとってデメリットとなる面もあります。

ここからは、モントリオールに留学・ワーホリで行った場合のデメリットについて見てみましょう。

仕事を見つけるには高いフランス語力・英語力が必要

モントリオールはフランス語を公用語とする人が多いエリアです。そのため、街はフランス語で溢れています。

求人に関してもフランス語と英語の二カ国語を求める内容が多く、英語だけしか話せない方にとって就職は簡単ではありません。

そのため留学中のアルバイトはもちろん、ワーホリでじっくり仕事を探したいという方にとって、ハードルが高い地域と言えるでしょう。

しかし中には、日本人を募集している日本レストランの求人や、英語を話せればOKとする企業もあります。

モントリオールで働きたいけれどフランス語に自信がない方は、フランス語を学びながら、諦めずにじっくりと求人情報を探してみましょう。

英語だけで生活するのは難しい

フランス語をメインとして活用するモントリオールは、街中のいたるところでフランス語が使われています。

店の看板はもちろん、レストランのメニューもフランス語が多いため、英語だけでは生活が難しいと感じるかもしれません。

また、街の中には、フランス語しか話せない人もたくさんいます。

フランス語を学ぶ姿勢や、フランス文化を理解する気持ちがないと、モントリオールのフランス色のつよい日々に疲弊してしまうことが考えられます。

移民(海外永住)だけが目的なら厳しい

モントリオールの美しさやフランス文化の豊かさに憧れて、永住を検討する方もいるかと思います。


しかしモントリオールがあるケベック州への移民も、簡単ではありません

永住の許可を得るには、充分なフランス語力があることや移民テストへの合格などが必要です。

詳しくは、下記の記事に記載しているため、モントリオールへの移民を考える方はチェックしてみてください。

モントリオールの おすすめ観光スポット8選

モントリオール市庁

モントリオールは観光地が多く、足を運んでその目で見ておきたいスポットがたくさんあります。

ここからはモントリオールのおすすめ観光スポットについて、ご紹介します。

モントリオール・ノートルダム大聖堂

モントリオール・ノートルダム大聖堂(Notre-Dame Basilica)は、世界遺産に登録されているスポットです。

セリーヌ・ディオンが結婚式を上げた場所としても有名です。

建物の外観も素晴らしいですが、是非精巧に作られた内部も見てください。

幻想的で荘厳な教会内の装飾は、息をのむ美しさ。その様相に圧巻され、その場から動けなくなる人もいるほどです。

日曜日はパイプオルガンの演奏もあります。スケジュールが合うようであれば、ぜひ、足を運んでみてください。

モントリオール旧市街

セントローレンス川沿いに位置する、モントリオール旧市街(Old Montreal)には、歴史を感じさせる建造物がたくさん残されています。

のんびり歩いているだけでも情緒を感じさせる楽しさがありますが、観光地であるためショップやレストランも豊富です。お土産選びにも最適のエリアといえます。

公式サイト(英語)

モントリオール旧市街

モン・ロワイヤル公園

モントリオールの街並みを楽しみたい方は、モン・ロワイヤル公園(Mont Royal Park)に足を運んでみてください。


公園内の展望からは、モントリオールの美しい街並みが一望できます。

人工物であるビルと自然の調和が美しく、展望台までの長い道のりによる疲れを、この景色が払拭してくれます。

公式サイト(英語)

モン・ロワイヤル公園

ジャン・タロン・マーケット


モントリオールの活気を実感したい方は、ジャン・タロン・マーケット(Jean Talon Market)を訪れてみましょう。

いわゆる市場であるこのマーケットでは、果物や海鮮、野菜や肉などが売られており、モントリオールの人々の生活を支えています。

スイーツやお土産ショップなども充実しているため、観光ついでに買い物をするのもおすすめです。

公式サイト(英語)

ジャン・タロン・マーケット

聖ジョゼフ大聖堂

聖ジョゼフ大聖堂(Saint Joseph’s Oratory of Mount Royal)は、モン・ロワイヤルのふもとに位置します。規模が大きな聖堂であり、内装の荘厳さも高い位置にある礼拝堂からの長めも圧巻の一言です。

礼拝堂まで続く階段の真ん中部分は、信者専用のエリアです。

足を使わず膝と手だけで登るのが、しきたりとされています。観光で訪れた際は誤って使用しないように注意しましょう。

公式サイト(英語)

聖ジョゼフ大聖堂

モントリオール市庁舎

モントリオールの市内を管理するモントリオール市庁舎(Montreal City Hall)も、立派な観光スポットです。

内部ではモントリオールの歴史に触れられ、中世ヨーロッパを連想させる豪華な佇まいを堪能できます。夜はライトアップされた美しい姿を披露しているため、時間をずらして2度訪れるのもおすすめです。

公式サイト(英語)

モントリオール市庁舎

モントリオール植物園

モントリオール植物園(Montreal Botanical Garden)では、美しい植物と世界各国をイメージしてつくられた庭園を楽しめます。庭園の中には日本をイメージしてつくられたデザインもあるため、観光で訪れた際はぜひチェックしてみてください。

植物園内には温室もたくさん設置されており、世界各国の植物を鑑賞できます。自然が好きな方に、おすすめしたいスポットです。

公式サイト(英語)

モントリオール植物園

スペース・フォー・ライフ

スペース・フォー・ライフ(Espace Pour La Vie)では、バイオドームと植物園、昆虫館にプラネタリウムなどが楽しめます。
家族連れに人気のスポットであり、世界各国のファミリーがこのスペース・フォー・ライフに、カナダの自然を求めて足を運んでいます。

すべて見て回るのには2日はかかるため、スペース・フォー・ライフを堪能したい方はスケジュールに余裕を持って訪れましょう。

公式サイト(英語)

スペース・フォー・ライフ

カナダ全域の観光スポットについては、こちらのページをご覧ください。

モントリオールの年間イベント情報

モントリオールでは、年中イベントが開催されています。

その中でも大規模なものに絞って、モントリオールの年間のイベントスケジュールをお伝えします

1月
  • New Year Day(元旦)
  • Igloofest
    冬の野外ミュージックの祭り、1月中旬から2月初旬
  • Québec Winter Carnival
    世界最大級のウィンターカーニバル、1月末から2月中旬まで
2月
  • チャイニーズニューイヤー(旧正月) - Chinese New Year
  • Montreal En Lumiere
    市内各地に行われる光の祭典、2月下旬から3月中旬まで
3月
4月
  • イースターデー(復活祭)- Easter Day
5月
  •  ザ・ビレッジ - The Village
    露店、パフォーマンスなど行われる。5月下旬〜6月初旬
6月
7月
8月
9月
10月
  • サンクスギビングデー - Thanksgiving Day
  •  ハロウィン - Halloween
    10月31日、町中のあちらこちらで仮装した人々を見かけます。
11月
  • ブラックフライデー - Black Friday
  • German Christmas Market
    ドイツ風クリスマスマーケット、11月末から12月中旬まで
12月
  • Parc des Compagnons-de-Saint-Laurent
    クリスマスまでに、様々なパフォーマンスを披露される。12月初旬から12月下旬にかけて
  • Fire on Ice
    12月中旬より、年末年始にかけて4回開催される花火大会
  • LUMINOTHÉRAPIE
    屋外アートイベント、12月中旬から翌年2月初旬まで開催
  • クリスマス - Christmas
    12月25日 、日本の元旦みたいにほとんど店が休み
  • ボックスデー - Boxing Day
    12月26日 、日本の初売りみたいに、ほとんどの店がバーゲンセールを行う)
  • Festi Lumière
    イルミネーション、クリスマス過ぎてから翌年1月下旬頃迄に行われる
  • 新年カウントダウン - Countdown to New Year
    12月31日深夜、 新年カウントダウンイベント

まとめ

モントリオールの夜

モントリオールはフランス文化が色濃く残り、自然や歴史に触れられる都市です。

英語だけでなくフランス語やフランス文化への造詣を深めたい方にとって、適した街といえます。

モントリオールへの渡航を検討している方は、ご紹介した内容を参考にして、ぜひフランスとカナダ両者の魅力をモントリオールで体感してみてください。

この地でしか得られない経験をして、実のりある海外での日々を叶えましょう。

執筆者 執筆者
カナダ留学コンパス 編集部E

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