移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。
カナダ永住に必要な条件の1つが英語力です。
カナダ永住権申請には、IELTS(アイエルツ)CELPIP(セルピップ)の2つの英語試験のスコアが使えます。
しかし、試験のスコアはそのままでは利用できません。
永住権申請には試験のスコアを「CLB(Canadian Language Benchmark)」という指標に換算して、ポイント化しする必要があります。
必要なCLBスコアがいくつかは人によって違いますが、CLB7とCLB9が職歴など他のポイントと合わせて加点を得られる分かれ目です。
この記事ではCLB の換算についてと、CLB7 と CLB9を目指した英語勉強法を紹介します。
カナダ留学、永住に必要な英語力については、こちらの記事もご覧ください。
CLB7、CLB9ってどんなレベルなの?
CLB7 と CLB9 を目指すと決めても、具体的にどれくらいのレベルなのか、ちょっとわからないですよね。
そこで、各種英語試験を受験したわたしが体感でまとめた各試験の相関表で、日本でおなじみの英検やTOEICと比較してみます。
CLB | IELTS | CELPIP | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 | レベルの目安 |
---|---|---|---|---|---|---|
12 | 9.0 | 12 | 118~120 | - | - | |
8.5 | 115~117 | - | - | 英語圏の大学院に入学できるレベル | ||
11 | 8.0 | 11 | 110~114 | - | - | |
10 | 7.5 | 10 | 102~109 | 970~990 | - | |
9 | 7.0 | 9 | 94~101 | 860~970 | 1級 | ネイティブレベル |
8 | 6.5 | 8 | 79~93 | 820~860 | - | |
7 | 6.0 | 7 | 60~78 | 730~820 | 準1級 | ビジネスで使えるレベル |
6 | 5.5 | 6 | 46~59 | 600~730 | - | |
5 | 5.0 | 5 | 35~45 | 550~600 | 2級 | 大卒者が履歴書に書けるレベル |
4.5 | 32~34 | 500~550 | - | |||
4 | 4.0 | 4 | ~31 | 450~490 | 準2級 | 高校2年生レベル |
3.5 | - | 300~440 | - | |||
3 | 3.0 | 3 | - | 291~299 | 3級 | 中学卒業レベル |
2.5 | - | 270~290 | - | |||
2 | 2.0 | 2 | - | 260~269 | 4級 | |
1 | 1.5 | 1 | - | 100~259 | 5級 |
テストによって実施方法が違うので完全な比較はできませんが、わたしの英語スコア(英検1級、TOEIC960点、TOEFL iBT 95点)と比較すると、大体のイメージはあっていると思います。
カナダ永住へのハードルは結構ハード
上の表を使ってざっくりと比較すると
- CLB7: TOEIC 730~820点、英検準1級レベル
- CLB9: TOEIC 860~970点、英検1級のレベル
ガーン!こんなハイレベルの英語力を求めるなんて、カナダは移民に消極的なんだ!
ちょっと待ってください。
カナダが永住者として受け入れたいのは、カナダの社会と経済を発展させてくれる優秀な人材です。
カナダの社会に馴染むには、カナダの公用語である英語かフランス語を自由に話せた方がよいに決まっています。
移民としてカナダに貢献するために必要なステップの一つだと覚悟して、CLB7とCLB9のスコア達成を目指しましょう。
IELTS とCELPIP について
そして1つ注意してほしいのが、この中でカナダ移民のポイントとして使えるのはIELTS とCELPIP だけです。
IELTS とCELPIP はどう違うのでしょうか?一覧表にまとめました。
IELTS | CELPIP | |||
---|---|---|---|---|
汎用性 | ○ | 世界で通用する資格 | × | カナダでしか使えない |
得点のしやすさ | △ | リスニング問題でも、正しいスペルを書けないと得点できない | ◎ | 選択式の問題が多い・スペルミスを気にしなくてよい |
使われる英語 | △ | イギリス英語に慣れていない人には難しい | ◎ | 聞き取りやすいカナダ英語 |
勉強のしやすさ | ◎ | 教材や対策講座が豊富 | △ | 公式以外の教材は少なく、日本語教材はほとんど皆無 |
まとめ | 試験自体の難易度は高いが対策も豊富 カナダ以外でも通用する資格ならIELTS | 得点は取りやすいものの教材が極端に少ない カナダ移民申請のためだけならCELPIP |
移民申請の目安となるスコアはこちらです。
- CLB7: IELTS 7.0、CELPIP 9
- CLB9: IELTS 6.0、CELPIP 7
一般的に、CELPIPの方が得点は取りやすいとされています。
ただし、日本語の教材は無いに等しく勉強しにくいのが難点です。
英語を英語で勉強するのは効果的な学習法と聞いたけど…?
たしかに「英語を英語で勉強する」ことは、英語の感覚を身につけるのに役立ちます。
ただし、試験対策となると話は別。
圧倒的に効率がいいのは、日本語で書かれた教材で勉強する、日本人向けの対策講座を取ることです。
特に、移民を目指している方は、留学後もカレッジに通ったりフルタイムで働いて忙しいと思います。
そのような方が短時間で効率的に「スコアをあげる」ことを目指すのであれば、対策講座や教材が豊富なIELTS を集中的に勉強するのもよいでしょう。
独学か、学校か?
カナダ永住権のための英語スコアを取るための勉強は一人でもできます。
ですが、自分に合った勉強法を見つけるまでにかかる時間、勉強法を見つけたらご自身でスケジュールを管理して勉強を続ける根気と努力が必要です。
また、移民のために必要な英語力は高度なので、一人では難しくて挫折する人が多いのが現実です。
どんな試験でもそうですが、50点から70点にあげるのはそこまで難しくありませんが、90点を100点にするのは難しいですよね。
時間が無限にあるのならいいのですが、移民申請にはタイミングも重要です。
また、学歴や職歴なども条件ですので、学校やお仕事をしながらの資格勉強になると思います。
短期間で確実に英語力を伸ばすには、勉強法のメソッドが確立されていて、自分のレベルや得意・苦手分野を客観的に把握し教えてくれる学校や英語学習サービスのご利用がおすすめです。
- 語学学校やカレッジのIELTSコースを取る⇒まとまった時間と予算を取れる方に◎
- 英語学習サービスを利用する⇒忙しい方、費用を抑えたい方に◎
きちんとスケジュール管理がされていているので、だらけてしまって三日坊主になるのも防げます。
CELPIPの場合は基本的に独学になってしまいますが、IELTS対策のサービスはたくさんあります!
以下で詳しくご紹介しますので、ご自分に合ったものを選択しましょう。
学校のIELTSコースを取る
留学中に英語力を上げる方法と聞いて、一番に思いつくのは学校ではないでしょうか?
カナダの様々な語学学校やカレッジでは、IELTS対策コースを受講することが出来ます。
学校に行って集中的に試験対策をするのですから、だらけることは出来ません。
真面目に授業を受けて課題をこなしていれば、勝手に結果は付いてきます。
友達もできやすいですね♪
ただし、学校に通う時間とお金がかかるのが難点です。
現在まとまったフリータイムがある方にはおすすめです。
まとめ
カナダ永住に向けて英語スコアを上げるには地道な勉強が必要です。
特にCLB9は厳しいゴールですが、決して不可能ではありません。
賢く対策講座を利用して、永住権を目指しましょう!