学生ビザについて
移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。
カナダで留学するときに必要な学生ビザ(就学ビザ)。
学生ビザがあると海外の学校に通えるのは知っているんだけど…結局、学生ビザってなんなんだろう?
ビザは複雑で難しい印象ですよね。でも、大丈夫!この記事を読めば、カナダの学生ビザについてしっかりと理解できるようになりますよ。
動画でも分かりやすく解説しているのでぜひご覧ください!
「学生ビザ」ってなに?
学生ビザとは、カナダ人以外の人がカナダで留学し、勉強するために必要な許可証のことです。
「学生ビザ」や「就学ビザ」という名称が流通していますが、正式名称は「就学許可証(Study Permit)」ですよ。
カナダの学校から入学許可書が届いてから、学生ビザを取得できます。
学生ビザは「学生としてカナダに滞在する許可」なので、きちんと学校に行かなければ国外退去命令の対象です。
学生ビザで入国したら、その期間は学校に通っていないと「ルール違反」になるということだね!
カナダで「学生ビザ」が必要な人は?
「留学には学生ビザが必要」と書きましたが、すべての学生に必要なわけではありません。
カナダの場合は6か月以上カナダの学校で勉強する場合にのみ必要となります。
つまり、6か月未満の留学であれば学生ビザはいりません。
例えば3か月間の語学留学に行く場合、学生ビザはいりません。
このような場合は観光ビザだけでカナダに入国し、学校に通えます。
ご注意ください
これは日本国籍(日本のパスポート)を持っている人に与えられている条件です。その人の国籍によっては短い期間でも学生ビザが必要な場合もあります。
カナダの学生ビザでできること
では、学生ビザでできることはなんでしょうか?
カナダの学生ビザを取ると、そのビザで認められている期間、カナダに滞在して学校に通えます。
実はそれ以外に、次の3つのこともできるのです。
- 働ける (カレッジ・大学に6か月以上通う場合のみ)
- 配偶者が「就労ビザ」を取得できる (公立のカレッジ・大学に1年以上通う場合のみ)
- 「子どもの公立学校」の学費が無料になる (公立のカレッジ・大学でディプロマ以上の学位が取得できる場合のみ)
もちろんどれも条件があるので、詳しくはカナダの学生ビザがあればできることをご覧ください。
学生ビザ申請に必要なもの
学生ビザ申請には以下の書類が必要です。
学生ビザ申請に必要なもの
- パスポート
- カナダの学校の入学許可証(Letter of Acceptance)
- 顔写真
- 残高証明書
- スキャナかデジカメ
- クレジットカード
入学許可証(Letter of Acceptance)と残高証明(資産の証明)に関しては、のちほど詳しく紹介しますね。
学生ビザ申請料金
こちらがカナダの学生ビザの申請料金です。
カナダの学生ビザ申請費用 | |
---|---|
学生ビザ申請費 | $150 |
追加費用(バオメトリクスが必要な場合のみ) | $85 |
2019年1月1日から、バイオメトリクス(指紋認証)の手続きが必要になり、バイオメトリクスの費用 $85 が別途かかるようになりました。
バイオメトリクスについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
カナダの学生ビザを取得する方法は?
オンライン申請がおすすめ
学生ビザの申請は、こちらの2つから選択できます。
学生ビザ申請は2つの方法で
- オンライン申請
- 郵送申請
オンライン申請の方が簡単で便利なので、特別な理由があってオンライン申請を使えない場合以外、オンラインで申請することをおすすめします。
学生ビザの申請手順
- オンラインで質問項目に答えていく
- 学生ビザ申請の画面に進む
- その画面で指定される添付書類をアップロード
- クレジットカードで申請費用$150を支払う
流れは簡単ですが、入力項目が多く、小さなミスが却下につながる恐れもあります。
カナダ留学コンパスに申請代行を依頼していただくことも可能ですよ。
学生ビザの申請方法をもっと詳しく知りたい!という方は、こちらの記事をご覧ください。
添付書類
学生ビザ申請のための添付書類は、パスポートのコピーのほかに、こちらの2つが重要です。
入学許可証(Letter of Acceptance)
入学許可証(Letter of Acceptance)は、カナダの学校が、学生の入学を認めることを証明する書類です。 学生が通うこれらの情報が記載されています。
入学許可証に記載される情報
- プログラム(学科)
- 通学期間
- 学費
また、入学許可証(Letter of Acceptance)を発行することができるのは、カナダ政府から認められ「Designated Learning Institute (DLI)番号」を取得している学校に限られます。
海外から留学生を受け入れる水準を満たしている学校に、カナダ政府がお墨付きを与えているというわけですね。
残高証明(資産の証明)
【2023年12/9追記】
2024年から条件変更に!
2024年1月1日以降に申請(受理)された学生ビザからは、残高証明に必要な金額が大幅に上がります。
これまで、学生ビザの残高証明のミニマム(最低)金額は「1年で約100万円」(この金額あればまあ問題なく留学生活が送れるよね、という意味)でした。これは2000年に定められた金額で当時の物価が考慮されています
今回、20年以上ぶりにこの金額がアップデート。
2023年の物価をもとに「1年で約220万円」の残高証明が必要になります。
学生ビザに必要なもう一つの書類は残高証明(資産の証明)です。
学生にちゃんとお金(資産)があるかどうかをチェックされるんだね。
通常、銀行の残高証明書(発行日がビザ申請から1か月以内のもの)を使用します。 必要な最低金額はこちら。
必要な残高目安
学校の学費 + 滞在月数 × $1,800(1年以上の滞在の場合は、年間 $20,635)
※残高証明の金額が大きければ大きいほど、ビザが許可される可能性が高くなります
学費は入学許可証に記載されています(1年以上の通学の場合は最初の1年間の学費が載っています)。
なお、残高証明書を学費支払い後に発行する際は、学費を支払ったという証明が必要になります。
入学許可証に学費を支払ったという記載がない場合は、学費支払いの領収書を一緒に添付します。
実際にシミュレーションをしてみましょう。例えば、こんなケースの場合はいくらの残高証明が必要でしょうか?
学費のシミュレーション
- $11,000 の学費
- 8か月間の滞在
こちらで計算してみます。
$11,000 + 8か月 × $1,800 = $25,400(2,731,076円)
になります。 同じく、2年間、最初の1年目の学費が$15,000の学校に通うための学生ビザ申請のために必要な残高証明はこちらです。
$15,000 + $20,635 = $35,635
こちらのように、1年以上の滞在の場合は、年間 $20,635で計算されるんですね。 学生本人の口座だけではなく、家族、親族の口座など、複数の口座を合算して申請することもできます。
そもそも、なんで残高証明が必要なの?
それは、不法就労を防ぐためなんです。十分な資金がある学生は留学中に不法就労する危険性が少ないですよね。なので、カナダ政府に信用されるためにも、残高証明の金額(資産額)が多ければ多い方がいいです。
カナダ政府が外国人の不法滞在・不法就労を防ぐために新たな本人確認の手続きを導入しました。 詳しくはこちらの記事をご覧ください。
学生ビザ申請に関する詳しい情報はこちらの記事も参考にしてください。
カナダの学生ビザまとめ
学生ビザはカナダ留学を可能にしてくれる大切な許可証です。
留学で学ぶ内容、期間、家族の有無によって、学生ビザでできることは大きく異なります。
カナダへの留学自体が人生を変えるような大きなチャレンジですが、学生ビザを有効に活用することで、留学後のカナダでの就職、カナダ移民など、新たな可能性も広がります。
短期の目標と、5年ぐらいの中期的な目標を並行して立てて、その目標に沿った学校の学生ビザを取得しましょう。 ぜひカナダに留学を考えている方は私達「カナダ留学コンパス」にご相談ください。
学生ビザを取ってカナダのカレッジに通って、その後就職してカナダ永住をめざすことについて、こちらの記事もご覧ください。
免責
ビザ申請、永住権申請の手続きや規定、ルールはカナダ移民局が予告なく頻繁に変更しています。
そのため、こちらのサイトに記載してある情報を元に何らかの判断を行う際には、弊社にご相談いただくか、カナダ移民局のウェブサイト等をきちんとご確認ください。
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