配偶者ビザについて

監修者 監修者
村山まりえ

移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。

日本人がカナダで滞在するには、何らかのビザ(滞在許可)が必要です。

カナダ移民を考えている方なら、就労ビザがほしいと思う方が多いでしょう。

残念ながら就労ビザは、カナダのビザの中でも特に取得するのが難しいビザなのです。

しかし!

配偶者ビザ」という方法があります。配偶者ビザがあれば、就労ビザを取得する難易度が一気に下がります。

今回はその配偶者ビザについて専門家が詳しく解説いたします。

配偶者ビザとは?

配偶者ビザとは、夫婦のどちらか(つまり主申請者)がカナダの「就労ビザ」「学生ビザ」を取得した際に、その配偶者が取得できるビザのことです。

つまり、夫婦のどちらかがビザを取得してカナダに入国する場合、その配偶者にも入国の権利がもらえる、ということだね。

主申請者のビザの種類によりますが、その配偶者がもらえる「配偶者ビザ」は、通常の方法でビザを取るよりも難易度が低いのが特徴です。

配偶者ビザは2種類があります。

配偶者ビザの種類

  1. 配偶者観光ビザ
  2. 配偶者就労ビザ

では、それぞれを細かく紹介しますね。

 「配偶者観光ビザ」とは?

主申請者の配偶者が観光ビザを取得する場合、「配偶者観光ビザ」になります。

観光ビザが6か月という期間制限があるのに対し、こちらは主申請者がのビザ(学生ビザ、もしくは就労ビザ)と同じ期間分の観光ビザが認められます

1年の学生ビザを持った人の配偶者なら、1年分の配偶者観光ビザがもらえるんだね。

通常の観光ビザに必要な6か月ごとの更新をしなくてすむので、便利ですね。

 「配偶者就労ビザ」とは?

主申請者の配偶者が就労ビザを取得する場合は「配偶者就労ビザ」」になります。

その名のとおり、主申請者の配偶者だけが取得できる特別な「就労ビザ」です。

特徴はこちら。

配偶者就労ビザの特徴

  • LMIA」の手続きなしで申請できる
  • オープン就労ビザなので、雇用主、職種の限定なく好きな会社で好きな仕事ができる

手続きが非常に複雑な「LMIA」がない上に、雇用主や職種の限定なく働ける……ハッキリ言ってすごい優遇です。

通常、 LMIA 審査は非常に厳しく、外国人がカナダで働くのは簡単なことではなりません。

 

村山

この厳しい審査をクリアしなくても、配偶者というだけでカナダで働けるのはすごいこと!

詳しくは「LMIA (Labor Market Impact Assessment)について|種類、目的、申請方法」をご覧ください。

配偶者ビザでカナダに滞在できる期間

配偶者ビザでカナダに滞在できる期間は、「主申請者が取得したビザで滞在できる期間」と同じ期間です。

配偶者ビザ

例えば妻(主申請者)2年分の学生ビザを取得した場合、夫(配偶者)はそれと同じ2年間の配偶者ビザがもらえます

「夫婦はいっしょに暮らすもの」という慣習に習ってできたビザなので、そうなっているんですね。

「配偶者就労ビザ」を取得できる条件

配偶者ビザには2種類あると書きましたが、基本的に「配偶者観光ビザ」は問題なく取得できます

カナダで働く意思がなければ、簡単に取得できる「配偶者観光ビザ」を取得すれば良いでしょう。

ですが、かなりメリットのある「配偶者就労ビザ」が欲しい方も多いと思います。

「配偶者就労ビザ」を取得する条件はこちら。

 主申請者のビザが「就労ビザ」の場合

まずは、主申請者が就労ビザ(通常の就労ビザ、もしくはポスグラビザ)を取ったケース。

その配偶者は、主申請者就労ビザと同じ期間の「配偶者就労ビザ」を取ることができます。

 主申請者のビザが「学生ビザ」の場合

では、主申請者が取得したビザが「学生ビザ」だった場合は?

こちらは、その学生ビザが「どんな学校か?」によって変わってきます。3つのケースを見てみましょう。

 公立カレッジ・大学・大学院の場合

主申請者が1年以上の学生ビザ(公立カレッジ、大学、大学院に通う場合)を取った場合。

その配偶者は、主申請者が取得した学生ビザと同じ期間の「配偶者就労ビザ」を取ることができます。

 私立カレッジの場合

主申請者が取得した学生ビザが私立カレッジに通うためのものなら、原則としては、「配偶者就労ビザ」の対象にはなりません。

配偶者観光ビザのみとなります。

ですが、私立カレッジのプログラムが公立カレッジと同等であると認められた場合、申請が認められることがあります。

 語学学校の場合

主申請者が取得した「学生ビザ」が語学学校に通うためのものであった場合はどうなるのでしょうか?

こちらは残念ながら、「配偶者就労ビザ」は認められません。

配偶者観光ビザのみとなります。

 

かえで

主申請者がどんな学校に通うかによって、配偶者が取得できるビザの種類が違うんだね。

配偶者ビザの申請方法

配偶者ビザの申請方法は2つあります。

配偶者ビザの申請媒体

  • オンラインでの申請
  • 郵送での申請

審査の手続きや難易度に変わりはありません。

オンラインの方が郵送の時間や費用が掛からないので、特別な理由がなければ、オンライン申請をおすすめします。

配偶者ビザ申請に必要な書類はこちら。

 婚姻関係の証明

配偶者ビザは、カナダに在住する者の配偶者だけに与えられる滞在許可です。

そのため、婚姻関係があることを法的に証明できる書類が必要となってきます。

しかし、日本には結婚証明書がないため、夫婦の婚姻について記載された「戸籍謄本」または「戸籍抄本」の写しがその役目となります。

公的証明は日本語のままではダメですので、日本からの申請の場合は有資格の翻訳者に、カナダからの申請の場合はカナダの日本大使館・総領事館で翻訳してもらいましょう

 【注意】ジョブオファー(ポスグラの配偶者就労ビザの場合)

注意が必要なのは、ポスグラビザ所有者の配偶者が就労ビザを申請する場合です。

この場合は、ポスグラビザ所有者が「NOCレベルの中の0、A、Bのいずれかの職種」で雇用されていることを証明するジョブオファー、そして給与明細等を用意する必要があります。

配偶者ビザの申請にかかる期間

主申請者の就労ビザや学生ビザと同時に配偶者ビザを申請する場合、配偶者ビザが主申請者のビザより先に承認されることはありません。

主申請者のビザと同時に承認されるか、後で承認されるかのどちらかです。

ご注意ください

ビザの申請期間は、申請するビザの種類、申請する場所(日本からか、カナダ国内からか)、その時の国や世界の情勢によって大幅に変わります

最新の各ビザの標準処理時間はカナダ移民局のホームページで確認できますが、サイトに発表されているプロセス期間と、実際のプロセス期間が異なることがほとんどです。

記載の申請期間はあくまでも【目安】であり、目安の期間よりも早く出る場合もあれば、遅く出る場合もありますので、ご留意ください。

配偶者観光ビザの申請にかかる期間

カナダ国内からの配偶者観光ビザの申請期間は大体3~4カ月程度ですが、例外もあります。

配偶者観光ビザをカナダ入国と同時に取得する場合、その場でビザが発行されます。

なお、この場合手数料は無料です。

配偶者就労ビザの申請期間

日本国内・カナダ国内で申請するか、また、請時期にもよりますが大体2~4カ月程度です。

配偶者ビザ申請にかかる費用

配偶者ビザの種類によって異なり、それぞれの費用は以下のとおりです。

  • 配偶者観光ビザの申請費用: $100
  • 配偶者就労ビザの申請費用: $255

ワーホリビザに「配偶者ビザ」はあるの?

 

かえで

就労ビザを持った人の配偶者には「配偶者ビザ」が発行されることがわかったよ。じゃあ、ワーホリも就労ビザの一つだから、同じように配偶者ビザがもらえるのかな?

 

村山

残念ながら、ワーホリピザを持った人の配偶者は対象外です。

カナダで自由に働けるワーホリビザは、種別としては「就労ビザ」なのですが、残念ながら対象になりません

ワーホリビザ所有者の配偶者は配偶者ビザを取ることができません

これは、若者を対象としている「ワーホリ」が単身者を対象にしたものだからですね。

もし、夫婦2人がワーホリで行かれる場合は、2人が別々にワーホリビザを申請、取得する必要があります

まとめ

カナダに留学や就労する際、夫婦がそろって渡航できるのはありがたい制度ですね。

しかも、配偶者には配偶者就労ビザ、それも自由に働けるオープン就労ビザを取得できるということは、大きなメリットです。

カナダ留学を夫婦で検討している場合、「配偶者がどんなビザを取れるかまで考慮して、留学先の学校を決める」……ということもぜひ考えてみてください。

配偶者ビザのさらに詳しい情報はカナダ留学コンパスに気軽にご相談ください。

免責

ビザ申請、永住権申請の手続きや規定、ルールはカナダ移民局が予告なく頻繁に変更しています。

そのため、こちらのサイトに記載してある情報を元に何らかの判断を行う際には、弊社にご相談いただくか、カナダ移民局のウェブサイト等をきちんとご確認ください。

弊社のサイトは、ビザ申請、永住権申請に関する責任を負うものではございません

弊社サイトをご覧になってご自身でお手続きをすすめたり、他社に相談したりして生じたいかなる問題に関して、弊社では一切責任を負いません

執筆者 執筆者
村山まりえ

移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。

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