カナダの世界遺産20か所を一挙に紹介

カナディアンロッキーの風景

カナダは自然豊かな国であり、多くの世界遺産があります。この記事では、カナダで登録されている、すべての世界遺産をご紹介します。

ぜひ、カナダを訪れる際の観光スポットとして参考にしてみてください。

※2023年6月時点

カナダの世界遺産一覧

最初に、カナダにある世界遺産を一覧表でご紹介します。

下記の通り2023年6月時点で20カ所の世界遺産があり、内訳は文化遺産が9か所・自然遺産10か所で、複合遺産が1カ所となっています。

ランス・オ・メドー国定史跡ニューファンドランド・ラブラドール州世界文化遺産
スカン・グアイブリティッシュコロンビア州世界文化遺産
ヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプアルバータ州世界文化遺産
ケベック旧市街の歴史地区ケベック州世界文化遺産
ルーネンバーグ旧市街ノバスコシア州世界文化遺産
リドー運河オンタリオ州世界文化遺産
グラン・プレの景観ノバスコシア州世界文化遺産
レッド・ベイのバスク人捕鯨基地ニューファンドランド・ラブラドール州世界文化遺産
ライティング・オン・ストーン州立公園アルバータ州世界文化遺産
恐竜州立自然公園アルバータ州世界自然遺産
クルアーニー / ランゲル=セント・イライアス / グレーシャー・ベイ / タッチェンシニー=アルセクアメリカ合衆国及びカナダ世界自然遺産
ウッド・バッファロー国立公園アルバータ州世界自然遺産
カナディアン・ロッキー山脈自然公園群アルバータ州、ブリティッシュコロンビア州など世界自然遺産
グロス・モーン国立公園ニューファンドランド島世界自然遺産
ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園カナダ・アルバータ州、アメリカ・モンタナ州世界自然遺産
ミグアシャ国立公園ケベック州ガスペ半島世界自然遺産
ジョギンズ化石断崖ノバ・スコシア州世界自然遺産
ミステイクン・ポイントニューファンドランド島アバロン半島世界自然遺産
ナハニ国立公園ノースウエスト準州世界自然遺産
ピマチオウィン・アキマニトバ州世界複合遺産
出典:カナダの世界遺産一覧: Canada - UNESCO World Heritage Centre

そもそも世界遺産とは?

世界遺産とは、「未来の人類にも引き継ぐべき宝・人類共通の遺産」として、ユネスコ(UNESCO)が定めた建造物や自然景観などのことです。

ちなみに、世界遺産は英語で「World Heritage Site(ワールド・ヘリテージ・サイト)」と言いますよ。

さて、世界遺産には、世界文化遺産・世界自然遺産・世界複合遺産の3種類があり、カナダにも3種類すべての遺産があります。

世界遺産の種類

まず最初に、世界文化遺産は、「記念物・遺跡・文化的景観」などが対象とされます。カナダでは、ランス・オ・メドー国定史跡やリドー運河が当てはまります。

そして、世界自然遺産とは、「普遍的な価値がある地形や生態系」などが対象です。カナダの世界遺産の多くが自然遺産であり、恐竜州立自然公園やカナディアン・ロッキー山脈自然公園群などが代表的です。

最後に、世界複合遺産は、「文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えた遺産」を指します。カナダでは、ピマチオウィン・アキが世界複合遺産にあたります。

それでは、カナダの世界遺産20か所を一挙にご紹介していきましょう!

ランス・オ・メドー国定史跡

ランス・オ・メドー国定史跡(L’Anse aux Meadows National Historic Site)は、ニューファンドランド・ラブラドール州の世界文化遺産です。カナダで初めて世界遺産に登録(1978年)された場所でもあります。

ランス・オ・メドー国定史跡は、11世紀ころの北方ゲルマン族「ヴァイキング(Viking)」の遺跡で、北米におけるヨーロッパ人入植の最初期の痕跡として貴重な遺産です。

ナハニ国立公園

ナハニ国立公園(Nahanni National Park )は、ノースウエスト準州にある世界自然遺産です。1976年に設立された公園で、1978年に世界遺産に登録されています。

さまざまな野生動物が生息する自然豊かな場所であるとともに、冬には公園内でオーロラを見ることができます。公園内には、狼やカリブーなどさまざまな動物がいます。

ナハニ国立公園には、ブリティッシュコロンビア州やユーコン準州から水上飛行機でアクセス可能です。

州立恐竜自然公園

州立恐竜自然公園の風景

州立恐竜自然公園(Dinosaur Provincial Park)は、アルバータ州にある世界自然遺産です。

世界最大級の恐竜化石層であり、約7,500万年前の地層がむき出しになっています。恐竜遺跡以外にも、公園内のレッドディア川の渓谷には、フードゥー奇岩が数多くあるなど、自然ロマン溢れる場所です。

恐竜や化石が好きという人におすすめの世界遺産です。

州立恐竜自然公園へのアクセスは車のみとなっています。カルガリー国際空港から向かう場合は、2時間30分ほどで到着します。

カナディアン・ロッキー山脈自然公園群

カナディアンロッキーの風景

カナディアン・ロッキー山脈自然公園群(Canadian Rocky Mountain Parks)は、アルバータ州、ブリティッシュコロンビア州などにまたがる世界自然遺産です。

7つの公園で構成された世界遺産で、ブリティッシュコロンビア州のアシニボイン山州立公園、ハンバー州立公園、マウントロブソン州立公園、アルバータ州にあるバンフ国立公園、ジャスパー国立公園、クートニ―国立公園、ヨーホー国立公園から成ります。

広大な面積の中に、氷河、滝、鍾乳洞など雄大な自然が残るスポットです。3,000メートル級の壮大な山々も広がり、カナダならではのダイナミックな自然が楽しめます。

カナディアンロッキーは非常に広大なので、まずはバンフかジャスパーなど、観光拠点にできる街に行くのがおすすめです。鉄道もしくは車で行くことができます。

グロス・モーン国立公園

グロス・モーン国立公園(Gros Morne National Park)は、ニューファンドランド島にある世界自然遺産です。プレート・テクトニクスなどの地球科学において非常に重要な痕跡を実際に見ることが可能なスポットです。氷河期にできたフィヨルドなどの太古の地形も残っています。

また、公園内のテーブルランドも見どころの一つです。テーブルランドは地殻変動でできたなだらかな山頂を持つ土地で、ハイキングにも最適です。

グロス・モーン国立公園は、ディアレイク空港が最寄りでそこからは車でのアクセスとなります。

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園(Waterton Glacier International Peace Park)は、カナダのアルバータ州とアメリカのモンタナ州にまたがった公園です。

1932年には、国際平和公園にも指定されています。

森林や鉱山、氷河などが見られる自然スポットで、ムールやエルクなど、日本では動物園でしかみることのできない野生生物もいます。

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園にカナダ側から訪れる場合の手段は車のみで3時間ほどかかります。

ルーネンバーグ旧市街

ルーネンバーグ旧市街(Old Town Lunenburg)は、ノバスコシア州の世界文化遺産です。

植民時代の雰囲気が残る場所で、1753年イギリスの植民都市として街づくりがされた港町です。通りがまっすぐで曲がり角も直角という、特徴的な作りの街並みになっています。

また、家々は昔船用ペンキの余りで外壁を塗られた名残で非常にカラフルな建物ばかりなのも特徴です。ヨーロッパとも違う、カナダの旧市街ならではの街並みを楽しみたい人におすすめです。

ルーネンバーグ旧市街を訪れる場合の最寄り空港はハリファックス空港です。日本から向かう場合は直行便がないため、トロントなどの都市を経由して向かいます。ハリファックス空港からルーネンバーグ旧市街までは、車で1時間30分程度です。

ピマチオウィン・アキ

ピマチオウィン・アキ(Pimachiowin Aki)は、マニトバ州にある世界複合遺産です。2023年6月時点でカナダ唯一の複合遺産となっています。

先住民族アニシナアベ族のコミュニティと、地域の自然公園の両方からなるスポットで、アニシナアベ族が代々守ってきた自然と文化の両面で評価された遺跡です。

ピマチオウィン・アキはウィニペグ・ジェームス・アームストロング・リチャードソン国際空港が最寄り空港です。空港からは車でおよそ3時間30分ほどです。

クルアーニー/ランゲル・セントイライアス/グレイシャー・ベイ/タッチェンシニー・アルセク

クルアーニー/ランゲル・セントイライアス/グレイシャー・ベイ/タッチェンシニー・アルセク(Kluane/Wrangell-St Elias/Glacier Bay/Tatshenshini-Alsek )は、アメリカ合衆国とカナダにまたがった世界自然遺産です。

雄大な山々が広がる場所で、陸地の半分は、雪と氷に永遠に覆われた場所でもあります。ワシやグリズリーといった野生生物の生息地でもあります。

さらに、標高5,000m級の山々など、日本にはない自然を楽しむことができるのも魅力です。

また、クルーズ船で氷河を間近でみたり、小型飛行機で空から大地を眺めるといった楽しみ方も可能です。

スカン・グアイ(アンソニー島)

スカン・グアイ(アンソニー島、英名:SGang Gwaay)は、ブリティッシュコロンビア州の世界文化遺産です。先住民族のハイダ族がかつて暮らしていた場所で、現在は無人島です。ハイダ族が暮らしていたその痕跡が現在も残っていますよ。

修復などを行わず、朽ちていく姿をそのままに残す世界遺産であり、ハイダ族が残したトーテムポールもそのまま残されています。

スカン・グアイは、ハイダ・グワイ島北部から出発する飛行機か、水路を使ってアクセス可能です。島内の環境を守るため、1日にアクセスできる人数は限られています。

ケベック旧市街の歴史地区

ケベック旧市街の歴史地区(Historic District of Old Quebec)は、ケベック州の世界文化遺産です。17世紀の初め頃にフランス人によって作られた街で、北米の中でも特に歴史のある要塞都市です。

中世ヨーロッパの雰囲気が色濃く残るスポットで、観光としては、街並みを眺めたり、馬車に乗って街を見て回ることもできます。

ケベック旧市街は、最寄りのジャン・ルサージ空港から車で20分程度で到着します。また、VIA鉄道の駅からバスで向かうことも可能です。

リドー運河

 リドー運河(Rideau Canal)は、オンタリオ州の世界文化遺産です。

カナダの首都であるオタワからオンタリオ湖畔のキングストンまで続く運河で、全長は約200キロメートルです。北米最古の運河であり、現在も利用されています。建設当時は軍事目的でもありましたが、現在は遊覧船が運行する観光スポットです。また、冬には天然のスケートリンクとしても活用されます。

リドー運河は全長が長いため、アクセスする場合は、どの付近に行きたいかによって異なります。

観光としてリドー運河を眺めたいのであれば、カナダの首都オタワを訪れるのがおすすめです。パーラメントヒルなどの観光名所からもほど近い場所を流れています。

グラン・プレの景観

グラン・プレの景観(The Landscape of Grand-Pre)は、ノバスコシア州の世界文化遺産です。

17世紀から今日まで、変わらない技術とコミュニティー運営で成り立っている、農業地帯です。また、1755年に始まった先住民の弾圧の以前は、ミクマク族とアカディア人が、共生していた土地でもあります。

平和と文化の分かち合いの精神の象徴として、評価されています。

ウッド・バッファロー国立公園

ウッド・バッファロー国立公園(Wood Buffalo National Park)は、アルバータ州にある世界自然遺産です。シンリンバイソンを保護するために設立された公園で、カナダ国内でも最大規模を誇ります。広大な敷地内には、森林や草原などさまざまな環境の場所があります。また、ピース・アサバスカデルタ(内陸三角州)もあり、ラムサール条約にも登録されるスポットです。

ウッド・バッファロー国立公園の最寄り空港はフォート・スミス空港で、そこから車で40分ほどで到着します。

 ヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプ(Head-Smashed-In Buffalo Jump)は、アルバータ州の世界文化遺産です。非常に巨大な崖であり、崖の幅は約300mにも及びます。また、カナダの先住民族であるブラックフット族が狩りをしていた場所でもあるため、バッファローの骨が10m以上積まれている場所もあります。

狩猟自体は1900年代から衰退していますが、古くからの狩猟場であるということで文化遺産に指定されています。

アクセスは、カルガリーから比較的近く、カルガリー国際空港から車で2時間程度で行くことができます。

ミグアシャ国立公園

ガスペ半島の海岸線

ミグアシャ国立公園(Miguasha National Park)は、ケベック州ガスペ半島の世界自然遺産です。ミグアシャ国立公園は、魚類から四肢動物への変遷期の化石が豊富な場所です。特に、デボン紀という時代を代表するような化石が発掘されたため、考古学の観点からも非常に重要な世界遺産です。公園には自然博物館が併設されているので、訪れた際は博物館で化石を観るのがおすすめです。

ミグアシャ国立公園の最寄り空港は、チャーロ空港です。チャーロ空港から車で1時間ほどで行くことができます。

ジョギンズ化石断崖

ジョギンズ化石断崖(Joggins Fossil Cliffs)は、ノバ・スコシア州にある世界自然遺産です。名前の通り化石発掘スポットとして知られています。約3億年前の、石炭紀の化石が発掘される世界的に重要なスポットです。

また、ジョギンズ化石断崖はカンバーランド湾に面しているため、日々海の水に浸食されて地形が変化しています。

アクセスは、最寄り空港であるハリファックス・ロバート・L・スタンフィールド国際空港から、車で2時間ほどで到着します。

ミステイクン・ポイント

ミステイクン・ポイント(Mistaken Point)は、ニューファンドランド島アバロン半島の世界自然遺産です。約17km続く断崖絶壁で、化石が多く発見されていることでも知られています。また、付近には多様な生物が生息しています。

ミステイクン・ポイントに行くには、セントジョンズ国際空港から車で向かいます。空港からの所要時間は2時間ほどです。

レッド・ベイのバスク人捕鯨基地

レッド・ベイのバスク人捕鯨基地(Red Bay Basque Whaling Station)は、ニューファンドランド・ラブラドール州の世界文化遺産です。レッド・ベイのバスク人捕鯨基地の特徴は、海底に残された遺跡も対象である水中遺産という点です。

バスク人は16世紀にフランスやヨーロッパからカナダに入植した人たちです。名前の通りバスク人たちの捕鯨地であった場所で、海底には捕鯨船やクジラの骨などが蓄積しています。

アクセスは、最寄り空港であるルード=ド=ブラン=サブロン空港から1時間ほどです。

ライティング・オン・ストーン州立公園/アイシナイピ

ライティング・オン・ストーン州立公園の風景

ライティング・オン・ストーン州立公園/アイシナイピ(Writing-on-Stone/Aisinai’pi)は、アルバータ州の世界文化遺産です。

奇岩地帯が広がるのが特徴の場所で、先住民ブラックフット族はその奇妙な石に魂が宿ると考えていました。断崖には、約2000年前に書かれたブラックフット族の壁画も残っています。

アクセスは、東京からの直行便もあるカルガリー国際空港から車で4時間ほどです。

まとめ

この記事では、カナダの世界遺産をご紹介しました。

カナダには2023年6月時点で、20カ所の世界遺産があります。自然遺産と文化遺産の割合はほぼ半々ですが、文化遺産にも自然の要素が含まれているのも特徴です。

また、日本では考えられないような規模の遺産が見られるのも魅力ですね。

ぜひ、カナダの世界遺産を訪れてみてください。

執筆者 執筆者
Anna

新卒で金融機関に就職、ウェブ担当者として、ホームページのリニューアル・運営を一任される。以来10年以上、SEO・ウェブマーケティングはもちろん、デザイン・コミュニケーションなど、多岐にわたる分野で活躍。留学を機に、現在はカナダ在住4年目、ウェブサイトの改善・運営・SNS運用など、様々なプロジェクトに携わっています。

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