カナダ留学やカナダにワーホリで行きたいと思っている方にとって、やはり滞在先の治安や安全性についてはきちんと知っておきたいでしょう。
今回は、「カナダのトロント」についての治安や、よく耳にするトラブルなど、安全面についてお話します。
このページの目次
カナダの治安について
まずは、最初にカナダ全土についての治安について見ていきましょう。下記が統計データになります。
世界平和度指数ランキング2021 | 世界殺人発生率ランキング2020 | |
---|---|---|
カナダ順位 | ◎10位 | 〇87位(1.97件/10万人) |
日本順位 | ◎12位 | ◎142位(0.25件/10万人) |
コメント | 日本もカナダも国内紛争や治安悪化など不安要素が少なく平和 | 順位には差があるが、10万人当たりの発生件数は両国少ない |
それぞれの国の平和についての指数を表した「世界平和度指数ランキング」では、カナダは10位にランクインしています。実は、日本は12位となっており、カナダの方が日本より上位なんですよ。
つまり世界的にカナダは平和な国であることがこのデータからわかりますね。
また、世界殺人発生率ランキングというものもあり、日本は142位なのに対して、カナダは87位でした。なのでカナダの方が日本よりも殺人発生率は高いということにはなりますが、とはいえ、10万人あたりの発生件数を比べてみると、カナダも10万人当たり約2件(1.97件)と、殺人事件が頻繁に起こるわけではないことがわかります。
穏やかな国民性をもつ、カナダ人
データを見たところで、カナダ人の国民性にも着目して見ましょう。もちろん人によってそれぞれではありますが、カナダ人には穏やかな方が多いと言われています。
例えば、ショップなどでも店員さんがフレンドリーに話しかけてくれたり、移民国家のカナダだからこそ他国籍の方への寛容性も高いです。こういった国民性からも、その国の治安や雰囲気が滲み出るのではないでしょうか。
トロントの治安について
では、カナダの治安や安全性についてデータを見ていったところで、本題のトロントの治安について紹介していきます。
世界で最も住みやすい都市のランキング「The Global Liveability Index」というものがありますが、そこで実はトロントは上位に食い込んでいるのです。2021年のランキングではトップ10入りを逃しましたが、2018年、2019年はトップ10入りをしている常連の年でもあります。ちなみに、2022年は「世界の住みやすい都市ランキング22年版」にトロントが再び上位10位にランクインし、見事8位を獲得しました。この年、日本でこれにランクインしているのは、大阪のみになります。大阪は10位でした。
とはいえ、統計だけ見ればの話にはなってしまいます。日本でもそうですが、治安というのは数字だけで表せるわけではないですし、都市の中でもエリアによって異なる部分もあるでしょう。それはカナダでも同じ話です。それこそ、日本の安全性の高さにはかなわないというのも正直な感想ですね。
ちなみに、外務省の海外安全ホームページではカナダについて以下のように記載されています。
カナダは、一般的に治安が良いと言われていますが、犯罪発生率(人口10万人当たりの犯罪認知件数)は日本の約8倍の水準となっています。最近では、ギャング絡みの発砲・暴力事件も発生しているほか、夜間に銃器や刃物で通行人を脅したり、背後から襲い暴行を加えた後に所持品を奪うといった事案も発生しています。日本人の渡航者、滞在者が犯罪に巻き込まれる事案も発生していますので、適切な防犯対策を講じてください。特に、都市部で夜間のひと気のない場所に出かける際には注意が必要です。
常に、日本にいる時以上の防犯意識は大事ですね。
トロントにおけるトラブル・犯罪について
では、トロントの治安について概要を押さえたところで、実際にどんな犯罪やトラブルが起こるのかを紹介していきます。
銃を持つことは違法
意外に思えるかもしれませんが、カナダは銃社会ではないのです。銃を持つことは違法とされています。ですが、隣国はアメリカでもあるからか、ギャング系の発砲事件はカナダでも発生しているのは事実です。
とは言っても、街中で銃の乱射事件が頻繁に発生したあり、ギャングたちが一般人に何か危害を与えたりするようなことは、滅多にありません。これは日本でも同じことですが、普通に生活している中で、そんな凶悪犯罪に遭遇するということはほとんどないでしょう。
しかし、前述でいくらトロントが安全な都市の1つであっても、トロント内でも一部気をつけないといけないような、あまり治安の良くないエリアはあります。そういったところには軽い気持ちで無闇近づいたりするのはやめましょうね。
置き引きには注意
やはり日本人留学生が一番遭遇してしまいがちなのが、置き引きです。
治安の良いカナダでは、荷物を人から強制的に奪うようなひったくりや強盗といったような盗みはあまり耳にしませんが、「カバンを置いて席を立ったら、誰かにカバンを盗まれた」といった置き引きは多いです。
日本では、荷物を置いたままにして少し席を離れても、盗まれるということはそこまでないかもしれませんが、その日本の感覚で、少し荷物を置いて目を離したり、席を離れたりしたタイミングでよく起こります。特に、カフェや図書館では気をつけてほしいですね。パソコンなどの大事な機械類も置きっぱなしは危険です。
日本で置き引きがほぼ起こらないというのは、世界基準で言うとかなり異常なことだという意識をもってもらいたいです。
貴重品をはじめ、カバンは必ず、身につけておくなど注意してください。
交通事故に注意
「自分は大丈夫」と思っているかもしれませんが、意外と発生しているのが交通事故です。
ちょっと意外に思うかもしれませんが、実際に留学されて交通事故に見舞われたという方もいらっしゃいます。カナダは「歩行者優先ルール」が徹底されているので、歩行者に対してちゃんと停止してくれる車も多いのも事実ではありますが、カナダは移民の国なので自国の感覚や意識で運転しているドライバーも少なからずいます。
なので、そう言う意味では、交通事故もある意味遭遇しやすいですし、日本でもそうですが道路の端に立っていたり、歩きスマホをしたりなどはしないように注意しましょう。
落し物が戻ってきたと言う話もある
実は、海外では意外かと思われるかもしれませんが落とし物をして戻ってきたという事例もあるようです。もちろん100%ではないです。
こういう事例を聞くと、治安の良さや、親切な人が多いというのが反映されているのかもしれませんね。知り合いの中でも、カメラを忘れてしまったが、戻ってきたという話や、サイフなども盗まれずにに戻ってきたという話も実際に耳にしました。とはいえ、こればっかりは落とした人の責任の範疇であり、必ずしも戻ってくるわけではありません。
ちなみに、トロント市内の駅などで落とし物をした場合には、警察に連絡するよりも最初に落とし物センター(Lost Articles Office)に届けるのが一般的なようです。
もし落とし物をしてしまったら、慌てず思い当たる場所を探してみるのと同時にカード会社や落とし物センター、警察などに連絡してみましょう。こういった場合のために、カード会社の連絡方法や連絡先などをあらかじめ調べておくことは、実際の状況で慌てずにすむでしょう。
スリに気をつけよう
トロントに住んでいる友人が、遭遇した事例は、実はスリでした。特にバスの中などの公共交通機関の中にスリは多いようで、携帯電話や財布などが狙われやすいそうです。
特に、日本人は、日本にいる感覚なのか、鞄のファスナーを閉めずに開けっぱなしにしていたり、荷物を置きっぱなしにしてしまう場合があるので注意が必要です。他にも洋服のポケットなどに入れていた貴重品を盗まれるケースもあるので、気をつけましょう。
日本では大丈夫なことも、海外ではこういった犯罪に巻き込まれるきっかけにもなりかねないので、常に意識して生活することは大事です。
自転車の盗難に遭いやすい
これもトロントに住んでいた友人が言っていた話ですが、トロントでは自転車が盗まれることがおおいようです。たとえ、鍵をかけて、歩道に停めていたとしても、鍵のついたタイヤを残して、それ以外の部品を分解して盗んでいくとか、それこそ鍵を壊して持ち去るといったケースもあるようです。
また、カナダでは、バスの外の前側に自転車を乗せられる形態のバスが走っています。過去には、そのバスの自転車置き場に乗せた自転車を、降車時に別の人に勝手に持って行かれた(盗まれた)ケースもあったようでした。しかし、その被害者は乗車している最中には気が付かず、自分が下車した時に自転車が無くなって気がついた、ということでした。
このように、ありとあらゆる自転車盗難の方法があるようなので、トロントで自転車を使用することを考えている人は盗難防止のために自転車は部屋に持って入りましょう。
カナダ、トロントで暮らす際の安全対策
これまでトロントでよく耳にするトラブルや軽犯罪について紹介しましたが、実際にどのような安全対策が必要かについてお話ししていきます。
トロントでの安全対策
軽犯罪やトラブルの項目でも少し触れましたが、以下のように気をつけてください。
- スリに注意(特に公共交通機関など)
- 洋服のポケットなどに貴重品を入れておかない
- カバンのファスナーは閉める
- 自転車はできるだけ自宅内などに保管する(盗難予防)
- 図書館やカフェなどでは、カバンをおいたまま席を立たない(カバンは常に身につける)
日本にいてもそうですが、「危険なエリアにはできるだけ近づかない」「夜おそくに一人で歩かない」などにも気をつけましょう。
あたりまえ、と思うかもしれませんが、一瞬の気の緩みなどでトラブルに遭うこともあります。
トラブルにあった時の対処法
ここまでカナダは治安がいいというお話をしてきましたが、それでも何かしらのトラブルに巻き込まれてしまうこともあるかもしれません。もしそういった状況になった時のために、しっかり対処法を知っておくことは大事です。
何かあれば助けを求める、もしくは通報システムを使おう
前述しましたが、カナダ人はフレンドリーなので親しみやすい方が多いですが、それに加えて知らない人でも困っている人がいたら助けてあげるといったことが、ごく自然に行われています。例えば、街中でちょっとしたトラブルが起こった時には、周りの人が助けてくれたりすることもあります。
他にも、駅には防犯カメラが設置されているだけでなく、電車の車内には周りに知られずに通報できるサイレントアラームも付いているので何かあった際には通報できるようになっています。
さらに、日本ではあまり見かけないと思いますが、カナダでは警察官が制服姿でカフェやスーパーに入るのも一般的ですよ。
警察と救急は「911」にTEL
日本では警察と救急で番号が異なるかと思いますが、カナダでは警察も救急もどっちも「911(ナイン・ワン・ワン)」でかけることができます。
もし電話をかけたときに、英語で伝えることが難しい場合は「Japanese speaker, please」と伝え、日本が話せるスタッフに代わってもらうようにしましょう。特にトロントのような大都市圏では、日本語話者が常駐している可能性が高いと思われます。
カナダ、トロントの治安の調べ方
そもそも、留学で滞在する都市の治安についてどうやって調べれば良いのか手段についてよくわかりませんよね。実際に行って見ないとわからないことも多いですし、聞いた情報が全てというわけでもありません。
では、出発前にどのように収集したら良いのかと言うことについて、ここで少し紹介しておきますね。
外務省 海外安全ホームページの安全サイトを見てみよう
まずは、外務省のサイトを見て見ましょう。このサイトには、カナダに限らず世界中の国の安全についての情報が書かれています。留学のような長期滞在だけではなく、海外旅行に行く時にも役立つページが、外務省の「海外安全ホームページ」です。
「海外安全ホームページ」では、このような情報を確認できますよ。
- 危険・スポット・広域情報
- 安全対策基礎データ
- テロ・誘惑情勢
- 安全の手引き
- 医療事情
他にも、危険地帯をレベル分けしたマップも掲載されているので、渡航先の危険度も一目で把握することができます。
加えて、最近で起きている事故・災害・テロの情報などもいち早くゲットできるので、リアルタイムな情報を手に入れるにはとても便利かと思います。何より日本語でこういった情報を手に入れられるはいいですね。
留学エージェントに尋ねてみよう
外務省のサイトで渡航先についてチェックできたら、そのあとは留学エージェントに現地の生活の生のの声を聞いてみましょう。
留学エージェントは、語学学校の手配や、ビザの手配など事務的な手続きをしてくれるだけではありません。その都市の治安についてや、気をつけておくべきことなど、生活に役立つ情報も教えてくれます。
ぜひ遠慮せず、現地の治安や安全についても聞いてみてくださいね。
現地で生活している人の声
あとは、現地に実際に住んでいる、留学している人たちの話を聞くというのも良い方法です。
現地で生活している人の話は、タイムリーな情報でもあるので価値があると言えるでしょう。
特に最近はSNSが発展しているので、留学生活やトラブルなど投稿している人も多いのではないでしょうか。SNSつながりで友達ができたと言う話も耳にします。
また、個人でブログ投稿で留学生活公開している方もいます。そういう意味では、その都市での生活情報というのは、以前より手に入りやすいかもしれません。
とはいえ、治安も日々変化しますし、現地の人の声と言ってもあくまでも主観的な意見も入っているでしょう。信じるな、と言っているわけではありませんが、情報の精査や情報を客観的に捉えていくことも必要かもしれません。
最後に
今回はカナダとトロントの治安情報や、安全対策などをご紹介しました。
前述したように、凶悪犯罪に遭遇するようなことはめったにないとは思いますが、それでもスリや、置き引きなどの軽犯罪は起こる可能性があるので、みなさん防犯意識は持って過ごしてくださいね。
留学エージェントは、語学学校の手配や、ビザの手配など事務的な手続きをしてくれるだけではありません。その都市の治安についてや、気をつけておくべきことなど、生活に役立つ情報も教えてくれます。
ぜひ遠慮せず、現地の治安や安全についても聞いてみてくださいね。