

移民コンサルタント。「Immigration Consultant ICCRC R511456」を取得している、カナダで数少ない日本人ビザコンサルタント。韓国系最大手の留学エージェント、国際的教育財団でのマネージメント職を経て現職へ。
カナダへの留学を考えている方に、大きな制度変更のお知らせがあります。
2024年1月22日から、学生ビザを申請するためには「PAL(州の認証レター)」の提出が必要になりました。
カナダ留学を目指す方で次に該当する人にとっては、とても重要な情報です。
- トロントでコープ留学を考えている(参考:コープ留学とは)
- これから留学を計画するけど、制度が変わってよくわからない
本記事では、「PALってなに?」「誰が必要なの?」「どこで手に入るの?」など、初心者の方にもわかりやすく解説します。
PALってなに?
PALとは、Provincial Attestation Letter(州による認証レター)の略で、学生ビザを取るために必要な書類です。
こちらがPALのサンプル画像(オンタリオ州)になります。

カナダの各州が「この人はきちんとした学校で学ぶ予定です」と認めるために発行する書類のことですよ。
それでは、なぜPALが求められるようになったのでしょうか?
実は最近、一部の質の低い学校で「お金目的で留学生をたくさん受け入れる」という問題が増えていました。
ほかにも、カナダ国内では住宅不足も深刻という背景もあり、留学生の数を適正に管理するために、PALの導入が決まったのです。
誰がPALを提出しないといけないの?
では、PALの提出が求められるのはどういう人でしょうか?
基本的にカナダの学生ビザを申請する人はほとんどの場合、PALが必要になります(免除される人は後述)。
たとえば次のとおりです。
- カナダのカレッジや大学に留学する人
- カナダのポストディグリープログラム(大学卒業後の専門課程)に進む人
- カナダで6か月以上の語学学校に通う人
なお、オンライン授業が50%以上の場合は、PALが発行されません。
PALが不要な人は?
ただし、以下のようなケースではPALの提出が免除されます。
- 小学校・中学校・高校への留学
- 大学院(修士・博士課程)への進学
- 2024年1月22日8時30分(カナダ東部時間)までにすでにビザ申請を終えている人
- すでにカナダ国内にいて、有効な学生ビザを持っている人
- ビザの延長手続きをカナダ国内で行っている人
- 就労ビザを持ち、カナダから学生ビザを申請する人とその家族
PALはどうやって手に入れるの?
PALを発行してもらう手順は次のとおりです。
- 学校に入学申請をして、授業料などを支払う
- 学校が州政府にPALの発行をリクエストする
- 州政府が認めれば、学校がPALを発行する
- 学生がそのPALをビザ申請時に提出する
基本的にはPALは「入学許可証(LOA)」と同時に届く場合が多いですが、別になる場合もあります。
州ごとの最新情報
PALに関しては州によって違うので、ここではBC州とオンタリオ州の状況を紹介します。
ブリティッシュコロンビア州
バンクーバーやビクトリアのあるブリティッシュコロンビア州の状況はこちらです。2025年度のコープ(Co-op)の受け入れは約50%減になりました。
PAL発行スタート日 | 2024年3月4日 |
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PAL発行数 | 83,000人(2024年)→76082(2025年) |
PALの配分 | 公立校:53%、私立校:47% |
私立カレッジのPAL | 50%減(Co-opプログラムを含む) |
参考:2025 provincial and territorial allocations under the international student cap
オンタリオ州
トロントのあるオンタリオ州では、2025年度よりコープ(Co-op)などのプログラムを申し込むことが可能になりました。
PAL発行スタート日 | 2024年3月27日 |
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PAL発行数 | 181590(2025年度) |
PALの配分 | 公立校:96%、私立校:4% |
私立カレッジのPAL | PALの配分 0(Co-opプログラムを含む) |
参考:”Publicly assisted colleges and universities will receive 96 per cent of the allocations, with the remaining four per cent going to Ontario’s language schools, private universities and other institutions. Career colleges will not receive any applications. ”
Ontario Continues Allocating International Student Applications to Support Labour Market Needs
今後の見通し
2025年現在、すべての州でPAL制度が導入されています。
なお、制度はまだ新しく、変更される可能性もあるため、カナダ移民局の公式情報をこまめにチェックすることが大切です。
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