「バンクーバーは日本人が多い」という情報は本当なの?

監修者 監修者
末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。カナダ留学情報を発信するTwitterアカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万を超える。現在までサポートしてきた生徒数は1万人以上。

ネットでカナダ留学について検索していると、こんなフレーズに必ず出合ってしまいます。

「バンクーバーには日本人が多い」

まるで「人口の半分くらいが日本人か?」と思うほど、そんな内容がネット上にあふれています。

バンクーバーに日本人が多いという情報は本当なのでしょうか?

今回は、実際に21年間バンクーバーに住んでいる人を代表して、その疑問にお答えしたいと思います。

バンクーバーには日本人が多い?

日本の留学エージェントや学校情報のウェブサイトにこんなことが書かれていることがあります。

  • バンクーバーに留学したけど日本人ばかりだった
  • 学校でも日本語が飛び交っていて意味ない
  • 留学するなら日本人のいないところがいい

カナダ留学を検討している方は一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

バンクーバーは日本人が多い?

こういった情報を信じて「バンクーバーは日本人多いから違う都市に留学したい」という方が出てくるとしたら悲しい話です。

なぜなら、それは完全に事実誤認だからです。

最初にデータとして見てみると、バンクーバーにいる日本人の割合は、たったの1.1%(約100人に1人)なのです。

「え? たったそれだけ?」と思われた方は、もしかしすると3人に1人、もしくは2人に1人が日本人だと思っていらっしゃるかもしれません。

くわしいデータはカナダにいる日本人の数・日本人の割合をご覧ください。

【追記】動画で見るバンクーバーのダウンタウン

私の友達が、バンクーバーのダウンタウンをGoProという携帯しやすいカメラをつけて歩いているところを撮影しています。

YouTubeでアップされているので、バンクーバーのリアルな姿が参考になると思います。

本当に日本人が少ないのがよくわかる動画です。

「バンクーバーに日本人が多い」と言われる理由

事実とイメージの間にかなり差があることをわかっていただけたと思いますが、ここで疑問が生じます。

なぜ「バンクーバーは日本人だらけ」という噂が広まったのでしょうか?

6つの理由があるので、1つ1つ見ていきましょう。

 実際に日本人が集まる地域があるから

まず、日本人が多く集まる地域が確かにあることをお伝えしておきます。

それはダウンタウンのごく一部、語学学校(ESL)の密集エリアです。

こちらを見てください。バンクーバーの中の、さらにダウンタウンの地図ですが……

バンクーバーのダウンタウンの地図

上記のマル(半径500メートルくらい)の中にバンクーバーの主要な語学学校(ESL)がほとんど入っています

つまり、この範囲内を歩いていると日本人と頻繁に顔を合わせるということになります。当たり前ですよね。語学学校が密集していますから。

どの学校も授業開始、ランチ休憩、授業終了の時間は同じくらいの時間帯なので、その時間帯になれば日本人も含めて留学生ばかりになるわけです。

逆を言うと、このマルの範囲外に出れば日本人と出会う確率がグッと減ることを意味します

 日本人の多い環境でしか生活していないから

前述した「学校密集地域」にある学校に通っている日本人留学生はたくさんいらっしゃいます。

そんな留学生たちは、多くの場合はホームステイで生活しています。

でも、ホームステイ先にほかの日本人留学生がいるという環境もあるため、学校に行っても家に帰っても日本人がいる生活の場合が多いんですね。

もしこの留学生が、学校とホームステイ先との往復だけで生活していたとすればどうでしょうか?

「どこに行っても日本人がいる環境」で留学生活を終えたとすればどうでしょうか?

バンクーバーの町自体に日本人が多いわけではないのに、「やっぱりバンクーバーは日本人多いという感想」を持ってしまいそうですよね。

「バンクーバーは日本人ばかり」の表現に誤解があるから

バンクーバーに行ってみたら、日本人だらけだった

じつは、この「日本人だらけ」という言葉は曖昧で危険な言葉なんです。

ある留学生が、渡航前に「日本人はクラスに自分だけだろう」と想像していたとします。

実際に学校に行ってみると「教室の12人中3人日本人がいた!」と感じたとします。

そして、この方が日本に帰国後「バンクーバーは日本人が多かった!」と表現したとすればどうでしょうか?

「クラスの4分の1が日本人だった」という事実が、聞く側からするとバンクーバーに住む100人中30人が日本人……という架空の姿を想像させることでしょうね。

 大手留学エージェントが偏った学校ばかり紹介するから

毎年、たくさんの留学生が日本の留学エージェントの紹介する学校に入学しています。

統計によると、日本人留学生の約半数は大手数社の留学エージェントがあっせんしているようです。

そして、大手留学エージェントは、作業効率や収益などの理由により「ある特定の学校」ばかりを紹介するケースが多いのです。

一部特定の学校のみを紹介していたとすると、どれだけの日本人が「小さいエリア」に密集しているのでしょうか?……容易に想像できてしまいますね。

それが、こちらの「マルのエリア」なんですね。

実際に私は現在電車で通勤しており、普段は語学学校の始まる時間帯に通勤しています。

その途中で日本人留学生を見かけることは、この「学校の多い地域」以外ではほとんどないということをお伝えしておきます。

 留学エージェント側が売りやすいから

そして「バンクーバー=日本人が多い」というキャッチコピーは留学エージェントの戦略でもあります。

とくに、オーストラリアやニュージーランドなど、カナダ以外の国への留学も扱っている「大手」留学エージェント。

例えば、これらの都市にある語学学校を紹介するとします。

  • バンクーバー
  • トロント
  • メルボルン
  • セブ
  • ロンドン

つまり、各都市に「それらしい特徴」を掲げて紹介しないと紹介しづらいという事情なんです。

残念ながら、完全に留学エージェント側の勝手な都合ですよね……。

たとえば「ILSC」という学校はバンクーバー、トロント、モントリオール、ブリスベン、シドニー、メルボルン、ニューデリー……のように複数の国、都市にキャンパスがあります。

そこで、こういう「わかりやすいキャッチコピー」を作り出しているわけです。

  • バンクーバーは治安がよく気候がいいけど、日本人が多い
  • シドニーは日本と時差も少なく自然が多く過ごしやすいけど、英語の発音が特殊

こういうキャッチコピーがあると、需要に対して「売りやすい」ですよね。

「意識すること」による錯覚だから

そして、「意識すること」による錯覚という理由もあります。

たとえば「あのブランドの靴が欲しいな」っと思って町を歩いていると、それを履いてる人ばかり目につくという経験はありませんか?

そのブランドに興味のない人だと、1つも目に入らないはずです。

これと同じで、「バンクーバーは日本人が多いのかな」と意識して歩いていると、無意識のうちでも日本人ばかりに目が行き、聞こえてくる日本語ばかりが気になるということです。

その結果「日本人が多い」という結論をくだしたくなります。

バンクーバーで日本人と出会わない方法

では、周りに日本人が少ないバンクーバーでの生活を過ごすには何が大切なのでしょうか?

じつは「日本人が多い」と言われるバンクーバーですが、日本人に出会わずに生活することも難しくないのです。

 生活で付き合う相手を考える

日本語を使わずに英語で生活するために重要なのは、こちらの2つの場所です。

  • 学校
  • 住む場所

学校でもホームステイ先でも、日本人とばかりつるんでいると日本語で話すことが多くなりますよね。

この2つの場所でなるべくほかの国の人と付き合うようにすれば、日本語を使う率は大幅に変わります。

 日本人の少ない学校を選ぶ

そして日本人自体が少ない学校を選べば、必然的に日本人に会うことは減ってきます。

たとえば、下記のような2校があるとして、どちらが日本人が多い学校でしょうか?

学校に日本人向けの情報があるか?(◯=あり・×=なし)
日本語情報の有無 A校 B校
日本語のパンフレット ×
日本語の資料 ×
日本語の公式サイト ×
日本でのセミナー ×
日本人の担当者 ×

答えを言うまでもないですが、A校の方が圧倒的に日本人が多いと予想できますよね。

日本人向けの情報が豊富ということは、日本人が入学しやすいので。

ポイント
日本人向けの情報が豊富な学校
→ 日本人が多くなる!!

そして、こんな学校も存在するんです。

  • 日本以外の「特定の国」に評判がよい学校
  • ヨーロッパに本部があり、多数のヨーロッパの学生ばかりが留学してくる学校
  • 日本人担当者が不在で(日本人を対象としていない)日本人が少ない学校

ただし、こういった学校は「日本語での情報」がないゆえに、自力ではなかなか見つけることができません。

さらに言うと、日本のエージェントだけでなく「カナダ現地の留学エージェント」ですら情報がないところがほとんど……ということもあるのです。

ちなみに弊社にはこういう学校の情報もしっかりとありますので、ご安心ください。

【重要】日本人の少ない学校が自分に最適かどうかは別問題

最後に知っておきたいことがあります。

それは、日本人の少ない学校に行くことが最適なのかどうかという問題です。

これに関しては重要なので別記事にてしっかりとまとめています。

まとめ

さて今回は、バンクーバーは日本人だらけという情報は本当なのかについてまとめました。

こんな理由や背景があって、「バンクーバーは日本人だらけ」という間違った情報がネット上にあふれています。

バンクーバー現地にある弊社「カナダ留学コンパス」では、あなた1人に合った学校を丁寧に提案させていただいております。

カナダに留学したいと思っている方は、ぜひ一度ご相談してみてください(無料です)!

執筆者 執筆者
末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。カナダ留学情報を発信するTwitterアカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万を超える。現在までサポートしてきた生徒数は1万人以上。

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