カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
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カナダ留学と言えばまず語学学校を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
その語学学校にも種類があることを知っていますか?
今回は、大学付属ESLと民間(私立)ESLの違いをしっかりと理解して、本当に自分に合う学校、自分が求める環境かどうかを見定めて学校を選びましょう。
このページの目次
大学と大学付属ESLは違う
大学の付属ESLってどんなイメージでしょうか?
どちらかというと大学の名前がついている方がなんだかアカデミックでしっかり勉強できそう……と思っている方も多いかも知れません。
一般的な大学附属ESLのイメージ
- キャンパスがカレッジや大学の中のある
- ローカルの学生達との交流がありそう
- ドラマで見るような、海外のキャンパスライフが待っている!
しかし、現実は全然違います。
「大学」と「大学付属ESL」は全くの別物なんです!
カナダの「大学」をイメージしたまま大学付属ESLに入ってしまうと、そのギャップに悩まされることがあるので注意が必要です。
大学付属ESLの特徴
一般的な大学付属ESLの特徴をまとめます。
学費 | 高い(1学期が7〜14週間程度の学校が多いので、まとまった学費が必要) |
---|---|
国籍 | 日本人中国人留学生がほぼ占領しており、アジア人メイン |
授業内容 | ・大学の授業で困らないための英語(例:レポートの書き方、テキストの読み方) ・ディベートやディスカッション、グループワークなどが多く、宿題の量が多い |
アクティビティ | 大学の設備が使える(食堂、図書館、コンピュータールームなど) |
入学日 | 入学日固定、自由度がない |
テスト | 定期的にあり |
設備 | 大学の設備が使える(食堂、図書館、コンピュータールームなど) |
環境 |
教室自体は大学内にあるが、カナダ人の学生と触れ合う機会はまれ。教室がキャンパス内にあるので教室を出るとカナダ人の学生もいる |
授業料の割引制度がないので学費が高く、入学日などあまり融通が利かないのが特徴です。
大学付属ESLの国籍に偏りがある理由
大学付属ESLの特徴のひとつに国籍の偏り(日本人・中国人)についてご紹介しました。なぜ大学付属ESLには国籍の偏りがあるのでしょうか?
中国人留学生が多い理由
じつは中国人は、民間(私立)のESLに通うことが難しいです。
中国国籍の場合、民間(私立)のESLなどに通いたくても移民局の審査が厳しいため学生ビザの許可が降りないことが多く、公立のカレッジ以外に選択肢がないというのが現状です。
また、日本人と異なり中国にはワーキングホリデービザがありません。
そのため、自分で稼いで短期留学しようという需要があまりないこと、富裕層家族が子供を留学させる際に、名前の通った大学の名前がついたESLを選ぶという理由もあります。
日本人留学生が多い理由
大学付属ESLには日本人の留学生も非常に多いです。
中にはクラスの8割が日本人の大学生で占めているほど。
主に3つの理由があります。
- 日本の大学が交換留学にカナダの有名大学を選ぶから
- カナダの大学なら日本人がいないというイメージが強いから(繰り返しますが、大学と大学付属ESLは全く環境が違います)
- 「トロント大学」「UBC」などネームバリューに釣られて
このように、イメージだけで大学付属ESLを選んだばかりに後悔をする学生もいますので、ESL選びはぜひ慎重になさってください。
大学付属ESLの料金
続いて、バンクーバーエリアの公立大学、公立カレッジ付属ESLの料金をご紹介します。
UBC大学付属ESLの学費(2024年度)
1ターム: 8週間
1タームあたりの学費: $3,850
1週間あたりの学費: $481.25
Langara College付属ESLの学費(2024年度)
1ターム: 7週間
1タームあたりの学費: $3,167.50
1週間あたりの学費: $452.50
1週間あたり$450~$500 ほどとなることが多いです。
民間(私立)ESLの特徴
いっぽう、民間(私立)ESLには次のような特徴があります。
学費 | 比較的リーズナブル(例:1週間あたり $350~$400) |
---|---|
国籍 | 多国籍なクラスで少人数、大体10~15名 |
授業内容 | ・総合的な「英語力」をつけるためのカリキュラム ・スピーキングに力を入れている学校が多い |
アクティビティ | 活発で楽しみながら勉強できる |
入学日 | フレキシブル(毎週月曜日入学可能な学校がほとんど) |
テスト | 宿題やテストは少なめなので、自分で勉強しなければ楽しいだけで終わってしまう場合もあります |
設備 | 語学学校内の自習室、コンピュータールームなど |
環境 | ・基本的に学校内は留学生オンリー (一部フランス語コースがある学校はカナダ人学生もいる場合あり) ・学校によっては、ESLの後の進学先をたくさんの学校の中から選ぶことが可能 |
民間の語学学校は授業料の割引キャンペーンを実施していることがほとんどなので、大学付属ESLよりも1週間あたり $100 ほど安くなることが見込まれます。
もちろん、大学進学を目指さない、カジュアルなプログラムなら、さらに安い学費の学校を探すことも可能です。
「大学付属ESL」「民間(私立)ESL」どちらがおすすめ?
ここまで、大学付属ESLと民間(私立)ESLの主な特徴をご紹介しました。
でも、「結局、どっちを選べばいいの?」って思ってしまいますよね。
大学付属ESLはこんな人におすすめ
端的に言えば、大学付属ESLをおすすめするのはこんな人です。
大学付属ESLがおすすめな方
- 進学したい大学がはっきり決まっている人
- 「この大学に留学した!」という実績がほしい人
- 認定留学を予定している人
それ以外の方には「民間ESL」がおすすめ
それ以外のすべての留学希望者は、民間(私立)ESLをおすすめします。
特に大学生や社会人などで、ワーホリや一年間の留学希望の方々には、大学名に惑わされずに民間(私立)ESLに通われることを強くお勧めします。
ESLを卒業して「大学進学」する場合
でも、将来的にカナダの大学に進学したいなら最初から大学付属ESLに入っていた方がいいんじゃないの?
そう思いますよね。しかし、現実は厳しいです。
例えば、Langara Collegeで提供している「LEAP(Langara English for Academic Purposes)」プログラムを参考にします。
レベル8になると自動的にランガラカレッジへの進学ができるのですが、このルートを使う生徒よりも、レベル6や7で他の方法で進学する生徒の方が多いです。
理由としては、大学付属ESLは、その大学への進学しかできず、さらに予定通りにレベル8まで英語力が到達しなかった場合、更に1学期分の受講が必要になるので大学進学の時期が遅れてしまい、その分授業料がかかります。
それよりも、民間(私立)のESLにある「パスウェイプログラム」を修了するほうがより近道で費用を抑えることはできます。
パスウェイプログラムとは?
英語の試験を受けることなく大学に進学できるプログラム。
つまり、大学付属ESLに通わなくても、民間(私立)のESLからも大学進学は可能なのです。
例えば、民間(私立)ESLのパスウェイの場合は、こんなことが可能なのです。
A大学の入学基準には届かなかったけど、Bカレッジの基準はクリアしたので、進学先をBカレッジに変更しよう
カナダには日本と違い「浪人生」という考えがありません。
なぜかというと、希望の大学に入学できなかった学生は、別のカレッジ、大学に入学して、2年次、3年次に希望大学への編入にチャレンジするからです。
だからこそ、民間(私立)ESLの方が、大学付属ESとは違い「プラン変更」という修正が効くんですね。
まずは英語の勉強に専念し、あとでカレッジや大学を決めたいという方には、絶対に民間(私立)ESLをおすすめします。
たくさんの大学と提携している(複数のパスウェイプログラムを持つ)民間(私立)ESLに通う方が、その後の選択肢を幅広く持つことが出来ますよ。
まとめ
今回は、大学付属ESLと民間(私立)ESLの違いを紹介しました。
民間(私立)ESLを主にオススメしていますが、大学付属ESLにもこの記事で紹介したようにメリットがあります。
大事なのは、「大学」という名前で選ぶのではなく、大学付属ESLと民間(私立)ESLの違いをよく理解して、自分に合った語学学校を選ぶことです。
学校選びに迷ったら、カナダ留学コンパスにご相談ください。
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