
カナダの大学についての記事を何本か書きましたが、何だかイメージがわかないですよね。
そこで今回は、カナダの大学にユニバーシティ・トランスファーの制度を使って入学する方法をサンプルケースを使って具体的に紹介します。
「カナダの大学についてまず知りたい」という方は、こちらの記事を先にご覧ください。
こちらもご覧ください
カナダ大学留学の難度と手順を解説します!
カナダ大学留学の基礎知識
カナダの大学の仕組みは日本と大きく違います。
どちらがいい、悪いというものではないので、カナダの大学について理解して、カナダの大学に留学することが自分に合っているかを見極めましょう。
カナダには大学入試がない
日本の大学とカナダの大学の一番の違いは、大学に入る時に入学試験がないことです。

試験なしで大学に入学できるなんて、素敵です!!
素敵ですよね。
でも、誰でも希望の大学に入れるという訳ではないんです。
主に高校3年間の成績によって、入れる大学が決まります。
人気のある大学の場合は、高校の成績に加え、ボランティアなど校外活動の証明、入学志望動機を書いたレターなどを提出して、審査されます。
留学生の場合は、これらに加えて、英語力の証明としてIELTS、TOEFLなど公式英語テストのスコア提出が求められます。
入試がない代わりに、高校3年間の勉強で手を抜けません。
一発勝負の入試と高校3年間成績をキープすることのどちらが厳しいと感じるかは人それぞれです。

3年間地道に頑張るのが報われる方が、私は好きです!
カナダには浪人生がいない
カナダに大学入試がないことに加えて、カナダにはいわゆる浪人生がいません。
つまり、高校卒業時に希望した大学に入学できなかった人が、1年間勉強して再度入学試験を受けるということがないんです。
大学の入学試験がないのだから、当たり前と言えば当たり前ですよね。
では、希望の大学に入学できなかった人はどうするのでしょうか?
最も一般的なのは、カレッジに1年間から2年間通って、ユニバーシティ・トランスファーという制度を使って大学の2年生または3年生から編入するという方法です。
カナダには大学とカレッジがある
ここでカナダの大学の種類について説明します。
カナダの大学はユニバーシティとカレッジに大きく分かれます。
日本語だと、ユニバーシティは大学、カレッジは短大と訳されることが多いですが、実はそれはあまり正しくありません。
ユニバーシティを日本語で厳密に訳すなら、総合大学となります。
同じくカレッジは単科大学となります。
カナダのユニバーシティはどこの学校も広大なキャンパスと多くの学部、学科があります。
大学院があることもユニバーシティの特徴です。
いっぽう、カレッジはこじんまりとしていて、その学校ごとに特色のある学部、学科を集中的に提供しています。
就学年数はユニバーシティ、カレッジに関係なく、ユニバーシティでも1年制、2年制の学科を提供していますし、カレッジでも4年制の学科を提供しています。
留学生にはカレッジがおすすめ
日本からカナダの大学への留学を検討する場合、どうしてもユニバーシティの方に目が行ってしまいます。
でも、日本からを始め、留学生にはカレッジから留学を始めるほうが絶対におすすめなんです。
これがその理由です。
カレッジ留学をお勧めする理由!
- クラス当たりの生徒数が少ない
- 教授と学生の距離が近い
- カレッジの方が学費が安い
ひとつづつ説明していきますね。
クラス当たりの生徒数が少ない
学校、学科によりますが、一般的にはユニバーシティの方がカレッジよりも規模が大きいです。
そして、1クラス当たりの人数も、ユニバーシティの方が多いです。
1クラス当たりの人数が300人以上で、大講堂で授業が行われることもあります。
当然、授業中に質問をすることも少人数のクラスより難しいです。
教授と学生の距離が近い
ユニバーシティの教授の主な仕事は、学生を教えることではなく自らの研究です。
いっぽう、カレッジの教授は学生に教えることを仕事の中心においている人が多いです。
ちなみに、カレッジの先生は自分のことをprofessor(教授)ではなくinstructor(講師)と呼ぶ人が多いです。
興味の中心が学生に向いている人から勉強を教えてもらった方が、少なくとも留学の初めには、絶対にいいですよね。
カレッジの方が学費が安い!
一般的に、カレッジの方がユニバーシティよりも学費が安いです。
バンクーバー周辺のユニバーシティ、カレッジの1単位当たりの学費の相場はこんな感じです。
カレッジ、ユニバーシティの1単位の学費
- ユニバーシティ = $1,200
- カレッジ = $600
カレッジはユニバーシティの何と半額!
これはカレッジを選ぶ人が多いのも納得です。
ユニバーシティ・トランスファー
さて、この記事の始めの方で、カナダに予備校がないことを紹介しました。
では、高校卒業時点で希望の大学に入学できなかった人はどうしているのでしょうか?
答えはこの、「ユニバーシティ・トランスファー」の制度です。
カナダの大学、カレッジでは、相互の単位互換制度が高度に整備されていて、あるカレッジで取った単位を別のユニバーシティに移行することがとても簡単にできます。
さらに、個別の単位の移行だけでなく、2年次、3年次からユニバーシティに編入することができるのです。
それが、ユニバーシティ・トランスファーです。
浪人しないでカレッジに通う
カナダの高校生が卒業時点で希望のユニバーシティに入れなかった場合、カレッジに1年か2年通って、ユニバーシティ・トランスファーで再度希望のユニバーシティへの入学を目指すのが一般的です。
日本の浪人生のように、1年大学への入学が遅れるわけではないので、時間的にも合理的です。
最初はカレッジに通う、敢えてね。
カレッジはユニバーシティに入れなかったための消極的な選択なのでしょうか?

ユニバーシティに入れなかった人が行く、ちょっとレベルの低いところって感じがしちゃいます。
それは誤解です。
そしてその誤解をしたまま、いきなりユニバーシティに留学してしまうと、とてももったいないことになります。
カナダ人の学生で、最初からユニバーシティに入学できる学力がある人でも、「敢えて」最初の1年か2年はカレッジに通うことが多いんですよ。
さっき紹介した、カレッジをお勧めする理由をもう一度載せます。
カレッジ留学をお勧めする理由!
- クラス当たりの生徒数が少ない
- 教授と学生の距離が近い
- カレッジの方が学費が安い
これらのメリットは留学生だけではなく、カナダ人の学生にもそのまま当てはまります。
ということは、カレッジには実力のある学生がたくさん集まっているので、彼らの中に入って授業についていくのは大変ですが、素晴らしい仲間に巡り合える場所であることは間違いありません。
ユニバーシティ・トランスファーガイド
バンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州では、ユニバーシティ・トランスファーの制度が特に整備されています。

ユニバーシティ・トランスファーガイド ロゴ
ユニバーシティ・トランスファーガイドというウェブサイトが開設されていて、そのウェブサイト上で、カレッジ、ユニバーシティ間で何の単位が移行できるかが、ひと目で分かるようになっています。
このウェブサイトで、単位移行がどれくらいできるのか、試しに見てみましょう。
移行元のカレッジに「Alexander College」を指定します。
アレクサンダーカレッジは、バンクーバーダウンタウンに位置する、ユニバーシティ・トランスファーができる学科を提供している私立カレッジです。
移行先には「University of British Columbia Vancouver」を指定してみます。
他を空欄にして、「Search」ボタンを押します。
この2つの条件に当てはまる科目が全て出てくるはずです。
こちらが検索結果です。
1ページ15件が表示され、7ページあるので、100以上の単位移行できる科目が確認できます。
他の学校の組み合わせでも、同様にとても多くの科目が相互に互換できるんです。
本当にきっちりと制度が整備されているんですね。
ちなみに、ユニバーシティ・トランスファーガイドに登録されていない科目でも、個別に申請すれば単位の移行が認められる場合があります。
ここで、ユニバーシティ・トランスファー全体の流れを紹介します。
入学するカレッジを決める
まずは、最初に1年~2年間留学するカレッジを決めましょう。
ユニバーシティへのトランスファーが可能なカレッジは指定されているので、その中から立地、留学生の数、予算などをもとに1校選びます。
トランスファー先のユニバーシティ、学部、学科を決める
次に、トランスファー先のユニバーシティをどこにするか、何の学部、学科にするかを決めます。
カレッジ入学時点でトランスファー先を決めていなくていいことも、ユニバーシティ・トランスファーの魅力の一つです。
カレッジで実際に勉強しながら、自分が何を勉強したいのか、ユニバーシティを卒業後に何の仕事をしたいのかを考えることができます。
とは言っても、決断を先延ばししすぎるのも考えものです。
トランスファー先の学部、学科によって、カレッジで取得する単位の種類が違うので、トランスファー先を決めるのが遅くなればなるほど、カレッジで取った単位がトランスファーに使えなくなるリスクが高まります。
何の科目を取るのかを決める
トランスファー先を決めるのと並行して、カレッジのカウンセラーさんと相談して、学期ごとに何の科目を受講するかを決めましょう。
ユニバーシティ・トランスファーが可能な学科を提供しているカレッジでは、どこでもユニバーシティ・トランスファーに精通したカウンセラーさんが常駐しています。
トランスファー先を決めるのと並行して、できるだけ無駄がないようにカレッジでの単位を取得していきます。
トランスファー先のユニバーシティに出願
ユニバーシティ入学の1年程度前に、トランスファーの出願をします。
トランスファー先によって、カレッジの成績が条件を満たしていれば自動的に編入が認められる場合と、成績の他に論文などを提出して、他の受験生と競争の結果編入が認められる場合とがあります。
サンプルケースでユニバーシティ・トランスファーを体験
それではここから、ユニバーシティ・トランスファーを使ってカナダの大学に進学する方法を紹介します。
分かりやすくするために、架空のサンプルケースを使って紹介しますね。
J・Kさん(仮名、18歳)のケース
J・Kさんは18歳の高校3年生です。
翌年春の大学受験に向けて勉強していますが、大学に行く意味が見つからず、勉強に身が入りません。
英語は大好きで、得意科目なので、「英語を使う仕事がしたい」、「留学したい」などとぼんやりと考えています。
そんな時、カナダ留学コンパスのウェブサイトを見つけ、カナダ留学に興味を持ちました。
特に、高校卒業直後からカナダに留学して、カナダの大学を卒業するという、この記事に興味を持ちました。
「私もカナダの大学に留学してみたい!」と思うようになったJ・Kさん。
まずはカナダ留学コンパスの無料相談を利用してみることにしました。
無料相談では、「自分が大学で何を勉強したいか、卒業後何をしたいか分からない」という将来への漠然とした不安を直球でぶつけてみることに。

将来に不安を持つのはいたって普通です。カナダ留学では、将来の進路を留学中に固めていくことができるんですよ。
カナダ、アメリカは個人の自主性を重んじる国です。
まずカレッジでの勉強を始めてみて、その途中で将来勉強したいことや仕事について決めていけばいいんです。
日本のように周りと比べて一喜一憂する必要はありません。
カナダでは、「18歳で大学に入って22歳で就職しないと、みんなより遅れてしまう」というプレッシャーはありません。
日本的な横並び意識から脱却できるなら、カナダで時間を掛けて自分と向き合うのがお勧めです。
まずはカレッジを決める
ユニバーシティ・トランスファーを使ったカナダ留学は、まずはカレッジを決めることから始まります。
ユニバーシティ・トランスファーの対象になっているカレッジはバンクーバー周辺に数校あり特徴があるのですが、大きく分けると次の2種類です。
カレッジの特徴
- ユニバーシティ・トランスファーがメインの留学生が多い学校
- 多くの学科がある地元の学生が多く通う学校
最初の留学先としておすすめなのは、1番目の留学生の多い学校です。
地元の学生が多く通う学校を希望される方が多いですが、特に初めは留学生の多い学校をお勧めします
留学生が多いということは、カレッジが留学生に慣れているということです。
また、留学生は皆英語を外国語として学んでいるので、英語を勉強する悩みを共有することができます。
留学生の多い少人数のカレッジの方が好成績を取りやすい
ブリティッシュコロンビア州では、ユニバーシティ・トランスファーガイドで互換可能とされている科目は、どこの大学、カレッジで履修しても、同等に評価されます。
カレッジの特徴として、留学生が多い学校と地元の学生が多く通う学校の2つを挙げましたが、好成績を取りやすいのは、留学生の多い学校です。
その理由は、学生のレベルにあります。
留学生の中には、こんな人たちもいます。
困った留学生のパターン
- 金持ちの親に言われるまま留学している、自覚ゼロの学生
- 一般のESL(語学学校)だとビザが承認されないので仕方なくカレッジを選んだ学生
ひとつ目のパターンは親に学費も生活費も全部負担してもらって、勉強している自覚が全くない学生。
こういう学生は留学生に限らず、日本国内でもどこにでもいますよね。
二つ目の、ビザが出にくいことに関しては、留学生本人のせいではないので仕方ないですが、消極的な態度で学校に通われるのは嫌なものです。
このような留学生はどこの大学、カレッジにも必ずいますが、留学生を多く受け入れているカレッジに集まっていることも事実です。
また、国籍から言えば、こうした学生は中国とインドからの留学生に多いです。
(中国とインドの人口がそのものが大きいので仕方がないんですけどね)
なので、こうした留学生を多く受け入れているカレッジに入学して、インド人や中国人でいっぱいの教室を見て、

私が留学したかったのはこんな学校じゃない!
とショックを受けてしまう学生さんが多いんです。
でもよく考えてみてください。
こうした環境は実は素晴らしいチャンスなんです。
まわりの学生が不真面目だったら、彼らとの競争で優秀な成績が取れるチャンスが増えます。
例えば、カレッジレベルの英語の科目で最も基本的な「English100」という科目があります。
(具体的な名称はカレッジ、大学によって違います)
日本で受ける国語(日本語)の授業の英語版です。
外国語として英語を勉強するのではなく、英語そのものを学ぶ、留学生にとってカレッジの勉強で大きな壁になるような科目です。
このEnglish100で同じ内容を勉強するとしても、一緒に勉強するのが英語ネイティブのクラスメートなのと、留学生なのとでは、教室内で使われる英語のレベルが違います。
具体的には、英語力そのものだけでなく、英語全体の知識が英語ネイティブと留学生では全然違います。
日本語で例を挙げると、授業で扱っている文章を、日本語ネイティブの学生は夏目漱石や森鴎外などの文学作品と比較して説明することが出来ます。
このように周りが優秀だと、クラスメートより優秀な成績を取ろうとしても、授業についていくのがやっとかも知れません。
その点、周りに不真面目な学生がいると、ちょっと努力しただけでも、優秀に見えます。
例えば授業時間外に積極的に先生に質問をしたりすることで、授業の理解も深まるし、それをしない他の生徒とも大きく差がつきます。
たしかに、自分が通っている学校で不真面目な学生を見るのは気持ちのいいものではありません。
でもそうした学生は真面目な学生が優秀な成績を取るための踏み台になってくれるのです。
ありがたく利用させてもらいましょう。
また、ひとりひとりの学生と仲良くなると、中国やインドから来た留学生にも、とんでもなく優秀な人がいるのが分かります。
そのような優秀な学生はカレッジの後の大学や就職のこともしっかり見据えて勉強していたりするので、そうした優秀な留学生の友達を見つけて、切磋琢磨しながら大学進学を目指すというのが理想的です。
できるだけレベルの高い環境で勉強したいという気持ちはわかりますが、勝負は大学卒業時点です。
学校やクラスに特定の国からの留学生が多いというだけでネガティブに判断するのではなく、クラスメートひとりひとりを見て、尊敬できる友人を探しましょう。
まずは留学の環境に慣れるところから、ひとつずつステップを上げていくことが大切です。
語学クラスを経て、カレッジに入学
もう一つ、留学生が多い学校をお勧めする理由は、カレッジ入学のための英語クラスが設けられていることです。
こうしたカレッジでは、カレッジ入学準備のための英語の科目が提供されています。
その科目はユニバーシティ・トランスファーをするための単位には入れられないものの、所定の科目を修了すれば、IELTSやTOEFLのスコアなしでカレッジの科目を履修することができます。
カナダ留学コンパスがおすすめする、ユニバーシティ・トランスファーのためのカレッジの一つがコキットラムカレッジです。
ユニバーシティ・トランスファーにおすすめのカレッジ
コキットラムカレッジは、バンクーバー市の東、コキットラム市にあるカレッジです。
バンクーバーの中心部から電車を使って1時間かからずに行くことができます。
コキットラムカレッジは、ブリティッシュ・コロンビア州でユニバーシティ・トランスファーが可能な学科を提供している数少ない私立カレッジのうちの一つです。
コキットラムカレッジについて、詳しくはこちらもご覧ください。
語学学校で英語力の足固め
日本の学校で勉強しただけの状態で、カレッジに入学して勉強についていくのは難しいです。
カレッジ入学に求められる、アカデミック・イングリッシュが日本の学校で習う英語と全然違うからです。
このギャップを埋めるためのプログラムが、語学学校で提供されています。
アカデミック英語(EAP)というプログラムです。
EAPプログラムについて詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
こちらもご覧ください
カナダ大学進学に必須!アカデミック英語の攻略法

カナダのカレッジは3学期制で、各学期は9月、1月、5月に始まります。
高校卒業後の5月に留学できるよう、準備を進めましょう。
なんとなく、カナダ留学のイメージが湧いてきました。
カナダ留学をスタート
高校卒業後の5月の留学を目指して、留学準備を進めたJ・Kさん。
5月から語学学校のアカデミック英語を受講して英語を勉強し、コキットラムカレッジのパスウェイプログラムを使って、コキットラムカレッジのカレッジ進学準備英語の一番上のクラスに入学できました。
このクラスに入学すると、語学学校の学生ではなく、カレッジの学生として学生ビザを取得できるため、在学中に週20時間までのアルバイトもすることができます。
9月に学期が始まる直前に、カウンセラーと面談の上、科目登録をします。
カウンセラーとの面談
コキットラムカレッジでJ・Kさんの初回のカウンセリングを担当してくれたのは、ダイアナさん。
優しくて、とっても頼りになる女性です。
初めての留学で緊張しているJ・Kさんに優しく教えてくれました。
カナダ留学の初めの学期は、テキストを読む量が少ない科目を取った方がいいわ。
具体的には、数を扱う科目か、英語以外の言語の科目ね。
心理学や歴史学など、テキストをたくさん読む必要がある科目は2学期目以降に取っておきましょう。
また、カレッジを卒業した後、どのユニバーシティで何を勉強するのか決めていないと相談すると、こうアドバイスしてくれました。
トランスファー先が決まるまでは、どこでも受け入れられる、語学の科目を中心に取りましょう。
ユニバーシティ・トランスファーは、文系(art)と理系(science)に分かれているので、トランスファー先を文系にするのか理系にするのかだけでも、できるだけ早く決めた方がいいわ。
コキットラムカレッジで単位を取得する科目も文系、理系に分かれているので、計画的に科目を履修していかないと、トランスファーの条件を満たせなくなってしまうこともあるのよ。
あと、カナダの大学は1年に30単位、計120単位取れば4年制大学を卒業できるけど、トランスファー先の学科の専門性が高いと、コキットラムカレッジで取った60単位だけでは1年、2年次の必修科目数を満たせないで、卒業に120単位以上必要になるケースがあることも覚えておいてね。
ダイアナさんとの相談の結果、J・Kさんは最初の学期でスペイン語入門とカレッジ入学準備英語の科目を登録することにしました。
カレッジでの生活
カレッジでの勉強はハードでしたが、クラスメートにも恵まれ、充実した日々を送ることができました。
ユニバーシティ・トランスファーの際には、カレッジの成績で合否が判定されるので、いい成績をキープしなければいけなくて大変です。
トランスファー先を早く決めなければいけないことにもプレッシャーを感じます。
お父さんに相談したら、「就職に有利なのはビジネスやITだと思うけど、Jがやりたいことをやればいいよ」と言われました。
お父さんの優しさは嬉しいですが、結局決めるのは自分です。
「うーん」
J・Kさんの悶々とした日々が続きます。
きっかけはカナダでのアルバイト
J・Kさんはカレッジでの勉強に支障が出ない範囲で、カナダ留学コンパスでアルバイトをしていました。
そこで、留学生をサポートする側に回って、とてもやりがいを感じるとともに、様々な発見をしました。
カナダがビジネスとして留学生を受け入れていること、留学ビジネスの規模の大きさ、留学生が労働力としてもカナダ社会に貢献していることなど、毎日が刺激的な体験でした。
こうした体験を通して、J・Kさんはユニバーシティでマネジメントの勉強をすると決めました。
トランスファー先の決定
マネジメントという分野が決まったので、J・Kさんはアポイントメントを取ってダイアナさんのカウンセリングを受けました。
ブリティッシュ・コロンビア州のユニバーシティをいくつか勧められた中でJ・Kさんが選んだのは、
ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)オカナガン校!
UBCは言わずと知れたブリティッシュ・コロンビア州で一番の学校です。
UBCのマネジメントの学科はオカナガンのキャンパスで提供されています。
J・Kさんはカナダの大自然を満喫できる環境で生活したいと思っていたので、「UBC」、「マネジメント」、「オカナガン」の組み合わせは理想的でした。
あとは一本道
トランスファー先が決まったら、すぐにダイアナさんに相談しました。
UBCオカナガン校をとてもいい選択だと言ってもらえて、嬉しかったです。
カレッジ卒業までの単位取得計画を作ってもらい、俄然やる気が出てきました。
UBCのマネジメント学科は文系、理系のどちらからでも出願が可能なことも分かって安心しました。
これがUBCマネジメント学科の卒業に必要な単位の一覧です。
コキットラムカレッジで取れる必修の単位は約20単位なので、「Non-MGMT electives(マネジメント以外の選択科目)」の33単位を全てコキットラムカレッジで取っても、60単位に少し足りません。
トランスファー先によって、ユニバーシティ卒業までに必要な単位数が多くなるということを事前に聞いていたので、割り切ってコキットラムカレッジでの勉強に集中することにしました。
出願期限、提出書類を確認
最後に、ユニバーシティ・トランスファーの提出期限、提出書類を確認します。
出願の期限は入学希望の年の1月まで、評価の対象になるのは出願時点から直近30単位のコキットラムカレッジでの成績です。
その他、Personal Profile(自己紹介エッセイ)を任意で提出できます。
ダイアナさんからは、Personal Profileを提出することを強く勧められました。
出願の最低条件の成績は、評定平均(GPA)2.0以上です。
これは、C評価平均なので、J・Kさんは余裕でクリアしていますが、他の出願者との競争なので、できるだけ良い成績を取れるように、一層勉強を頑張りました。
また、J・Kさんは選びませんでしたが、カレッジを卒業してポスグラビザを取得して、カナダで就職して、永住権を取った後にユニバーシティに入学する、という方法もあります。
カナダ永住権を持っていると、ユニバーシティの学費が場合によっては5分の1以下になったりすることもあります。
(永住権を取ると、カナダ人と同じ学費が適用されるためです)
カレッジを卒業した後、永住権を取ってからユニバーシティに通うことについて、詳しくはこちらもご覧ください。
無事UBCに合格
J・Kさんはコキットラムカレッジでの頑張りが実り、無事UBCに合格しました。
コキットラムカレッジで勉強して自信がついたので、ユニバーシティに行ってからの勉強や生活も心配ありません。
カナダ留学をカレッジから始めることで、カナダでの生活に慣れながら自分が勉強したい分野を見つけることができました。
ユニバーシティ・トランスファーを使って大満足です♪
まとめ
ユニバーシティ・トランスファーをサンプルケースも交えて解説しました。
ここでもういちどまとめますね。
ユニバーシティ・トランスファーまとめ
- カナダには大学受験がない
- 受験がないので浪人生もいない
- カレッジが予備校のかわり
- カレッジで1~2年勉強した後、ユニバーシティに編入可能
- 留学生は最初はカレッジがお勧め
- トランスファー先はカレッジ入学後に決めてよいが、早く決めないと無駄になる単位が増える
- トランスファーは基本的にカレッジの成績が勝負、学校によってはエッセイなどの追加書類あり
ユニバーシティ・トランスファーは、大学入学にチャレンジする機会を何度も与えてくれる、とても平等なシステムです。
しかも、テストの一発勝負ではなく、長期間の成績で判断するので、地道な頑張りが正当に評価されます。
カレッジで一生懸命勉強すれば、UBCなどカナダの一流大学に入学することは、十分実現可能です。
少なくとも、日本で東大や京大に入学するよりはずっとハードルが低いです。
(入学してからのハードルはカナダの方がずっと高いんですけどね。)
まずはカレッジ留学から始めましょう。
カナダ留学コンパスがお手伝いします。
気軽にご相談くださいね♪