カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。カナダ留学情報を発信するTwitterアカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万を超える。現在までサポートしてきた生徒数は1万人以上。
カナダではじめての物件探し。
分からないことだらけで、不安になりますよね。
カナダ滞在中に住む家の種類によって、お部屋探しの方法とコツは異なります。
この記事では、留学生やワーホリに特に人気のシェアハウスの探し方に必要な情報をまとめています。
コツや注意点、知っておきたい用語や実際に起こったトラブル事例を紹介しています。
しっかりと読んでお部屋探しに挑みましょう!
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このページの目次
カナダでお部屋探しするときの心構え
自分で部屋探しをするという段階で、しっかり肝に銘じておきたいことが事があります。
それは、ここは日本ではないということ。
自分自身でしっかりと危機管理意識を持っていただきたいということです。
安全だと言われるバンクーバーでも、英語となるとうまく意思疎通ができない場合もあるかと思います。
そこに付け込んで日本人の留学生が犯罪に巻き込まれることも、現実に起こっています。
シェアハウスやシェアルームというのは、ホームステイより自由があります。
しかし、まずは
- しっかりと自分で考えること
- 不安やおかしいなと思うようなことはすぐに相談すること
この2点を常に意識して、カナダでの生活が有意義なものになるように皆さん自身で作り上げていってください。
日本で部屋探しをする場合、まずは不動産に依頼するのが基本です。
しかし、カナダでは、自分自身で直接借り主にコンタクトをとり、直接出向き、物件を決めるのが基本です。
いかに自分で行動して決断することが非常に重要になってきます。
カナダで家探しするコツ
カナダで家探しをするなら、まずはシェア物件を検討しましょう。
シェア物件ではなく1人で賃貸の部屋を借りようと思うと、1か月$1,000以上のrent(家賃)や家具の購入、電気やインターネットなどの契約も必要になります。
さらに、半年以上の滞在が必須条件となります。
そのため留学生、ワーキングホリデーの方々には不向きです。
この記事では一般的なシェア物件についてのご案内をします。
物件はどこで見つける?
カナダのシェア物件は、ウェブサイトから探すのが一般的です。
よく使われているサイトはこちら:
- JPカナダ: http://www.jpcanada.com/
日本語で検索可能 - padmapper: http://www.padmapper.com/
英語のみ - Craigslist: http://vancouver.craigslist.ca/
英語のみ
Craigslistでのシェアハウスの検索方法は、以下の記事で解説しています!
詳しくはこちら
これ以外にもコミュニティーセンターや学校の掲示板等に、まれにシェアメイトを募集中などの張り紙が掲示されていることがあります。
その場合、掲載されている連絡先へ直接コンタクトをとって、シェアの有無の確認、アポイントを取って、直接向かって物件を確認します。
また、知人の紹介も安全でおすすめです。家を探しているということを周りに常に公言しましょう。
もしかするとその友人の周りで引っ越しする予定があったり、もうすぐ帰国する人がいるかもしれません。
バンクーバーの家賃相場
バンクーバーはエリアにより家賃相場が異なります。
- ダウンタウン内: $1,000〜
- 1ゾーンエリア: $850~$1,000
- 2ゾーンエリア:$800〜$1,000
日本と同じように駅からの距離、部屋のタイプ、光熱費が含まれるかにより異なります。
以下のような物件は比較的安い相場となっています:
- 駅やバス停から遠い
- ベースメント(地下にある部屋)
- ルームメイトが多い
反対に、高級住宅エリアになると家賃はもっと高くなります。
※こんな物件は注意!※
相場よりも極端に安すぎたり、条件が良すぎる場合は、必ず何か裏があると考えて慎重に行動するようにしてください。 1ルームを強引に1部屋にしていたり、訳あり物件だったりするケースがあります。
英語で使われる不動産用語解説
Rent
1か月の家賃
Deposit
敷金
入居時に一般的に家賃の半分を敷金として預けておきます。退去の際に、部屋の破損や汚れなどがなければ、全額返金されます。
Hydro
電気代
Utility
インターネットや洗濯機などの使用料について指します。
Take over
家具引継ぎ代金のこと。
Take overありの部屋だと、契約時に主に家具を購入する必要があり、自分が退出時に同じように引き継いでくれる人を探さなければなりません。
※オーナーによって上記の内訳が異なる場合がありますので、都度要確認です。
Studio / Bachelor
ベッドスペース、リビングスペース、ダイニングスペースの間に仕切りがなく、一部屋に収まっていること。日本で言う、ワンルームに近いです。
Co-Tenant
オーナーと賃貸契約を交わしている人が、家族以外の人とシェアメイト、もしくはルームメイトとして一緒に住むことをさします。
多くの留学生・ワーキングホリデーの方々がアパートメントやベースメントにシェアで住む場合、その住人とCo-tenantとして、その住人と間借り契約して住み始めます。
一般の口語会話では使われない、法律用語です。契約書に使われているかもしれませんので、覚えておくと損はないでしょう。
Tenant in Common
同じ部屋に、家族ではない住人が複数おり、それぞれがその部屋を不動産所有しているオーナーと直接契約をしていることを指します。
コンドミニアムの一室に間借りしてその部屋にオーナーの家族以外のシェアメイトがいる場合、もしくは家全体がオーナーによって複数の学生に貸し出して、それぞれ契約されている場合がこれに当たります。
一般の口語会話では使われない、法律用語です。契約書に使われているかもしれませんので、覚えておくと損はないでしょう。
1Bedroom /1BR
寝室が1つ独立している部屋です。リビングとダイニングの間に仕切りがないことが多く、基本的に住人は大人2人までとなっています。
2Bedroom /2BR
寝室が2つ独立している部屋。住人は一般的に3人から4人です。大きさやその部屋のオーナーとの方針によりますが、住人が大人5人以上は多すぎる状態です。
Apartment
アパートメント。日本のアパートのように、1-100個とたくさんの部屋建物のことです。
部屋種類は、Studio、1BR、2BR。建物の玄関は、基本的に一カ所にて共有されています。
ランドリー(洗濯機、乾燥機)はその建物内のどこかに、建物内の住人と共有として置かれています。使用料は有料です。
シェアとして住む場合のほとんどが、ビルのオーナー(もしくは管理人)と賃貸契約している「その部屋の住人」と、Co-tenantとして契約を結ぶことになります。
Condominium / Condo
コンド。日本で言うマンションに近い建物です。
Studio、1BR、2BR、3BR、タウンハウスと様々な部屋が総数1-100くらい建物の中にあります。
Apartmentと同じように建物の玄関が一カ所と共有されており、Concierge(管理人)が常駐しています。
上記のアパートと建物が似ていますが、それぞれの部屋が不動産所有契約されていて、オーナーがそれぞれいます。
そのオーナーの中には、所有している部屋の空いているところを学生さんに貸し出している人がいます。
留学生やワーキングホリデーの方がシェアでそこを借りる時は、このオーナーと契約することになります。
アパートと比べて、設備もメンテナンスも高品質・清潔で、より充実していたりするのが特長です。
House
一軒家。その建物自体が独立して、その敷地内に存在しております。
ホームステーのホストハウスの多くがこの家の一部が提供されています。
シェアも、この部屋を間借りするようになります。基本的に建物と敷地のオーナーと契約することになります。
Townhouse
タウンハウス。1つの建物に複数の世帯が独立して住めるようになっている物件をさします。
屋外へ繋がる玄関が専用にあり、中は複数のフロアがあり、2-3階建てで、ほとんどが3BR以上の規模です。
それぞれ不動産所有契約されており、オーナーがいます。(たまにアパートメント形式のもあります)。
空いている部屋をシェアしてもらうか、オーナーと直接間借り契約をします。
ほとんどが郊外にあるため、ダウンタウンまではバスが必須となります。
Basement
ベースメント、地下の部屋です。
上記の一軒家で地下部分を独立させて、オーナーが他の人に貸し出していることがあります。
この場合、Studio、1BR、2BRもしくは3BRに改造されて、専用の玄関、バス、トイレ、ランドリー、キッチンを持っています。
留学生やワーキングホリデーの方でシェアとして住む場合は、そこのオーナーと賃貸契約している住民とCo-tenant契約することになります。
ちなみに埋立地であるリッチモンドでは、建築規制でベースメント自体が存在しません。ですが、一階と二階を独立させて、どちらかを他の人に貸し出していることがあります。
Master Bedroom
マスターベッドルーム。2BR以上の場合、クイーンやキングサイズのベットが入る程、一番広い寝室。
一般的にカップルや友達同士で入ったり、専用のバスとトイレがついていることが多い。
Second Bedroom
セカンドベッドルーム。通常の寝室。
Den
書斎などを指す言葉。一軒家でなければ、人が1人横になって寝られるかどうかくらいの小さな部屋です。
この部屋も入居可能なスペースとして、募集されていることが多いです。
Laundry
ランドリー。洗濯機、乾燥機が設置されている部屋です。
シェアで住む場合、他の住人と共有です。
アパートメントの場合、その建物内のどこかに専用部屋があり、その建物内のすべての住人と共有となっており、ほとんどが有料です。
コンドやタウンハウスでは、部屋に設置されている事がほとんどです。
しかし古いコンドではアパートメントと同じように他人と共有になることもあります。
Living Share
リビングシェア。 主にリビングの一角をカーテンなどで仕切ったりして居住する方法です。
基本的にそのリビングには1人のみが住みます。 もし、リビングに大人が2人以上で住む環境となっている場合は、その建物の方針に違反している可能性が高い。要注意です。
実際の部屋探しの流れ
ネットである程度希望に合いそうな部屋を見つけたら、まずはメールや電話で募集主と連絡を取ります(詳しいメールの書き方は「【画像で解説】カナダでシェアハウスを見つける方法」を参照)。
気になる情報をあらかじめ聞いた上で、アポイントを取って実際の部屋を見に行きましょう。
特に以下の点は見学前に確認しておきましょう:
- 入居時期について(月の初日か15日入居が多いですが、交渉できる場合もあり)
- 同居人について(何人いるかや国籍など)
- 最寄駅からの交通情報
アポイントが取れたら部屋を見に行きます。
男女関係なく、できるだけ友達などにお願いして誰かと一緒に見に行くようにしましょう。
見学の際、セールストークには注意しましょう。
良い部屋というのは競争率が高いのは確かです。
しかし、そういった言葉にせかされて契約内容を確認せず契約してはいけません。
はじめての部屋探しの場合、焦らず、いくつもの部屋をみたり、友人らの助言を聞いたりして、よく判断して下さい。
実際の契約時の注意点
契約をするにあたっては以下の点に必ず注意して下さい。
- メール上でのやりとりだけで、簡単に契約書にサインをしない。必ず出向いて、部屋の主と面談して、部屋の下見を必ず行うこと。
- 契約時には、相手側の身分証明ができるもの(パスポートやBCID、名刺)など身元が確認できるものを必ず提示してもらう。
- 契約時には両者の合意のサインが入った契約書を作り、両者が保管する。
契約書の内容
契約書は以下のような内容を含めます:
- 誰と誰の間の契約なのか、契約期間
- 最低契約期間の確認
- 家賃と内訳。その他コストの詳細
- 退去希望連絡の時期と方法
- 破損時やルールを破った際のペナルティ等
※契約書は手書きでも有効です
入居段階で破損しているものなどがないか確認
できるだけ入念にチェックしましょう。
破損がある場合:
- 最初にオーナーに修理してもらう
- 日付入りで写真などを撮影して、自分が壊したものでないことを証明する
証拠となる写真がないと、退去時のデポジット返却でトラブルが起きやすいです。
家賃の支払い日と方法の確認
家賃の支払い方法は
- 振り込み
- オーナーへの直接支払い
- ルームメイトでとりまとめて支払い
など、オーナーによってさまざまなのでしっかり確認しましょう。
ほとんどの場合が1か月毎の支払いです。
ルールの確認
シェアハウスにも同居人がいる限り、必ずルールがあります。
洗濯機やシャワールームの使用時間や、ホームパーティーを禁止している家もあります。把握しておきましょう。
遠方の地にある家主との契約時の注意点
カナダに到着後、すぐに家があって欲しいと思うのは当然です。
それでも、実際の物件を見ずに契約するのは危険です。
まずは見学のアポイントメントを取るところまで進めておいて、到着直後は一旦ホームステイやB&Bやホステルなどに滞在し、その間に見学して決めることをおすすめします。
「部屋を空けておいてあげるから事前にお金を振り込んで」
「Paypal等でデポジットや家賃を送ってくれ」
このような場合は詐欺の可能性があるので気を付けましょう。
賃貸契約参考サイト
BC州Tenant Info: www.tenants.bc.ca
(サイト内に日本語パンフレット有)
BC州提供契約書:https://www2.gov.bc.ca/assets/gov/housing-and-tenancy/residential-tenancies/forms/rtb1_chrome.pdf
過去トラブル事例
最後に、実際に過去に発生した賃貸契約トラブルをご紹介します。
トラブル事例1
2週間後に退去したいと伝えたら、デポジットは返せないと言われた。
さらに次の入居者を見つけるまでは家賃を払い続けろと言われた。
ひどい大家だと思いませんか?
A:ほとんどの場合、退去の報告は1か月前までにするという契約となっているかと思います。
契約が1か月前までの報告となっていた場合は、大家さんに否はありません。残念ながらデポジットは返ってきません。
また、家賃は月単位です。 日割りはできません。
ですので、伝えた日が15日なら退去すべき日は一か月後のその翌月の中旬となります。
さらに、家賃が月単位で1日はじまりの場合、なかびで区切ることができません。
その翌月分はまるまる支払わないといけなくなります。
次の入居者が見つかるまでの家賃の支払いをしてくれというのは少々行き過ぎな要求だとは思いますが、もし本当に契約書にそれが書かれていたら守らないといけません。
家主も家賃で生計を立てていたり、ルームメイトがいないと家主自身の負担が倍になったりします。家主にとっては常に誰かが入居している状況が好ましいです。
そのために直前の退去報告はルール違反に値します。
ですので、お金をセーブしながらトラブル無しで退去する場合は、必ず一か月以上前に退去をすると伝えないといけません。
ただし、入居時に契約書を交わしていないと、その時になって新たなルールを家主の方で付け加えられたりしてしまいます。
このようなトラブルを避けるためにもちゃんと入居時の契約書を保管しておきましょう。
トラブル事例2
メールのみのやりとりで入居したところが、
- クッキング用のストーブは4つのうち常にひとつだけしか使っちゃダメ
- シャワーや洗面台、台所使用後は水滴をひとつ残らず拭き取らないとダメ
- 油物は料理してはダメ
- 10時以降は物音を立ててはダメ
というとてもルールに厳しいところで、正直うんざり!
元々の予定より退去を早めたいと伝えたら、デポジットは戻らないと言われちゃいました。
でも、どうすることも出来ませんよね。
そんなに自分の家を汚されたくないなら、貸し部屋なんてしなければいいのに・・・。
A:実はそのようにして家賃よりデポジットで稼いでいる家主さんもいるらしいです。
留学生や短期滞在者を狙ったこのような事例に引っかからないようにも、ちゃんと大家とは顔を合わせ、見学をしてから契約するようにしましょう。
出来れば、既にその家に住んでいる人に話を聞ければいいですね。
トラブル事例3
2ベッドルームに6人で住む部屋に、ちゃんと契約を交わして入居しました。
でも、どうやら自分が契約を交わした人はそこの部屋を借りてた人で、別に本来のオーナーがいたそうです。
オーナーは本来「最高3人までの入居」と決めていたことが発覚。
警察まで呼ばれ、危うくその日中に追い出されるところでした。
その日はなんとか自分たちが契約を交わした人がオーナーさんをなだめてくれて、ひと月以内に出て行くという事になりましたが……
こんなことってしょっちゅうあるんですか?
A:しょっちゅうあるわけではないですが、全くないとも言い切れません。
実は自分が契約を交わした人は本当のオーナーではなかった、というのは考えられる事例です。
たとえば、ルームシェアをした場合です。
アパートメントの場合、オーナーはそのビルディングのオーナーです。(オーナーが管理人をおいている場合もあります)
その部屋を借りている人が家賃の負担を軽減するため、勝手にシェアメイト(ルームメイト)を募集していることがあります。
今回の場合は部屋を借りているひとが違反をしていたわけです。
ですが、そもそも2ベッドルームに6人で住むという事自体が少し無理がある話ですよね。
通常2ベットルームの場合は、2人のシェアメイトを募集します。
1ベッドルームの場合は、基本は借り主を含め大人2-3人までしか住めないとなっているところがほとんどです。
まれに、リビングルームをさらにわけて、4人以上で住んでいるという話を聞きます。これは、建物方針、規約違反している可能性が大です。
安いからといって飛びつくと、今回のような事に巻き込まれる可能性もあります。気をつけましょう。
部屋探しも留学での貴重な経験の一つ
契約してお金も振り込んだ後に逃げられたり、シェアメイトとの衝突などは日本でもあるトラブルではあります。
しかし、ここはカナダです。
ほとんどの留学生は、トラブルに巻き込まれてもそのまま泣き寝入りになります。
お部屋探しは簡単ではありません。
なかなか決められずにホームステイ退出日になっても、次に住む家がない!なんというケースもあります。(その場合、少々費用はかかりますがとりあえずホームステイやB&Bやホステルなどに移り、部屋探しを続行という手もあります。)
契約できたとしても、前述通り、2人で家具等を一からそろえないといけません。
部屋探しは何事もなるべく早めに動き出すことをおすすめします。
また、あまり条件に拘りすぎないということも必要です。
とは言え、これも海外生活を体験する上で本当に貴重な経験の一つです。
わからない英語でもひとつひとつ確認しながら、きちんと説明を聞き、意志を伝えれば必ず通じます。
わからないことはわからないままにしないで、何度も聞けばいいのです。
カナダの生活を有意義にするためにも、まずはがんばって挑戦してみてください。
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