
働きながら学べる、仕事を探すうえで実践的な知識を学べる、など人気のコープ(CO-OP)ですが、想像できないことも多いと思います。
例えば、
- 実際の授業はどんな様子なのか
- どんなことを学ぶの?
- 課題や宿題は多いの?
- 授業についていけるか心配
そこで、みなさんの学校選びの参考になるように、様々な学校の体験授業を受けてきました。
私が実際に授業を体験して感じたことなどをお伝えしますね!
このページの目次
Canadian College
今回、体験授業に参加した学校は「Canadian College(カナディアンカレッジ)」です。
一般英語を学ぶCCEL (Canadian College of English Language)と同じ校舎で語学学校(ESL)とカレッジの授業を行っています。
語学学校は朝から夕方ですが、カレッジのスケジュールはフレキシブルです。
クラス割はその時々の生徒数に応じて学校側が調整しているそうです。
また生徒も大学のようにコマで授業を取っていく形でスケジュールを組んでいくので語学学校の授業の隣の教室でカレッジの授業を受けるということもあるようです。
そのため自由時間に生徒さん同士で交流が生まれ、カレッジに進学した先輩の話が聞けることもあるとか。
カレッジ進学予定の生徒さんは心の準備ができますし、その予定がない方も刺激になリそうですよね!
学校の情報は下記をご覧ください。
参考
参加したコース・クラスについて
今回体験した授業はこちらです。
参加コース | ビジネスマネージメント サティフィケート12か月/ディプロマ18か月 (BUSINESS MANAGEMENT & CO-OP CERTIFICATE/DIPLOMA) |
---|---|
サティフィケート コース期間 |
授業6か月+Co-op 6か月=計12か月 (3か月ごとにバケーション1週間が含まれます。入学日:3か月に1回) |
ディプロマ コース期間 |
授業6か月+Co-op 9か月+授業3か月=計18か月 (3か月ごとにバケーション1週間が含まれます。入学日:3か月に1回) |
参加クラス | マーケティング(Marketing) |
授業形式 | 対面形式 |
体験した日 | 2021年10月20日(水) 13:30-17:30 |
コロナの影響でオンライン授業が開催されていましたが、2021年10月11日から全面対面授業が再開されました!
実際にクラスメイトと顔を合わせられるのは嬉しいですね!!
コロナ対策としては、校内マスク着用、消毒、ソーシャルディスタンスを保つために人数に応じて教室のサイズを変えるなどの対策が取られていました。
コロナで対面授業ができない間に床の張替えや教室の壁を取り払ってパーテーションにするなどのリノベーションをしたそうで、とてもモダンできれいな学校でした!
カフェや屋上もありますよ!
それではそれぞれを詳しくお話ししていきますね。
コースについて(ビジネスマネージメントコース)
Canadian College で今回体験してきたのはこちらの4つのコース
- ビジネスマネージメントCO-OP サティフィケート12か月/ディプロマ18か月
(BUSINESS MANAGEMENT & CO-OP CERTIFICATE/DIPLOMA) - ホスピタリティマネージメントCO-OP サティフィケート12か月/ディプロマ24か月
(HOSPITALITY MANAGEMENT & CO-OP CERTIFICATE/DIPLOMA) - ソーシャルメディアマーケティング 24か月
(SOCIAL MEDIA MARKETING & CO-OP DIPLOMA) - 国際貿易CO-OPディプロマ 24か月
(INTERNATIONAL TRADE & CO-OP DIPLOMA)
今回はこの中の「ビジネスマネージメント」コースについてお伝えします!
滞在期間や目標によって12か月のサティフィケートか18か月のディプロマかコースが選べます。
サティフィケートとディプロマ等の違いについてはこちらのページをご覧ください⇒カナダのカレッジ留学の種類について クレジットの仕組み
ビジネスについて包括的に学べる人気のコースです。
クラスについて(マーケティング)
受講したのは「マーケティング(Marketing)」クラス。
マーケティングとは簡単に言うと、商品・サービスが売れる・選ばれる仕組みを作る活動のことです。
顧客が何を求めているのかを理解し提供、それに対する反応・効果を分析する。
この一連の流れがマーケティングです。
カナダの企業はもちろんのこと、世界の大企業やマーケティングで成功・失敗している企業も例に学びながらプランを立てていきます。
今どんな企業でも重要視されているマーケティング。
ビジネスの仕組みを理解し向上させる視点が身につきます。
人数と国籍バランス
私が参加したクラスの人数と国籍バランスは下記で、全員で20人でした。
- 日本人:9人
- その他アジア系の方:1人(台湾)
- その他の地域の方:10人(インド、チリ、ブラジル、メキシコ等)
コロナ渦ではありますが、語学学校では140名、カレッジでは今生徒が300名ほどいるそうです。
Canadian College は公立大学への編入プログラムもある学校なので、時々カナディアンの生徒もいるそうですよ。
幅広い国籍の方が在籍していて、多様性に富んだクラスでした!
注意事項
学校のパンフレットなどで、国籍比率や年齢層など情報があるかもしれませんが、コロナウイルス拡大の関係で人数の変動や、国籍の偏りがある場合があるのでご了承ください。写真は新型コロナウイルスの流行禍のものになります。
また授業スケジュールなどは記事作成時のもので、変更になる可能性もございます。
生徒の様子
皆さん集中して聞いてメモを取るなど、真剣に学んでいる様子でした。
とはいってもクラスの雰囲気自体は少しリラックスした感じでした。
先生が質問した際は積極的に回答していて、質問も自由にできる雰囲気です。
対話を非常に重視されている先生だったので、生徒参加型の授業だと感じました。
実際の授業の流れ
前回のクラスの宿題の発表、レクチャー形式(大学の講義のように先生の講義を聞く形)での授業、本日の復習とエクササイズを兼ねたクイズ、最後にグループワーク(前回のクラスのクラス内課題・宿題)の発表という流れでした。
最初に今日のタイムスケジュールを説明してくれるので、今日することが明確になり順序立てて理解することが出来ました。
宿題の発表
ケーススタディ(実際の事例の分析から学んでいく学習法)を読んで各自考えをまとめてくることが前回の宿題でした。
今回の事例はカナダで小規模ながら知名度のあるチョコブラントのSWOT 分析(強み・弱み・機会・脅威の分析)でした。
基本的なマーケティング手法であるSWOT 分析が前回のテーマだったのですね。
先生が生徒一人ひとりに質問していくので自分が分析したことを回答していきます。
強みについて「健康的なイメージの商品」「パッケージデザインが可愛い」
弱みについて「砂糖を使っている」
などが挙げられました。
先生もそれに対して
「子供も喜びそうなデザインだよね!」
「砂糖や甘味料にもいろんな種類があるからより健康的なイメージの甘みを使うといいかもね」
などコメントがあり、会話形式で進んでいきました。
講義
本日のテーマは大きく分けて2つ。
グローバリゼーションと様々な事業形態についてです。
①グローバリゼーションについて
グローバリゼーションのメリット・デメリットをクラスで考えていきます。
機会の拡大などのメリットとともに、格差拡大、文化の画一化などのデメリット等、生徒からは積極的に発言が上がりました。
ビジネスのクラスなので多国籍企業に焦点を当てていきます。
基本の分類としてまずは、国や地域に合わせて商品やサービスを変えるカスタマイズ戦略と世界一律の共通化戦略を学びます。
共通化戦略を取っている企業の例としてはAppleが挙げられます。
どこの国でも基本的に製品は同じですし、サービス内容も一致していますね。
主にコスト面などで有利な戦略です。
また、世界で共通したブランドイメージを作ることが可能です。
カスタマイズ戦略企業として有名なのはマクドナルドです。
国ごとに全く違うハンバーガーや飲み物が多くありますよね。
その国の文化や事情に対応することが出来るので受け入れられやすいというメリットがあります。
ほとんどの企業はこの2つの戦略をどちらも取り入れバランスをとっています。
例えばIKEA は基本的には共通化戦略を取っています。
商品やサービス、建物などはどこの国でもほとんど変わりません。
これにより一貫したイメージの定着及びコスト削減が可能です。
しかし中国では顧客がIKEA に食事を持ち込み友人と休憩したり、宿泊するなどの事例が起きました。
驚きの文化ですね。
その事態に、IKEA は中国の文化に合わせるという形で対処し宿泊も可、とルールを変えました。
一方同時期に中国進出した競合であるHome Depo は一切を禁止のままにした結果顧客が定着せず撤退せざるをえなくなりました。
このように、どれだけその国に合わせるかはビジネスの成功のカギとなります。
他にも成功例と失敗例をもとに理解を深めていきます。
②様々な事業形態について
チェーン、フランチャイズ、ライセンシングなど様々な事業形態を学びます。
どれもよく聞く単語ですが、正しく理解しているでしょうか?
それぞれの説明とメリット・デメリットについて説明があります。
チェーンは直営店のこと。
本社が一切のコントロールを握っています。
一方フランチャイズはオーナーが権利を買う形です。
コンビニエンスストアなどですね。
自営業と比べ安いコストで誰もが完成されたビジネスのオーナーになれます。
マニュアルやトレーニングなどのノウハウが提供される反面、自由度は低くなります。
ライセンシングとは企業が商品などの権利を売る/貸し出す形態です。
ディズニーやサンリオなど、キャラクター事業に多いですね。
それぞれについて生徒に思いつく企業やメリット・デメリットを挙げてもらうなど、発言の機会を多く作ってくれていました。
また事業の失敗例として、間違ったパートナーを信頼したFINDUS、オーストラリアの顧客のニーズを理解しきれていなかったスターバックスなど、多くの事例を学びます。
他にも国内生産、輸入・輸出、GDPなどの基礎知識を網羅しました。
クイズ
Kahoot!というサイトを利用して全25問のクイズを受けます。
全員がクイズのコードを入力してサインインすると、教室のスクリーンに先生が問題画面を映してくれます。
生徒側には2-4択の選択肢が表示されるので、その中から1つをクリックします。
回答の速さと正解率が判定され回答ごとにポイントがゲットできる仕組みです。
問題は本日学んだトピックについて。
「この中でフランチャイズでないのはどれ?:スターバックス/マリオット/セブンイレブン」など。
ちなみに答えはスターバックス!
スターバックスは最近ライセンシング事業に力を入れているそうです。
毎回上位5名のニックネームと合計得点が画面に表示されるので競争です。
最終的な上位3名はこのコースの終わりに5点のボーナスポイントが貰えるそうです。
成績にも反映されるとあって、皆さん競い合って回答、賑やかでした。
楽しく今日学んだことを即復習出来るので身に付きやすいですね!
グループワークの発表
チーム毎にビジネス考え価格・製品・サービス・戦略を考えたものを発表します。
ビジネス自体は全グループ共通のレモネードスタンドです。
同じコンセプトでも、それぞれのチームによって誰をターゲットに・どんな特徴で売るのか、価格など違ってきます。
「子供相手に学校付近で蜂蜜などの自然素材を使ったドリンク」
「ビーチに集まる若者にフォトジェニックな見た目のドリンク」
などなど。
細かい価格や店の場所、同時に提供するフードメニューなど、細かいところまで考えられていて驚きました。
先生からの指示はなかったものの、ほとんどのチームがプレゼンテーションを用意しており意識の高さを感じました。
お互いの発表からこんな視点もあったんだ、と学びあえる貴重な機会です。
また、英語でのプレゼンテーション能力も磨くことが出来ますよ。
先生も
「価格について細かく考えられている点がすごくよかった」
「顧客ターゲット層をもう少し絞った方がいい」
など具体的なアドバイスをしてくれます。
宿題・テスト
宿題としてケーススタディが合わせて3回あります。
教科書に載っている事例(約1ページ)を読んで5問ほどの質問に回答します。
翌日のクラスで自分の考えをシェアするので意見をまとめておく必要がありますが、レポートなどを提出する必要はないので30分から1時間程度で出来るそうです。
テストは中間・期末テストです。
そのほかに、プレゼンテーション1回と、期末課題としてマーケティングプランのプレゼンテーション・マーケティングリサーチレポートの提出があります。
期末課題はグループワークです。
今回のクラスでもそうでしたが、クラス内でステップごとに話し合い及び発表の時間があります。
そのたび先生が良いところやもう少し考察が必要な所などアドバイスしてくれるので、適宜方向修正しながら進めていけます。
講師について
非常に外交的な先生でした。
生徒の授業参加を非常に大切にされており、授業内外限らず気軽に話しかけてくれます。
毎クラスでグループワークをするようにしているそうです。
みんな違った考え方をするのでお互い刺激しあえるとのことでした。
とても明るく活発な雰囲気で楽しいクラスでしたよ!
まとめ
今回は、「Canadian College(カナディアンカレッジ)」という学校のビジネスマネジメントコースの授業を体験しました。
大学の少人数クラスのような感じで雰囲気がいい印象でした。
生徒の学ぼうという意識が高く、しっかり勉強したい方にお勧めです。
ビジネスマネジメントという汎用性の高いプログラムなので、1つ1つの情報量はそこまで多くなく、ビジネスを運営する上で必要な知識を万遍なく学びます。
幅広い知識を体系的に整理して覚えることが出来ます。
同じ「ビジネス系」でも、それぞれの学校によってテキストや授業の進め方など異なりますし、テストの頻度や宿題の量だって違います。
ぜひ、みなさんの学校・コース選びの参考にしてみてくださいね!
参考
学校公式サイト(ページは全て英語です)