カナダの大学に進学したいと思っている方もいると思います。
カナダで一番広いキャンパスを持つ、規模では第3位となる、ヨーク大学(York University)について紹介します!
それでは見ていきましょう!
このページの目次
ヨーク大学(York University)とは?
まずは「ヨーク大学(York University)」とはどんな大学なのか紹介していきます!
ヨーク大学の概要
ヨーク大学は、カナダトロントから北西に位置しています。
- 生徒総数55,000名以上
- 提供する学位プログラムは200以上
と、カナダで一番広いキャンパスを持つ、規模では第3位の大学です。
規模1位は同じくトロント市内にあるトロント大学ですが、実は歴史を辿るとヨーク大学のGlendonキャンパスは元はトロント大学の所有地でした。
1959年のヨーク大学設立後、最初の76名の初の授業はトロント大学の校舎で行われるなど、初期のヨーク大学とトロント大学は密接な関係にあったのです。
その後、現在のメインキャンパスであるKeeleキャンパスへは1965年に移動しました。
1960年代には、パートタイムでの学位プログラムを提供するためのAtkinson College、宇宙科学研究センターなどの施設を増やしました。
現在は、
- アート
- 教育
- 環境学
- 美術
- ヘルス
- 科学
- エンジニアリング
の学位プログラムや、英仏バイリンガルのリベラルアーツ学科としてのGlendonカレッジなど11部門を抱えるまでに発展しています。
60年ほどの歴史で輩出した卒業生は実に30万人以上にも及びます。
さらに、カナダでも有数のロースクールであるOsgoode Hallと、Forbesでカナダ1位に選ばれたこともあるビジネススクールであるSchulich School of Businessを持ち、カナダだけではなく世界で活躍できる人材を送り出しています。
ラテン語で「Tentanda Via (The Way Must Be Tried)」をモットーとするヨーク大学は、カナダで初のダンス、そして、女性学などこれまでなかった学位プログラムを提供したことでも知られています。
ヨーク大学の場所
メインのKeeleキャンパスは、トロント地下鉄の南北ライン(Yonge-Universityライン)の北西に位置しています。
トロントという大都市の中心地からほど近いエリアにありながら、緑に囲まれた大きなキャンパスは非常に広く、歩いて回るのが困難なほどです。
- ビジネススクールのSchulich School of Business
- Osgoode Hallロースクール
- 語学プログラム部門であるYUELI(York University English Language Institute)
- レジデンス
なども全てこのキャンパス内にあります。
大学創設時の移転時は工場や発電所などしかないエリアで非常に不便で、学生からの不満の声も多かったようですが、トロント市の人口が増え、市がどんどん拡大していく中で、次第に大学の周りも発展してきました。
また、キャンパスにはYork Laneというショッピングモールもあり、レストラン、クリニック、歯医者など、生活に必要なものが揃っています。
加えて、2017年には待望の「York University Statition」が完成しました。
地下鉄の駅の乗り入れが起きたことで、ダウンタウンまでは電車で30-40分ほどと、各段にアクセスが良くなりました。
地下鉄乗り入れ前は、一日1400本ものバスが大学のエリアを走っていたと言いますから、随分と通学環境が良くなったようです。
また、環境学のプログラムを持ち、カナダのGreenest Employer(エコ活動に力を入れている機関)にも選ばれているヨーク大学では、2015年にボトル水の販売を撤廃、学内の至る所には給水機が設置されていますよ。
Glendonカレッジキャンパスは、トロントの北東にあり、ダウンタウンまでは電車とバスで35分ほどの所にあります。
メインのKeeleキャンパスとはシャトルバスで繋がっていますよ。
こちらでは、
- ビジネス
- 教育学
- Human and Social Study(人間科学/社会科学)
- 言語学などの分野での、英仏でのリベラルアーツ教育を提供しています。
1クラスの平均学生数が26名程度と小規模であることが特徴で、全部で2700名(うち留学生170名ほど)が学んでいます。
英仏双方での授業が行われますが、片方の言語基準を満たしていれば入学は可能です。
日本人にはなじみづらいカナダの大学の学寮(カレッジ)制度になります。
Glendon Collegeは同じヨーク大学からの学位を受けられますが、独立した教育機関で、教育スタイルが異なります。
また、2023年完成を目標にトロント北東のMarkham市へのキャンパスを建設中です。
参考
詳しいロケーションは「ヨーク大学|キャンパスマップ」はこちらになります。
ヨーク大学の英語プログラムの提供
ヨーク大学の語学部門は、YUELI(York University English Language Instituteの頭文字をとって「ユーエリ」と呼ばれています。
こちらは、短期から大学本科への進学をサポートするものまで、様々な英語プログラムを提供しています。
また、YUELIの校舎は、他の校舎とも渡り廊下や地下通路で繋がっており、大学の施設内を自由に使うことができます。
希望者はキャンパス内にあるレジデンスに住むこともできますので、現地の大学生の生活体験ができるという点が大きなメリットです。
部門 |
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①Summer Immersion Program | 3週間 | 最大18名 | 12.5時間/週の授業とアクティビティ | 未定(※) | 未定 | 未定 | 高校を卒業し英語力の向上を目指す方や、カナダの大学生活を体験したい方 |
②Spring Break Immersion Program | 2~4週間 | 最大18名 | 12.5時間/週の授業とアクティビティ | 未定(※) | 未定 | 未定 | どなた高校を卒業し英語力の向上を目指す方や、カナダの大学生活を体験したい方 |
③Academic Program | 8週間 /レベル |
最大18名 | 20時間/週 | 年6回の開講 (2021年) ・5/3 - 6/26
・6/28 - 8/20
・8/30 - 10/22
・10/25 - 12/16
|
$3,560 |
AP1~AP9までを提供
・AP5修了:YUBridge Programに申し込み可能
・Ap6修了:本科条件付き入学またはPre-Destination York Programに申し込み可能
・AP7修了:Destination York Programに申し込み可能
|
アカデミック英語を学びたい全ての方 |
④Pre-Destination York Program | 8週間 | 最大18名 | 20時間/週 | 1月・5月・9月の年3回開講 (20201年) ・5/3 - 6/25
・8/30 - 10/22
|
$4,095 |
AP6レベル修了または
IELTS score of 5.5
TOEFL iBT: 79
|
高校を卒業し、最終的には
ヨーク大学の学位プログラム取得のため、まずDestination York Programの受講を希望する方
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⑤Destination York Program | 8週間 | 最大18名 | 30時間/週 | 学位プログラムの開始に合わせ年3回開講 (2021年) ・6/28 - 8/20 ・10/25 - 12/16
|
$9,195 |
AP7修了または
Pre-Destination York Program修了、または
IELTS Score 6.0
|
高校を卒業し、最終的には
ヨーク大学の学位プログラム出願を目指す方
|
⑥YUBridge Program | 4か月 or8カ月 |
最大18名 | 25時間/週 |
学位プログラムの開始に合わせ年3回開講
(2021年)
・5/3 - 8/20
・8/30 - 12/16
(2022年)
・1/3 - 4/22
|
$13,405 or$26,810 |
・4か月
AP7修了または
IELTS6.0
DET (Duolingo English Test): 100 ・8か月 AP5修了
IELTS 5.0 overall(ライティング5.0以上)
DET (Duolingo English Test): 80
|
高校を卒業し、最終的には
ヨーク大学の学位プログラム出願を目指す方で、高校のGPAが80%以上ある方
なたでも |
注意事項
- 2020年度は、コロナ禍の影響で、元々は対面授業だったプログラムは全てオンライン提供になりました。
- 表の未定(※)の項目は2021年3月現在になります。
えぇっ、たくさんありますね!私はどれを取ればいいんだろう...
プログラムがたくさんあるように見えますが、①Summer Immersion Programや②Spring Break Immersion Programは「ヨーク大学英語クラス体験」のような位置づけです。
なので基準になっているのは③Academic Programと考えて頂ければ大丈夫です。
ヨーク大学への入学は希望しない方でも受講することができます。
出願を検討している方は、先に英語資格試験を日本で受験しておくと、どのレベルからスタートするかが分かりますので、逆算して渡航時期を考えることができます。
現時点で英語資格がなくレベルが分からない方も、入学時の試験でレベルに対応した英語クラスから開始します。
既にヨーク大学への出願を検討している方は、最初から英語試験を受けておき、レベルを確定させてから申し込みをするのがおすすめです。
また、YUELIには専任のアドバイザーがいますので、ヨーク大学への出願手続きやエッセイのサポートなどを受けることができますので安心です。
合わせて読みたい
アカデミック英語とESLはどう違うの?
アカデミック英語って何?ESLとどう違うの?
そうですよね。
附属の語学学校と、私立の語学学校の方がいいかな?と迷っている時に、「そもそも学ぶ英語が違うの?」と不安になってしまった方もいると思います。
すごく単純な分け方をすると、「ESL(English as a Second Language)=第二言語としての英語」という意味です。
なので日常会話など全般と考えてください。
そして、EAP(English for Academic Purpose)は、「大学など高等教育の勉強用の英語」というように理解して頂くといいと思います。
- ESLの方が英語のレベルが低い
- EAPの方が難しい
ということではなくて、伸ばす英語のスキルと目的が少し違います。
一例を挙げると、北米の大学では、Academic dishonesty(学業不正)に対して非常に厳しい措置が取られます。
- ネットからのコピペでレポートを仕上げた
- 先輩からレポートを見せてもらった
というようなことは、カナダの場合はもってのほかです。
特に、このようなPlagiarism(盗作・盗用)については判明した時点でその単位は没収、学期中であってもそれ以上の続行ができないという強い罰則があります。
また悪気はなくとも、「参考文献として読んだ筆者の言葉を、そうと書かずそのまま引用した」などもしてはいけません。
参考文献の記載の仕方、引用の仕方のルールをしっかり把握しておく必要があります。
日本では、大学生になって始めて知った、という方も多いと思いますが、カナダの高校生は、こういったことは既に高校の時から学んでいます。
このように、北米の大学で学ぶためのルールを知らなかったがために大きな失敗をしないよう、準備をしていくのがアカデミック英語です。
その他にも、
- エッセイで自分の意見をまとめる
- 文献や資料をたくさん読む
- 皆の前でプレゼンテーションを行うことがある
など、大学で実際に勉強するために必要な英語を学びます。
私立の語学学校でも、英語レベルが高くなるとよりアカデミックな内容を扱うようになります。
日本人の場合、これまでの英語教育ではラィティングやリーディングの比率が多かったため、「もうやらなくてもいい」「もっとスピーキングやリスニングをやりたい」と考える方が多いのです。
しかしESLを選んでも、EAPを選んでも、必ず4つのスキルを全て伸ばすための授業が行われます。
例えば、既に社会人を経験しており大学などへの進学は考えないと言う方は、私立の語学学校でESLでのレベルを上げて、ビジネス英語などを学ぶ方が希望に合うかもしれませんね。
また、私立の語学学校の場合は、発音やコミュニケーション英語などスキル別に選択科目を用意している場合もありますから、フレキシブルに学びたいと考える方も私立の方が向いているかもしれません。
ヨーク大学への入学基準
Cut-off(足切り)の目安がウェブサイトにありますので見てみましょう。
成績(80%以上)と英語力の基準とを満たす方は、附属の所で挙げたYUBridge Programと組み合わせることで、本科の学生として単位の取得を開始しながら、並行して英語スキルを伸ばすことができます。
Arts, Media, Performance & Design(アート・メディア・パフォーマンス・デザイン) | mid 70s to mid 80s |
---|---|
Environmental Studies(環境学) | mid 70s |
Engineering(エンジニアリング) | low 80s |
Science(サイエンス) | mid to low 80s |
なんだか、すごく曖昧に見えます...
そうですね。
これらはあくまで目安で「ここでバッサリ切ります」という基準ではありません。
成績だけで大学選びをしない、大学側も成績だけで学生を判断しないのは北米の大学の入学試験の特徴と言えるかもしれませんね。
いずれにせよ、より優秀な成績の方が多くいればそれだけ足切り基準が上がってしまいますから、高めに見積もっておくとよいでしょう。
参考
※上記は「ヨーク大学|成績足切り」から抜粋しております。
日本の大学進学の場合は入るまでのハードルが高いため、どちらかと言うと「今の成績で入れる一番高い所」を第一志望として狙う傾向にあると思います。
しかし北米の大学は、入った後出るのが大変です。
特に留学生の場合は、高校時の成績が良くても、留学後は第二言語で同じく優秀なカナダ人学生と肩を並べて成績を出していかなければなりません。
背伸びは禁物という考え方もできます。
また、留学生の授業料の負担はやはり大きなものとなります。
トロントの大学1つを取っても、
- シティキャンパス(街の中に大学キャンパスや施設が点在しているスタイル)のトロント大学やライアソン大学
- ヨーク大学のようにキャンパス全体が1つの大きなコミュニティを形成しているような大学
では随分と生活が異なって来ます。
大学選びを考える際は、成績で狙える所という目線だけではなく、生活環境や生活費、そして奨学金の情報なども併せて検討すると良いでしょう。
トランスファーを利用する方法
直接入学以外にも、オンタリオ州のカレッジからヨーク大学へのトランスファー(編入)を利用する方法もあります。
カレッジにて、「2セメスター(1年相当)をB(70%、4段階のGPAで3.0)以上の成績で修了」すると、コースによってはブロックトランファー(まとめての単位移行)が認められます。
この単位移行は、入学許可が出て、それをAccept(受け入れて入学を決定すること)する前に知らされるため、どの程度移行するかを事前に知って決定することができます。
提携しているオンタリオ州のカレッジは、
- George Brown(オンタリオ州トロント)
- Seneca(オンタリオ州トロント)
- Humber(オンタリオ州トロント)
- Centennial(オンタリオ州トロント)
- Fanshaw(オンタリオ州ロンドン市)
- Sheridan(オークビル・ブランプトン市)
など郊外のカレッジも入っています。
カレッジの授業料は年間$15,000ほどのため、授業料の節約を考える場合にもおすすめです。
参考
詳しくは「ヨーク大学|トランスファー」をご覧ください。
特に地理的に近いセネカカレッジは、プログラムの一部をヨーク大学キャンパス内で行っていることもあり、年間多くの学生が編入をしています。
合わせて読みたい
ヨーク大学の学費
カナダの大学の学費としては、3万ドル/年間は平均的と言えます。
学部 | 初年度(20-21年新入生学費+諸経費) |
---|---|
ほとんどのプログラム | $32,416 |
デザイン | $30,263 |
ビジネス | $33,875 |
経済 | $34,537 |
コンピューターサイエンス | $29,873 |
エンジニアリング | $37,243 |
参考
- 教材費などその他の費用は「ヨーク大学|学費」を参照してください。
- 授業料は、必ずInternational(留学生費用)の所をご覧ください。
また、留学生向けにも奨学金の適用があります。
一例として、入学時の成績によって、自動で適用されるのは以下の通りです。
95%以上 | $4,000 |
---|---|
90-94.9% | $2,500 |
85-89.9% | $1,500 |
80-84.9% | $1,000 |
最後に
大都市トロントの経済発展を担う人材の輩出に貢献してきたヨーク大学について知って頂くことができたでしょうか。
カナダは非常に大きな国で、州によっても教育制度が少しずつ違うため、なかなか1人で全ての情報を把握することは難しいですね。
特に大学を卒業した後、カナダに残ろう、移民しようとお考えの方の場合、卒業後の就職やビザについても気になる所です。
ぜひ一人で悩まずに、ご相談くださいね。
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