トロント大学を知ろう!

カナダの大学に進学したいと思っている方もいると思います。

特に、カナダの大学を調べはじめると「トロント大学(University of Toronto、通称UofT)」がカナダの最高学府と出てきます。

  • 国内ランキング1位
  • 世界ランキング18位

そんなトロント大学の存在を知り、「ぜひ行ってみたい!」と検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回、トロント大学(University of Toronto)について紹介します!

それでは見ていきましょう!

トロント大学(University of Toronto)とは?

まずは「トロント大学(University of Toronto)」とはどんな大学なのか紹介していきます!

トロント大学の概要

トロント大学は、1827年に英国教会による運営の、King's Collegeという名称で創立されました。

その後、1850年に無宗教のUniversity of Torontoという現在の名称になりました。

時代の変化ととともに、元々神学校であった

  • Victoria College(メソジスト系)
  • St.Michael's College(ローマカソリック系)
  • Trinity College(アングリカン系)

など7つのカレッジと連合し、今のように大きな総合大学へと生まれ変わりました。

地図を見ると、大学の敷地内に多くのカレッジが点在しているように見えるのはこのように英国式のカレッジ制大学を取っているためです。

学位にあたっては全て同じようにトロント大学のものが授与されます。

学部課程では700以上、大学全体では1000近くのプログラムを持ち、在籍生徒数は北米5番目の約9万人です。

留学生は全体の30%を占め、出身国は160ヶ国以上に及びます。

最も多いのは中国・インド・アメリカ・韓国・香港となっており、日本人は2019年~20年のデータで211名です。

ノーベル賞受賞者や歴代首相を多数輩出しています。

また研究の分野でもインスリンの発見など、カナダの経済・政治・芸術・医療など様々な分野に大きく貢献して来た大学です。

トロント大学の場所

パンフレットなどにも使われており、多くの方が写真などでご覧になるトロント大学のメインキャンパスはSt. George(セントジョージ)キャンパスで、附属ESLなどもここにあります。

トロント内でも、地下鉄の東西線と南北線が交わる最も人の動きが多いエリアにほど近いです。

オンタリオ州議事堂やロイヤルオンタリオ美術館など、歴史ある建造物に囲まれていますよ。

シティーユニバシティという街中にあるキャンパスで、壁に囲まれたキャンパスがあるわけではなく

  • 授業のある建物
  • 学生用のレジデンス
  • 図書館

などの建物が街内に点在しています。

大学近くのセントジョージ駅からバサースト駅周辺のAnnexと呼ばれるエリアは、学生たちが集まるパブやレストラン、カフェが多いエリアとなっており、地元カナダ人も多く集まるにぎやかなエリアです。

また、南に中華街やリトルイタリー、西にコリアンタウンもあり、食や遊びには事欠きません。

さらに、トロントの西側に位置するMissisauga(ミシサガ)キャンパスでも180以上のプログラムが、東側に位置するScarborough(スカボロ)キャンパスでも250以上のプログラムが開講されています。

ちなみに、ミシサガキャンパスとスカボロキャンパスはそれぞれ隣の市になるので、キャンパス間を毎日授業で移動するというようなことはありません。

しかし、スカボロキャンパスとセントジョージキャンパスはトロントの地下鉄・バスで行き来が可能になっています。

さらに、ミシサガキャンパスとセントジョージキャンパスはキャンパス間を繋ぐシャトルバスが走っています。もちろん学生は無料ですよ!

セントジョージキャンパスには、

  • Faculity of Applied Science & Engineering(応用科学・工学部)
  • Faculity of Architecture, Landscape & Design(建築学部)
  • Faculity of Arts and Science(芸術科学部)
  • Faculity of Kinesiology & Physical Education(身体運動学部)
  • Faculity of Music(音楽学部)

の学部キャンパスもあり、迷子になってしまいそうな広さです。

中心地に位置するロバーツリサーチ図書館の隣には毎年桜が咲き、学生だけではなくカナダ人の目も楽しませていますよ。

参考

詳しいロケーションは「トロント大学|キャンパスマップ」はこちらになります。

トロント大学の英語プログラムの提供

トロント大学には、複数の英語プログラムの提供があります。

トロント大学の英語プログラム提供について
部門
キャンパス
プログラム
対象
①School of Continuing Study セントジョージ
  • アカデミック
    Academic English(アカデミック英語)
  • 一般英語
    English for Effective Communication(コミュニケーション英語)
    English for Business Communication(ビジネスコミュニケーション英語)
どなたでも
②New College セントジョージ
  • パスウェイ
    International Foundation Program
  • サマー
    International English Program(18歳以上)
    Youth International English Program(14-17歳)
    Pre-University Program(15-18歳)など
  • パスウェイ
    ・芸術科学部
    ・応用科学/工学部
    ・建築学部
    ・音楽学部
への入学許可を得る成績のある学生のみ。
  • サマー
    年齢制限を満たす方(大学準備プログラムは英語要件あり)
③University of Toronto(Scarborough) スカボロ Academic English @ UTSC
トロント大学スカボロキャンパスからの入学許可を得ている学生のみ
④University of Toronto(Missisauga) ミシサガ Academic Culture & English (ACE @ UTM) トロント大学ミシサガキャンパスからの入学許可を得ている学生のみ
かえで

全て同じトロント大学なのにも関わらずこれだけあるんですね。

ここまで、概要やキャンパスについてで説明して来た通り、様々な組織から成るトロント大学は、ウェブサイトも学部ごとにあるため、それぞれの部門が独自にウェブサイトで情報を発信しています。

トロント大学をキーワードに、日本語で情報を検索すると、これらのが全て錯そうしており、全体像がつかめなくなってしまった方が多いのではないかと思い、このように表にしてみました。

トロント大学附属のESLは、基本的には、「本科に入学する成績を満たしているが、英語力が足りない学生」のために開設されています。

ただ、カナダ国内だけではなく、世界中から多くの留学生が集まるトロント大学のメインキャンパスであるセントジョージでは、これに加え

  • School of Continuing Study部門:語学プログラムのみの受講、または社会人やビジネスパーソン向けの英語学習
  • New College:若い学生の夏のお試しプログラム

こういった追加プログラムを提供しているイメージです。

トロント大学のメインキャンパスのESLで学んでみたい方

トロント大学への進学を考えているわけではないけど、トロント大学のメインキャンパスのESLで学んでみたいんだという方もいると思います。

そういう方は

  • ①School of Continuing Study
  • ②New Collegeのサマープログラム

のプログラムを検討することになるでしょう。

サマープログラムは大学の夏休み中、3週間単位で受講できる設定であくまで、短期の体験という性格が強いです。

一番人気が高いのは、①School of Continuing StudyのAcademic Englishプログラム(12週間)です。

これは高校生だけではなく、大学生や社会人の留学生の方も事前の選考などなく、自由に受けることができます。

「トロント大学の英語プログラムを終えましたよ」という修了証も出ます。

また、このAcademic Englishの最高レベルである60を成績B以上での修了証は、TOEFLやIELTSなどと同じくトロント大学本科の英語力証明としても利用することができます。

トロント本科入学に必要な英語レベル

トロント本科入学に必要な英語レベルは、以下の通りです。

  • IELTS6.5(※6.0を下回る項目がないこと)
  • TOEFL ibt100以上(※ライティングが22を下回らないこと)
  • Duolingo English Test120以上

②New Collegeのパスウェイプログラム

前の表で紹介した②New Collegeはセントジョージキャンパス内のNew Collegeの建物で提供されています。

その中のパスウェイのInternational Foundationは、基礎を作る大学0年生のようなプログラムです。

このプログラムの受講生は、Conditional Offer of Admission(仮入学許可)を受けた状態で、大学の単位を1つ開始します。

そうしながら、アカデミックライティングなど大学で必要な英語スキルを向上したり、学部で必要な基礎知識をつける8カ月を過ごし、終了後に晴れて1年生を開始します。

③University of Toronto(Scarborough)と④University of Toronto(Missisauga)

こちらは既に出願をし、トロント大学のスカボロキャンパスまたはミシサガキャンパスからOffer of Admission(入学許可)を得ている方が受けられます。

9月入学の前の夏セメスター、もしくは1月入学の前の秋セメスターに受講し、英語力を挙げて実際の大学生活をスタートするためのプログラムです。

トロント大学本科への入学基準

「北米の大学は、入りやすいが出るのは難しい」と言われているのを聞いたことはありますか?

ただ、さすがにトップランク校となると入ることもそう簡単ではありません。

日本の大学進学では、入学試験の成績を基本的には上から取って行くことになります。

しかしカナダ(北米)の場合は、まず高校の成績のGPAなどを元に

  • 大学への出願要項を満たしているか
  • 学部/プログラムごとの要項を満たしているか

と順に確認します。

そして最終決定は、Supplemental Information(アピールのための追加/補足情報)なども含めて、総合的に合否判断をします。

世界中から優秀な学生が集まって来るトロント大学ですから、成績さえあれば合格が出るわけではありません。

どんな経験があり、どんな考えを持っている学生なのか、人物的にも判断して入学が決められるようです。

【セリフ】かえで(汗)
かえで

どのくらいの成績があれば出願できるの?

最低GPAスコアを公表している学部とそうでない学部があるため、マクレーン紙によるとこのようなデータが出ています。(あくまでも参考です。)

カナダの他の大学の目安も記載されていますので、興味のある方はご覧ください。

  • アート 75-84%(3.00-3.36)
  • サイエンス 75-91%(3.00-3.64)
  • コマース 83-88%(3.32-3.5)
  • エンジニア 85-93%(3.4-3.72)

となっています。

成績表などは5段階評価が多い日本人にはピンに来にくいかもしれません。

5段階評価を単純計算すると「オール4の場合は3.2」になります。

その場合だと最低基準に足りない学部もありますね。

なので、「基本は5、苦手科目で4くらいの成績を取っていたこと」が最低条件になるでしょう。

さらに、「自分より成績が良い候補者がいればそれだけ自分の順位は下がって行く」と考えてもらうと、狭き門であることが分かって頂けるのではないでしょうか。

参考

トロント大学の学費

トロント大学を検討するのであれば、絶対に知っておかなければいけないのが学費です!

トロント大学の学費
学部 初年度(20-21年新入生学費+諸経費)
Applied Science & Engineering(応用科学・工学部) $62,849.80
Architecture, Landscape, and Design(建築学部)
$58,527.51
Architecture, Landscape, and Design(建築学部) $57,020
Music(音楽学部) $41,055.51
Kinesiology & Physical Education(身体運動学部) $40,720.44
かえで

とても高い!!

この学費を見て、びっくりされた方も多いのではないでしょうか。

また、これは4年間ではなく「1年の学費+諸経費」であることにもご注意ください。

もちろんこれに加え、

  • カナダ内では家賃などが高めのトロントでの生活費
  • 教材費
  • 交際費

なども追加して考えると、かなり大きな出費になります。

カレッジ・大学ともにですが、学費はDomestic(カナダ国民・永住権保持者)とInternational (留学生)は大きく異なります。

学費だけではなく、施設利用料などの諸経費も追加されます。(例:Music/Kinesiology & Physical Educationの学費単体は$35,000程度です。)

なので、料金を確認する時はご注意くださいね。

これだけの金額となると、ご両親・ご家族の経済的な支援は不可欠です。

進学後の進路も含め、この学費への投資が見合うものであるか、しっかり家族で考えて決断してくださいね。

アルバイトで学費を稼ぎながら通学するはおすすめしない

カナダの大学生は大変忙しいです。

カナダの大学に進学をした方は、皆さん口を揃えて

  • いつ寝ていたか覚えていない
  • 人生であんなに勉強したことはない

とおっしゃいます。

寝る間も惜しんで、3つ4つのレポートやグループワークを同時進行させるようなこともあるほどです。

なので、「アルバイトで学費を稼ぎながら通学する」というつもりで来るのは決しておすすめしません。

トロント大学の奨学金をあてにして予算を組まない

トロント大学では、成績優秀者や学部ごとの奨学金を多く出しており、$200など少額のものも入れるとその数はなんと5000以上に及びます。

中には年間の学費から$10,000、最大$25,000など太っ腹なものもあります。

ただ、大学側も、「決して授業料全てを賄うものではないため、スカラーシップをあてにして予算を組まないように」と注意しています。

なので、奨学金を狙っている場合でも資金には必ず余裕を持ってご用意ください。

トロント大学の入学方法

現在の状況(カナダの高校生・海外の高校生・それ以外)により少し方法が違うのですが、基本的には出願はオンラインになります。

各種書類(英語証明など)もオンラインで送付しますよ。

出願期日は、1月中旬ごろです(21年は1/15)

日本と違い、「入試」のような制度はありません。

なので書類を送る(出願する)時点での情報が「合否の判断材料」となり、そこまでである程度勝負は決まってしまっている、と言っていいでしょう。

日本の入試制度の感覚からすると、まず英語、そして成績アップと勉強面ばかりを考えてしまいがちです。

しかし、これまで見て来た通りトロント大学では、英語は様々なプログラムでサポートされるようになっています。

そういう点では、英語が理由で落とされるということはありません。

一番重要なのは

  • 成績(と予算確保)
  • 成績以外のアピールポイント

になります。

そのため、海外大学、特にトロント大学など難関校への出願を希望する場合は、高校生の早い段階から成績と、あなたの人としての魅力をアピールする課外活動を強く意識して勉強するようにしてください。

【セリフ】かえで(汗)
かえで

成績が足りない場合はもう諦めるしかない?

いいえ。そうではありません。他にも方法がいくつかあります。

  1. カナダの高校を利用
  2. カレッジや他の大学からのトランスファー

この2つになります。

それぞれ見ていきましょう!

カナダの高校を利用

こちらは

  • お子様の進学について検討されている
  • 現時点では進学者が出願年齢に達していない

こういった場合の事前対策です。

大学は入ることが目的なのではなく、入って何を学ぶかが一番重要ですから、

  • 英語力
  • カナダでの生活
  • カナダの教育システム

に慣れるために、「最初からカナダの高校に進学する」という方法はあります。

とはいえ、公立の大規模校に高校生の途中から入って、その上でさらに結果を出すのは大変なことです。

早い方では中学生から進学を視野に入れて高校進学をカナダでしていることもあります。

もしくは、お子様が埋もれてしまわないよう、これら名門校への合格に力を入れている私立の小規模高校を選ぶという選択肢もあります。

カレッジや他の大学からのトランスファー

前にお話しした、カナダの高校を利用するというのは、皆がみんな同じようなことができるわけではありません。

この「カレッジや他の大学からのトランスファー」という方法は

  • 既に日本で、または海外で高校卒業後の学歴のある方
  • 高校卒業後の直接出願ではない

こういった条件で、トロント大学で学ぶことを希望される場合です。

  • 日本で大学に行った後でやっぱり海外の大学に編入したい
  • 日本の大学を卒業しているが改めてカナダの大学に入り直したい

というのが分かりやすい例ですね。

この編入の制度を逆手に取って考え、高校時の成績では難しい場合や一度落ちてしまったが諦め切れない場合は、カナダのカレッジに進学し、そこで高い成績を出してトロント大学にトランスファー(編入)するという方法も使えます。

出願時点では、全てのAcademic履歴を開示する必要があるものの、直近の成績が高ければセカンドチャンスが得られる、ということになります。

カナダのカレッジと大学間に提携があるなどの場合、一部単位の移行認定を受けることができます。

この方法であれば、最初の数年はカレッジの$15,000前後の学費負担となるため、全体的な学費の節約になるというメリットもあります。

しかしこの方法で注意していただきたいのは、決してエスカレーター式のように編入できるわけではない点です。

カレッジの担当者によれば、トロント大学に入りたいと入ってきた生徒でも、途中で結局カレッジの2年制プログラムに切り替えたり、基準に届かず別の大学に進路を変更するケースは多いそうです。

おわりに

カナダ最高学府、トロント大学について多くのことを知って頂けたのではないかと思います。

国内外から多くの学生が集まって来るカナダ屈指のトロント大学。

そこで勉強することはあなたにとって、非常に貴重な経験となるだけではなく、あなたも、そして大学で知り合った友人たちもこれから世界の様々な分野をけん引していく人材となることでしょう。

とは言え、カナダには他にも多くの良い大学があります。

住みたい都市、予算、現在の成績、目指す職業や興味のあるプログラムなどにもよって大学選びは変わってくるでしょう。

ぜひ参考にしてみてくださいね!

執筆者 執筆者
Miki

夢は海外移住。日本の正看護師とwebデザイナーの二足の草鞋。企業の専属web担当やブログ運営もしています。

2020年4月からワーホリ予定がコロナで延期→11月からワーホリでカナダに渡航

「夢のために努力と継続と行動を絶やさない」がモットー
好きな言葉は『夢は空高く、努力は足元に』

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