カナダ留学 体験談 佐古ゆうじ さん
学校に通われた期間:2021年9月~ Diploma取得予定(投稿時は3セメスター目修了間際、全期間の半分ほど)
ビザ:カナダの学生ビザで渡航、カナダのコープビザに切り替え予定
留学先:KPU
こちらは コロナ禍でのカナダ留学の体験談となります。(カナダ留学の新型コロナウイルス最新情報はこちら)
留学の感想をお伺いしました。
KPUに入学された理由を教えてください
一番は学費がやすかったことですね。
有名なUBCなどに比べると格段に学費を抑えることができます。
自分は日本での社会人期間に貯めたお金が全てですので、選択肢はそう多くはなかったです。
ビジネスコースが設置されているのも理由の一つです。
最近わかったことですが、少し前までKPUは専門短大だったそうなので、尖っているビジネススキルに関しては強いと思います。
例えばファッションのコースも設立されているのですが、ファッションビジネスを学べる大学はそうそうないと思います。
実践的なスキルが欲しいという自分のニーズにあっていたのが良かったのかもしれませんね。
大学に入るまでの準備
日本で準備したことをお伺いしました。
まずは必要書類を揃えて提出
必要書類を揃えるところからスタートですね。
大学の卒業証明書、単位取得証明書、学位証明書などが英文で必要になるのでちょこちょこ費用がかかりました。
海外に直接発送する費用は侮れませんよ笑
ビザ関係の書類もありましたが、こちらはコンパス様にほとんどやっていただいたと思います。
大学で受けられるサポートは出来るだけ調べる
次に、どんなサポートが使えるのかを調べておくことです。
大学には色々なサポートが存在します。
例えば、ラップトップ貸し出しサービス、家探し支援ネットワークなどですね。
各地では、コロナが深刻な状態でした。オンライン実施の授業も数多くありました。
ですが、生徒みんながオンラインの環境があるとは限りませんから、ラップトップ貸し出しのようなシステムが存在しているんですね。
こういったものは使ってなんぼですから、できる限り情報を集めておきました。
手持ちのカードを増やしておくイメージですね。
大学に入れるだけの英語力を身につける
あとは英語力ですね。
公立のカレッジに入学するには試験に合格しなければなりません。
まずは、留学の半年前に英語検定を制覇しました。
本番試験は、TOEFLかIELTSなのですが、コロナの影響で日本のテストセンターが機能していませんでした。
そこで、代替テストとして、Duolingoというテストを受けることになりました。
これはオンラインベースで行う、4技能を測ることができるテストです。
おそらくよくわからないと思いますが、130というスコアでした。
あとは継続して学習を続けていましたが、皆さん他の留学生と同じだと思います。
ビジネスの勉強などは特にしませんでした。
KPUのクラス人数や国籍など
1クラスの上限が20-30人くらいです。少人数だと思います。
国籍はほぼインドですね。カナダ人もそれなりにいます。
キャンパスによってかなり差があるのが特徴的です。
KPUは細かいサブキャンパスを除くとラングレー、サリー、リッチモンドという3つの場所に位置しています。
大学の教授陣は、皆さん口を揃えてこう言います。
「この大学で教えていると、キャンパス移動が大陸間移動みたいで刺激的だ。リッチモンドは中国、サリーはインド、ラングレーはミックスって感じだな」
これは本当にそのとおりです。
全体的に多いのがインド国籍です。
個人的にインド英語は苦手なので、現在進行系で苦戦しています。
教授陣は標準的なカナダ英語を話します。
日本人はほぼいません。
今までに一人だけ名前から判断して「もしかして?」という人がいましたが、それ以来は一人もあっていません。
カレッジ生活
自分はとにかく自由時間を優先していますので、授業をできる限り集中させています。
大学のある日は、10:00から22:00まで授業があります。
授業を受けて、翌日から課題と復習をし、それが終わったら予習をして次の授業に臨むという感じです。
プレゼンテーションの練習がある場合には、課題の練習に加えてします。
1日のスケジュール
※良い子は真似しないでください笑
5:30 起床
6:00-7:30 朝練
7:30-8:00 朝食
8:40-21:00 職場で勉強 or 仕事
21:00-22:00 帰宅、次の日の弁当作り
22:30-23:00 寝る
おそらく気になるのが朝練だと思います笑
大学生の頃から、実は振付師やバックダンサーなどのダンスの仕事をしていまして、その練習をしています。
あと、こちらも大学生からなのですが、割と真面目に陸上の長距離走・トライアスロンを継続しているので、その練習も行っています。
陸上部の練習とダンス部の練習を日ごとに交互に行っているとイメージしていただければそのとおりだと思います笑。
勉強内容
いくつか取り上げて説明します。
[財務会計]
皆さんは、バランスシートって見たことはありますか?
貸借対照表、B/Sと呼ばれることもありますね。
簡単に言うと、会社が何に対してどれぐらいのお金を使っているのか、もしくは何に対してこれからお金を使わなくてはダメなのかを表したものです。
このバランスシートを、計算式が苦手な人も楽しんでもらえるよう、可能な限りシンプルに表記すると
- Assets(お金に変えたり、お金を稼いだりできる自分の強み)= Liabilities(今から払わないとダメなお金) + Owner’s Equity(収入や無駄遣い)
となります。
これが会計の全てです。
理解できた皆さん、お疲れさまでした。単位贈呈です。
会計の単位を見事取得した皆さんに、ちょっと考えてみてほしい問題があります。
先日、あなたはお気に入りのコスメグッズを買いました。
これで外出はバッチリだとテンションを上げながら開封したところ、なんと不良品でした。
あなたは、返金してほしいと販売元にお願いしました。
すると会社はこう言います。
「払ったのと同じ金額のギフトカードをプレゼントするから、それでどうですか?」
ここであなたはこう思います。
「どっちも使えるから同じじゃないの…?」
実は、会社にはあるトリックがあり、どうしてもあなたにギフトカードで手を打ってほしい理由が存在します。
どうしてでしょうか?
答えは、バランスシートがきれいになるからです。
細かい説明は省きますが、会社があなたに現金で返金した場合、そのお金はバランスシートの「収入や無駄遣い」のスペースに記録されます。
逆にギフトカードで返金すれば「今から払わないとダメなお金」のスペースに記録されます。
ビジネスの界隈では「収入や無駄遣い」よりも「これから払わないとダメなお金」に記録したほうがビジネスを頑張っている感が出るとされています。
そして、このような細かいテクニックを駆使して、バランスシートをビジネス頑張ってる感に見せるという手法は、世界中で使われています。
おそらく、あなたが大好きなあの会社も、もう2度と行かないと決めたその会社も使っています。
有名な事例で言うと、オリンパスという会社は知っていますか?
かなり大雑把ですが、オリンパスはこの手法を使いすぎたことにより、違法だと判断されてしまいました。
業界用語で、これらは「飛ばし」「粉飾決算」とも呼ばれています。
少し前のドラマ「半沢直樹」で繰り返し出てきたセリフなので、知っている人も多いかも知れませんね。
では、最後にもう一つだけ考えてみましょう。
バランスシートは、一体誰が見るのでしょうか?
答えは、株主です。
株主は、会社がどうしていくのかを決めることができます。
その株主に対して、頑張ってる感満載のバランスシートを見せて良い格好をしたくなるのは不思議なことではないですね。
- バランスシートがどうやって作られるのか?
- 株主はどこを見て、何を考えているのか?
財務会計では、そこを学んでいきます。
[法学]
いきなりですが、皆さんにはケーススタディに挑戦してもらいます。
あなたには、何年か連れ添った恋人がいます。
彼は女癖が悪く、今までに何度か浮気をしたことがあります。
もうこりごりだと感じたあなたは―約束では足りません―彼と契約をすることにしました。
あなたは契約書にこう書きました。
「次にあなたが浮気をしたら、私に10万円を慰謝料として払う、そして別れてもらう」
そうして月日が経ったあと、彼氏の違和感にピンときたあなたは、直接問い詰めました。
すると、また彼氏が浮気していたことが判明しました。
さて、ここで問題です。
この時、彼氏と結んだ契約はどのような結末を迎えるでしょうか?
- 契約どおり。10万円もらえて、きっちり別れることができる。
- 半額の5万円だけもらえる。別れるかどうかは契約では決められない。
- 契約は無効。何も起こらない。
答えは、3です。
残念ですが、カナダでは3になります。
鍵はConsideration(約因)というものになります。
カナダで契約を結ぶ際には「相手がなにかを差し出して、こちらも何かを差し出す」という状況が必ず必要になります。
この差し出すもののことを、Considerationと呼びます。
漫画・アニメ、鋼の錬金術師に「等価交換」というとても大切な原則があるのですが、それに非常に近いと思います。
今回の彼氏との間の契約には、彼氏が差し出すものはありますが、こちらが差し出すものが記載されていません。
その場合、Voidといって契約が無効になってしまうんです。
英単語帳などでは、Voidは「真空」などと書いてあると思いますが、法学でのこういう使い方も面白いですよね。
要するに、自分がなにか差し出すと書けば良いので、
「次にあなたが浮気をしたら、私に10万円を慰謝料として払う、そして別れてもらう。その代わり、それまでは、私は自分のお金や時間を使って、あなたの恋人としてそばにいてあげる」
こう書けば契約はバッチリ機能したということですね。
カナダでは、何かを得るには、もしくは何かをしてもらうにはこっちも何かを差し出すという考え方が普通です。
あまりに普通なので、こんな感じで法律にもその考え方が反映されているんですね。
- カナダの法律ってどうなっているのか?
- 国の政治の仕組みは?
- ビジネスでの訴訟リスクを最低にするにはどうすればいい?
法学の授業では、これらを勉強します。
テストについて
日本の大学と同じで、授業によって異なります。
Mid-term test
中間テストのことをMid-term testと呼ぶのですが、授業によってはこれがあったりなかったりします。
経験上の話にはなりますが、セメスターが半分ほど経過したタイミングでMid-term testを1回実施するクラスが多いように思います。
1セメスターが13週ですから、ちょうど6か7週目に大きなテストを実施するイメージですね。
テストの内容は日本のものと大差ないような感じでした。
選択肢問題が50問程度と、記述問題が10題ぐらいというのがスタンダードじゃないでしょうか。
ちなみに、記号選択問題は、Multiple choiceといい、みんな略してMCというので覚えておくと便利ですよ。
記号問題が50個あるなら50MCs、みたいな感じです。
Final exam
セメスターの最後に行われるテストはFinal examと呼ばれます。
こちらは1回きりの大勝負ですね。
試験形式はMid-termと大差ないところが多いです。
講義によってはオンライン上での実施だったり、代わりにレポートやプレゼンテーションで評価するといった授業もあります。
3回もMid-termを実施したクラスや、自分が営業マンになって、自分が考えた商品を売るロールプレイを録画して提出というクラスはユニークだったので、今でも印象に残っていますね。
授業以外の過ごし方
ほとんど職場に引きこもっています。
授業の課題と予習、復習、あとはお仕事をしていると、それ以外の時間がなかなか作れないですね。
お仕事もカナダの人とお話し続ける必要がありますので、一苦労です。
やりたい仕事をさせてもらっているので、忙しいですが、充実していると感じています。
勉強の中で良かったこと、大変だったことを教えてください
良かったこと
大きく2つあります。
学べている内容が実用的であることと、U-passです。
実用的な授業内容:ファイナンシャルプラン
例えばビジネス数学コースであれば、まず自分のライフプランを考えて、そこからファイナンシャルプランを考えるための基礎知識を勉強していきます。
ファイナンシャルプランとは、簡単に言うとお金を使ってお金を稼ぐというもので、主に金利を利用して収入を得ます。
その計画全般を指すこともあります。
資産運用とか不労所得という風に呼ばれることも多いです。
- 金利がいくらで何年でどれぐらい儲かるのか?
- 小切手はどういう状況で使用するのが最も得できるのか
ということを計算します。
かなり実用的な内容だと思います。
追加で少し勉強は必要になりますが、実際に、2023年までに自分も資産運用を始める予定です。
面白かったのが、授業を受けて初めてネイピア数を理解できたことですね。
自分は文系数学を使って日本の大学受験をしましたので、理系数学で使われるe(ネイピア数)の存在を知ってはいましたが、内容を知らなかったんです。
それを理解することができて感動しました。
学割の定期券
U-passは格安の通学定期券です。
カナダのBCを移動するためには、電車やバスを使う必要があります。
それらの交通機関を利用するときには、Compass Cardというものを購入して使います。
日本のSuica、Icoca cardが近いと思います。
というか、乗り放題券と呼んだほうが良いと思います。
Compass cardは、プリペイドチャージか、月額乗り放題プランから選択して購入することができます。
実は、KPUの生徒であれば、最も高額なプランを格安で利用することができます。
しかも、その費用はすでに学費に含まれているので、学費を納入すれば自動的にCompass card解禁になります。
最高額プランですので、どの駅まで行っても、一日に何回乗っても関係ありません。
この自由さがとても大きいです。
電車とバス、あと、乗ったことはありませんが、おそらくフェリーも乗り放題です!
学割のようなイメージで大丈夫ですが、適用できるのが一部の公立カレッジのみです。
SFU、やUBCなどの有名大学も、乗り放題を利用することができます。
費用を押さえつつ、最大の自由度で移動できるのは大きな利点だと思います。
大変だったこと
一言で言うと、電話がつながらないことですね。
使えるリソースがあって、気軽に質問できるのはとても良いことです。
大学のHPにも、いつでもサポートしますよ、みたいなことが羅列されているのですが、そこの連絡先に電話してもメールしてもなかなか繋がりません。
特に電話は壊滅的です。
これは自分史上最高記録の話ですが、学費の振込みに関するトラブルで連絡をしていた時、電話がつながらなさすぎて、朝8:30から昼の12:00までずっと通話ボタンを連打していたことがあります。
また、これは海外あるあるだと思いますが、教授の字が汚いです。
本当に雑。
筆記体を始めとする、英語の大体の書体を読める、または書けるように練習はしてきました。
それでも読めません。
板書、課題につけていただいた添削メモ、スライドに添えてある単語(Annotationと言います)…とにかく読めません。
いいえ、きっと読んでもらう気がないのでしょう。
読めなくてもそこまでまずいことにはなりませんよ。
そう考えるようにしています笑。
今後のプラン
まずは大学の課程を終え、ポスグラを申請する予定です。
2023年に入ったら、国際労働市場にも強い就職・転職エージェントの人とコンタクトを取ります。(卒業は2023年の8月予定です)
そこでまず、自分の希望する働き方を伝え、どれぐらいの職業の選択肢の数があるのかという情報をキャッチします。
自分の場合、特に希望しているのは以下のどちらかです。
- 翻訳・通訳に携わるお仕事
- 今までの専門分野を掛け算できる職場(運動生理学・教育・語学)
選択肢の数がわかったら、その職業のポストを取得するために、何が必要なのか、また、そのスキルを持っていることをどうやって証明するのかを話し合います。
例えば、英語力が必要な職場だとします。
- 英語力はどれぐらい必要なのか?
- どうやって自分の英語力を証明するのが効果的か?
- テストのスコアを使うべきか?
- 面接へ向けての話す内容を色々な体験を通じて用意したほうがいいのか?
のような感じですね。
それがわかれば、あとは自分に何ができるのか、そのために何を差し出すかを考えて行動するだけですね。
就職先は特にカナダ国内外問いませんが、カナダで職業をゲットできれば、PRを申請するつもりです。
日本、カナダ両方の教育を受けているので、それがPR取得のプラスになれば良いかなとちょっと期待していたりもします笑。
弊社のサービス、対応についてご意見をお聞かせください
LINEを使用してコンタクトを取れるというのは大きなアドバンテージですね。
たくさんの他の生徒様も言及されていると思います。
他のメリットを挙げるとするなら、自分は宅配受取りサービスだと思います。
自分は住んでいるところに少々事情がありまして、郵便受けがありません。
Amazonが使えない!
ぐらいであればどうにか対策を考えるのですが、CRA(日本でいう国税局)などから届く重要な書類も受け取れないとなると話は別です。
確定申告の書類を見逃して申請を忘れたとなるとかなり損をしますし、税金関係の問題を長期間にわたって無視すれば、最悪の場合、移民局から何を言われるかわかりません。
コンパス様はそういった手紙を受け取ってくれて、なおかつ受け取ったときにLINEで「荷物が届いてますよ」
と通知してくれるので、すごく助かっています。
これからもよろしくお願いいたします!!
カナダに入国するためにはビザが必要だよ! こちらの記事も参考にね。