「留学を就活に活かしたい」と思われている方は多いのでは?
大学を休学しカナダ留学、日本帰国後に、外資系の大手総合コンサルティングファームに内定された、陶りゅうきさんに、インタビューしました!
など、日本帰国後から、就職先内定までの経験を教えてもらいましたよ。
「留学を就活に活かしたい」というお声をよくいただきます。貴重な経験談をぜひご覧ください!
このページの目次
陶りゅうき さんの留学中の経験
今回インタビューに答えてくれたのは、陶(とう)りゅうきさんです。まずは、陶さんのプロフィールからご紹介します。
- 留学前のご職業:大学生(1年休学)
- ビザ:カナダにコープで渡航
- 留学先:Cornerstone College(CICCC)
- 学校に通われた期間:12か月 (6か月座学 + 6か月就労)
- プログラム:IBM – International Business Management
- コープ(インターン)先企業:現地不動産会社Prompton Real Estate Service (Concord Pacificの子会社)
陶さんは、コロナ渦にカナダに留学されました。
バンクーバーの私立カレッジCornerstone College(CICCC)で、ビジネスプログラムを専攻。
Co-op(コープ)のインターン期間には、カナダ現地の不動産会社で、役員秘書として経験を積まれました。
その時の体験談はこちらです。
それでは、帰国後の陶さんが、カナダ留学をどう就活に活かしたのか、お話を伺っていきましょう!
帰国後は休学していた大学に復帰
まずは帰国後の動きから教えてください
帰国の時期は2022年の9月末でした。
まず最初に行ったことは、親戚や家族など留学前にお世話になっていた方々への挨拶です。
コロナ禍真っ最中の留学でしたので、みなさんの期待と心配が入り混じりつつ送り出された身だったこともあり、この点は欠かさないようにと、帰国前から固く決めていました。
その後は、まず大学の活動に専念しました。
休学という形式で1年間の空白が生まれていたため、卒論の準備や関係各所との手続きなどに漏れがないように、約2か月の間、気を配りつつやるべきことに専念していました。
その後の12月ごろから、大学3年生という時期もあり就活の準備を始め、年明けは卒論制作と就職活動の二本立てで日々を過ごし、合間の時間でアルバイトなどをこなしていました。
幸運なことに、4月の初旬に某コンサルティング企業から内定をいただく運びとなったため、就職活動は終了し、その後から現在までは、卒論制作に没頭しつつ友人と大切に時間を過ごしています。
大学休学により苦労したこと
大学を休学したことによって、なにか困ったこと、苦労したことはありますか?
幸い、私が在籍している大学ではカリキュラム構成が特徴的なことから、留学前に必須単位をほぼ取り終えていたため、大学の活動で困ったことは、あまりありませんでした。
とはいえ、卒論制作の準備やそのための試験などでは、1年間の空白を埋めるために、少しだけ事前準備には力を入れていました。
唯一困ったことは、その他課外活動のコミュニティとの関係性でした。
留学前までは、約10年間続けている柔道の縁から大学の柔道部に所属をしていたのですが、伝統を重んじる団体の方針や、コロナ禍での渡航を決断したことなどから、少なからず反感が集まる形となってしまいました。
留学前に覚悟はしていたのですが、最終的にこれ以上団体に所属することは認められなくなってしまい除名させられる結果となってしまったため、その点に関してだけは”コロナ禍に”留学や休学をした弊害だったかと、少し寂しかったです。
ですが、それ以外のことに関してはコンパスさんにサポートしていただきながら、自分自身で留学前から準備をしていたのでそこまで大きな苦労はなく、日本での生活に戻ることができました。
就活で最初に行ったこと
就活への取り組み方として、まず最初に行ったことはなんですか?
実は、就活を始めた年末ごろから、特にこれといって取り組んだことは特別ありませんでした。
強いていうならば、就活サイトから企業が提供する情報を受け取れるように、諸々登録をした程度です。
カナダで実際に仕事を探した経験から、日本でメジャーな就活仲介サイトなどを通じて応募をしたり合同説明会などに参加するよりも、直接企業のHPやIRページを通じて応募する方が職に繋がりやすいことを実感していました。
そのため、一般的な就活生の行動とは少し違って、初期の頃は一日中企業の決算書と睨めっこをする日々もありました。
留学経験を就活にどのように活かしたか
就活を進めていく中で、留学経験をどのように活かせましたか?
率直に、様々な点において活かすことが出来ました。
もちろん留学に行って、現地で実際に就労をした経験自体も一つのエピソードとして良い反応をいただいていましたが、それよりも面接前後の連絡や選考中の立ち振る舞いなど、より本質的なところで経験の成果が表れていました。
例えば、面接で会話をする時にも、就活生らしくへりくだるよりも、一人のビジネスパーソンらしく堂々とした言動を示す方が好印象になることも多く、その点ではカナダ現地ですでに一人前として就労していた経験により、周囲よりも数歩先に進んでいる印象を受けました。
就活に活かせなかった経験・留学中の反省点
逆に就活に活かせなかったこと、留学中にもっとこうしておいた方がよかった点はありますか?
個人的には、留学中のすべての活動が、今回の結果につながっていると感じてはいます。
ですが、個人差もあるかと思いますので、”日本式の就活”に対して直接は活かせなかった経験などについてお伝えできればと思います。
まず、単純に”海外で働いていた”だけの経験は、必ずしも活かせるとは限らないと感じました。
近年の就活事情は当事者たちにとっても複雑なものとなってきており、国内でも、レベルが高い環境で学生時代に経験を積める機会自体は多く存在します。
そのため、実際には違っても、アルバイトレベルと「評価される」ような、カスタマーリレーションズやホスピタリティ関連の経験談は、あまり評価に繋がらないと実感しました。
私自身、日本食レストランとギフトショップで働いていた時期もありました。
ですが、それらのエピソードとメインで行っていた不動産でのエピソードでは、反応に明確な差がありました。
2点目としては、特に新卒就活に限った話かもしれませんが、北米式の職場で培った価値観が、日系企業に関しては、時に第一印象に悪影響を及ぼすとも感じました。
カナダでは、勤続年数は関係なく意見があれば主張することが評価されますが、その人物像が必ずしも日系企業の新卒社員に求められるわけではありません。
そのため、私自身の応募した日系企業でも。一定数は選考途中でご縁がなくなる結果になった企業もありました。
そのため、今だから考えられる反省としては、日本の就活に囚われず、もっと純粋に留学生活を楽しむべきだったと感じています。
現地で過ごしていた時期と重なっていたサマーインターンなどは参加していなかったので、その点については満足していますが、それでも頭のどこかで就活に縛られて何かを決断していたことも時折ありました。
それであれば、日本に戻ってからの生活に囚われず、現地での生活の、今この瞬間をもっと大事にしていたかった、と今になって想う場面もあります。
内定先を選んだポイント
内定先を選んだポイントは何ですか?
内定先は、一言で表すと、監査法人の背景を併せ持つ外資系の総合コンサルティングファームです。
大きなポイントとしては、プロジェクトの環境とスピード感、そしてネームバリューにありました。
留学の経験から、将来もカナダに戻り現地で過ごしていきたいと考えていた私にとって、日本での職歴はそのチャレンジにつながるものにしたい思いがありました。
そのため、行っている事業に国際性があり、非常に積極的に日本語環境以外に身を置ける企業が第一優先としてありました。
またスピード感として、再度カナダに渡航して永住権等の取得を目指すとなれば、”若さ”というものが武器となる場面が必ず存在することも十分に認識しており、スキルを得ることに10年単位で考える必要のある安定型の企業ではなく、自己責任で速いスピードに乗れる外資系のような企業が選択肢に入りました。
最後のネームバリューに関してはおまけのようなものですが、留学前も含めて”名前”の持つ力にはしばしば驚かされるものがあったため、極致的な言い方をすると「カナダでも知名度のある会社」を目指したいという思いが、ある程度あったことも事実です。
このような、メインのポイントがありつつ、企業の形態から財務やIT方面で事業が盛んになっている企業などを念頭に入れた結果、志望企業が絞られていき、最終的には内定をいただいた企業へ就職を決める運びとなりました。
就活の秘訣
その他上手くいった秘訣があれば教えてください
秘訣というほど高尚なものではありませんが、留学時から現在まで常に私自身がやっている癖はあります。それは”正面から向き合う”ことです。
昨今の世の中では、良くも悪くも情報や経験に辿り着くことが容易になりつつあり、同時に”近道”や”答え”を簡単に見つけることができます。
そのため、それこそ日本国内で生きていくだけならば、無意識に避けたくなる”辛い現実”から目を背けてしまっても、なんとなくで生きていけるかもしれません。
ですが、もし夢に向かって前に進んで行きたいのならばそうはいきません。
見たくともない”現実”と向き合わなければならない。
苦しくとも逆境に打ち勝たなければならない。
そのためには、将来への期待ではなく信念を持ち、向き合うべきものに正面から向き合って、自分なりの答えを持つことが必要だと私は感じます。
それは、自分自身かもしれません、家族や友人との関係かもしれないし、世の中に横たわる問題に対してかもしれません。
そのように向き合うことは非常に手強く、何度も逃げ出したくなるかもしれません。
私自身も、留学初期は、飛行機の音がしただけで逃げ帰りたくなっていました。
ですが、そこで逃げずに、前へ進めずとも向き合うことをやめないことが、夢や目標を達成するために大事だと感じます。
決して楽な道のりばかりを知ろうとするのではなく、険しい道の歩き方を培うことにこだわると、また違った景色が見えてくるかもしれません。
留学を検討している方へメッセージ
これから留学を検討している方へなにか一言お願いします
“考えすぎること”に固執しすぎないでください。
これは私自身が、カナダに来て最初に学んだことです。
当時、カレッジの授業についていけないことから、学校の継続や活動の計画について深く考え込み、自分で自分の行く末を狭めていた時期がありました。
それを傍で見ていた当時の担任の先生は常に、
”Don’t be overthinking, just focus on what you love”
と声をかけてくれ、その言葉のおかげで、自分のやりたいことと向き合えた経緯があります。
しばしば我々は、”未来”や”将来あるべき姿”ばかりを見据えて、その道のりの長さや険しさに辟易して考え込みすぎてしまうことがあります。
そしてそれは時に、自分自身の首を絞めてしまい、踏み出したい一歩を踏み出せなくなってしまうことがあります。
なので、考え込みすぎることはやめましょう。
もちろん、未知の世界に飛び込もうとすれば不安や心配もあり、尻込みをしてしまうこともあるかもしれません。
進むべき道のりが全く見えず、霧の中に取り残された感覚を覚えるかもしれません。
ですが、たとえ霧の中にいても、踏み出せるはずの”次の一歩”は見えると思います。
もし見えたのならば、迷わず踏み出しましょう。
そうやって、一歩一歩に集中して踏み出し続ければ、気づけば自分の後ろに道のりは出来上がってると思います。
そしてその道のりは、あなた自身の”自信”や”信念”に繋がります。
もし”次の一歩”すらも見えないほど霧が濃かったとしたら、大きく声をあげてみてください。
私にとってコンパスさんや友人の存在があったように、あなたを支えてくれて、駆けつけてくれる存在は必ずいます。
なので是非、すっと肩の力を抜いて、考え込みすぎずに一歩を踏み出してみてください。