【代表対談】コロナが業界に与えたインパクト。海外渡航が解禁された今、留学希望者に届けたいメッセージ。

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2020年に新型コロナウイルスが“世界的パンデミック”となってから早3年半。各国でかけられていた渡航制限は解除され、街はコロナ前の姿を取り戻してきました。

こうして街が活気を取り戻すと、つい過去の出来事として忘れがちですが、パンデミックからの2年間、留学業界は大きな打撃を受けていました。

海外渡航自体が制限されていたコロナ禍の最中、留学エージェントはコロナとどう向き合っていたのか。そして、留学需要が復活した今、留学のプロとして留学希望者に伝えたい言葉とは?

業界大手の留学エージェント『留学タイムズ』代表の平山大樹さんと弊社・カナダ留学の専門家『カナダ留学コンパス』代表の末永真一の対談模様をお伝えします。

※ 対談は2023年7月に行われたものです。

コロナは留学業界にとって“靄(もや)”のような存在だった

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『カナダ留学コンパス』代表の末永真一

末永 新型コロナウイルスの感染が世界的に広まったのは、2020年に入ってからでしたね。もう3年経つのか......と感慨深いですが、海外渡航自体が制限されていたので、我々の留学業界には想像を超える打撃がありました。

『留学タイムズ』さんはその当時、どんな状況でしたか?

平山 確か2020年に入ったころから海外でコロナの感染拡大が話題となり、少し遅れて日本にも広まりましたよね。今調べてみると、2020年の4月16日に第一回目の緊急事態宣言が出されています。

ヨーロッパやアメリカでは、日本よりも前にロックダウンとなり国民の移動が制限され、それと同時に渡航制限に。全人類にとって初めて直面する脅威(ウイルス)だったので、その先行きの不透明さに経営者として不安が大きかったですね。

末永 2020年から21年にかけては、留学業界の見通しに“靄(もや)”がかかっていた年といえるかなと。実際に、日本人の留学者数の推移からもその様子はわかります。

現役大学生で、短期留学や語学学校・海外インターンシップ、そして大学・大学院に行く留学生の数は、2019年の107,346人から2020年は1,487人に激減。約98%も留学する人が減った計算になります。

翌年の2021年も10,999人と、2019年と比べるとわずか10%ほどしか回復しませんでした。これは大学生の留学者数ですが、社会人の留学やワーキングホリデーの滞在者数も同じような傾向となりました。

※ 参考元:トビタテ!留学JAPAN「データでみる日本の留学 対象別の留学生数データ」

今できることを淡々と。積み上げていった留学希望者向け情報

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『カナダ留学コンパス』代表・末永のTwitterアカウント。現在フォロワー数は1万人を超える

平山 2021年になると条件付きではありますが、海外渡航が可能な国が増えてきました。まだまだコロナ前と比べると留学需要は落ち込んでいましたが、少しコロナとの付き合い方が見えてきた時期です。この時期は何に力を入れていましたか?

末永 まずパンデミックになってすぐ実行したのは、カナダのコロナ関連情報に常にアンテナを張り、留学希望者や現地の留学生に届けるためにTwitterやブログ記事での発信を積極的に行なったことです。

「カナダ留学コンパスのTwitterさえフォローしておけば、カナダ情報は収集できる」という状態を心がけました。

また、もう一つ他社に先駆けて行なったのが、カナダ留学を延期されたお客様への学費の返金手続きです。

コロナの感染がニュースで報じられるようになった頃から、各学校の経営状況の予測モデルを作り、いち早く学費の返還依頼を行なうことで、弊社ではほぼすべての生徒の支払い済み学費の返金に成功しました。

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『留学タイムズ』も20年5月ごろからYouTubeチャンネルを開始

平山 パンデミックになって良かったと思うことは、このような緊急事態になったことで改めて「留学エージェントの存在意義が見出されたこと」かなと。

カナダ留学コンパスさんが行なっていた迅速な対応や最新の情報収集は、自分一人で行なうことは不可能なはずです。“頼るべきところはプロに頼る”という姿勢が自分の留学リスクを最小限に抑える。複雑な気持ちではありますが、パンデミックが留学エージェントの存在意義を見出すきっかけになったといえます。

末永 留学エージェントとしては結局のところ、今できることを淡々と、スピード感をもって動いていくしかないなと思っていましたね。お客様のお問い合わせが減ってきたのならば、未来に向けたマーケティングに力を注ぐ。語学学校とのコミュニケーションを密に行ない、コロナが落ち着いたらすぐにお客様をご案内できる体制を組むといった感じです。

この時期に会社をあげて発信を強化していったことで、現在Twitterのフォロワー数は1万人を突破。サイトへの流入も2年間伸び続け、『カナダ留学情報の豊富さならコンパスが一番!』という状態を作れました。

平山 業界全体の風当りが強くても、できることから行動に移していった姿勢の賜物(たまもの)ですね。

コロナ禍に増えた「オンライン留学」について、二人が思うこと

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『留学タイムズ』代表の平山大樹さん

末永 2022年に入ると、ようやく留学業界も活気を取り戻してきましたよね。

平山 2022年の下半期くらいから弊社には毎月数百件のお問い合わせが届くようになりました。コロナ禍で海外留学を延期していた方の「リベンジ需要」が盛んになってきたことが読み取れます。

末永 確かに弊社でも2022年は、コロナ前の年を上回るお問い合わせ数と売上を記録しました。

コロナ禍で普及した留学スタイルにリモートで可能な「オンライン留学」がありますよね。この新しい留学スタイルについて、平山さんはどう捉えていますか?

平山 弊社では主に、フィリピンの語学学校がオンライン留学を積極的に導入し、コロナ禍では大変好評でした。海外に渡航するという物理的な制約を受けずに可能で、かつ安価なため、大学の授業や仕事との両立がしやすい魅力的な選択肢だったと思います。

末永 確かに、日本にいながらリーズナブルに留学の授業を受けられることはこれまでにない付加価値です。しかし、海外留学の醍醐味ともいえる、対面で授業に参加するからこそ得られる語学力の習得や現地での生活体験といった要素は、オンライン留学ではほとんど再現できませんよね。

平山 おっしゃる通り、語学を習得するにはその言語を中心としたリアルなコミュニティに実際に身を置くのが一番です。現地の人との人間関係を構築するスキルや文化的な洞察を深めるといった面でも、対面の留学のほうがメリットは大きいでしょう。

末永 その点は留学生もビビットに感じてきているなと。というのも、コロナ禍で流行ったオンライン留学は、コロナが落ち着いた現在では需要が減ってきています。弊社が取り扱うカナダ留学だけでなく、全体的にリアルな留学需要が復活してきている様子です。

お客様の数年先を見据えて背中を押すのが、留学エージェントの役割

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お客様を支える、『留学タイムズ』のカウンセラー

末永 ここまで時系列的にコロナ禍の留学市場の動きを振り返ってきましたが、2023年に入り、コロナの影響はほぼゼロになりました。しかし、そこに代わるように円高の波が押し寄せてきて、海外留学が以前にも増してハードルを感じる選択肢になった印象です。このあたり、平山さんはどう考えていますか?

平山 円高は確かに海外留学を躊躇する要因のひとつですよね。もしかしたら、記事になったこの対談を読んでいる方のなかにも、留学を迷われている方がいらっしゃるかもしれません。

この点に関しては、海外留学の目的別に分けて考える必要があるかと思います。例えば、大学生を中心とした短期間の留学の場合は、将来的な長期留学や帰国後のTOEFL・TOEICなどのスコア取得を前提として留学を決断されるといいかなと。

もちろん、海外生活で得られる異文化体験や現地の友人との交流は、語学習得とは別に人生を豊かにする体験です。ただ、厳しい言葉にはなりますが、短期間の留学だけでは語学力は一時的にしか上がりません。継続的に語学と向き合う決意をお持ちならば、決して高くないお買い物だと思います。

末永 20代半ば以上の社会人の留学に関しては私からご説明をすると、数年先を真剣に見据えて“本当に海外留学する必要があるか?”定まってから決断すべきです。

大学生の短期留学と違い、社会人の留学は年齢が上であるからこそ、将来のキャリアやプライベートな生活の拠点も見据えておく必要があります。社会人という枠で考えると、「とりあえず1年くらい留学しよう」という軽いノリでは、大切な若い時期のキャリアを無駄にしてしまうことになります。

語学学校を卒業後、永住権を取得するにはどんなプロセスを辿る必要があるか。日本で生活し日本の会社で働くことは本当に自分にマッチしていないのか。ただ、漠然と海外に憧れを抱いているだけではないのか......などの問いはクリアにしておく必要があるでしょう。

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『カナダ留学コンパス』を利用し、留学されたお客様

平山 今、末永さんのお話を聞いていて、このような考えを留学生自身が整理しておく必要があるからこそ、私たち留学エージェントは必要なのかなって。手前味噌な着地点で恐縮なのですが。

末永 でもおっしゃる通りだなと思っていて、必要以上に情報が溢れかえっている現代ですから、正しい情報や自分が本当に求めている情報に辿りつくのはそう簡単ではありません。

それにインターネット上に転がっていない情報をもとにキャリアプランを立てる必要がある場合、専門家のアドバイスなしでは現実的には質の高いキャリアプランは立てられないでしょう。

平山 だからこそ、留学エージェントに相談する価値がある。一方でその期待に応えられるよう、私たちは日々、最新の留学情報をキャッチアップし、一人ひとりのお客様にあわせたカウンセリング技術を磨き続ける必要があります。

末永 「あの時、留学カウンセリングをしていただき、ようやく憧れのカナダ永住権を取ることができました!」という過去のお客様からのメッセージを受け取ったときには、心の中でガッツポーズをしています。まあ、誰にも見せてはいないんですけどね。(笑)

これからも、カナダ留学で人生を変えたい方の背中を押し続けていきたいと思います!

執筆者 執筆者
Megumi

カナダ在住ベテランWEBライター。
カナダでの長期滞在・オーストラリアでの語学留学などの豊富な海外経験をもとに、海外生活・英語学習に関する記事を500記事以上執筆。
カナダではカレッジ進学やCo-op留学もしているので、その実体験に基づいた記事が得意。

過去には英会話講師として生徒の英会話力アップ・英検/TOEICスコアアップをサポートした実績や、大学の留学アドバイザーとして700名以上を海外に送り出した実績もある。

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