【代表対談】将来、海外で働きたい君へ。海外就職を見据えた留学で心得ておくべきこと

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海外留学を計画している人のなかには、「将来は海外で働いてみたい」と海外就職を見据えている人も多いことでしょう。

しかし、海外就職は少し先の未来だからこそ、留学を計画するうえでどんな点を抑えておけばよいのか、イマイチ分からないものです。

そこで株式会社留学情報館の代表取締役であり、一般社団法人・海外留学協議会(JAOS)の理事でもある大塚 庸平さんと弊社・カナダ留学コンパス代表の末永 真一に、海外留学を見据えた留学について語っていただきました。

※ このコンテンツは以下のYouTube動画の編集記事です。


留学前にはできるだけ英語力を高めておくべし

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大塚 ここからは、留学生のキャリア・就職について末永さんとお話していきたいと思います。まずは、末永さん自身のキャリアをお伺いしたいのですが、カナダに渡る前は何をされていたんですか?

末永 2000年前半に京都の大学を卒業し、その後、関西の企業でSE(システムエンジニア)として働いていました。今はもう改善されているとは思いますが、当時は残業が当たり前だったので、多い時でひと月400時間くらい働いていたんですね。

残業代もあって給料はそこそこ良かったのですが、10歳年上の先輩社員も同じように働いている姿を見て、「このままの生活でいいのか......」と。始発と終電を繰り返す生活から抜け出そうと決意し、姉夫婦が住んでいたカナダに渡りました。カナダ生活は、かれこれ20年くらいになります。

大塚 日本ではサラリーマンは何年くらいやられたんですか?

末永 だいたい2年くらいですかね。カナダには、ワーキングホリデーで行きました。

大塚 渡航時の英語力はどれくらいだったんですか?

末永 あまり得意ではなかったですね。ワーキングホリデーで働きながら、その過程で力をつけていった感じです。

大塚 私も日本でサラリーマンを4年やりました。教育系の会社に勤めていたのですが、その本部がアメリカ・ロサンゼルスのロングビーチという場所にあって。

26歳の時に転勤でロングビーチに移り住み、現地で少し働いてから自分で独立したという流れです。英語力は現地で生活しながら、サバイバル的に身に付けていきました。

とはいえ、留学生の多くが渡航後に「もっと日本で英語を勉強しておけばよかった」と後悔しがちです。留学情報館では、英語学習のサービスにも力を入れているのですが、末永さんはどのような考えで英語を勉強すべきだとお考えですか?

末永 実は「英語の勉強」だけに絞るならば、今の時代、日本にいても学習はできるんですね。だから、英語の勉強を主目的に考えるのではなく、“英語で何かを勉強する”と考えて進めるほうが効率的かなと。

ただし、英語力の土台となる「文法」は理解しておくに越したことはないので、基礎的な部分は渡航前に学習しておくとよいでしょう。現地での授業でスムーズに馴染めると思います。

大塚 正規留学だろうと語学留学だろうと、皆さんが直面するのが「英語力」の課題ですので、日本を出る前に1個でも2個でも英語力を高めておきたいですね。

末永 渡航前の「英会話レッスン」を提供している留学エージェントも多いですが、そのあたりはどうお考えですか?

大塚 おっしゃる通り、多くの留学エージェントで提供されていますが、サービスの見極めは慎重に考えるべきだと思っています。よく「6ヶ月間のオンライン英会話サービスがついています」とあるのですが、誰に対しても共通のカリキュラムなので、一人ひとりにカスタマイズされていない場合が多いのです。

「体系的に英語力をステップアップさせるコースが用意されている」「お客様ごとに授業内容をカスタマイズしてくれるか」で留学エージェントを選ぶのもおすすめです。

海外留学はその先のリターンまで見据えて

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大塚 末永さんは「海外で働く」というキャリアをどうお考えですか?ポジショントークを抜きにおすすめできますかね?

末永 私は興味がある人は、若いうちに海外に出るべきだなと思いますね。海外へ留学するとその後のキャリアの選択肢は確実に広がります。結果的に日本に戻って就職するにしても、海外留学を経て世界を見て、各国の友人を作る経験は財産になるのかなと。

大塚 実際に興味深い統計調査もあります。過去に留学したことのある人とそうでない人4,000人を対象に行なった調査で、「今の役職はなんですか?」と質問したところ、留学経験者は20%弱が「役員クラス以上」だったんですね。

一方で、留学未経験者は「役員クラス以上」が0.6%しかなかった。0.6%ってほぼ0%みたいなものですよね。

海外留学するような人は基礎的な能力も高く成長意欲がある、という捉え方もできますが、事実としてはその後のキャリアに差が出るのは確かだといえますね。

では、将来の海外就職を見据えた時に留学先を選ぶなにかしらの指標はあったりしますでしょうか?

末永 選び方の指標はいろいろあると思いますが、まずは「自分は興味を持てる国であるか」ですかね。

大塚 「働く = 生活の一部」ですからね。過去の学生を見ていても、じゃあイギリスに留学したからといって5年後にマレーシアで生活しているかというとそれは少数派です。

アメリカに留学すればアメリカに精通している人として見られますしね。海外就職を考えるならば、その国での生活や文化を好きかどうかは重要な指標になりますね。

末永 もう一つ重要な部分はお金の面です。どれだけその国が好きであっても、金銭的に厳しいケースもありますので、まずは自分の好きな国を明確にしたうえで、専門家である留学カウンセラーに相談してベストな留学方法を探っていただきたいです。

大塚 お金の面でいうと、加えて考えていただきたいのがリターンとして将来返ってくるお金。その国に留学した場合、現地でどれくらい稼ぐことができるのかということです。

末永 最近ですと円安も影響して、例えば日本で同じ仕事の場合、大学初任給300~400万円ですが、北米では倍以上も高くなります。

大塚 カナダの初任給はどれくらいなんですか?

末永 カナダも今は高いですよ。18歳で2年間カレッジに通い、その後にITベンチャー企業に就職した方がいたのですが、初任給が日本円にして約600万円。

大塚 なるほど! 日本の倍くらいですね。オーストラリアでも日本の2倍ほどですし、例えばアメリカのカルフォルニア大学でコンピューターサイエンスを学んだ方なら初任給から2,000万円くらいあります。

ただ、アメリカの場合、編入で学費を抑えても約2,000万円ほどかかりますので、大きく自己投資する代わりに将来のリターンも大きく狙うのか、何が選択としてベストなのかは慎重に考える必要があります。

末永 逆にフィリピン留学であれば、学費はかなり安いですもんね。

大塚 フィリピン留学であれば、年間の学費が20~30万円ほど。ただ、その先で稼ぐという点では、まだまだフィリピンの物価は低いので、それぞれには良し悪しがあります。

海外就職の現実は厳しい。企業が価値を感じる人材を目指してほしい

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大塚 留学生として学校に通いながら働くとなると、また別の視点で国選びを考える必要がありますよね?

たとえば、アメリカは基本的に海外の人に働いてほしくない国じゃないですか。もう少し踏み込んでいうと、アメリカでお金を落としてくれる人であれば大歓迎だけど、そうではない人には厳しい国。アメリカの学生は「オンキャンパスワーク」といって、学校内で週20時間までしか働けない制限があります。

カナダではどうですか?

末永 カナダであれば、Co-op(コープ)もありますし、学生ビザの場合でも働くことはできますよ。

大塚 学校に通いながら働けるか、OPT(Optional Practical Training)を活用して働けるかは国によって制度が異なりますので、留学カウンセラーに相談する際には、留学期間中の働き方について突っ込んで質問してみるべきでしょう。

海外で働くとなると、「仕事の見つけやすさ」もとても気になる点かと思うのですが、カナダではどんな感じですか?

末永 「仕事」と一括りにするのではなく、アルバイトのように短期間だけの就労といわゆる長期間の就職とで分けて考える必要があります。短期間のアルバイトであれば、条件のよい求人はたくさんあります。

しかし、長期間を見据えた就職となると、本人のスキルや英語力にもよりますが、求人は限られており厳しい側面が強いでしょう。

大塚 どこの国でも共通だと思いますが、雇用主に満足してもらいながら働くということは、会社に対して付加価値をちゃんと提供できるかにかかっています。この会社に付加価値を提供する、という焦点がブレていないかは意識として見失わないようにしてください。

海外に出るなら若いうちに。夢は大きく持って。

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大塚 ここまで触れてきませんでしたが、将来の海外就職を見据えるなら、その国の将来性の見極めも大切かなと思います。

弊社の過去の留学生でとても興味深い事例があるのですが、その子はマレーシアのテイラーズ大学に留学したんですね。テイラーズ大学はマレーシアNo.1の大学で、学校側のホスピタリティもとても手厚い留学先。

本人は日本ではトップクラスの偏差値の大学に進学できなかったというコンプレックスがありマレーシア留学を決意したそうなのですが、年間数万人単位で留学するアメリカと違い、マレーシア留学は年間500人程度。

それが一つの“人材としての希少価値”に繋がったのだと思うのですが、その子は今、JICA(独立行政法人国際協力機構)で働いているんです。

本人は、謙遜しながら冗談半分に「裏口入社です(笑)」と言っていましたが、東大や海外の有名大学を卒業していないと入社できないJICAに就職できたのは、マレーシアに留学することで人材として希少価値が高まったことに他ならないと思います。

このように、これからも右肩上がりの経済成長が予想されるアジアやアフリカに精通し、そのエリアに関連する職に就くことを目指して留学先を選ぶのも一つの選択肢ではないでしょうか。

末永さんは、記事を読んでいる留学希望者に将来の就職という点で伝えたいメッセージはありますか?

末永 『夢は大きく持ったほうがいいな』と思いますね。世間体や友達や親の目ということではなく、“自分自身の判断”で動いてほしいです。若いうちはどんな失敗も人生の糧になります。日本国内の就職だけにこだわらずに、思い切って海外にチャレンジしてみてください。

大塚 私からも最後に一言いいですか?

多くの若い方は、日本の高校を出たら日本の大学を出て日本の会社に就職する、という考えで将来を見据えていると思うんですね。でも、例えばサッカー少年の場合。今でいうと久保選手や三苫選手のように、「将来は海外でプレーする」ことを自然と夢見ますよね?

ではなんでサッカー少年はそんな風に考えるのかというと、テレビやYouTubeなどのメディアを通して、海外で活躍する日本人選手を目にすることで、「ひょっとしたら自分にもできるかもしれない」と可能性を感じるから。

海外留学や海外就職でも、皆さんの周りにはいないかもしれませんが、成功例はたくさんあるんです。夢は大きく広げて、分からないことは我々のような専門家に聞いて、目標に向かって進んでいってくださいね!

執筆者 執筆者
Megumi

カナダ在住ベテランWEBライター。
カナダでの長期滞在・オーストラリアでの語学留学などの豊富な海外経験をもとに、海外生活・英語学習に関する記事を500記事以上執筆。
カナダではカレッジ進学やCo-op留学もしているので、その実体験に基づいた記事が得意。

過去には英会話講師として生徒の英会話力アップ・英検/TOEICスコアアップをサポートした実績や、大学の留学アドバイザーとして700名以上を海外に送り出した実績もある。

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