英語力ゼロの人はフィリピン留学するな?! 英語の基礎のない人が留学しても英語力が伸びない理由とは?

渡航前の英語力についてよく質問をされることがあります。

  • (英語力がないから)カナダの前にフィリピン留学をするべき?
  • 留学すれば、英語は何とかなる?
  • 英語はネイティブの先生から学ぶべき?

その答えを、フィリピンで5,000人以上の日本人留学生の英語教育に携わった「はるじぇー(Twitter:@HAL_J)さん」に、フィリピン留学の実情を含めて答えていただきました。

日本人の英語力の伸ばし方を知り尽くした、はるじぇーさんだからこその回答をご覧ください。

はるじぇーさんの経歴

まずは、はるじぇーさんの経歴を紹介します。

2010年からオンライン英会話サービスやブロガーをしており、2013年にフィリピンにて日本人向けの語学学校を創業しました。

かれこれ10年間英語教育に関わられています。

フィリピンの語学学校では2,500人分の個別学習カリキュラムを作成、監修を含めると5,000人以上の指導経験があります。

日本人英語学習者の成功例、失敗例を知り尽くし、現在は英語を学びなおしたい日本人のための講座「ハルヨン英語4技能アカデミー」を開講されています。

それでは、はるじぇーさんにフィリピン留学の実情を含め、「留学と英語学習」についてインタビューしていきましょう。

英語力がないなら、カナダの前にフィリピン留学をするべき?

── 「英語に自信がありません。カナダやオーストラリアに行く前に、フィリピン留学をするべきですか?」という質問をよく受けます。さっそくですが、フィリピン留学の実情を教えてください

はるじぇーさん:
フィリピン留学をサポートしてきて一番に感じたことは、フィリピンの先生は本当に素人だなということです。

── 素人とは、どういうことですか?

はるじぇーさん:
フィリピンの先生は英語がしゃべれるだけで、英語を「専門的に教えられる先生」ではないんです。

レッスンといっても、「話し相手がそこにいる」というイメージです……。そこが、日本、カナダやオーストラリアと違うところです。

例えば、日本の公立校で英語教師になるには、教員免許が必要ですよね。

カナダやオーストラリアの語学学校でも、TESOLなどの「英語教授法の資格」を持っていないと先生になれないなど、一定の基準は設けられていますが、フィリピンはしゃべれるだけの素人でも先生になれます。

だからこそ、基礎英語力がない日本人がフィリピンにいきなり来ても英語はのびないんです。

英語初心者に英語を教えられないんですよ。

ようするに、語学留学と言っても、一日中雑談をしているだけなんです。

── 雑談といっても、英語で会話している訳ですよね? それでも英語力はのびないんですか?

はるじぇーさん:
そうですね。もともとインプット(基礎英語力)がない状態で英語を学びきても、その状態で何を学ぶの?って話なんですよ。

例えば、"Can you ~?"と"Can I ~?"の違いが分からないというレベルでは、会話にもならないんです。

── しっかりと基礎英語力の準備をしてから、留学をした方がいいということですか?

はるじぇーさん:
はい。そもそもフィリピン留学の仕組みは韓国人が作ったんですよね。

韓国は日本以上に学歴社会で、そもそも英語教育がしっかりしています。

英検準1級レベル、TOEIC 800点以上の英語力がある方が「1〜3か月間、しゃべる練習をするためだけの留学」ができるプログラム、というので、フィリピン留学が流行ったんです。

── 確かにそれは留学業界でよく聞く話ですよね。以前は、フィリピン留学=韓国人というイメージでしたし……

はるじぇーさん:
すでに英語力がある方が喋る練習をするだけの留学なので、逆に言うと、それ未満(英検準1級レベル、TOEIC 800点)の英語力だと、マンツーマンでの留学をしたとしても、アウトプットに生かすことはできないんですよね。

これは言い切れるのですが、TOEIC400点未満で留学をして、1~3か月学んだとしても、英語をしゃべれるようになりません!

よくみる成功例で、「3か月でペラペラになりました〜!」というのがありますが、あれは、有名大学の一般入試を受けて入った人たち、ようするに基礎英語力がある人たちのことなんですよ。

── なるほど、成功の裏には、もともとの高い英語力があるんですね

はるじぇーさん:
そうなんです。だからこそ、基礎英語力がない方が安易にフィリピン留学に行っても「暗闇のまま終わった」「何も身につかなかった」ということになるんです。

残念ながら、これが現実なんですよね……。

そもそも、インプット(基礎英語力)が全然なのにアウトプット(会話)をしろ!って言われてもできるはずがないんですよ。

何も出てこなくて、話にならない。さらに、専門的に教えられる先生もいない。ただ、会話相手はいる。何かを教わるという環境ではないんです。

もちろん中には、しっかりと教えられる先生はいますが、100人に3~5人程度の、本当に少数です。

── それであれば、フィリピンの先生をトレーニングして、一人前の先生としている学校はないんですか?

はるじぇーさん:
あるにはあるのですが、思いつくだけでもごく少数ですかね……。

基本的に経営者が英語ができないので、先生を育てることができないんですよね。

フィリピンやカナダに行けば、英語は何とかなる?

はるじぇーさん:
そもそもですが、フィリピン留学で英語力をのばそうということがナンセンスなんですよね。

── 衝撃ですね……「留学に行けば英語は何とかなる?」という質問も受けるのですが、そうなると、基礎英語力をつけたあとに留学に行くのが効果があるということですね

はるじぇーさん:
はい、もともとフィリピン留学は基礎英語力があるという前提で作られたプログラムなので、そのように使うのが一番いいんだろうなと思います。

ちなみに、私がフィリピンで日本人の生徒に行っていたのがインプット型の授業なんですが、なぜそれをやらざるを得なかったのかというと、生徒さんの英語力が低すぎて会話が成り立たなかったからです。

── なるほど……行けばなんとかなるというレベルではなかったということですね

はるじぇーさん:
はい、フィリピンに語学留学にきているから、英会話の授業をしなくてはならないのに、その英会話をするための基礎英語力がゼロなんですよ。

第二言語を習得する方法は、「大量のインプットと少量のアウトプット」というのが主流です。まずは大量のインプット(英文法、英単語の知識)をしなくてはならないのに、ショートカットをしてアウトプット(英会話)のレッスンをしなくてはならないので、色々ずれていたなとは思います。

そういう意味では、「インプットは日本でしっかりと行った上で、海外でアウトプットをする」というのが本来の語学留学のあるべき姿なんだろうなと思います。

さらに、基礎英語力がないからといって、フィリピンのセブ島までわざわざ来てもらって、英文法の参考書を開いてもらうのは、何か違うかなと思っていましたし……。

「日本でこれをやってきてください」と教材の指定はしていたのですが、私自身が日本にいなかったので、全然できていなかったというのがあります。

こういうこともあり、以前から事前学習には力を入れたかったんですよね。

── その思いが、「ハルヨン英語4技能アカデミー」開催につながる訳ですね。

英語はネイティブの先生から学ぶべき?

── 最後の質問です。「英語はネイティブの先生から学ぶべき?」との質問を頂くのですが、こちらについてはどのようにお考えですか?

はるじぇーさん:
はい、その質問もよく聞きますよね。

ですが、私は、日本人英語学習者にとって最も良い英語の先生とは 「英語が出来るようになった日本人の英語教師」とだと考えています。

日本人教師ほど、日本人生徒に「論理的に深い知識」を日本語で伝えられる教師はいないんですよ。

例えば、「L」と「R」の発音の違いの説明は、ネイティブスピーカーよりも日本人の先生の方が説明がうまいんです。

逆にネイティブスピーカの方があいまいな表現になってしまいます。

日本人教師の場合は、自分で苦労をして身につけた経験とともに説明をしてくれるので、とっても分かりやすいんですよ!と伝えたいです!

── 確かに、日本人だからこそのハードルもあるでしょうし、日本人教師が経験を元に説明をしてくれるとより理解がしやすいのかもしれません

はるじぇーさん:
はい、だからこそ日本でしっかりと英語力をあげて渡航をして欲しいです。そうすることで、現地での生活はもっともっと楽しくなるはずです。

── ありがとうございました!

まとめ

基礎英語力の重要性が伝わりましたでしょうか?

最初の質問にまとめてお答えするとこうなります。

  • (英語力がないから)カナダの前にフィリピン留学をするべき?
    そもそもの基礎英語力がないと、どこに行っても同じです。
  • カナダに行けば、英語は何とかなる?
    何とかはなりますが、のびません。
  • 英語はネイティブの先生から学ぶべき?
    日本人教師から英語を学ぶことが、英語上達の一番の近道です。

「自分には、渡航前に基礎英語力を身につけることが必要だ!」と感じた方は、はるじぇーさんが開講している「ハルヨン英語4技能アカデミー」を検討してみてくださいね!

また、カナダ留学をご検討される方は、下記よりご相談ください!

執筆者 執筆者
Eri Akiyoshi

日本ではエンタメ業界での就職を経験した後、イギリスのケンブリッジに留学。

その後ワーキングホリデーでバンクーバーに渡りビジネスカレッジへ進学、現地では日系フリーペーパーのライターやサーバーを経験した後に留学エージェントに勤務、日本帰国後、放送業界での就職を経て現職。

日本から渡航前の留学希望者向けのカウンセリングを担当。語学学校を中心に幅広い知識を持つ。

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