LGBTのイベント、プライドパレードについて

pride parade

「多様性への寛容さ」それはカナダがとても大事にしている価値観です。

私自身、日本人という人種的マイノリティ(少数者)として、カナダはとても暮らしやすい国だと感じています。

それは性的少数者にとっても同様で、LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニング)の方にとっても、カナダは暮らしやすい国だと言われています

ですが、カナダは昔からLGBTQに優しい国だったのでしょうか?

今回は、カナダのLGBTQ事情と、バンクーバーで開催された「Pride Parade(プライド・パレード)」について紹介します。

LGBTQってなに?

LGBTという言葉は、最近日本のニュースなどでも見聞きするようになりましたが、LGBTQとは何なのでしょうか?

以下で簡単に説明します。

LGBTQとは

  • Lesbian (レズビアン=女性同性愛者)
  • Gay (ゲイ=男性同性愛者)
  • Bisexual (バイセクシャル = 両性愛者)
  • Transgender (トランスジェンダー = 身体上の性別に違和感を持った人)
  • Questioning or Queer(クエスチョニングまたはクウィアー= 自身の性自認や性的指向が定まっていない人)

上の5つの英単語それぞれの頭文字を取った呼称です。

性的マイノリティの全てを網羅することは難しいので、LGBTQの後ろに「その他」を表す「+(プラス)」をつけて、「LGBTQ+」と呼んだり、「Two Spirits=アメリカ先住民の『ふたつの心(性に縛られない考え方)』」を表す「2」をつけて、「LGBTQ2」と呼ぶこともあります。

ちょっと難しいですね。

でも、ひとくくりにすることが難しいということこそが、LGBTQ2の人達の悩みの深さの理由です。

「わからない」ではなく、理解しようとする努力が大切なんです。

カナダはLGBTQに対する理解が進んでいる

カナダは社会全体では「LGBTQ」に対する理解が進んでおり、性的指向に対して非常にオープンです。

毎年夏になると、バンクーバーを始め、カナダ各地でプライドパレードが盛大に開催されます。

いっぽう日本では、国会議員が「LGBTには生産性がない」などと発言して議論になっている段階……。

日本はLGBTQへの理解の面でまだまだカナダより遅れていますが、少なくとも議論が交わされることは良いことだと思います。

カナダでのLGBTQの権利が今のように認められるまでにも、様々な議論と抑圧の歴史があったのですから。

バンクーバーで開催される「プライドパレード」とは?

毎年夏に、世界各地でLGBTQパレードが開催されます。

カナダでも、トロント、モントリオールに次ぐ規模の、バンクーバーの「Pride Parade(プライドパレード)」は2018年が40周年です。

Vancouver Pride SocietyのFacebookページより引用しました

「10人にプライドパレードの意味を尋ねたら、10通りの答えが返ってくる」をテーマに、誰もがありのままの自分を表現できるイベントです。

毎年、50万人から65万人がバンクーバーダウンタウンに集まります。

世界各地から観光客がバンクーバーに訪れ、パレードの前後には、バンクーバーのLGBTQエリアといわれる、「Davie Village(デイビー・ビレッジ)」が大賑わいになります。

カナダのLGBTQの権利獲得の歴史

今でこそカナダはLGBTQにとって暮らしやすい国といわれていますが、そうなったのは比較的最近のことです。

 性的指向による差別を禁止

1982年に制定されたカナダ憲法(Canadian Charter of Rights and Freedom)では、性的指向は差別を禁止する項目の中には入れられていませんでした。

1982年の15条の内容

全ての個人は、宗教、人種、出身国もしくは民族、皮膚の色、性別、年齢、精神的・身体的障害に関わらず平等に考慮されなければならない。

ね? LGBTQは入っていませんよね?

法的に性的指向による差別が禁止されたのは、およそ20年前、1997年にケベック州で性的指向による差別が禁止されたのが最初です。

これは、人種、宗教等、差別を禁止する項目の中に、性的指向が組み入れられたというものです。

 同性婚が合法化

その後、2003年にブリティッシュコロンビア州とオンタリオ州で同性婚が認められました

そして、2005年にはカナダ全国で同性婚が合法になりました。

同性カップルの権利

同性カップルは異性カップルと同様の配偶者としての権利が認められます。

同性カップルに認められること

  • パートナーが入院した時に配偶者として付き添うこと
  • 共同名義で銀行口座を作ったり、納税したりすること
  • 養子縁組すること
  • ファミリークラスでカナダ永住権を申請すること など

どれも、異性カップルに当たり前に認められていることですよね。

ですが、その当たり前が認められたのは、比較的最近のことなのです。

 パスポートに性別「x」を選択可能

LGBTQに配慮して、カナダではパスポートの性別欄に「第3の性」を意味する「x(エックス)」を選ぶことが2017年8月から可能になりました。

そして、この措置の導入に際し、アフメド・フッセン(Ahmed Hussen)移民・難民・市民権相は、このようにコメントしたのです。

アフメド・フッセンの言葉

パスポートの性別欄に「X」を導入することにより、われわれは性自認や性表現を問わず、全てのカナダ国民に平等を推進するという重要な一歩を踏み出した。

これってすごいことだと思いませんか?

「男性か女性の性別を選ばなければならないこと」の苦痛に共感することは、その当事者にならないと難しいです。

それなのに共感をして、それを実際に制度にまで反映させるところにカナダ社会の懐の深さを感じます。

 カナダ首相が涙の謝罪

今でこそLGBTQに理解の深いカナダも、昔は政府による差別、抑圧がありました

カナダ政府は1950年台以降、同性愛者を公職から追放したり、同性間の性交渉を犯罪として、同性愛者を逮捕してきたのです。

こうした、カナダ政府が同性愛者に対して行っていた抑圧と差別に対して、2017年11月28日に、ジャスティン・トルドー首相がカナダ下院で、涙を流しながら公式に謝罪しました。

スピーチの一部を和訳しますね(太字は私によるもの)。

全ての年齢のカナダの、世界中のLGBTQ2のコミュニティの皆さん、あなたは愛されています。

そして私たちはあなたをサポートします。

(中略)

レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クウィアーそして2スピリットの皆さん、あなた方が受けていた抑圧に対して、私たちは謝罪します

政府を、議会を、国民を代表して謝罪します。私たちは間違っていました。お詫びします。この過ちが二度と起こらないことを約束します。

トルドー首相のスピーチより引用しました

子どもたちへの呼びかけがあるのですが、その部分で、トルドー首相は涙を拭っています

その部分や、スピーチが終わった後に、議場全体が総立ちで拍手をしました。

Embed from Getty Images

私はスピーチ冒頭の「想像してみてください」という部分に胸を打たれました。

LGBTQの人の気持ちは、自分自身が同じ立場に立たないと理解できないかもしれませんが、自分のこととして想像することはできます

差別や偏見に苦しんでいるLGBTQの方の気持ちを想像してみることが、平等な社会への第一歩なのかも知れません。

バンクーバーのプライドパレード

そんなトルドー首相は、カナダ各地で開催されるプライドパレードにも参加します。

 

では、バンクーバーのLGBTQの祭典「プライドパレード」についてご紹介します。

バンクーバーのプライドパレードは40周年!

バンクーバーのプライドパレードは、2018年に40周年を迎えました。パレードを含む一週間は、「プライド・ウィーク」として、町中にプライドのシンボルであるレインボーカラーがあふれます。

Pride Sign

地下鉄駅の携帯電話会社の広告

いよいよパレード開始

いよいよパレード開始です。合言葉は「ハッピー・プライド!」パレード参加者も沿道の観客も、ハイタッチしたりハグしたりして楽しんで、自然と笑顔になります。

Smile Pride Parade

小旗やうちわ、フェイスプリントのシールなど、色々なものを配りながらパレードします。

トルドー首相登場!

トルドー首相が今年のパレードに来てくれました!

トルドー首相登場

トルドー首相登場!みんな大興奮です。

Photo by Atsuko McNeill /LifeVancouver

みんなに手を振るトルドー首相

様々なコスチューム

参加者は様々なコスチュームを着てパレードに参加します。

ドラッグクィーン

ドラッグクイーンが投げキッス💛

 

女王様? 魔法使い?

女王様?魔法使いかな?

 

 

悪魔? オオカミ?

フレンドリーでハイテンションなオオカミ

ハッピー・プライド!

みんなニコニコ、ハッピー・プライド!

フレディ・マーキュリーのコスプレ

フレディ・マーキュリーのコスプレ登場!お決まりのポーズでサービスしてくれました

様々な団体

バンクーバーの様々な企業や、消防署などの公的機関がパレードに参加しています。

パレードでダンス

地元のラジオ局のフロート。ノリノリで文字通り揺れながらパレードしてました

消防署のフロート

消防署からもパレードに参加。水鉄砲で沿道に水を掛けながら進みます。水を掛けられた観客も大喜び

 

フリーハグ

フリーハグもやってます

ダンスなどパフォーマンスも

楽しく、ゆる~くパレードをする団体もあれば、この日のために練習してきたと思われる団体もあります。

ダンス、ローラーブレードなど、趣向を凝らしたパフォーマンスも楽しいです。

ダンスパフォーマンス

キレのあるダンス。半裸のダンサーの足元はローラーブレード!

ダンスパフォーマンス

ダンスパフォーマンスの前に、並んでごあいさつ

ダンスパフォーマンス

ダンスをしながらも、観客に手を振ったりハイタッチをしたりと、サービス満点

まとめ

いかがでしたか?LGBTQに寛容なカナダ、そしてありのままの自分を表現して目いっぱい楽しむプライドパレードの雰囲気が伝わったでしょうか。

プライドパレードは、誰もが自分らしく人生を楽しむことができる、というカナダのすばらしさを感じることができるイベントです。

元気がもらえる、ハッピーなイベントなので、ぜひバンクーバーに来て体験してみてください!

pride parade

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