LMIAについて

LMIA

カナダで働くためには「就労ビザ」が必要です。

そしてその「就労ビザ」を取るための、最大の関門といってもよい、面倒くさい手続きを「LMIA」といいます。

今回はそんな就労ビザ申請の前段階の手続き「LMIA」に関する疑問を徹底的に専門家が解説いたします。

LMIAってなに?

カナダの就労ビザを取るためには、LMIAという審査をクリアする必要があります。

「LMIA」とは「Labor Market Impact Assessment」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すとこんな意味になります。

(外国人を雇うことが)雇用市場への悪影響を与えないかの審査

すみません。なんだか余計に難しくなりましたね。

なんでLMIAが必要なの?

基本的にどの国においても、就労ビザを取得するのは難しいです。なぜなら、仕事の数には上限があるから。

本来、カナダ人が雇用されるはずであった仕事に1人の日本人が就いたとすればどうなるでしょうか?

もちろんですが、カナダ人1人分の仕事が1つ減ることを意味します。

日本人を一人雇用するとカナダ人の雇用が1つ減る

カナダ政府は、国民の失業率を上げてまでして外国人を雇うことを嫌うでしょう。

日本人とカナダ人の2人がいて、仮に2人がまったく同じスキルを持っている人材なら、カナダ人を雇うはずですよね?

その日本人を雇うことが、どうしても不可欠だと証明するものが「LMIA」というわけです。

カナダの就労ビザに必要な条件

というわけで、カナダで就労ビザを取得する際にLMIAが必要なのですが、そのLMIAを含めて

日本人がカナダで就労ビザを取得する際に必要な条件をご説明します。

就労ビザ取得に必要な条件

  1. 適切な職種でジョブオファー(採用通知)をもらっているか?
  2. 雇用主にスポンサーになってもらえるか?
  3. その日本人の雇用が適正かどうか?
  4. 適正な「求人」が行われたか?

上記のうち、特に3と4の部分がLMIAで審査されます。

 適切な職種かどうか?

まずは、職種の適切さが問われます。

カナダ政府は、低賃金で低レベル(高い技術を必要としない)の雇用が外国人によって占められることを望んでいません。

それはなぜでしょうか? こちらの理由が挙げられます。

外国人が低レベルな雇用に就けない理由

  • 低賃金の外国人はカナダの経済への貢献が少ないから(厳しく言うと「役に立たない」)
  • カナダ人が社会人になってすぐに就ける雇用として「低レベルの雇用」を取っておきたいから(カナダ人の雇用優先)
  • 外国人が低賃金、劣悪な労働環境でこき使われることがないように配慮しているから

では、どのような職業が「適切な職種」なのでしょうか?

具体的には、「NOC(全国職業分類: National Occupation Classification)」というものの中で、一定レベル以上の専門性を有する職種である必要があります。

NOCって何?

NOCとはカナダの職業分類のことで、カナダの仕事は全てこのNOCのどれかに当てはまります。

NOCは職種(製造業、サービス業など)と専門性レベルで分類され、就労ビザの取得には基本的に専門性レベル「B」以上の職種が該当になります。

専門性レベル「B」とは、平たく言うと、「ヒラ社員のひとつ上」という程度の専門性です。

例えば、レストランのディッシュウォッシャー(皿洗い)は専門性レベルCですが、クック(調理師)になると、専門性レベルBになります。

就労ビザを取るには、基本的に専門性レベルB以上の職種でジョブオファー(採用通知・雇用契約書)をもらっていることが必要です。

ただし、下記のような場合は専門性レベルC以下の職種でも就労ビザが取れることがあります。

例外

  • 専門性レベルBの上位の職種がない場合
  • 田舎で労働力が不足している場合

「専門性レベルBの上位の職種がない」って言われてもよく分かりませんよね。

先ほど、NOCには、カナダの全ての職種が含まれていると書きました。通常は、専門性レベルがCやそれ以下の職種には、専門性レベルBの上位の職種が存在します。

しかし、なぜか時々、上位の職種がない場合があります。具体的には、ネイリスト、エステティシャン、介護士などです。

ネイリスト、エステティシャン等の職種はNOCでは、

「6562 Estheticians, electrologists and related occupations」に分類され、

介護士は、

「4412 Home support workers, housekeepers and related occupations」に分類されます。

しかし、これらの職種には専門性レベルBに当たる上位の職種がありません。そのためこれらの職種の場合は、専門性レベルCでもLMIAを申請して認められることがあります。

また、田舎で労働力が不足している場合、専門性レベルがC以下の職種でもLMIA申請が認められることがあります。

 スポンサーはいるか?

次に、スポンサーの有無です。

就労ビザのスポンサーが見つからなくて大変」のように耳にすることもありますが、就労ビザを取るためにはスポンサーが必要なのです。

スポンサーとは?

ここで言う「スポンサー」とは、ジョブオファー(採用通知)を出して、LMIAの手続きをしてくれる雇用主のことを指します。

そして、スポンサーを見つけることが「就労ビザ」を取得する上で、最大の関門だと言えるでしょう。

スポンサーになった雇用主は、LMIA申請費用の$1000を負担し、外国人を雇うことが適正かどうかの審査を受けなければなりません。

 その日本人の雇用が適正かどうか?

スポンサーは、その日本人を雇用することが適正なのかどうかを証明する必要があります。

本当に能力が高いのか、具体的にどういう仕事をするのか……など様々な要素が検証されます。

具体的には、雇用主が電話でインタビューを受けることになり、その日本人を雇うことの適正さについて確認されます

 適正な「求人」が行われたか?

カナダ国内の企業が外国人を雇う場合、カナダ人、カナダ移民に向けた求人を十分に行ったことをスポンサーが証明する必要があります。

その求人により選考をした結果、「どうしてもその外国人を雇うことに至った」ということを、カナダ政府に納得してもらわないといけません。

この求人広告を出す媒体、求人の期間、求人広告の内容について、様々な規定があります。

申請の際は、カナダ留学コンパスにご相談ください。有資格の移民コンサルタントが申請のお手伝いをします。

LMIAの種類

前の項目で書いた、就労ビザを取得するための条件をクリアしていることを証明するための審査がLMIAなのです。そして、LMIAにはいくつかの種類があります。

  • Low Wage LMIA(低賃金LMIA)
  • High Wage LMIA(高賃金LMIA)
  • Dual Intent LMIA(二つの目的のLMIA)

結論から先に言いますと、最後のDual Intent LMIA(二つの目的のLMIA)を申請するのが一番お勧めです。その理由も含め、LMIAの種類を解説します。

Low Wage LMIA(低賃金LMIA)

ジョブオファー(採用通知)に定められた時給が、州の時給中央値(州の労働者全員の時給を上から並べた時の、真ん中の人の時給。ブリティッシュコロンビア州の場合$23.00)を下回る場合、低賃金LMIAが適用されます。

LMIA申請の上限

低賃金LMIAを申請するには雇用主に対して申請数の上限が課せられます。具体的には、雇用主は全従業員数の10%を超える数のLMIA申請をすることができません。

High Wage LMIA(高賃金LMIA)

一方、ジョブオファー(採用通知)に定められた時給が、州の時給中央値を上回る場合、高賃金LMIAが適用されます。

LMIA申請の上限

高賃金LMIAには申請数の上限は定められていません。

Transition Plan(移行計画)

高賃金LMIAを申請する際、雇用主は外国人の雇用から、カナダ人、カナダ移民の雇用へ移行する計画を提出する必要があります。

Dual Intent LMIA(二つの目的のLMIA)

LMIAは、就労ビザを取るための他に、移民申請でより多くのポイントを得るために使われることもあります。そして、就労ビザと移民申請の両方の目的のために使えるのが、Dual Intent LMIA(二つの目的のLMIA)です。

LMIA申請の上限

二つの目的のLMIAの場合、ジョブオファーの時給の額に関わらず、申請数の上限は適用されません。

Transition Plan(移行計画)

二つの目的のLMIAの場合、ジョブオファーの時給の額に関わらず、移行計画の提出は必要ありません。

Dual Intent LMIA(二つの目的のLMIA)がおすすめ

いかがでしたか?二つの目的のLMIAが一番のおすすめである理由がお分かりいただけるのではないでしょうか?

また、二つの目的のLMIAは、取得する就労ビザの有効期間の面でもおすすめです。この点は後で詳しく説明します。

LMIAの申請方法

適正な求人広告

LMIAの申請をする前に、条件を満たす求人媒体で、カナダ人、カナダ移民向けに求人広告を出さなければいけません。

求人広告の期間

求人広告は、LMIAの申請をする前に最低1か月出す必要があり、LMIAの申請中も継続して広告を続ける必要があります。

LMIA申請

適切な求人広告を出して、選考を行った結果、外国人を雇うことを決めた場合、LMIAの申請に進みます。

LMIA申請に必要な書類

LMIA申請に必要な書類は、雇用主の業種、業歴、従業員の職種などによって異なりますので、詳しくはカナダ留学コンパスにご相談ください。有資格の移民コンサルタントが申請のお手伝いをします。

LMIAの審査

申請書類の審査がまず行われ、審査に通ると、雇用主への電話インタビューが行われます。

LMIAの申請費用

LMIAの審査費用は$1,000で、雇用主が負担することになっています。

LMIA承認レター

求人広告、申請書類、電話インタビューなどが審査され、適正だと認められると、LMIAの承認レターが届き、やっと就労ビザ申請に進むことができます。

カナダの就労ビザの申請方法

上記のLMIAの手続きを終えて、やっと就労ビザの申請に進むことになります。

就労ビザの申請は、こちらの2つのパターンがあります。

就労ビザ申請の2つのパターン

  1. オンラインでの申請が可能な場合
  2. カナダに入国した時に就労ビザが発行される場合(既にカナダにいる場合は、いったんカナダを出て再度入国)

そして、就労ビザ申請費用は$155がかかり、2018年12月31日以降には「バイオメトリクス」という新たな手続きが必要になります。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

カナダ就労ビザに必要な書類

申請に必要な書類も、オンラインで申請するかカナダ入国時に発行してもらうかで異なります。

 オンライン申請の場合

オンライン申請の場合は基本的には「LMIAの承認レター」があればオッケーです。

ほかには特に準備するのが難しい書類はありません。

 カナダ入国時に発行の場合

カナダ入国時に就労ビザを発行する場合は、審査官にその場で何を要求されるか分かりません。

そのため、多めに書類を持って行った方がいいです。

具体的には、こちらの3つを用意しておきましょう。

用意しておいた方がいい書類

  • LMIA承認レター
  • ジョブオファー(採用通知・雇用契約書)
  • その職種に就く能力があることの証明(資格の証書・学校の卒業証書・履歴書など)

ただし、申請の内容によっては他にも書類が必要な場合がありますので、詳しくは、カナダ留学コンパスにご相談ください。

カナダの就労ビザの申請期間

カナダ就労ビザの申請期間は、申請の方法(オンライン申請かカナダ入国時に発行か)によって異なります。

オンライン申請の場合は2か月程度、カナダ入国時に発行の場合はその場で就労ビザが発行されます。

掛かる費用は同じなので、カナダ入国時に発行の方が基本的にお勧めです。

ですが、入国時に審査官に事情を説明する必要が生じるため、難易度が上がります

申請時点でのビザの状況や英語力によっては、オンライン申請を選んだ方が良いです。

カナダの就労ビザにかかる費用

就労ビザを申請するためには、申請費用として$155がかかります。

さらに、先ほども書きましたが、雇用主がLMIA審査費用として$1,000を支払う必要があります。

かなりの金額を雇用主は、本人以上に負担することになるんですね。

カナダの就労ビザの有効期間

申請したLMIAの種類、職種や賃金等によって異なりますが、1年から2年の就労ビザが発行されます。

Low Wage LMIA(低賃金LMIA)の場合

通常、1年間の就労ビザが発行されます。

High Wage LMIA(高賃金LMIA)の場合

最大で2年間の就労ビザが発行されます。

Dual Intent LMIA(二つの目的のLMIA)の場合

最大で2年間の就労ビザが発行されます。

カナダの就労ビザの延長について

就労ビザは延長も可能です。

ただ、申請の方法は延長だから簡単になるということはなく、上記LMIAの手続きから全てをもう一度繰り返す必要があります。

まとめ

就労ビザを取るための前段の手続きとして「LMIA」という複雑な手続きが必要で、とても大変だということがお分かりいただけたと思います。

ですが、LMIAは外国人を排除するためのものではなく、カナダ人と外国人が共にカナダ経済に貢献できるように整えられた仕組みです。

手続きは複雑ではありますが、決して不可能ではありません。詳しくは、カナダ留学コンパスにご相談ください。

LMIA

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