こんにちは!カナダ留学コンパスの大西なつみです。
英語の語学留学を考えていらっしゃる方で、最近の選択肢として人気なのがフィリピン留学です。
フィリピンは治安が悪いとか、衛生面が……のようなウワサはよく耳にしますが、実際のところはどうなのでしょうか?
現在はカナダで住んでいる私ですが、実は3年以上の間、フィリピンの語学学校(セブ)で働いていました。
今回は、カナダ・フィリピンの両国に住んでいる経験から「カナダとフィリピンの違い」をリアルに紹介しますね。
このページの目次
日本からのカナダ・フィリピンへの距離の違い
まず、ここは一番大きい違いだと言えますが、大前提で場所が全然違うんですね。
日本からカナダへの距離
日本からカナダ・バンクーバーへは、飛行機で約9時間かかります。
日本とカナダの時差でいうと、16時間もあります。
正直、カナダに住んでいて、日本とやり取りをする際は、結構時間を気にする必要があるので大変です。
また距離もあるので、何かあってすぐに日本に帰りたい時もそう簡単に行けず、そこもデメリットの1つです。
日本からフィリピンへの距離
カナダに対して、フィリピンの場合は日本とすごく近いんですね。
カナダと比べ、半分の距離ですみ、時差も1時間しかありません。
セブに関しては、時差がないので、特に日本の方と時間を気にせず連絡することができます。
また短いフライトですので、帰ろうと思えば帰れる距離というイメージです。
カナダとフィリピンの気候の違い
そして、カナダとフィリピンの気候ですが、「真逆」です。
よく留学先を選ぶ中で、気候で選ぶ人もいらっしゃいます。こんな感じで。
「私は寒いのが苦手だから……」
「私は暑いのが苦手だから……」
正直なところ、よっぽど過酷な気候でない限り「慣れ」で何とでもなります。
カナダもフィリピンも、それぞれメリット、デメリットがあり、どちらも慣れてしまうと生活はしやすいものです。
そういうとこではなく、もっと本質的な「勉強面」で決めることをおススメします。
下では、もう少し詳しく気候を比べてみますね。
カナダ(バンクーバー)の気候
カナダに関しては、広大な国であるため、地域によって気候が全然違います。
バンクーバーの場合は、こちらのような気候です。
- 日本の北海道と同じ経度に位置し、気候もほぼ同じ
- 夏は最高気温が22度ほどで、湿度も低く過ごしやすい
- 6月~9月にかけては天気も良く、一番おススメの時期
- 寒さのピークは毎年12月、1月で雪はチラホラ降る程度
- 冬の時期には雨が多い
よく「カナダは寒い」というイメージを持たれますが、ここバンクーバーに関しては、東京の方が積雪日が多い年もあるほどです。
一番のデメリットですが日本よりも「雨が多い」ことです。
ただ、日本のように大雨というよりかは、シトシト雨という感じで、冬の時期は「雨季」と呼んでいて、1か月の内、半分くらいは雨です。
フィリピンの気候
フィリピンは南国であるため、一年を通して気温の変化がほとんどありません。
- 一年中「夏」
- 湿気も高く、ムシムシする暑さ
- スコールが多いが、雨上がりはカラっとしている
日差しの中では、外に立っていることができないくらい暑いです。
でも良い意味では、年がら年中「半袖」で生活できますよ。
最初の1週間は暑くて寝られないくらいなんですが、実際慣れてくると、全然問題なく過ごせます。
また、個人の意見ですが、日本の夏よりは「断然」過ごしやすいです。
カナダとフィリピンの経済の違い
カナダとフィリピンでは、国の経済、発展度合いももちろん違いますね。
ご存じの通り「カナダ=先進国」「フィリピン=発展途上国」です。
カナダは先進国
まず、カナダ(バンクーバー)は自然と街が一体化しています。
少し歩けば街中にも綺麗な公園がありますし、また30分ほどバスを走らせれば、下図のような山々もあります。
ビルがたくさん立ち並ぶエリアと、自然のエリアが融合しています。
平日は街中で学校に通い、休日は自然を満喫という生活を送ることができますね。
また、交通機関は発達していますし、なんでもそろうので、生活面は日本と全く変わりません。
特にバンクーバーの場合は、アジア系食材店、日本食屋さんがたくさんあるので、全く不自由なく生活することができます。
フィリピンは発展途上国
フィリピンは、少しおもしろいです。
セブの場合は「リゾートエリア」「都市エリア」「ローカルエリア」の3種が混合しています。
下記は、私が住んでいたセブの様子です。
こちらはリゾートエリアの写真。
セブはリゾート地として、世界中の観光客が集まります。
綺麗な海があることから、海辺にはたくさんのリゾートホテルが立ち並ぶのです。
そして都市エリア。
セブの中心地には、上の写真のようなビルがたくさん立ち並ぶエリアがあります。
そこはIT系や、またコールセンターなどが集まり、いつも賑わっています。
そして、ローカルエリア。
実は、全て1時間圏内にある光景なんです。
ただし、フィリピンは発展途上国ですので、日本でいう「スラム街」もいたるところにあります。
実際、ホテルで働いている一見すごく清潔なホテルマンでも、家はスラム街にあってそこから通勤しているというのが現状なんです。
つまり日本ではスラム街と呼んでいますが、実際は現地の人からすると普通の家なんです。
= 一般のフィリピン人家庭
ちなみに、フィリピンの一般家庭には、シャワーや洗濯機がありませんし、冷蔵庫がない家も普通にあります。
水は井戸まで汲みにいくお家も普通にあるんです。当時、私が働いていた語学学校の先生の8割が、そういう「スラム街」に住んでいます。
フィリピンの生活では、そんなリゾート地、都市エリア、ローカルエリアが混合していて、交通機関も電車はなく、バスかタクシー、またローカルな乗り物のみです。
日本と同じ生活水準を求める方は、絶対にカナダをオススメします。
ただし、フィリピンのような日本にない生活を求める方は、フィリピンは本当に刺激的な国と言えます。
カナダとフィリピンの治安の違い
さて、留学先で一番気になる情報の1つだと思われるのが治安でしょう。
治安に関しては、実際にお伝えしているWEBサイト、ブログは少ないと思います。
ここでは、私が実際に「見た」治安面をお伝えします。
カナダの治安
まず、カナダの治安ですが、率直に言うと日本と変わらないです。
アメリカと違って銃は法律で規制が厳しいため、日常で警察官以外が銃を持つということは通常はありえません。
もちろん、置き引きなどで気を付ける必要はありますが、日常的に盗難や暴行などを聞くことはないです。
カナダの治安についてはこちらもご参考に。
フィリピンの治安
次に、フィリピンの治安についてです。
フィリピンは一言でいうと「安全の保証が難しい国」です。
日本の外務省が出している「国別危険レベル」でいうと、フィリピン全土に何かしらの危険レベルがあります。
海外安全ホームページ: 危険・スポット・広域情報より引用しました。
語学留学によく行く、セブ、マニラは危険レベル1(十分注意)、ミンダナオ島などテロもよくある地域だと、危険レベル3(渡航中止勧告)です。
ちなみにカナダは危険レベルはありません。
ただし、フィリピンに「危険レベル」があると言っても、私が生活している中で毎日危険に脅かされるということはありませんでした。
しっかりと「危険な国」にいるという自覚を持ち、それなりに気を付けて行動していれば大丈夫です。
実際にわたしが3年間の間に見聞きしたこと、体験したことをまとめるとこんな感じです。
3年の滞在で見聞きした話
- 私がリュックを後ろに背負っていたら、誰かにカバンを開けられてた(早く気づき未遂に終わった)
- 近所で2回銃で射殺されたという現場を目撃した
- 置き引きにあった人がいた
- トランプ詐欺で20万円近く盗られた人がいた
- 睡眠強盗で財布内の現金やカードが全て取られた人がいた
あと、日本でも話題になりましたが、「銃で狙われる」ということがありえます。
恐ろしいことに、フィリピンでは、安く「殺し屋」が雇えてしまいますので……。
カナダとフィリピンの物価の違い
カナダとフィリピンの物価に関しては、大きく違います。
物価に関しては、いろいろ例外はありますが、全体的なイメージとして、こちらです。
カナダとフィリピンの治安
- カナダ …… 日本と同じ
- フィリピン …… 日本の3分の1ほど
カナダの物価
カナダについては、日本と物価はさほど変わりません。印象としては、全体的に日本の平均と同じくらいで「高め」ということです。
日本は安いものから高いものまで幅広くありますが、カナダでは「めちゃくちゃ安いもの」がなく、全部それなりの値段がします。
実例をあげると、日本でコーヒーを買う場合、コンビニに行けば、100円コーヒーが買え、味も十分美味しいです。
カナダですと、コーヒーは一般的に3~4ドル(250円~350円)は最低かかり、100円でちゃんとしたコーヒーを買えることがありません。
また、一番大きい部分として「税金とチップ」があります。
税金は、社会福祉制度がしっかりしている分、高いです。物を買った場合12%の税金がつきます。
食事をした場合はチップ制度もあり、だいたい15~25%が必要です。
仮に、1万円(100ドル)の食事をした場合「$100 + 税12% + チップ15% = $128.08」
つまり、約130ドルになるんですね。ここカナダでは、このチップで相当、金額が変わるので要注意です。
フィリピンの物価
続いて、フィリピンの物価に関してですが、本当に、本当に物価が安いです!
レストランに行った際に、安いものだと1皿100ペソ(220円)~150ペソ(330円)です。
たった500円もあれば、豪華な食事でお腹いっぱい食べることができます。
ちなみにこちらは、ジョリビーと言って、フィリピンで有名なファーストフード店のメニューですが……
日本でいう「マクドナルド」ですが、100円台で食べられちゃいます。
ちなみに、フィリピンでも例外的に日本よりも高いものがあります。
それが、こちらの2つです。
フィリピンで高いもの
- 電気代 …… 日本の2.5倍
- ホテルの宿泊費 …… 1泊2~3万円
暑いのでクーラーをつけたいのに、電気代が高い! 節約の為に汗をかきながら寝たのを覚えています。
語学学校の場合、電気代に関しては、一定量を超えた場合は追加料金を払う制度をとる学校もありました(月で5,000円ほど追加で払う人もいます)。
そして、ホテルの宿泊費はというと、セブの場合、特に外国人向けのリゾート地ですので、値段設定が観光客価格なんですね。
もちろんフィリピンですので、高級ホテルでもシャワーのお湯が出なかったり、トイレの水が流れなかったり……ということはよく起こります。
カナダとフィリピンの食事の違い
カナダとフィリピンの食事面に関しては、正直なところ相当違いがあります。
ここでは、実際に私が食べていた食事をご紹介しますね。
カナダの食事
カナダの食事は、日本とほぼ同じ質のものが食べられます。もちろん、日本と完全に同じ味かと言われるとそうではありませんが。
ビーガンの人が日本と比べて多い欧米では、オーガニックのお店も多いです。
さらに、バンクーバー近辺はアジア系の移民の方が多い(リッチモンドは中国人の人口が50%)ので、アジア系の食材店がたくさんあります。
特に有名な食材店は、台湾系の「T & T」、また韓国系の「H Mart」です。
ここでは、日本でよく売っているような野菜から調味料までほぼ全て揃います。
私はよく、ここでカレーのルーや、インスタントラーメンなどを買ってしまいます(笑)。
タケノコやマイタケやなんかも売ってますし、もちろん日本のお米もあります。
こういったアジア食材店が普通にあるので、日本食が恋しくなることは全くありません。
また、びっくりするくらい、そこらじゅうにお寿司屋さんとラーメン屋さんがあります!
実は北米では、日本食(特にお寿司やラーメン)が大人気なんですね。
ちなみにお寿司屋さんに関しては、8割が韓国や中国の方が経営しています。
最初は日本人としてちょっと...と抵抗があり、味に関しては日本と違いはありますが、「欧米バージョンの寿司」と思えば、全く問題なく、普通に美味しいです。
フィリピンの食事
フィリピンの場合は、最初に伝えておきますが、日本との質の差に愕然とします。
まず、水道水は衛生上まったく飲めないです。
東南アジアあるあるですが、最初の1カ月は水の不衛生さから、お腹を下す人がほとんどです。
そして、一般的なフィリピン人は野菜をほとんど食べないんです。文化的なところがありますが、現地の方の食事はこんな感じです。
通常は「米 × 肉」です。
前提として南国の島ですので、四季もなく良い野菜が育たないんですね。
途上国ということもあり、保存システムもしっかりしていません。せっかく新鮮な野菜を育てても、スーパーに並ぶころには、ヘナヘナです。
お肉も固く、ジューシーではないです。お米も、タイ米のようなパサパサしたお米で、ホカホカした美味しいお米は食べられません。
日本のお米しか食べれないという方は、フィリピンは要注意です!
「フィリピンで新鮮な食事は期待しない」、そこが前提としてお話しします。
こちらが実際に私が、当時フィリピンで食べていたご飯です。
味は普通に美味しく、全然食べられます。野菜はないですが……。
フィリピンの食事ですが、じつは外食だと全然美味しいんです。
特にセブの場合、観光地ということもあり、イタリアン、フレンチ、日本食などいろいろなお店があるんですね。
また、サラダ専門店なんてものあります。
外国人でも生活しやすい環境です。また、値段ももちろん高級そうなお店にいっても安い!
1皿400~500ペソ(880~1,100円ほど)で、お腹いっぱい食べることができます。
ちなみに、フィリピン留学の場合、ほぼ100%学生寮に滞在することになり、食事も3食提供されます。
ただ1点、フィリピンの食事で気を付けていただきたいことは、「語学学校によって違う」ということです。
ローカルのフィリピンフードをご紹介しましたが、実際に食べる機会はあまりないと思います。
日本と同じクオリティのものを出す学校もあれば、ローカルのフィリピンフードと同じような食事の学校もあり、学校がどこまで力を入れているかによって違いますので。
カナダとフィリピンの衛生
健康的な生活をする上で、衛生面はすごく大切ですね。
カナダとフィリピンのイメージとしては「カナダ=日本と同じ」、「フィリピン=悪い」という感じでしょうか?
ここでは、実際に現地で見てきた衛生面をお伝えします。
カナダの衛生
カナダは上記で述べたとおり、日本と全く同じ衛生面です。
どちらかというと、自然が近くにある、という意味では、日本よりも綺麗な気がします。
水道水は普通に飲めますし、北米ですのでオーガニック食品も多いです。
日本と違い、ゴミ箱がいたるところにあり、清掃員もいますので、道のごみは日本と同じか比較的少ないです。
寒い地域ですので、ゴキブリは全くいないです。
虫も日本より少ないですし、しいて言えば稀にネズミを見るくらいでしょうか...笑
特に衛生面で問題が発生することは、ほとんどありません。
フィリピンの衛生
フィリピンの場合は、発展途上国ということもあり、衛生面は最悪です。
街はゴミだらけ、家畜や野良犬、猫が多いので、そこいら中に糞が落ちています。
また、なんといっても、水の衛生状態が最悪です。
フィリピンは水が一切飲めません。うがいや歯磨きも飲み水で行うほどです。
水の影響で、最初の1カ月はほぼ全員がお腹を壊します...笑
また、基本的な市場はハエが飛び回っています。
みなさんはその実態を見たことがありませんので気づきませんが、どんな高級なレストランでも結局はハエがたくさん飛んでいる市場から野菜や果物を仕入れてきますので、それを食べているということです。
それに慣れる必要があるのが、フィリピンです。
また、深刻な病気も良くかかります。
- アメーバ菌でお腹を壊し1週間入院
- デング熱(蚊が媒体)を発症して1週間入院
- 犬にかまれ、狂犬病を発症
狂犬病は致死率100%の恐ろしい病です。
そういったことが起こりえるのが、フィリピンです。
あまり表では知られていませんが、アメーバ菌やデング熱での入院は普通に起こります。
フィリピンは衛生面でも発展途上国ということを、しっかり理解した上で渡航する必要があります。
カナダとフィリピンの人柄
カナダ人、フィリピン人の人柄・性格といえばどのように想像しますか?
イメージとしては、カナダ人は大らかで優しく、フィリピン人はホスピタリティにあふれる感じでしょうか。
人柄に関しては、少し主観になってしまいますが、私が感じたままにお伝えします。
カナダの人柄
カナダ人といえば、「紳士的でフレンドリー」、これだけは言えます。
また移民に本当に優しいです。
カナダの東側(ケベックやモントリオール)になると、フランスが公用語でヨーロッパの文化が根付いていますので、少し閉鎖的ではあります。
一方、トロントや西側のバンクーバーは移民の方がたくさんいますので、特に差別的な言動・行動を経験することはほとんどありません。
また、社会として年齢や国で人を判断しない文化がちゃんとありますので、日本人だからと言って、何か言われることはなく、どちらかというと日本人というと、良い待遇をされることがたくさんあります。
私は今まで、外で話しかけられ、「日本人がどんなに素晴らしいのか」を熱弁された経験が3回ほどあります笑
それくらい、日本人に対するイメージはすごく良いのかカナダです。
また「紳士的・フレンドリー」な国民性で、エスカレーターでは、まったく知らない人に「Have a good day!」とよく言われることがあります。
ドアの開け閉めでも、年齢・性別に関わらず、「気づいた方が開けて待っている」のが常識です。
日本とは違う人の温かさに、驚かされることがたくさんあります。
フィリピンの人柄
フィリピンはというと、とにかく「笑顔」が絶えない国民性です。
とにかく、どこにいても大声で話して、笑ってという国です。
学校でも、職場でも、お店でも、とにかくみんないつも笑っていて、こっちも楽しくなってきます。
東南アジアのイメージの、「陽気さ」という感じです。
ただ...この陽気さも時に仇となります。
- いつも適当
- 平気でウソをつく
- レイジー
この3つがフィリピン人の代表的なマイナスの要素ではないでしょうか。
とにかく、「適当」です。笑
頼んでもやっていなかったり、クオリティも低いです。
また、平気で悪気なくウソをつくので、道を尋ねても全然根拠もない答えが返ってきます。
最後に、とにかく「レイジーさ」があり、時間通りに物事が進まない、遅刻・欠席は当たり前です。
フィリピンでは、そういう部分を当たり前と思い、生活する必要があります。
マイナス要素をお伝えしましたが、フィリピン人は誰よりも「ホスピタリティ」にあふれています。
何かあれば他の人と楽しいことを「共有する」という文化がありますので、適当ながらも親切心で助けてくれることが多いです。
まとめ
カナダ、フィリピン両方で言えることですが、日本の当たり前が、現地では当たり前ではないです。
現地の考え方、文化を尊重した上で、生活すると特に問題も起こらず有意義に過ごすことができます。