働きながら学べる、仕事を探すうえで実践的な知識を学べる、など人気のコープ(CO-OP)ですが、想像できないことも多いと思います。
例えば、
- 実際の授業はどんな様子なのか
- どんなことを学ぶの?
- 課題や宿題は多いの?
- 授業についていけるか心配
そこで、みなさんの学校選びの参考になるように、様々な学校の体験授業を受けてきました。
私が実際に授業を体験して感じたことなどをお伝えしますね!
このページの目次
VIC Career Campus
今回、体験授業に参加した学校は「VIC Career Campus(ブイアイシーキャリアキャンパス)」です。
一般英語を学ぶSSLC(Sprott Shaw Language College)(姉妹校)と同じ校舎で語学学校(ESL)とカレッジの授業を行っています。
月曜日-金曜日 | 9:00-13:00 |
---|
とシンプルなスケジュールになっています。
キャリアアップの為のコースなので、クラスの後働きやすいように設計されています。
実際にほとんどの生徒が学業と仕事を両立させているそうですよ!
学んだことをすぐに仕事の場で実践でき、職場で学んだことをクラスでより深く理解できるようになっています。
カナダの職場で実際に経験したことをクラスメイトとシェアしてディスカッションしていけるので、視野も広がりますね!
SSLC(Sprott Shaw Language College)のアクティビティに参加することも可能ですよ!
今回はハロウィンが企画されていました!
学校の情報は下記をご覧ください。
参加したコース・クラスについて
今回体験した授業はこちらです。
参加コース | アドバンスカスタマーサービス 14か月 (Advanced Customer Service Professional Co-op Diploma) |
---|---|
コース期間 | 授業7か月+Co-op 7か月=計14か月 (入学日:毎月1回) |
参加クラス | コミュニケーション(Communications) |
授業形式 | 対面/オンライン形式 |
体験した日 | 2021年10月22日(金) 9:00-10:45 |
コロナの影響でオンライン授業と対面授業が併用されています。
対面で授業を受けている生徒も含め、クラス全員がZoomにも参加します。
2021年11月末から全面対面授業再開予定だそうです!
実際にクラスメイトと顔を合わせられるのは嬉しいですね!!
なお、今回はクラス前半のみ体験させていただきましたが、全体では9:00-13:00(4時間)のクラスです。
コロナ対策としては、校内マスク着用、消毒などの対策が取られていました。
それではそれぞれを詳しくお話ししていきますね。
コースについて(アドバンスカスタマーサービスコース)
VIC Career Campus で今回体験してきたのはこちらの2つのコース
- アドバンスカスタマーサービス 14か月
(Advanced Customer Service Professional Co-op Diploma) - アドバンスビジネスプラクティカム 12か月
(Advanced Global Business Expertise Co-op Diploma)
今回はこの中の「アドバンスカスタマーサービス」コースについてお伝えします!
クラスについて
(コミュニケーション)
受講したのは「コミュニケーション(Communications)」クラス。
カスタマーサービスの基本であるコミュニケーションについて学びます。
日本とカナダではコミュニケーションの仕方や重要視されることも変わってきます。
カナダだけではなく世界の事例をもとに考えていくので、国際的な視点を学べますよ。
どこに行っても基本となるコミュニケーション。
カスタマーサービスだけではなくどんな職種にも必要な能力です。
今すぐに役立つスキルが身につくはずです。
使用した教科書はこちら。
人数と国籍バランス
私が参加したクラスの人数と国籍バランスは下記で、全員で15人でした。
- 日本人:11人
- その他アジア系の方:2人
- その他の地域の方:2人
今回のクラスでは日本人比率がかなり高かったです。
年齢もかなり若めで皆さん20代前後、中には10代の方もいらっしゃいました。
先生によると時期やクラスによって全然違うそうで、本当に色々だとおっしゃっていました。
注意事項
学校のパンフレットなどで、国籍比率や年齢層など情報があるかもしれませんが、コロナウイルス拡大の関係で人数の変動や、国籍の偏りがある場合があるのでご了承ください。写真は新型コロナウイルスの流行禍のものになります。
また授業スケジュールなどは記事作成時のもので、変更になる可能性もございます。
生徒の様子
生徒さんはリラックスした雰囲気でした。
ただカレッジなので、ESLのように生徒がランダムに喋るという感じはなく、落ち着いた印象でした。
実際の授業の流れ
最初に先生がアイスブレイクとして少し話します。
その後クイズなどのペアワーク(ペアでテーマについて話し合った後クラス全体で回答を共有)を挟みながらのレクチャー形式(大学の講義のように先生の講義を聞く形)で授業が進んでいきました。
講義
本日のテーマは大きく分けて2つ。
ジェンダー不平等(男女格差)問題とバイアス(「偏見」や「先入観」)がビジネスに与えるネガティブな影響についてです。
まずはジェンダー問題から。
先生がビジネスの場で具体的にはどんな例があるかを生徒に投げかけます。
「賃金格差」「ハラスメント」「雇用機会の喪失」などの回答が生徒から出ます。
その後インターネット上のジェンダー不平等に関するクイズサイトを使ってクラス全体で考えていきます。
「現在世界193か国のうち、国のトップ(首相や大統領など)に立っている女性は何人?」
生徒がそれぞれ予想の数を言っていきます。
正解は21人でした。
男性が172人を占めています。
まだまだ少ないですね。
はじめは静かめだったクラスですが、30分ほどクイズを受けるうちに皆さんワイワイとリラックスしていきました。
次にバイアスについて。
特にアンコンシャス・バイアス(無意識バイアス:無意識のうちに思い込んで差別してしまいがちなこと)について考えていきます。
先生の簡単な説明の後、職場で起こりうるバイアスについてのビデオを見て、クラス全体でビジネスに与える悪影響について考えます。
従業員が辞めてしまうなどの職場環境への悪影響、顧客に不愉快な体験をさせてしまう、さらにそれが悪い評判・レビューに繋がる、などの問題が起こりえますね。
誰もが無意識にバイアスを持っている可能性があります。
サービスを提供する側として、ゲストにバイアスを持たないように気を付ける必要があります。
さらに理解を深めるため、実際に起こったスターバックスの事例を見ていきます。
黒人の男性2人が店内飲食していたところ、店員に通報され逮捕されてしまいました。
その場にいた人々も「その人たちはただ食事していただけ」「間違ったことは何もしていない、誤解だ」と警官に抗議しますが無駄でした。
肌の色から「悪い人に違いない」という無意識バイアスが働いた結果です。
この事件を不当に感じた人々がビデオを投稿するなど波紋が広がり、大きな騒動になります。
様々なメディアにニュースとして取り上げられ、デモも起こりました。
スターバックスは公式に謝罪し、全店舗を占めて従業員にトレーニングをするなどの対応をすることになります。
1人の従業員が取った対応が、全国/世界中に企業の悪評を広げ、大損害を与えることになりえるのですね。
小さな企業ならば潰れる可能性も十分にあります。
損害賠償を請求される場合もあるでしょう。
無意識のうちにバイアスを持っているかもしれないと自覚することはサービスを提供する上で非常に大切です。
さらに理解を深めるため、もし自分だったらどうするかペアで考えていきます。
「客としてその光景に遭遇したら何か言う/行動するか」「消費者として、事件後その店/他のスターバックスにまた行きたいか」「自分が逮捕されそうになったらどう対処する」かなど。
ちなみに先生は、逮捕されそうになったら多分泣いて説明するそうです(笑)
様々な立場になって考えることで自分の行動が及ぼす結果について客観的にとらえることが出来ますね。
ジェンダーや肌の色について、日本では考える機会が少ないと思いますが、北米ではとても身近な問題です。
カナダは人権に関する意識がとても高くまた、様々な国籍/アイデンティティの人が住んでいます。
普段から自分の発言や行動が不愉快な思いを与える可能性について意識しておく必要があります。
ビジネスの場では特に大きな問題につながる可能性があるので、これらの問題について知っておけるのはありがたいですね。
今回の授業体験はここまででしたが、クラスの後半ではボディランゲージについての授業と小テスト、期末の課題準備が予定されていました。
宿題・テスト
予習として次の日の分の教科書を読んでおくこと、ケーススタディ(実際の事例についての記事)がある場合は自分の意見をまとめておくことが宿題です。
授業内で小テストが3回あります。
30問、20-30分程度で、正誤/選択式/短文記述が含まれます。
期末課題としてプレゼンテーションとレポート提出があります。
今回の課題は「これから仕事を始める人に向けたアドバイスビデオを作る(プレゼンテーション)」ことと「ノンバーバルコミュニケーション(言語以外のコミュニケーション)について(レポート)でした。
YouTubeに載せるようなビデオを作るそうですよ。
楽しそうですね!
プレゼンテーションではビデオの内容だけではなく話し方や声のトーン、身振り、発音などの項目も採点されます。
スピーキングスキルが伸ばせますね!
まとめ
今回は、「VIC Career Campus(ブイアイシーキャリアキャンパス)」という学校のアドバンスカスタマーサービスコースの授業を体験しました。
ペアワークやクラスに自分の意見をシェアする機会が多く、比較的アウトプットが多いと感じました。
専門的に理論をたくさん学ぶというよりは、身近な話題として、自分のこととして考えること、スピーキングを伸ばすことが重視されています。
スケジュールも13時までですし課題も多くないので、最大限働きながら学びたい方におすすめです。
同じ「カスタマーサービス系」でも、それぞれの学校によってテキストや授業の進め方など異なりますし、テストの頻度や宿題の量だって違います。
ぜひ、みなさんの学校・コース選びの参考にしてみてくださいね!
学校公式サイト(ページは全て英語です)