留学と就職‐北米式の就職活動について知ろう‐

ワーキングホリデーだけでなく、コープ留学・公立カレッジやカナダの大学進学をされる方も非常に増え、カナダでの就職を考える方がますます増えて来ました。

カナダでの就職から移民に繋げたい方、もしくは、ワーホリでの経験、コープでのインターンシップ、カナダ現地での就労経験を日本での就職(再就職)に役立てたいと思っている方も多いでしょう。

本日は、北米式(カナダ)の就職活動についてご案内します。

実は、このようなカナダ式の就職活動について知ることは、実は、日本の就職にも活きてくるのです。

はじめに

カナダで働くには?

外国人の皆さんに知っておいてもらいたいのは、カナダで働くためには就労ビザが必要で、その就労ビザを得ることが最初のステップです。

まず就職を決めて、雇用主からワークビザをサポートしてもらう、という方法もあることにはありますが、雇用主からしてみれば、まだ仕事も見ていないうちからお金と時間をかけてのビザサポートをするのはかなりの手間です。

であれば、既にビザを持っている人を雇った方が早い、と考えるのが自然です。

まずは、就労するためのビザを確保するのも、実はカナダでの就職活動の一歩と言えます。

18歳から30歳までの方であれば、1年の現地で働けるビザが取れ、仕事をしたり、学校に行ったり、観光したりとかなり自由度の高いワーキングホリデービザが主流です。

ただ、このコロナ禍でワーキングホリデービザの発給がスローになったり、ジョブオファー(企業からお仕事の条件や内容などを提示してポジションをオファーするもの、またはその書類)を得ていないと発給されないなど様々な規制が入りました。

ジョブオファーの条件は撤廃されたものの、21年度枠は既に申請が終了していて、22年度1月現在では、22年度枠の発表待ちです。

このような状況下でしたので、2020-21年に非常に多くの方が申し込んだのがコーププログラム(それに付随する就労ビザ)です。

休学留学をする大学生の方、そして、転職を考える既卒の方まで幅広く人気が出ました。

より長く就労ビザを確保したい場合は、公立カレッジや大学進学です。

これらの方々は、実際に企業で働くことで単位を得られるCo-opタームがあったり、また、卒業後には1~3年のPost Graduation Work Permitも出ます。

こういった働けるビザを確保したら、次は就職活動です。

カナダ人はどのような就職活動を行うのでしょうか?

北米式の就職活動

大学(University)は学問へ、就職重視ならカレッジへ

日本は、大学(University)と名前のつく教育機関は、国公立で180、私立で615以上もあるそうですが(※2020年データ)、カナダは国公立が97、そして私立は19しかありません。

そして、日本のような入試で一発逆転という道はなく、高校の成績(と、ボランティアなどの校外活動)で合否が決まります。

いわゆる上位の難関大学に至っては、高校の足切り成績が80~90%(つまり5段階で平均4以上が最低ライン)ですので、成績次第では出願自体ができません。

高校の成績が低い場合、カレッジなどを経由して再度大学編入のチャンスはあるものの、成績は常について回ります。

「とりあえず大学くらいは出ておかないと」という考えが一般的で、成績が低くても入ることのできる大学の選択が豊富という日本とは全く異なり、高校卒業の時点でアカデミック(学問)が弱いのであれば早々に学問以外の進路を模索することになります。

高校生の早い段階で、ある程度、将来のキャリア像のようなものは考えておく必要があるのがカナダでは一般的です。

大学を出たからより優先的に仕事がある、というようなことはありませんし、日本のように、大学を出る段階でよーいドンと就活が始まるわけではありません。

後述しますが、ライバルは同級生だけではなく全ての求職者です。

就職活動は大学1年生から始まる

カナダの大学は、9月の秋セメスターに開始し、冬のセメスターが1月から開始して4月に1年のサイクルが終わります。

4-8月までの4ヶ月間は夏休みです。ボランティアをしたり、旅行を楽しんだりする大学生もいますが、多くの大学生はサマージョブと呼ばれる仕事を探します。

4ヶ月とまとまった期間、しかも毎日働けるわけですから、企業側も学生向けに求人を出したりします。

そのサマージョブでは、また来年も同じポジション・仕事の応募を優先的に声をかけてもらえることを目指し、コネクション作りにはげむ方も多いようです。

カナダには新卒一括採用という考え方がありません。

そのため、求職活動では、既卒者と同じ土俵にいきなり上がらなければなりません。

もちろん競争率は激しく、仕事が見つからないまま、卒業後カフェでのアルバイトや皿洗いを続けることも珍しくありません。

ですから、大学の在学中にサマージョブで得た人脈や実務経験は何よりの武器になります。

また、大学側も、卒業生が就職できるようネットワークイベント、企業の方を招いたワークショップを主催しますので、積極的に出かけて行って、コネクション作りを行うのが一般的です。

在学中の就労/Co-op(就労体験)であっても、時給で$20(日本円で1800円ほど)以上を得ることもあり、ただのアルバイトという位置づけではないことが特徴です。

Co-op・インターンは熾烈なポジション争いの場

日本でも大学生向けにインターン制度が広まって来ていますが、現時点では北米式とはかなり異なるようです。

多くの企業が、選考の一部で数日の短期間で行い、また、特にBtoC型の企業では、大学生(求職者)はお客様の延長の扱いですから、厳しいことはあまり言わず、企業説明会の一貫、またはマッチングを見る機会のような位置づけになっていることもあるようです。

参考

※BtoCとは、Business to Consumer。
対企業(Business)ではなく、消費者である個人向けのサービスを提供する企業のことです。

そのためか、日本人の方がCo-opタームなどで現地カナダでお仕事を探す際、どうしても、「仕事を教えてもらう場所」というように受け身になりがちです。

新卒一括採用がないカナダでは、Co-op/インターンなどでまず自分の人となりや仕事ぶりを見てもらって、本採用に繋げなければそこで終わってしまいます。

カナダの就職で言うCo-opは、職場体験のような位置づけではなく、実際の就職に近いものです。

他の多くの留学生、特にはカナダ人学生と比べて、あなたがこの仕事にふさわしい、ということを、面接やレジュメ(英文履歴書)で証明しなければお仕事を得ることができません。

インターン先探しは、就職だと心得ておきましょう。

また、日本ではいわゆるコネというと、偉い人の子供だったり、取引先からの紹介で採用してもらう、というような印象が強いため、敬遠されがちですが、カナダの場合、コネクションで採用まで行くことはまずありません。

レジュメを見てもらう・面接までこぎつけるために人脈(コネクション)を使い、その後採用されるかは本人次第です。

企業の方も、人が足りなくなってから募集するのではなく、紹介も含めて良い人が応募してくれば検討する、ということも多いです。

エントリージョブという考え方

コープやサマージョブで得る仕事は多くの場合、それほどスキルや経験がなくてもできる仕事ですが、これらを英語ではentry level jobと呼びます。

つまり、その業界への入り口段階のお仕事ということですね。

日本であれば、新入社員で1年目は先輩についていくだけ、トレーニングや研修で色々教えてもらいながら実地経験を積み、2年目から段々責任ある仕事を任せてもらう、というように段階を踏んで行き、その先には、配置転換・昇進などがありますよね。

カナダは、そういった配置転換の制度はありません。

エントリーポジションで雇用されたら、就く仕事はエントリージョブです。給料もそのポジションに見合うものです。

何年頑張っても、通常、そこから例えば、マネジメントに抜擢されることはありませんし、年収のジャンプアップもありません

例えば、カナダの銀行の窓口には、まだまだ若い真新しいスーツを着たクラーク(行員)が並び、くるくると新しい人に替わります。

この方たちは、将来的には融資担当をやりたい、ビジネス担当をやりたい、マネジメントになりたい、という目標があり、別途、それに関する資格を勉強するなどしています。

1つの銀行で勤めあげるのではなく、エントリーでCIBC、そして数年の経験を経て、TDカナダのスーパーバイザーのポジションに応募して、その後、より条件の良いScotia Bankに移り、最後にまたCIBCの別のポジションに応募して戻って来る、なんてことも非常に一般的です。

※CIBC・TD・Scotia Bankはカナダの5大銀行です。

キャリアアップは自分でするもので、頑張っていれば上司・会社が認めて引き上げてくれる、という考え方はありません。

人脈のない所に仕事はない

カナダの就職では非常に重要なリファレンス。

ぜひ別記事も参考にして頂きたいですが、あなたの人となりや仕事ぶりについて推薦してくれる人のことで、カナダでは転職でこのリファレンスを求められることは非常に一般的です。

カナダ人は条件次第で気軽に仕事を移るので、仕事や会社に対してドライだと思っている方も多いのですが、実は、転職における人間関係は日本よりも重要です。

転職先の上司が、元の上司に照会することは採用ステップの1つですし、30代などある程度の年齢になってくると複数名のリファレンスを求められることもあります。

転職理由を濁して会社を辞める、退職時に上司や人事に不満をぶちまけるなんてことは、後でバレてしまうか、リファレンスを頼めないという羽目になるため、カナダではまずありえません。

キャリアデザインは自分

カナダにもいわゆる転職エージェント・リクルートメントエージェンシーはあります。

日本もそうですが、転職エージェントは、成約したらその方の給料の●%をコミッションとして受け取るというビジネスです。

そのため、転職エージェントにキャリアを丸投げするようなことはカナダ人はまずしません。

自分が一番高く売れるように、キャリアを考えて、必要な場合は、学校に戻るなどするのも自分の選択として行います。

また、そのような選択肢の1つとして、大学やカレッジに30代・40代となってから戻ることも多くあります。

前項でEntry level jobという考え方を紹介しましたが、30代・40代になっても新たに学校に行き直し、キャリアチェンジ・セカンドジョブを目指す方は多いのです。

転職が容易な分、自分がしっかり主導権を持っていないとずっと収入やスキルレベルが高くないエントリージョブをウロウロすることになってしまいます。

特に移民を希望している方の場合、エントリージョブを何年も続けていても、移民に必要なスコアに達しないこともあります。

戦略的に自分のキャリアを考えてください。

本人が変えることのできない属性を聞くのは違法

カナダの就職面接では、以下のようなことを聞くのは違法です。

また、これらの属性を理由として不合格とするなどは差別にあたるためできません。

求人情報内で採用予定年齢を指定したり、面接で女性に妊娠の予定について聞くなどもタブーです。

  • 人種
  • 宗教
  • 年齢
  • 性別
  • 婚姻ステータス
  • 障害の有無について

カナダにはそもそも、「履歴書」の画一的なフォーマットはありません。(いわゆる日本のような、空欄を埋めるタイプのものがない、という意味です。)

日本の履歴書では当然のように枠がある、男女・生年月日・婚姻状況・扶養の有無について、求職者は記載の義務すらありません。

キャリアチェンジも一般的となると、同じポジションに年齢層バックグラウンドも異なる人が応募してくるのも当たり前です。

レジュメ(英文履歴書)は、そういった属性を全て省いた自分のプレゼンテーション資料ですから、フォント・デザイン・レイアウト全て、オリジナリティーを出して、少しでも人事担当者の目につくやすく、魅力的に見えるように作ります。

レジュメ作成や、LinkedIn(※仕事探し用SNS)のプロフィール作りには、有料のプロフェッショナルサービスもあるくらいです。

最後に

カナダで失敗しない就職準備

いかがでしょうか。随分違うと感じた方が多いのではないでしょうか?

こういった慣習のあるカナダでの就職ですが、多くの日本人はこういったことを知らずにインターンや就職を探します。

そのため、仕事がなかなか見つからない、面接まで辿り着けない、面接でアピールしきれないまま終わってしまう、ということが起きます。

失敗した原因を探ってみると、

  • ネットワーキングイベントなどには出ず、オンラインの求人に応募することが就職活動だと思っていた
  • 誤字・脱字が多い、テンプレを埋めただけのレジュメを使っている
  • 企業から選んでもらうものだと考えて受け身になっている
  • リファレンスが書いていない、または内容が薄い
    ※テンプレなどからコピペして、available upon request(リクエストがあれば対応します)とだけ書いているのもあまり見た目はよくありません。

というように、雇う側からすれば、就職活動の基本ができていないと感じるような就職準備であることも多いです。

ビザ・英語力・過去の就労経験により得られる仕事は幅がありますが、まずはカナダ人がどのように仕事を探すのかを知っておくことによって、スムーズな就職活動をすることができるのではないでしょうか。

日本でのキャリア構築の下準備

こんなに詳しく知ってどうするの?と思った方もいるかもしれません。

ただ、例えば男女平等、成果主義、年俸制、このような考え方は元々日本の雇用にはありませんでした。

男女雇用機会均等法の制定が1985年ですから、ここ30年ほどの話です。

他にも、リモートワーク、インターンシップ、ジョブ型雇用というような雇用におけるシステム、そして、キャリアデザインやコーチングなどの雇用の考え方など、今では当たり前のように就職で語られるキーワードですが、これらもここ10年ほどの間に北米やヨーロッパなどから輸入した考え方です。

グローバル化に伴い、多くの日本人が海外駐在や、海外就労経験を通して海外の働き方を見て、日本に持って来たもの、これらが今の日本の就職マーケットを作っています。

新卒一括採用の見直しや働き方改革法案などここ数年、日本にも変化の波が訪れていますが、恐らく、ここに書いたようなカナダ式の雇用習慣は、全く同じでないまでも日本でも使われることがあるでしょう。

皆さんのこれからの社会人人生は、40年以上ありますから、少なくとも北米はこのような流れを取っている、と知ることはきっとこの先のキャリアを考えるにあたって役に立つでしょう。

まとめ

留学は大きな投資ですよね。

カナダ留学を検討している皆さんが、日本で、投資に見合った良い就職というリターンが得られるよう、カナダ留学コンパスではお手伝いしています。

シリーズでお話できたらと思いますので、また次回を楽しみにしておいてください。

 

 

 

 

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