留学生の現地サポートの一環として行っているカナダ留学コンパス無料セミナー。
英語、就職など、毎週様々なテーマで開催しています。
今回は「コープ(Co-op)ビザ」について。
「他のビザとの違い」から「空港でのビザ発行時の注意点」まで、「コープ(Co-op)ビザにまつわる疑問」を徹底解説いたしました!
コープ(Co-op)ビザの取得・切り替えを予定している方からの質問にも回答していただきましたよ♪
セミナーの模様をお届けします。
このページの目次
「移民コンサルタントに聞く!コープ(Co-op)ビザあれこれ」
人気の「コープ(Co-op)ビザ」についての疑問点や注意点を、専門家がお伝えしました。
スピーカーは移民コンサルタントのマリエさんです。
長年留学業界に関わり、約10年前にカナダの移民コンサルタントの資格を取得しました。
数多くのビザ相談を受けてきたベテランコンサルタントです。
トロントのエージェントで多くの留学生を見て来た海野めるもさんがインタビュアーです。
実際にビザに携わっている経験から、ビザ発行時のリアルな現状もお話しいただきましたよ。
なぜビザについて知る必要があるの?
ビザ申請をエージェントに依頼している方もいらっしゃると思います。
「自分で申請するならともかく、エージェントに任せておけばいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。
ですが「ビザ」は「その国での皆さんの滞在を許可するもの」です。
「ビザが必要なのに申請していない」
「ビザが切れたのに延長申請も帰国もせず滞在する」
どちらも不法滞在にあたる重罪です。
また、申請時にミスすることもありますよね。
空港で審査官からの質問が聞き取れず、適当に受け答えしてしまうこともあるかと思います。
その場合も「詐称(嘘をついている)」と判断されると、大変です。
ビザの取り消しはもちろん、強制送還や、今後数年間の入国禁止が課される可能性があります。
また、一度そのような処置を受けると、他の国のビザ取得や入国さえも困難になります。
短期の旅行ですら、「どこの国にも入国できない(海外旅行に行けなくなる)」という事態になりえるのです。
「ただの書類」と思われるかもしれませんが、ビザは非常に重要です。
このような最悪の事態を防ぐためにも、ご自身でしっかり理解する事をお勧めします。
カナダの「働くビザ」全般を理解しよう
コープビザは、働くことが出来るビザとして人気ですが、他にも選択肢はあります。
まずは、それぞれのビザがどう違うのか、メリット・デメリットを解説していただきました。
カナダで働けるビザには何があるの?
コープ(Co-op)ビザについての説明の前に、カナダで働けるビザの基本事項を押さえます。
働くことが出来るビザは以下の画像の4種類。
(1)企業がスポンサーになるいわゆる「就労ビザ」は、移民や長期滞在を目指す方の王道コースですね。
ジャパレスで働き、数年のビザを出してもらう、といったケースです。
こちらはスポンサーをしてもらった企業でしか働けない「クローズ」ワークパーミット(就労許可)となります。
その企業を辞めると同時にビザも効力を無くします。
(2)のコープビザはいかがでしょうか?
実はこちらもクローズビザ、雇用主は「学校」です。
そのため学校が認めた仕事でしかインターンは出来ません。
「学校で習ったことの実践経験」としてのインターンシップが卒業の要件ですので、勉強したことと関係がない仕事は認められません。
例えば、ビジネスを勉強していて、カフェのサーバーとしてインターンすることは出来ないんですね。
そのため、自分がしたい仕事に合わせてプログラムを選ぶことが大切です。
一方(3)ワーキングホリデービザと(4)ポスグラビザは自由度の高いビザです。
こちらは「オープン」ワークパーミットと呼ばれます。
どの企業でも働くことが出来ます。
退職と同時にビザが切れることもなく、必要がなければ働かずに滞在することも可能です。
ワーホリビザは一生に1回で年齢制限がある、ポスグラは英語力要件とかなりの予算が必要、とそれぞれ条件があります。
学生ビザでも働けるの?
カナダで学生ビザで働くには条件があるのをご存じですか?
画像の3つすべてを満たす必要があります。
ここで注意したいのが、ESL(語学学校)がこの条件に当てはまらないこと。
語学学校に半年以上通っても、アルバイトすることは出来ません。
また、コープビザで働けるのはあくまで学校のプログラム期間のみ。
カレッジの入学前・卒業後は働けないことに注意が必要です。
コープビザについて
それぞれについて理解したら、本日のテーマであるコープビザについて詳しく見ていきます。
コープの定義とは?
Co-opは基本的には学生ビザですが、就労が卒業するための絶対条件とされています。
また、インターンシップの期間は、「勉強した期間(座学期間)と同じもしくはそれ以下」と定められています。
自由にインターン期間を延ばしたり、プログラムを組み替えられるわけではないことは覚えておきましょう。
私立カレッジと公立カレッジってどう違うの?
Co-opは主に私立カレッジが提供していますが、公立校との違いは何でしょうか?
私立と公立、主な違いは以下の通りです。
大きな違いは卒業後に働けるビザ(通称ポスグラビザ)が発行されるかどうか。
公立校*を卒業するとポスグラと呼ばれるオープンワークパーミットが申請できるのは大きいです。
(※公立校または一部の政府から認められた私立(準公立)校)
ただし、現地の大学生と一緒に授業についていき卒業するのは大変です。
その点Co-opはそのほとんどが留学生向けです。
就職準備が授業に組み込まれていたり、留学生が知らないであろうことを丁寧に説明してくれたりします。
敷居の低さが魅力ですね。
コロナの影響で条件緩和もあり、日本からオンライン授業や仕事をすることも可能になりました。
期間限定の特別処置ですので、今後変更になる可能性はありますが、このようなオプションがあることは意外と知られていない事実ですね。
コープビザ申請にかかる費用
コープビザは「学生ビザにワークビザがセット」になっている形です。
申請に必要な費用は「学生ビザ申請料」と「バイオメトリクス(生体認証)登録費*」のみです。
※過去にバイオメトリクスをカナダで登録している場合は不要です。
移民コンサルタント(エージェント)に代行申請を依頼する場合の相場は$350-1200(約10万円)だそうです。
ずいぶん差がありますね…
ここで注意したいのが、カナダで代行申請をしていいのは、カナダで資格を取った移民コンサルタントのみであること。
そして移民コンサルタントが請け負う場合、費用が発生します。
無資格者が無料で代行申請することはカナダでは違法です。
ただし、日本の会社にはカナダの法律が及ばないので、こっそり代行している場合もあるのも事実です。
そのようなサービスを使った場合、重大なミスなどがあっても移民局に交渉は一切できなくなります。
悪質と判断された場合、今後海外に行けなくなる可能性もありますので、ご利用はお勧めしません。
「許可証」は「ビザ」ではない?
申請時の注意点を確認した後、許可証についてもお話がありました。
ビザが受理されると、オンラインで「許可証」が届くのですが、これはビザではありません。
よく勘違いされますが、これはあくまで「お知らせ」です。
「あなたのビザが許可されましたよ、どうぞカナダへいらしてください」というお手紙です。
「引換券」とも呼ばれます。
この「許可証」を移民局で提示し、「ビザ」原本に切り替え(発行)してもらいます。
この引換券に間違いがないか、ご自身でよく確認しましょう。
ビザを受け取るときの注意点は?
ビザを受け取るとき注意してほしいのが、間違いがないか確認して受領することは本人の責任であること。
移民局の担当者(オフィサー)のミスで、書類の間違いや、渡し忘れがあったとしても、「それに気付かなかった、指摘しなかった「あなた」が悪い」となります。
間違いがないか、受け取り忘れはないか、必ず確認してください。
よくある間違い
- 氏名などのタイプミス(頻繁に起こります。カナダでは普通です)
- 学生ビザとワークパーミット2枚必要なのに、1枚だけ渡される(コープビザが発行された場合)
不法滞在防止などのため、最初は学生ビザしか発行されないケースがあります。
その場合、後から切り替え延長をします。
オフィサーからそう言われた場合は、1枚だけの受け取りで大丈夫です。
指示に従いましょう。
その場で指摘した場合、可能であれば、すぐに修正してくれることが多いです。
ですが、その場で気付かず、または、うまく説明できないからと指摘せずに諦めてしまうと大変です。
後からの修正はなかなか受け付けてもらえなかったり、時間を要します。
入国してすぐ英語で交渉するのは大変ですが、とても大切なのでここは頑張りましょう。
実際のビザのサンプル画像を見ながら、特にチェックすべきポイントについて細かく解説がありました。
「オフィサーはカナダ入国試験の最後の面接官」とマリエさん。
最終面接ですべてが決まります。
オフィサーの権限は非常に大きく、日本に送り返すことが認められています。
ミスがあったとしてもイライラしたりせず、きちんと説明して分かってもらえるように努力しましょう。
コープビザに関するよくある質問
ビザについて理解した後は、よくある質問のQ&Aがありました。
サラッとご紹介しますね。
健康診断は、通常は必要ないそうです。
コープビザが手元に届くまで、働くことは出来ないんですね。
注意しましょう。
就ける職業もビザに規定されていることがあります。
また、学校が認めない場合もあります。
きちんと確認しましょう。
ビザにロケーションが指定されている場合は稀ですので、通常は問題ありません。
ビザが問題なければ、学校に相談してみてください。
入国時に出るべき書類が出なかった場合は、必ずその場で申請しましょう。
後から申請ミスに気付いた場合は、訂正申請をするのがおすすめですが、他の方法もあります。
事情や担当オフィサーにもよります。
エージェントに相談してみましょう。
コープと現地就職、そして移民
続いて、気になる「現地就職と移民」についてのお話です!
Co-opは複数回取ることもできます。
その場合、受講プログラムの系統が同じで、「もっと専門的に学びたいから長い期間のものを取る」などの場合には問題なくビザは承認されます。
ですが、全く異なる学習内容の場合は、「ビザの為にコープを利用しているのではないか」と移民局に疑われ、却下されることもあります。
自分の興味があるプログラムを選びましょう。
また、ワーホリをコープの後に取ることが出来れば、就職には強いです。
面接で「ビザの期限はいつまでですが、その後ワーホリに切り替え、1年間フルタイムで働くことが出来ます」と言えるからです。
「就労ビザ取得」は移民の王道パターンです。
一度入った人材を「継続雇用したい企業」は実はたくさんあります。
ですが、企業側の負担の大きさがネックになっています。
お金の面だけでも、政府への申請料$1000、プラス企業は$4000~8000 支払わなければなりません。
申請後も取得までには大体4か月くらいはかかります。
その中でも、就労ビザが取りやすい王道の職業は「美容師」と「日系レストラン」です。
ただし、上のリストの中でも、IT系は特殊です。
経験があり、即戦力になる人材なら移民に繋がりますが、そうでない方は他の方法を探すのが無難でしょう。
コープで注意したいのが、期間中のバイトやインターンは、移民申請時、就労経験の点数にはならないこと。
例外もありますが、日本でいう主任クラス以上でなければいけません。
そして移民の枠は、もともと自国ですごくレベルの高い仕事をしていた人用の「フェデラルスキルワーカー」という枠ですので、基本的にはカウントされないと考えた方が良いでしょう。
最後に質問タイムがありました。
セミナーに参加いただいた方からの質問に一つ一つ、その場で回答していただきました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
まとめ
コープビザを徹底解説したセミナーの模様をお伝えしました。
ビザのどこを注意して確認すればよいのか、審査官との受け答えやよくある事例など、意外と知らない事実が満載でした!
コープ(Co-op)ビザについて詳しく知りたい方は以下のページもご覧ください。
他にも英語セミナー、就職セミナーなど、毎週様々なテーマで開催しています。
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今後も定期開催していきますので是非ご参加くださいね!