こんにちは!カナダ留学コンパスのナツミです。
英語の語学留学をする上で、選択肢の1つとして人気の場所が、フィリピン留学ですね。
カナダは安全な国として有名ですが、フィリピンは治安は悪いというイメージがあるのではないでしょうか。
では、実際にどう治安が悪いのか、知っていますか?
ニュースで日本人の射殺事件などは、稀に聞きますが、実際によく起こっているのか、なかなか現地の声を耳にすることはないですね。
私は3年間フィリピン(セブ)に住んでいた経験があります。
今回は、実際の「フィリピンの治安」をリアルに紹介しますね。
このページの目次
安全の保証が難しい国、フィリピン
まずは、客観的にフィリピンの治安を見てみましょう。
フィリピンは一言でいうと「安全の保証が難しい国」です。
日本の外務省が出している「国別危険レベル」でいうと、フィリピン全土に何かしらの危険レベルがあります。
海外安全ホームページ: 危険・スポット・広域情報より引用しました。
語学留学によく行く、セブ、マニラは危険レベル1(十分注意)、ミンダナオ島などテロもよくある地域だと、危険レベル3(渡航中止勧告)です。
基本的に北米やヨーロッパなどの先進国は危険レベルがつくことはなく、ほとんどが発展途上国、中東エリアになっています。
どれだけ馴染みのある、観光地として有名なセブがある国だとしても、世界的には危険な国の位置づけになっているのがフィリピンです。
フィリピンの警察事情
これから記載される内容は、あくまでも実体験に基づいたものであり、フィリピン全土が同じというわけでないです。
まず、警察は味方ではなく、敵であるケースがほとんどです。
どの国もそうですが、基本的には警察も自国民が優先ですね。
外国人に何か起こって警察に届けでたとしても、現実問題は地元警察はフィリピン人をかばう傾向にあります。
例えば、カバンを置き引きにあったとしても、あまりすぐ捜査に動いてくれなかったり、時間も手間もかかります。
ちなみに盗難にあった場合は、警察署で「ポリスレポート(盗難届証明書)」が発行されれば保険会社から返金もあります。
しかし、そのレポートがすごく手間なんです...。
何回も事件があった近くの警察署に出向く必要があり、留学生の場合は平日学校を休むことになるんですね。
しかも最近は、不正に受け取る外国人が多いことから、発行が困難となっています。
ポリスレポートの発行に数週間かかり、帰国に間に合わないというケースが多いです。
実際にそういった手間がめんどくさく、ポリスレポートの発行にも時間がかかかることから、警察に届け出ないという留学生や観光客もたくさんいます。
また、フィリピンでは何かあれば全てお金(賄賂)で解決できます。
爆弾発言をしてしまいましたが、本当のことです。
良くも悪くも、フィリピンはいとも簡単にお金で解決してしまいます。
実際によくあるのが、道路の交通違反です。
違反をして、警察に捕まったとしても、1000ペソ(2000円ほど)を払えばすぐに許してもらえます。笑
それがフィリピンの実情です。
警察は絶対に信用してはならないですし、警察ぐるみで外国人を陥れるということもあります。
自分の身は自分で守る、それがフィリピンでは必要不可欠です。
語学学校で実際に生徒に起こったこと
私は3年ほど、フィリピン・セブの語学学校に勤めていましたが、その間に本当に様々な事件が起こりました。
幸い、どの事件も特に生徒の命に関わることではありませんでしたが、下手をすると殺されていたかもしれない...というような事例もあります。
ここでは、実際に私の働いていた学校の生徒や、他校の生徒に起こったこと、また現場で見たものを事実そのままにお伝えします。
【実際に起こった事件】
- 荷物の置き引き!
- 背負ったリュックサックを開けて、盗まれる!
- ストリートチルドレンにポケットの財布を盗まれる!
- ウエストポーチをナイフで切って、財布を抜き取られる!
- 女性2人に襲われ、携帯を盗まれる!
- タクシー運転手が暗闇でカバンを奪い取る!
- トランプ詐欺!
- 睡眠強盗!
- 殺し屋!
実際にどういうことが起こったか、詳細をお伝えします。
荷物の置き引き!
荷物の置き引きとは、机に荷物を置いた状態で、席を離れて、その間に盗まれてしまったというケースです。
海外では置き引きが当たり前で、日本みたいにカバンで席を取る、というのは通用しないと誰もが知っていることです。
十分気を付けているつもりですが、それでもフィリピンは置き引きが多いんですね。
というのも、「ちょっとした隙」に盗まれてしまうんです。
ちょっと目を離した隙に...あっという間に盗まれてしまうんですね。
フィリピンでは、人のものを盗むというのが、普通に誰でもしてしまう、当たり前の感覚なんです。
ですので、街に出たら、誰もが盗む可能性があると自覚する必要があります。
- カバンを隣の椅子に置いておく
- 足元に置いておく
- 背もたれに置いておく
こんなことでも、すぐに盗まれてしまいます。
要注意です!
背負ったリュックサックを開けて、盗まれる!
これは、実際に私に起きたことです。
私は当時、外に出かける際は必ずリュックサックは前に背負っていたのですが、その時は急いでいてたまたま後ろで背負ってしまいました。
そしてモールを歩いて1分、後ろのカバンが奇妙に動いた気がしました。
すぐ振り返り、カバンを見たところ開けられていました!
するとすぐ後ろにいた若いカップルに「Be careful~」と言われました。
確実に!そのカップルに開けられました。
中を全て確認しましたが、すぐに気付いたおかげで何も盗まれることがなく、危機一髪でした。
本当に危ない思いをしましたし、また誰でも機会があればすぐに盗むんだなとフィリピン人が信じられなくなりました...笑
ストリートチルドレンにポケットの財布を盗まれる!
これも、道を歩いているとよくあることです。
フィリピンでは、あまり道を歩く事はおススメしていません。
何故かというと、ストリートチルドレンに所持品を盗まれることがあるからです。
特によくあるのが、「ポケットに手を入れて携帯や財布を盗む」ことです。
ポケットに手を入れてしまうんです笑
小さい子供が笑顔で近づいてきて、最初は「かわいいな~」と思っていると、ポケットに手を入れて財布を盗まれます。
また、ズボンのポケットに携帯を入れて歩く事や、口が開いたカバンもフィリピンでは要注意です。
ストリートチルドレンの場合は、スリが慣れていますので、気づかないように盗むのが上手いんですね。
気付かない内にカバンの中の携帯や財布がなくなっていることが、よくあります。
事前に防ぐためにも、
- ポケットには何も入れない
- 口の閉じるカバンを使用する
これはフィリピンでは必須です。
ウエストポーチをナイフで切って、財布を抜き取られる!
なかなか、パンチのきいた題名ですね。笑
これは実際に私の知り合いに起こったことです。
フィリピンには「ジプニー」と呼ばれる乗り合いバスがあります。
ジプニーはローカルのフィリピン人にはおなじみの乗り物で、一番主な移動手段です。
小さい改造された箱型のバンに、合計15名~20名くらいかキュウキュウに詰めて乗ります笑
日本の満員電車のような感じですね。
私の知り合いに起きたことは、知らぬ間に前で抱えていたウエストポーチにナイフで切られ、その中から財布を抜き取られたというものです。
しかも、本人はジプニーを降りてから、ようやく気づいたのです。
ただ、気づいたときには遅く、そのジプニーを追いかけることも、犯人を捕まえることもできません。
また、モールなどと違い、監視カメラも無く証言もないことから、警察に届けても「ポリスレポート」を発行してもらうのが困難です。
ジプニーで何か盗まれた場合は、泣き寝入りするしかないんですね。
ジプニーはそういうことが起きやすいですので、あまり留学生には乗ることをオススメしていません。
しかし、便利で安いといくこともあり、ほとんどの留学生が頻繁に利用しているのが現状ではあります。
女性2人に襲われ、携帯を盗まれる!
こちらも、知り合いの男性に起こった出来事です。
なんと彼はフィリピンに渡って、最初の1か月で女性に襲われました。笑
背の高い男性なのですが、日本人でしたので目を付けられたのか、道を歩いているといきなり女性2人羽交い締めに合いました。
そしてポケットに入れていた携帯を盗られ、そのまま走り去っていったそうです。
あまりにも一瞬の出来事で、何もすることが出来なかったそうです。
幸い本人には怪我はありませんでしたが、フィリピン人女性は一生信じないと誓ったそうです笑
タクシー運転手が暗闇でカバンを奪い取る!
これは実際に他校の留学生に起きたことです。
夜、友達と市内でご飯を食べたあと、学校の寮に戻るためにタクシーを拾ったそうです。
友達とは違う方向だったため、1人でタクシーに乗りました。
最初はいつもの道を走っていましたが、途中からあまりに知らない路地に入り、そのまま全くわからない場所でタクシーが停止したそうです。
するとタクシー運転手がいきなり外に出て、後部座席のドアを開け、生徒をタクシーの外に引っ張り出し、そのままカバンを奪い去ったそうです。
とっさに彼女は運転席側に行き、運転手からカバンを奪い返そうとしましたが、結局そのまま車は走り去ってしまいました。
↑
ちなみに、これはすごく危ない行為です!
万が一ナイフなど持っていたら、命を落としかねませんので、奪われたらとりあえず何も抵抗をせずに、その場から離れてください。
結局近くにいた地元の方に助けを求め、学校の寮までは帰れたそうです。
本当に危機一髪でしたね。
こういった、一番安全なタクシーでさえも、牙をむくときがあります。
夜は必ず、タクシーでも1人で乗らないことをオススメします。
トランプ詐欺!
フィリピンでは有名な「トランプ詐欺」をご紹介します。
これは実際に私の学校の生徒が被害に合ってしまいました。
実際どういうものだったかを、事実のままお伝えします。
まずトランプ詐欺というと、トランプゲームに誘い、最初はわざと勝たせて、後から負けたときに多額のお金を請求する詐欺の手法です。
ことの発端は、ある地元のフィリピン人女性から話しかけられるところから始まります。
ある生徒A君が、モールでタクシーを待っていると、フィリピン人女性から話をかけられます。
「日本人ですか?少し話したいことがあります!」
片言の日本語で優しそうなフィリピン人夫婦から声をかけられます。
なんと、彼らの子供が早稲田大学に進学予定で、願書の翻訳を手伝ってほしいというものです。
話が進み、今から車で家に来てほしいと言われます。
もちろんそこで怪しいと気づくべきなのですが、A君は純粋な男の子でしたので、優しそうなフィリピン人夫婦に一緒に付いていってしまい、モールから15分くらい離れたお家まで行ったそうです。
A君が信じた理由も、その夫婦が道中でお昼ごはんを買ってくれたりと、いろいろ優しくしてくれたそうで、完全に信じてしまいました。
お家に着き、テーブルに座っていると、今からトランプでゲームをしないかといきなり誘われます。
そして、なんとお金をかけてポーカーを行うのですが、そのご夫婦が一緒にチームを組んで、わざと勝たせるように仕組んで上げると言われます。
ここでもっと怪しくなってしまいますね。
今知り合いのディーラーが家にいるということで、彼が2階から呼ばれて降りてきました。
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ディーラーが家にいる時点で、もっと怪しいですね。笑
他にも数名どこからかやってきて、ディーラー含めてそこから4~5人でポーカーが始まります。
A君はルールも一切わかりませんが、ご夫婦が手法を教えてくれるので、あれよあれよと勝っていきます。
もちろんポーカーですので、進めて行くと掛け金が多くなってきますね。
掛け金が上がった時点で、今度はA君は負けていきます。
↑
これも最初はわざと勝たせて、後半から負けるように仕組まれています。
手持ちの全ての現金を使い果たすと、今度は携帯や時計などを担保で取られていきます。
↑
この時点で辞めたいと言えば良いのですが、相手の家ということ、わけもわからない状況に何もできないままだったそうです。
その後は、全てがなくなってしまったので、掛け金のために街に出てATMで現金をおろしてほしいと言われます。
A君は再度夫婦の車に乗り、モールまで行きます。
ATMに行きましたが、上手くキャッシュが引き出せなかったようで、キャッシュの変わりにモールで換金できるものを買ってほしいと言われます。
ご夫婦は終始ずっと親切で優しく接してくれたそうです...。
そして、携帯屋さんで5機ほど携帯をカードで購入し、またアクセサリー屋でもいろいろ購入させられたそうです。
カードの上限がきて使用できなくなるまで、いろいろ買ってしまったそうです。
何も買えなくなったことを悟った夫婦は、モールでA君と解散し、別日にポーカーをするから、それまでにキャッシュを用意するよう伝えたそうです。
別れ際には、しっかり次の日程と集合場所、また電話番号まで教えられたそうです。
解散した後に、ハッと我に返ったA君は、寮帰宅後に学校スタッフに連絡をしてトランプ詐欺が発覚しました。
今回被害にあった額は、手持ちのキャッシュ数万円と携帯、時計、またモールで上限の20万円まで購入していますので、およそ30万円ほどでしょうか...。
警察にも届け、あとあとわかったことですが、モールの防犯カメラを見たところ、トランプ詐欺で指名手配をされている夫婦だったそうです。
トランプ詐欺は噂では聞いていたものの、当時は本当に自身の学校の生徒が被害に合うとは思わず、大きな事件になりました。
結局犯人も捕まらず、お金も返って来ずでさんざんな目に合ったA君でした。
これが、トランプ詐欺の全貌です。
ところどころ、防げるタイミングはたくさんあったのですが、知らない土地にいると危機管理能力が散漫になってしまうんですね。
フィリピン留学をする際は、こういうことも起こり得ると知る必要があります。
睡眠強盗!
こちらも実際に生徒に起こったことです。
生徒のB君が、マニラ旅行に行った際に起こったことです。
マニラとは、フィリピンの中でも危ないと言われている場所で、現地民もあそこは事件が良く起こるというくらいです。
B君は観光でマニラに行き、最終日に被害に合いました。
飛行機に乗る前に、レストランで食事をしていたB君は、フィリピン人家族より声をかけられます。
話していくうちに仲良くなり、そのまま車で空港まで送ってあげるよと誘われます。
完全に信用しきっていたB君は、そのまま車に乗り込みます。
その際にアメを渡されたそうで、そのアメを舐めている内に意識が遠くなったそうです。
↑
このアメに、睡眠剤が含まれていたんですね!
彼はそのまま眠らされ、空港に着いた時に起こされました。
そのまま車を出て財布を確かめると、そこにあったはずにキャッシュが全てありませんでした。
気づいた時にはすでに遅く、車も去ったあとでした。
幸い、カードは盗まれなかったため、無事帰国もできています。
ただ、この睡眠強盗で気をつけてほしいのは、無事空港まで送り届けてもらえたから良かったものの、悪いグループに捕まると、別の場所に連れて行かれ、殺されていたかもしれません...。
見知らぬ車に乗るのは、絶対にしてはいけません。
殺し屋!
物々しい題名ですが、フィリピンでは簡単に殺し屋が雇えます。
たまに日本でも、フィリピンで日本人の車が襲撃を受けた、日本人が何者かに射殺されたとニュースが流れます。
これのほとんどが、誰から殺し屋を雇って、仕向けたものです。
殺し屋は安ければ20万円ほどで雇うこともできるそうです。
私は、実際に家の近所で2回、銃で射殺されたという現場を目撃しました。
被害者はともにフィリピン人でしたが、実際にこんな身近で起きるなんて信じられなく、当時は相当の衝撃を受けました。
幸い、今まで留学生に対してそういうことが起こったことはないですが、身近に起こり得ることなんですね。
悲しいことに、フィリピンではまだそういうことが起こります。
まとめ
以上が、フィリピンで実際に起こった、事件の実例です。
たくさん危ない実例をご紹介しましたが、実際私が生活している中で、毎日危険に脅かされるということはありませんでした。
また、語学学校でもオリエンテーションで必ず安全面についての説明があります。
ですが、必ず念頭に置いていただきたいことは、フィリピンで生活する以上、「自分の身は自分で守る」ということです。
外国人気分でいると、命の危険に関わる事件に遭遇する可能性もあります。
必ず危険な国にいるという自覚を持ち、それなりに気を付けて行動を心がけてください。