カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。カナダ留学情報を発信するTwitterアカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万を超える。現在までサポートしてきた生徒数は1万人以上。
カナダに行きたいけど留学資金があまりないので、日本で就職して貯金をしてからカナダに行こうという話をよく耳にします。
でも、「カナダ留学に行って現地でアルバイトしたほうがスムーズだよ」と言われたらどう思いますか?カナダにはワーホリがあるので、渡航後にすぐに働くことが出来るんです。
今回は、日本で正社員として働くよりも、カナダで出稼ぎをした方が稼げた……というAさんの実例を紹介します。
さらに記事の後半では、稼げる都市・仕事・方法(ビザ)についてもまとめます。
このページの目次
【カナダ留学出稼ぎ例】Aさんの場合
まずは、Aさんについて紹介します。
日本の青山学院大学を卒業し、新卒で日本の有名アパレルメーカーに就職しました。3年間勤めた後に会社を辞め、カナダに渡ってきました。
そんな彼女の初任給は約20万円、手取りは16万円だったそうです。
順調に昇給はしたらしいですが、3年目でも給料は23万円、手取りも18万円ほどだったそうです。
初任給 | 20万円 |
---|---|
3年目 | 23万円 |
そんな彼女が日本の会社を辞めて、カナダにワーホリで渡航しました。
カナダ渡航〜アルバイトまでのスケジュール
それでは、Aさんの渡航後からアルバイトをするまでのスケジュールを紹介します。
渡航後、すぐに3か月間語学学校に通い、片言から何とか日常会話ができるレベルくらいの英語力になりました。
そこから、カナダのレストランで働きはじめました(合計10か月)。
最初の3か月は働かず語学学校で英語力をのばし、そこから10か月働いたということですね。
Aさんのバイト先の情報は以下のとおりです。
業種 | 飲食業(某有名チェーンレストラン) |
---|---|
勤務時間 | 8時間/日 × 週5日 |
時給 | $16.75 |
カナダでどのくらい稼げたか?
それでは、Aさんはカナダでどのくらい稼げたのか、1か月の給料を計算していきましょう。
※為替レート:1カナダドル=約110円(2024年11月21日現在)
内訳 | 金額 |
---|---|
1か月の給料 (月20日、160時間の場合) | $2,680(296,077円) |
バケーションペイ(有給) | $107.20(11,843円) |
チップで得た金額($50/日で換算) | $1,000(110,477円) |
収入合計 | $3,787.20(417,624円) |
税金(国の所得税) | -$359(-39,661円) |
税金(州の所得税) | -$116(-12,815円) |
EI(保険) | -$42.24(-4,667円) |
CPP(年金) | -$136(-15,025円) |
控除合計 | -$653.24(-72,168円) |
総合計 | $3133.96(346,229円) |
※控除額は就労時間、期間により金額が変動する
※チップ収入には後日税金がかかる可能性あり
上の表の中で注目してほしいところは、「チップで得た金額」部分です。カナダにはチップがあるのでバイトといえどもこんな収入になります。
Aさんが、カナダのレストランでアルバイトで稼いだ月の給料(手取り)はこちらです。
日本で正社員として働いていたときよりも、ずっと多い金額ですよね!
さらに、このデータを使い6か月・1年・2年と働き続けたらどれくらい稼げるのかを試算してみます。
1日8時間(週40時間)働いた場合と、1日4時間(週20時間)働いた場合にわけています。
期間 | 1日8時間の勤務 | 1日4時間の勤務 |
---|---|---|
6か月 | $18,803.76(2,077,376円) | $9,401.88(1,038,688円) |
1年 | $37,607.52(4,154,751円) | $18,803.76(2,077,376円) |
2年 | $75,215.05(8,309,503円) | $37,607.52(4,154,751円) |
※控除額は就労時間、期間により金額が変動する
カナダでの生活費は?貯金はできる?
収入がわかったところで、実際のAさんのカナダでの生活費(支出)もチェックしましょう。また、貯金はできるのでしょうか?
以下の表は、Aさんの1か月の生活費です。
家賃 (ルームシェア) | $1,000 (光熱費、ネット代など含む) |
---|---|
携帯電話代 | $50 |
食費(自炊) | $300 |
その他雑費 | $500 |
生活費の合計 | $1,850 |
こちらは上の表の補足情報です。
- 家賃
1ベットルームを3人でシェアして、メキシコ人、韓国人と一緒です。 - 携帯電話代
データプランです。基本的に外出時もネットを使えて、電話し放題のプランで、日本との連絡はLINE通話なので通話料はかかりません。 - 食費(自炊)
カナダは外食は高いので、できるだけ自炊を心がけましょう。 - その他雑費
お小遣い、交通費、日用品がここに含まれます。ちなみに、カナダにいるとファッションにお金をかけなくなると言う人が多いです。
収入と支出が分かったところで、Aさんがいくら貯金できるかを確認してみましょう!
収入 | $3,133.96 |
---|---|
支出 | $1,850 |
残高 | $1,283.96 → 全て貯金に! |
毎月約$1,283.96(約14万円)の貯金ができているとのことで、Aさん曰く「日本にいた時よりも充実した生活をしている」とのことでした!
カナダ留学予算は150万円
Aさんの場合は、「最初の予算が150万円くらいで、はじめの3か月間が語学学校に通いながら、仕事探しをするというプラン」でした。
それを元に3か月間の必要経費をまとめました。
語学学校 | $3,800 (授業料や入学金、テキスト代) |
---|---|
滞在費 | $3,000 |
航空券 | 片道15万円 |
留学生保険 | 格安のもので$500/年 |
2024年11月21日現在の為替レートで考えると、全部で約953,000円ほどかかったという計算です。
3か月滞在で予算の半分ほどを消費し、アルバイトを始めた頃には留学資金が70万円を切って本当に心配だったそうです。
しかしアルバイト自体はすぐに決まって、逆に貯金が増える形となりました。
滞在中にイエローナイフにオーロラを見に行ったり、ナイアガラ旅行など観光も楽しみましたが、それでも渡航後10か月バイトをして、合計120万円くらい貯めることができたようです。
そんなAさんは今後、アルバイトで貯めたお金を使って留学期間を延長します。
専門学校でビジネスを学ぶコーププログラムを履修(参考: コープ)する予定です!
【カナダ留学で出稼ぎ】どの都市が稼げる?
ここでは、カナダのどの都市なら稼ぎやすいかをまとめます。
稼ぎやすいかを考えるうえでは、給料だけでなく、仕事の数や物価などを総合的に考慮しなくてはいけません。
そのため、以下の観点からカナダの各都市を比較します。
求人数の比較
まずはカナダの各都市の求人数を比較しましょう。
大規模の都市(バンクーバー、トロント)だけでなく、中規模の都市(オタワ、エドモントン、ウィニペグ)も取り上げます。
都市名 | 某求人掲示板A | 某求人掲示板B | 合計 |
---|---|---|---|
バンクーバー | 112 | 92 | 204 |
トロント | 2 | 376 | 378 |
オタワ | 0 | 3 | 3 |
エドモントン | 0 | 2 | 2 |
ウィニペグ | 0 | 2 | 2 |
※英語がまだ十分にできない留学生を想定し日系サイトの求人をカウント
日系の求人とはいえ、バンクーバーやトロントの求人数が圧倒的に多いですね。
物価の比較
次に、各都市の物価を比較します。
数値が高いほど、物価が高いことを意味します(2024年1月時点の数値)。
都市 | 物価指数 |
---|---|
【1位】トロント | 158 |
【2位】バンクーバー | 147 |
【3位】オタワ | 129 |
【4位】エドモントン | 121 |
【5位】ウィニペグ | 109 |
この指数は、プラハの住居コストを100として比較しているものです。
一番物価の高いトロントが「158」で、低いウィニペグが「109」、約1.45倍の違いがあります。
家賃や食費など特定の物価にはさらに大きな差があり、中規模の都市のほうが、生活費は安くおさえられることがわかります。
しかし、先ほどの求人の話に戻ると、中規模の都市には仕事がほとんどありませんでした。
生活費が安くても仕事がなかったら出稼ぎできないね......。
もしも英語に自信がなく、日本語も使える環境ですぐ働けるところを探すなら、大都市に行くのが無難といえるでしょう。
【カナダ留学で出稼ぎ】どの仕事が稼げる?
次に、カナダで稼げる仕事についてまとめます。
飲食店、美容師、マッサージ等のサービス業
最初におすすめなのは、サービス業です。
定番はレストランなどの飲食店ですが、スキルがあれば美容師・マッサージ師などとして働くこともできます。
そしてどの職種にも共通し、稼げる要因になっているのはチップです。
チップとは?
チップとは、サービスをしてくれた人、お店に対して感謝の気持ちから渡すお金のことで、支払金額(税抜き)の15~20%が相場
高級レストランや、上質なサービスを提供するようなお店では、もらえるチップの額も多くなります。
それなら高級レストラン一択だね!
......しかし、それだけ稼げるということは、カナダ人だって同じ仕事をしたいはず。
日本食レストランなどよりも倍率が高いことが予想されるので注意してください。
それもふまえ、スキルや英語力を高めながら、さまざまな求人に応募するといいでしょう。
販売員・オフィス系
販売員・オフィス系の仕事で稼ぐこともできます。
販売員であれば、アパレルや雑貨ショップの販売員などとして活躍している日本人がいます。
またオフィス系は幅広く、不動産、IT、旅行、教育系......など、日本での経験やスキル次第でさまざまな職を探すことができるでしょう。
一方、カナダでは職務経験が重視されるため、未経験での仕事探しは苦労する可能性が高いです。
後に紹介するコープ(Co-op)留学などを活用して、専門分野の知識を英語で得たうえでインターン先を探すのがおすすめです。
なお、販売員やオフィス系の仕事でチップがもらえることは基本的にありません。
【カナダ留学で出稼ぎ】どうやって稼ぐ?
カナダ留学で出稼ぎをするうえで大切なのは、どうやって稼ぐかです。
具体的には、働けるビザがないと仕事ができません。
ここでは、以下の3つのビザの特徴をご紹介します。
カナダで働けるビザ
ワーキングホリデービザ
働けるビザとして有名な、ワーキングホリデービザ。
日本と協定を結んだ国にて異文化に触れながら就学・就労・滞在ができる制度で、カナダも協定国のひとつです。
「申請時に18歳以上、31歳未満であること」という年齢制限があることと、「滞在期間は1年間」なのが注目ポイントです。
ワーホリビザのそのほかの詳細は、以下の記事をご覧ください。
コープ(Co-op)ビザ
次に紹介するのは、コープ(Co-op)ビザです。
コープとは、カナダのカレッジに在学している間にインターンシップ(就労体験)ができるプログラムのことで、カナダ独自の制度です。
就学期間と同等以下の期間、インターンとして働くことができます。
プログラム全期間の前半が座学期間・後半がインターン期間として構成されていることが多いです。
ワーホリビザとは違い、年齢制限がないのもポイントで、31歳以上などでワーホリが使えなくなったときのオプションとしても人気です。
コープビザのそのほかの詳細は、以下の記事をご覧ください。
ROワーキングホリデービザ
次に紹介する働けるビザは、ROワーキングホリデービザ(通称セカンドワーホリ)です。
こちらはカナダのワーキングホリデープログラムの一種で、Recognized Organization(カナダ政府から認可を受けた指定機関)を介し申し込むことで参加できることから、ROワーホリと呼ばれているのです。
滞在可能な期間は、通常のワーホリと同じで1年間。
反対に、通常のワーホリと違うのは申請できる年齢の上限です。ROワーホリなら18歳~35歳まで申請可能なので、ワーホリを諦めていた31歳以上の人にもチャンスがあります!
ROワーホリビザのそのほかの詳細は、以下の記事をご覧ください。
まとめ
今回は、ワーホリ滞在中にしっかりと働いて稼いだAさんの例や、出稼ぎに向いている都市・仕事・ビザなどを紹介しました。
結論として、都市・仕事・ビザを適切に選べば、カナダ留学で出稼ぎ(貯金)をすることは可能です。
計画を立てる場合、現地の最新情報や現在のスキルなどを元に、自分にとってベストな選択をすることが重要です。
一人で計画を立てるのが難しいという場合は、ぜひお気軽に弊社までご相談ください!