カナダの国技でもあるアイスホッケー。単に氷の上でボール(パック)を転がすだけのスポーツではありません。選手同士が激しくぶつかり合い、目にも止まらないスティック捌きで、得点を奪い合います。
アイスホッケーは日本ではあまり馴染みのないスポーツかもしれませんね。
ですが、カナダでは断トツ1番人気のスポーツ!毎年大勢がシーズン開幕を心待ちにしています。
今回は、そんなカナダの国民的スポーツ、アイスホッケーの基本的なルールについてご紹介します。
※記事内容は、作成時点(2023年7月)での情報です。アイスホッケープロリーグのルールは頻繁に更新されるため、最新の情報は公式ページをご確認ください。
このページの目次
まずはここから!アイスホッケーはどんなスポーツ?
まず、アイスホッケーとは、スティックを使って、氷上に置かれたパックをゴールへと運ぶスポーツです。
「氷上の格闘技」と呼ばれることもあり、体同士を激しくぶつけあいながら、2チームでパックを奪い合います。
激しい攻防の末にゴールが決まった瞬間には、音楽が鳴り響きます!アナウンスの声にも熱が入り、会場中で大いに盛り上がりますよ。
このように、アイスホッケーは肉弾戦と知能戦が入り混ざっており、プレイヤーはもちろん観戦者もつい熱を持ってしまうスポーツなのです。
氷上にはいなくても選手と一緒に戦っている気分になれるのが、アイスホッケーの魅力といえるでしょう。
北米プロリーグNHL
アイスホッケーの北米プロリーグはNHL(National Hockey League)と呼ばれます。
アメリカとカナダ合同のリーグで、世界最高峰とされています。
今回は、このNHLで定められているルールに沿って解説していきます。
試合時間とプレイヤーの人数
アイスホッケーの試合時間は60分です。1ピリオド20分で構成されており、全部で3ピリオドのゲームがおこなわれます。
氷上で同時にプレイできる選手の数は、両チーム、最大6人ずつです。フォワードが3人、ディフェンスが2人、キーパーが1人でチームをつくります。
プレイヤーはいつでも交代が可能で、回数に制限はありません。ただし、「氷上に立っていられる人数が最大6人」であることは、徹底されています。
何らかの理由で試合に出ている選手以外のプレイヤーが氷上に立ってしまうと、ペナルティを課せられます。
アイスホッケーに引き分けはない?
NHLをはじめ、ほとんどのアイスホッケーの試合に引き分けのシステムはありません。同点で試合が終了した場合は、延長戦になります。
延長戦の試合時間は、最大で5分間です。両チーム3人のスケーターと1人のゴールキーパーで点を奪い合い、最初にゴールを決めたほうのチームに勝利が与えられます。(ゴールデンゴール方式)
延長戦の間に決着がつかないケースも、少なくありません。その場合はシュートアウトと呼ばれる方式で、勝敗を決めます。
シュートアウトとは、簡単にいえばサッカーのPKのようなものです。プレイヤーとゴールキーパーの1対1で対戦をします。
シュートアウトに参戦できるプレイヤーは、両チーム3人ずつです。シュートをしたパックがポストに跳ね返ってゴールから外れた場合でもリトライはできず、次のプレイヤーに順番が回されます。
3人ずつがトライした結果同点だった場合は、各チーム1人ずつ対戦し、点差がついた時点で勝利チームが確定します。
ペナルティについて
他のスポーツ同様、アイスホッケーにもペナルティが存在します。
アイスホッケーのペナルティの内容はとても多く、すべてを覚えるのは簡単ではありません。
下記に、アイスホッケーの試合で発生することが多いペナルティの一部をまとめています。
ペナルティ名 | ペナルティの内容 |
---|---|
トゥー・メニー・マン・オン・ザ・アイス | 最大人数を超えるプレイヤーが氷上に立つ |
ファイティング | 選手同士で喧嘩する |
フッキング | スティックで相手をひっかける |
ハイ・スティッキング | スティックのブレードを肩より上に掲げる |
ホールディング | 相手を抱え込む |
ホールディング・ザ・スティック | 相手のスティックを手で掴む |
エルボーイング | ひじを使って相手を妨害する |
チャージング | 3歩以上の助走をつけて相手に体の一部を押し付けて妨害する |
アイシング | センターライン(赤色)の後ろ(守備側)からシュートする |
オフサイド | パックがオフェンスライン(青色)を超える前にプレイヤーがラインを超える |
ペナルティとみなされると、反則行為をおこなったプレイヤーはリンクサイドにある「ペナルティボックス」で待機しなくてはなりません。
待機時間は、ペナルティの内容によって異なります。通常のペナルティであれば2分、悪質なペナルティは5分間、試合に参加できません。
パワープレイとは?
選手がペナルティボックスに入っている間、氷上に残されたチームメイトは1人少ない状態で試合を進める必要があります。
メンバーが少なく不利な状態を「ショートハンド」と呼び、逆に相手のチームのメンバー不足で有利になる対戦チームを「パワープレー」と呼びます。
パワープレーのチームが加点すると、相手チームのペナルティは解除されます。一方で、ショートハンドのチームが得点を入れても、ペナルティは継続します。なお、ペナルティ中に得点がなかった場合も同様です。
ファイティングについて
アイスホッケーの花形といえば、「ファイティング」を挙げる人も多くいます。ファイティングとは、その名の通り殴り合いの喧嘩のことです。
殴り合いの喧嘩といっても、ファイティングがおこなわれる目的は、単純なもみ合いだけではありません。観客を盛り上げることやプレイヤーのモチベーションアップといった、戦略目的が発端となるケースも多くあります。
しかし現在では、ファイティングを試合中に見かける機会はぐんと少なくなりました。「アイスホッケーの認知度を高めるにあたって、暴力はタブーなのでは」という意見が増えていることが、ファイティングが減った理由の1つと考えられます。
現在では試合中にファイティングが発生しそうになると、レフェリーが止めに入ります。
また、それでもファイティングが発生してしまった場合は、一番重いペナルティである「5分間のボックス待機」が両者に問答無用で課せられます。
まとめ
アイスホッケーはプレイにも観戦にも熱が入る、激しいスポーツです。ただ見ているだけでも雰囲気や盛り上がりを楽しめますが、ルールを理解することで、より深くアイスホッケーの魅力を知れるでしょう。
ご紹介した基本ルールさえマスターしておけば、試合内容は十分理解できますよ!
ぜひアイスホッケーのルールを覚えて、親交を深めるきっかけにしてみてくださいね。