カナダ留学を計画中、「コープ」「コミカレ」「ポスグラ」という単語を聞くことはありませんか?
調べても全部似てるし、よく違いが分からない…。
どれも留学や学校に関わるものですが、実はそれぞれまったく異なるものです。
留学の目的や状況によって目指すプランは変わってきますので、まずはその特徴を理解しましょう!
今回は、コープ、コミカレ、ポスグラのそれぞれの特徴と違いをご紹介いたします。
このページの目次
コープ(Co-op)とは?
コープ(Co-op)とは、学業プログラムと就労体験がセットになった、とても人気のあるカナダのカレッジプログラムです。
就労体験とはいわゆるインターンシップのことで、学生でありながらも現地の企業で働けます!
インターンシップがセットになったプログラムをコーププログラム、そのコーププログラムを履修する際に必要なビザをコープビザと呼びます。
ビジネスやホスピタリティ、貿易やITなどさまざまな専門分野のプログラムが履修できます。
コープビザを持っていると働いて収入を得ることができますが、実はこれは就労ビザではありません。
学生ビザの附属として追加で取得するビザですので、カナダでの身分はあくまでも「学生」です。
コーププログラムで働ける期間
私立カレッジのコーププログラムを履修すると、プログラムの最大半分の期間中インターンができます。
コーププログラム例
1年間のビジネスプログラム
前半6か月授業 + 後半6か月インターン
この後半のインターンシップ期間を「Co-op term(コープ期間)」と呼びます。
この後半期間は週40時間(フルタイム)までの就労が認められます!
コープのメリット
コープのメリットはなんと言っても働きながらお給料がもらえる点です。
例えばバンクーバーがあるブリティッシュコロンビア州の場合、「インターンは有給(お給料が発生する)でなければならない」と決まっています。
細かい規定は州ごとに異なりますので、留学したい地域が決まっている方は州の方針を確認しましょう!州によってはコープが無給(お給料が発生しない)場合もあります。
さらに、カナダでは6か月以上のカレッジプログラムはOff-campus 就労の対象となり、週20時間まで働けます。
つまり、カレッジに通いながらアルバイトをして、さらにインターンでフルタイムでも働けるのです。
カナダで仕事をして稼ぎたい方には魅力的なプログラムですよね。
また、コーププログラムにはワーホリのように年齢制限もないので、学校に行ける英語力・その期間生活出来る資金力などの条件を満たせば誰でも申し込めるのもメリットです。
コープのメリットについて、さらに詳しくはこちらの記事で解説しています!
コープのデメリット
コープはカナダで英語で学びながら現地で働き、お給料ももらえる人気なプログラムですが、デメリットもあります。
まず、そもそもインターン先が見つからない可能性があります。
コープは在学中のインターンとは言え、インターン先は普通の仕事探しのように自分で履歴書(レジュメ)を持って面接に通らなければなりません。
カナダはスキル重視なので、いかに即戦力になるかが勝負です!
未経験の分野のコープに挑戦する場合、そもそもインターン先が見つからない可能性もあるのです。
プログラムの専門性が高ければ高いほど、インターン先探しの難易度は上がります!
さらに、コーププログラムを提供している私立カレッジを卒業しても、卒業後の就職は保障されません。
コーププログラムを提供している私立カレッジには公立カレッジを卒業したらもらえるようなポスグラ制度がないので、卒業後にビザが切れたら帰国せざるを得ません(※ポスグラについてはこの後詳しく説明します)。
もちろん、コープのインターン先に働きぶりを認められ、卒業と同時に就労ビザのサポートをしてもらいそのまま継続して働ける場合もあります。
しかし、たまたまタイミングが良かったりスキルがある前提なので、誰もが卒業後にカナダに残れる訳ではありません。
「コープ=海外就職」ではなく、あくまで学生として経験をつける、スキルアップを目指す方におすすめのプログラムです。
コープのデメリットについて、さらに詳しいことは、以下の記事を参照してください。
コープの特徴を再度まとめます。
コープの特徴まとめ
- インターン中にお給料がもらえる
- off-campus でアルバイトができる(週20時間)
- インターン先は自分で見つけなければならない
- 卒業後の就労は保障されていない
コープ(Co-op)ビザについてはこちらでさらに詳しく解説しています。
なお、カナダのインターンにはコープ(Co-op)のほかに無給・有給どちらも認められているプラクティカム(Practicum)制度もあります。
それぞれメリットがありますので、気になる方はこちらの記事をご参照ください。
コミュニティーカレッジとは?
「カナダのコミカレってどうですか?」とご質問をいただくことが多いです。
一般的に「コミカレ」とはアメリカのコミュニティーカレッジ(community college)を指し、カナダには正式に「コミカレ」というジャンルの学校はありません。
アメリカのコミカレ
「コミカレ」といえはアメリカが有名です。
アメリカでコミカレと呼ばれるものはいわゆる「2年制大学」で、一般的な4年制大学(university)に入るよりも費用が抑えられるとして非常に人気があります。
もともと「コミュニティー(地域)」に根付いた大学として授業料を抑え入口を広くし、誰でも入れるように作られたのがコミカレです。
コミカレは授業料が安いだけではなく、卒業後に大学へ単位移行し編入できるのもメリットです。
競争の激しい大学とは違い、コミカレは少人数制で良い成績も取りやすいので、いずれ大学進学を目指す場合にまずはコミカレからスタートする留学生も少なくありません。
ただし、アメリカでは学生ビザ(F1ビザ)を持っていても off-campus でのアルバイトは難しいうえ、卒業後の就労も約束されていないのが留学生にとってはデメリットです。
反対に、カナダのカレッジは条件を満たせば学生ビザで off-campus アルバイトが可能ですし、卒業後にポスグラビザで就労ができるので現地就職も現実的です(※ポスグラについてはこのあとご説明します)。
アメリカのコミカレの特徴まとめ
- 2年制大学
- 費用が安い、難易度が比較的低い
- 単位移行し、大学に編入できる
- off-campus アルバイトができない
- 卒業後の就労には直結しない
カナダのコミカレ
実は、カナダにはコミカレという正式なジャンルの学校はありません。
カナダの高等教育は大きく分けて大学(university)とカレッジ(college)の2種類ですが、このカレッジのうち政府が資金を出している「公立カレッジ」を通称「コミュニティーカレッジ」と呼ぶことがあります。
もちろんそのままパブリック(公立)カレッジとも呼ばれます。
なお、それに対して私立カレッジはプライベート・カレッジと呼ばれます。
公立カレッジに準ずる一部の私立カレッジも「コミカレ」に含まれます。
カナダのコミカレもアメリカと同じように、高額な大学と比べて費用が抑えられるメリットがあります。
また、大学に進学する場合に単位移行もできるので、難易度の高い大学に入る前にコミカレに入学し、良い成績を取得して編入できるのがおすすめです。
なお、カナダのコミカレは条件を満たせば off-campus でのアルバイトも可能です(※アメリカでは在学中は基本的に off-campus のアルバイトはできません)。
さらに、カナダのコミカレを卒業すると、卒業後に働ける「ポスグラビザ」が発給されるのも大きなメリットです。
ポスグラについてはこの次の項目でご説明いたします。
カナダのコミカレの特徴まとめ
- 公立カレッジ全般
- 費用が安い、難易度が比較的低い
- 単位移行し、大学に編入できる
- off-campus アルバイトができる(週20時間)
- 卒業後にポスグラビザが出るので働ける
同じ「コミカレ」でもアメリカとカナダではできることが違うんだね。
ポスグラビザとは?
ポスグラビザ(Post Graduation Work Permit, PGWP)は、一定の条件を満たすカナダの学校を卒業したときに発行される就労ビザです。
細かな条件はありますが、基本的には公立カレッジ(前述したコミカレ)を卒業するとポスグラビザが出ると考えると分かりやすいです。
ポスグラビザで働ける期間
カナダの公立カレッジを卒業してポスグラビザが発行されると、最大で3年間カナダで働けるようになります。
8か月から24か月間学校に通っていた場合、就学期間と同じ期間分の就労ビザがもらえます。
例えば、学校に1年間通って卒業した場合、1年間のポスグラビザが取得できます。
そして、2年以上の通学の場合は最大3年間の就労ビザが手に入ります。これはすごいです。
8か月~24か月未満の就学 | 学校に通った期間と同期間分の就労ビザ |
---|---|
24か月以上の就学 | 最大3年間の就労ビザ |
ポスグラのメリット
ポスグラビザの最大のメリットは、なんと言っても最大3年間カナダで働けるところです。
カナダで働くビザを取得するのは簡単ではありません。
例えば、同じ働けるビザでもワーホリビザは年齢制限があり、期間が1年間ととても短いです。
また、雇用主にサポートしてもらい取得する「就労ビザ」は雇用主が限定していたり、厳しい条件があり取得は難しいです。
ポスグラを取得するための公立カレッジに入るのは簡単ではありませんが、卒業すれば最大3年間も働けるのでメリットは大きいです!
特にカナダの永住権を目指す場合、現地での就労経験がカギとなります。
ポスグラは活用次第で永住権に大きく近づく、魅力的な制度です。
ポスグラビザのデメリット
ポスグラを取得すること自体にデメリットはありません。
しかし、ポスグラの取得には「公立カレッジ」に進学し卒業する必要があります(※就学期間等に条件はあります)。
公立カレッジに進学するには高い英語力と資金が必要なので、決してハードルは低くありません。
ポスグラを取得するために、そもそもお金と時間と努力が必要なんだね。
はい、ただしその分リターンも大きいので、永住権を目指す方はポスグラも視野に入れることをおすすめします!
ポスグラの特徴まとめ
- カナダの公立カレッジ卒業後に発行される就労ビザ
- 最大3年間働ける
- 雇用主が限定されていないので、どこでも働ける
- カナダ永住権の大きな味方
カナダのポスグラについてはこちらで詳しくご紹介しています。
大きな違いは私立カレッジか公立カレッジか
ここまで、コープ、コミカレ、ポスグラの特徴と違いについてご紹介いたしました。
これらのもっとも大きな違いはそれらが「私立カレッジ」か「公立カレッジ」に関わるかどうかです。
例えば、コープは主に私立カレッジが提供するインターン付きのプログラム。
コミカレとは一般的にアメリカの2年制大学のことですが、カナダでコミカレは公立カレッジ(またはそれに準ずる私立カレッジ)全般を指す名称です。
ポスグラはカナダで公立カレッジを卒業したら発行される働けるビザ(就労ビザ)のことです。
私立カレッジと公立カレッジでは入学条件も費用も卒業後の進路も変わってきますので、留学計画中はよくご検討ください。
私立/公立 | こんな方におすすめ | |
---|---|---|
コープ | 私立カレッジで提供されるインターンプログラムの一種 | インターンを通してスキルアップしたい |
コミカレ | アメリカ: 公立の2年制大学 カナダ: 公立カレッジ全般の名称 | 卒業後にポスグラビザを使ってカナダで働きたい |
ポスグラ | カナダの公立カレッジ卒業後に発給される就労ビザの名称 | カナダの就労経験を永住権取得に活かしたい |
まとめ
今回はコープ、コミカレ、ポスグラの違いについてご紹介いたしました。
それぞれの大きな違いは「私立カレッジ」か「公立カレッジ」に関わるかです。
留学はプランによって条件も費用も留学後の選択肢も違います。
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