働きながら学べる、仕事を探すうえで実践的な知識を学べる、など人気のコープ(CO-OP)ですが、想像できないことも多いと思います。
例えば、
- 実際の授業はどんな様子なのか
- どんなことを学ぶの?
- 課題や宿題は多いの?
- 授業についていけるか心配
そこで、みなさんの学校選びの参考になるように、様々な学校の体験授業を受けてきました。
私が実際に授業を体験して感じたことなどをお伝えしますね!
このページの目次
Canadian College
今回、体験授業に参加した学校は「Canadian College(カナディアンカレッジ)」です。
一般英語を学ぶCCEL (Canadian College of English Language)と同じ校舎で語学学校(ESL)とカレッジの授業を行っています。
語学学校は朝から夕方ですが、カレッジのスケジュールはフレキシブルです。
クラス割はその時々の生徒数に応じて学校側が調整しているそうです。
また生徒も大学のようにコマで授業を取っていく形でスケジュールを組んでいくので語学学校の授業の隣の教室でカレッジの授業を受けるということもあるようです。
そのため自由時間に生徒さん同士で交流が生まれ、カレッジに進学した先輩の話が聞けることもあるとか。
カレッジ進学予定の生徒さんは心の準備ができますし、その予定がない方も刺激になリそうですよね!
学校の情報は下記をご覧ください。
参考
参加したコース・クラスについて
今回体験した授業はこちらです。
参加コース | ソーシャルメディアマーケティング 24か月 (SOCIAL MEDIA MARKETING & CO-OP DIPLOMA) |
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コース期間 | 授業6か月+Co-op 6か月+授業3か月+Co-op 6か月+授業3か月=計24か月 (3か月ごとにバケーション1週間が含まれます。入学日:3か月に1回) |
参加クラス | ソーシャルメディアマーケティング(Social Media Marketing) |
授業形式 | 対面形式 |
体験した日 | 2021年10月20日(水) 17:30-21:30 |
コロナの影響でオンライン授業が開催されていましたが、2021年10月11日から全面対面授業が再開されました!
実際にクラスメイトと顔を合わせられるのは嬉しいですね!!
コロナ対策としては、校内マスク着用、消毒、ソーシャルディスタンスを保つために人数に応じて教室のサイズを変えるなどの対策が取られていました。
コロナで対面授業ができない間に床の張替えや教室の壁を取り払ってパーテーションにするなどのリノベーションをしたそうで、とてもモダンできれいな学校でした!
カフェや屋上もありますよ!
それではそれぞれを詳しくお話ししていきますね。
コースについて(ソーシャルメディアマーケティングコース)
Canadian College で今回体験してきたのはこちらの4つのコース
- ビジネスマネージメントCO-OPサティフィケート 12か月/ディプロマ18か月
(BUSINESS MANAGEMENT & CO-OP CERTIFICATE/DIPLOMA) - ホスピタリティマネージメントCO-OPサティフィケート 12か月/ディプロマ24か月
(HOSPITALITY MANAGEMENT & CO-OP CERTIFICATE/DIPLOMA) - ソーシャルメディアマーケティング 24か月
(SOCIAL MEDIA MARKETING & CO-OP DIPLOMA) - 国際貿易CO-OPディプロマ 24か月
(INTERNATIONAL TRADE & CO-OP DIPLOMA)
今回はこの中の「ソーシャルメディアマーケティング」コースについてお伝えします!
2年のコースなので計1年間のコープ期間があります。
ソーシャルメディアが必須の近年、とても人気のコースです。
クラスについて
(ソーシャルメディアマーケティング)
受講したのは「ソーシャルメディアマーケティング(Social Media Marketing)」クラス。
ソーシャルメディアのビジネス利用について学びます。
それぞれのプラットフォームの特徴を踏まえ、オンラインでのブランド管理、カスタマーエンゲージメント(顧客と良好な関係を築くための取り組み)、などを通じビジネスを成長させるための知識を身につけます。
数あるソーシャルメディアですが、それぞれ利用者層や利用目的が異なります。
また、ビジネスの種類やターゲット層によってもどのプラットフォームを使えばターゲット層に見てもらえるのか変わってきます。
投稿する内容だけではなく、時間帯などの細かいことも考えなければいけません。
とても身近で皆さんが日常的に利用しているSNS。
ただ投稿するだけ、と思われるかもしれませんが、ビジネスに用いる以上、効果が出なければ意味がありません。
そのためにどの媒体を、どのように利用するのか。
複数のメディアを使わなければいけないかもしれません。
自社の顧客層を理解したうえでゴールを設定し、達成するために戦略を立てる。
具体的なプランを考えSNS上で実践する。
結果を分析し改善する。
この一連の流れがソーシャルメディアマーケティングです。
カナダの企業はもちろんのこと、世界の大企業やソーシャルメディアマーケティングで成功・失敗している企業も例に学びながらプランを立てていきます。
今大注目のどんな企業でも重要視されているソーシャルメディアマーケティング。
今すぐ役立つスキルが身につくはずです。
人数と国籍バランス
私が参加したクラスの人数と国籍バランスは下記で、全員で19人でした。
- 日本人:3人
- その他アジア系の方:2人(インドネシア、台湾)
- その他の地域の方:14人(インド、ブラジル、メキシコ、ヨーロッパ)
コロナ渦ではありますが、語学学校では140名、カレッジでは今生徒が300名ほどいるそうです。
Canadian College は公立大学への編入プログラムもある学校なので、時々カナディアンの生徒もいるそうですよ。
幅広い国籍の方が在籍していて、多様性に富んだクラスでした!
注意事項
学校のパンフレットなどで、国籍比率や年齢層など情報があるかもしれませんが、コロナウイルス拡大の関係で人数の変動や、国籍の偏りがある場合があるのでご了承ください。写真は新型コロナウイルスの流行禍のものになります。
また授業スケジュールなどは記事作成時のもので、変更になる可能性もございます。
生徒の様子
皆さんとても積極的に授業に参加していたのが印象的でした。
講師の方もクラス内を歩き回って講義してくれるのですが、指名しなくても生徒の方から自由に意見が飛び出しとても活気にあるクラスでした。
先生も、生徒が英語を使う機会を出来るだけ作ることを重要視されているそうです。
生徒自身がユーザーであるソーシャルメディアがテーマなので、その皆が興味を持って授業に参加しているとも感じるそうです。
意欲が高い生徒が集まっているのでお互い高めあえる環境だと感じました。
実際の授業の流れ
前回の宿題の結果発表から始まります。
その後レクチャー形式(大学の講義のように先生の講義を聞く形)での授業、最後に小テストという流れでした。
発表
先生がリストアップした「バンクーバーにあるレストラン5軒」を2人チームで分析するというのが課題でした。
それぞれのホームページとSNSサイトをチェックし、効果的にオンラインツールを使えているかどうか、何が足りないかなどを考えます。
レストランごとのターゲット層(年齢、住んでいるところ、性別、家族構成)を推測し、自分達ならどのようなメディアを使うか、どういうコンテンツを増やせるか、など意見を出していきます。
「ホームページは一見よくできているけれど内容が少ない」
「客層とSNSのターゲット層が合っていない」
「料理の写真ばかりなので、スタッフやお客さんが食事している写真など、人を入れた雰囲気の伝わる写真を追加したい」
など、生徒から指摘がどんどん出ていましたよ。
講義
本日のテーマは大きく分けて2つ。
ターゲット層に応じたプラットフォームの使い分けとマーケティングゴールの設定の仕方、アルゴリズムについてについてです。
①ターゲット層に応じたプラットフォームの使い分け
Facebook、Instagram、WhatsApp、Snapchat、LinkedIn、YouTube、LINE、KakaoTalk…
SNSと一口に言っても様々なプラットフォームがあり、ユーザー層や機能も違います。
例えば日本で圧倒的に普及しているLINEもカナダでは全く浸透していません。
ビジネス目的でSNSを利用する場合、個人利用と違って効果を出さなければ意味がありません。
かけた労力や時間、お金が無駄にならないよう、それぞれの特徴を考慮してプラットフォームを決める必要があります。
「25歳から35歳の間でSNS内で買物を完了したい人にリーチしたい場合はどれを使う?」
など、先生がターゲット層を挙げていくので、これまでのクラスで学んだそれぞれのプラットフォームの特徴を考慮して答えます。
同じアプリ内で買物まで完結する機能があるFacebook・Instagramが候補に挙がります。
先生が例を挙げるとすぐにあちこちから回答が上がり、開始30分で主要なプラットフォームが出そろいましたよ。
また、ターゲット層のほかに自身の設備や得意なことからプラットフォームを選ぶことも重要です。
写真やビデオ撮影の能力やそれにかける時間や機材が揃えられるか、定期的に発信できるかなど。
例えばYouTubeをメインにする場合、毎週3分以上の高クオリティビデオを投稿できるかどうかを考えます。
もともと動画編集の能力がある場合はいいですが、厳しい場合もありますよね。
人手が足りていないなどの理由で頻繁な更新が難しい場合もあります。
自社の状況により出来ることと出来ないことがあるので、そこも考慮する必要があります。
競合他社のSNSのチェックも有効です。
ただ、無理にオリジナリティを出す必要はなく、参考にして自分に出来る事をすることが重要だとおっしゃっていました。
プラットフォームにより適切な投稿頻度も違います。
しかしそこも状況に応じて、セオリー通りにする必要はないともおっしゃっていました。
中身のない情報を頻繁に発信してもあまり意味がありません。
先生のおすすめは「有益な情報を発信でき、かつそれが自社に利益をもたらすであろう時にいつでも発信すべき」だそうです。
②マーケティングゴールの設定の仕方
前述の通り、ビジネスには目的があります。
「知名度を高める」「商品を買ってもらう」「イベント集客」等々。
「SMART Goal」という理論を使ってプロジェクトのゴールを明確にし成果を出す方法論を学びます。
SMARTとは、Specific(具体性)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-based(期限)の頭文字をとったものです。
例えば達成度をどうやって測定するかですが、多くのビジネスアカウントにはサイト分析機能が備わっています。
そのため個人のアカウントではなく、ビジネスアカウントを作ることがとても重要だそうです。
さらに先生が実際のInstagramの分析ページを画面に映してシェアしてくれます。
何曜日のどの時間帯によく見られているのかなどが一目で分かるので、分析結果をもとにマーケティング戦略を立て直します。
③アルゴリズムについて
InstagramやFacebookで今一番有効とされているコンテンツは動画だそうです。
写真に比べて伝わる情報量が圧倒的に多いので納得ですね。
ただし動画が重要と言われている理由はそれだけではないということ。
サイト側のアルゴリズムが判定しやすい、という理由も大きいそうです。
例えばInstagramで写真を見ている時、皆さんは1つの画像をどれくらいの時間見ているでしょうか?
大抵は数秒だと思います。
目でとらえて時々ダブルタップ、また下にスクロールしていく、という感じですよね。
ただシステム側は、実際あなたが1つ1つの投稿をどの程度見ていたか分かりません。
その投稿に注目して情報を得てからスクロールしたのか、あまり興味がないからスクロールしたのか、同じ3秒でも全然違いますよね。
動画だとその判定が簡単なんです。
動画を見るためにはその投稿に立ち止まる必要がありますよね。
最後まで見るかもしれませんし途中でいいや、となるかもしれません。
それでもその結果が数字として表れるので、サイト側はそちらの分析の方が信頼度が高い、として重要度を上げてきているそうです。
いちユーザーとしての感覚だけではなく、一歩踏み込んだことも教えてくれます。
最後に確認のための小テストをして本日のクラスは終了しました。
こまめに本日の復習ができ、自分の理解度を把握することが出来ますね!
宿題・テスト
ケーススタディ(個人ワーク)3つの宿題があります。
他には中間・期末テスト、カナダの中小企業を一社選びマーケティングプランを立ててのプレゼン、マーケティングリサーチレポートの提出があります。
大企業はすでにいろいろなコンテンツを持っているので、中小企業を選び、いちからプランを考えるそうです。
実際のビジネスプランを考えるのでとても実践的ですし、ワクワクしそうですね!
講師について
Canadian Collegeでは4年講師をしており、ウェブマーケティングを専門にされています。
チリ出身だそうですが、母国の大学でこの分野の専攻を修了した後カナダでもコースを修了されたそうです。
生徒は英語力(特にスピーキング)を伸ばすため出席やプレゼンを重視しています。
生徒の発言もかなり多く、生徒参加をすごく大切にしている印象を受けました。
クラス内を歩き回って話してくれるのでどの席に座っていても聞きやすく発言しやすかったです。
まとめ
今回は、「Canadian College(カナディアンカレッジ)」という学校のソーシャルメディアマーケティングの授業を体験しました。
今回3コースのクラスを取材しましたが、全てのクラスで共通して大学の少人数クラスのような雰囲気がありました。
授業の流れが非常にオーガナイズされていて、一定の品質が保たれています。
どんな業界でも必須になりつつあるソーシャルメディアマーケティング。
昨今非常に注目されている分野ですね。
今回取材した3つのクラスの中では1番技術的・専門的な内容でした。
日々進化するウェブの世界で、今すぐに実践できる知識やスキルが身に付きます。
同じ「ウェブマーケティング系」でも、それぞれの学校によってテキストや授業の進め方など異なりますし、テストの頻度や宿題の量だって違います。
ぜひ、みなさんの学校・コース選びの参考にしてみてくださいね!
参考