日本にある「大手留学会社」が偏った学校ばかり紹介する理由

監修者 監修者
末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。カナダ留学情報を発信するTwitterアカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万を超える。現在までサポートしてきた生徒数は1万人以上。

「海外に留学しよう」と思ったとき、自分では何から始めればいいのかわかりません。

そこで強い味方になってくれるのが留学エージェント(留学会社)です。

でも、残念ながら留学会社の中には、留学生の視点ではなく、会社側の都合で学校を紹介することがあるのです。

今回は、大手留学会社が偏った学校ばかり紹介するというカラクリについてお話します。

日本にある「大手留学会社」は偏った学校ばかり紹介する

日本で、複数の留学会社に留学相談をした方なら、あることに気づくはずです。

あれ? 今回の会社にもまたA校とB校、そしてC校を紹介されたよ

もしかしたら「この学校ってそんなにいい学校なのかな?」と思われるかもしれません。

でも、まず1つだけ知っておいてください。

すべての人に合った「完璧な学校」は存在しないんです。

つまり、これはお願いした留学会社たちが、意図的にA、B、C校を紹介しているということを意味します。

特に日本の大手留学会社の場合、どこで相談してもだいたい同じ学校を紹介されるようです。

実はこれには理由(わけ)が存在します。

日本にある「大手留学会社」が同じ学校ばかり紹介する理由

では、日本にある大手留学会社に紹介される語学学校が、なぜ偏るのかというお話です。

どこの留学会社も決まったようにA校、B校、C校ばかりを紹介するのはどうしてでしょうか?

ここでは、その理由についてまとめてます。

 決まった学校を紹介すると「手続き」がラクだから

たとえば毎月100人の留学希望者がいたとします。

その留学希望者が行く学校について、こちらの2つのうちどちらがあっせんする側からすればラクでしょうか?

留学会社はどちらが楽?

  • 100人がそれぞれ100校の別々の学校に行く
  • 100人が1つの同じ学校に行く

これは仕事をされている方だったら考えるまでもない質問ですよね(笑)。

別々のフォーマットの申込書に記入して100か所に送付するより、同じフォーマットの申込書に記入して1か所に送付したほうが手間暇がかかりません

残念なことに留学生の視点では一切ありません

 特定の学校担当者だけと顔なじみだから

主に日本にある留学会社の話になりますが、留学カウンセラーの中には実際にはカナダに行ったこともない人がいます。

(行ったとしてもワーホリや留学でせいぜい1年程度滞在していたにすぎないとか)

日本に来た「カナダの学校の営業」から情報を得る留学会社

そういったカウンセラーは、カナダにあるほとんどの学校に行ったことがありません

じつは、パンフレットの写真と紹介文でしか知らない学校ばかりなのです。

じゃあどうやって濃い情報を集めるのかというと、定期的に日本へ会いに来てくれるカナダの学校の営業担当の方から話を聞くのです。

なぜカナダの学校に在籍している営業の方は、わざわざ日本に来るのでしょうか?

カナダの学校の営業担当にはノルマがある

カナダの学校も営利団体なので、日本人カウンセラー(= 営業担当)にもノルマがある場合があります。

たとえば、「ひと月に100名の日本人留学生を入学させる」というノルマがあったとしましょう。

100か所の留学会社に営業して1人ひとり留学生を集めるのと、1か所の留学会社から100名送ってもらう場合、どちらの方が楽かは明白です。

そのためカナダの学校担当者は、頻繁に日本に出張をします。

そして、留学生がたくさん見込める留学会社に対して、重点的に営業をしていくのです。

先ほどお話に出た、日本の留学会社のカウンセラーは、自分に会いに来た学校の営業の方とは親しくなります。

面識があり、カナダの学校にもかかわらず日本語ですべて対応してくれて、困ったことがあればメールでも電話でも相談はすべて日本語で解決する。

……そういう学校にたくさんの留学生を紹介したほうがラクですよね。

こちらの理由も、留学生側の視点はゼロです。

 カナダの学校側も営業がラクだから

カナダの学校には通常、営業予算があります。それを使って営業活動をして留学生を集めるのです。

そして、留学生を集めるために使える営業予算が100万円あるとしましょう。では、このどちらのほうが効率が良いでしょうか?

  • 100か所の留学会社に1万円ずつ使う
  • 1つの留学会社に100万円使う

もちろん1か所に100万円を使う営業担当のほうが圧倒的に多いでしょう。

さきほど見た の話に繋がりますが、カナダの学校側も、日本にある特定の留学会社に営業をかけるほうが圧倒的にラクなんですね。

余談ですが、民間の留学会社の開催するカナダ留学フェアに学校の関係者が参加しているケースが多いですが、1ブース参加料で50万円程度かかるという話は普通に聞きます。

留学生を集めるのにはお金がかかるのです。……でも留学生側から見ると「知ったことじゃない」ですよね。

 特定の学校からの報酬がたくさんもらえるから

留学会社は、カナダの学校に留学生を紹介すると報酬(紹介料)を得られます(参考: 留学エージェント「カナダ留学コンパス」のサービスが「無料」である理由)。

そして、カナダの学校担当者、とりわけ営業担当者はたくさんの留学生を紹介してくれる大手留学会社に対して、特別割引や、留学生紹介で特別な報酬を設けていることが多いのです。

例えば「期間限定で○月○日までに200人の留学生を紹介してくれるなら、通常以上に報酬を支払うよ」のようなものですね。

留学会社側からすると「この学校に留学生を紹介したほうが稼げる」ということになるので、特定の学校ばかりを紹介するという現象になるということです。

そして、「本当にその留学生に合った学校」という視点が完全に抜けてしまうという結果にもなるのです。

 海外送金費用を節約するため

留学生の支払う学費は、日本からカナダに送金されます。

例えば「50名の申し込み」が、とあるカナダの学校にあったとしましょう。

日本にある留学会社は、わざわざ50回に分けて送金などをしません。だいたい月に1回送金するだけです。

なぜなら、日本からカナダにお金を送るには毎回手数料がかかるからです。

1名分の授業料を送金するのと、50名分の授業料を送金するのでは、どちらの送金手数料が安いのかは明白ですよね。

目安として、日本からカナダに送金すると、海外送金手数料として5,000円程度はかかります。

学校のお申し込み時にはこの手数料も負担させられることになるので安く抑えたくなるのは当然のことです。

どうしようもなく完全に留学会社側の都合です……。

まとめ

さて今回は、なぜ日本の大手留学会社の紹介する学校に偏りがあるのかについて紹介しました。

このような事情を背景に、留学カウンセラーは目の前のお客様に、型にはまったようにいつも同じ学校を紹介し続ける傾向が強いのです。

そしてそういった事情を知らない留学希望者は、悲劇です。

自分に合った学校ではなく、目の前のカウンセラーが会社都合でおすすめする学校の中から選ぶしかなくなりますので。

見た目がきれいなパンフレット、小綺麗なウェブサイトで学校に関しての幻想を抱きますが、どの学校もよく思えて決められない。

その結果、目の前の留学カウンセラーの言葉を信じ、学校を決めてしまいがちです。

そして、このような流れで学校に通い始めた留学生は、カナダに到着してから気づきます。

ほかの学校に通っている友達の声から、「え……そっちの学校のほうが良かった」という間違いに気づき、後悔することも多いようです。

弊社のようなカナダ現地の留学会社には、連日のように、このような留学生が助けを求めてやって来ます。

しかし残念ながら学費はほとんど返金されず、しぶしぶ学校に通い続けるというケースも実は結構多いのです。

こういった事象をきちんと認識したうえで、しっかりと情報を選別して、留学会社(留学エージェント)を選んでくださいね。

弊社「カナダ留学コンパス」の場合は、こちらの理由から偏った学校を紹介していません

1人1人の「目的」に沿った、留学先を紹介いたしております!

執筆者 執筆者
末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002
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