
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、さまざまな業界の経営状況が不安定になっています。
海外から留学生を受け入れている語学学校も例外ではありません。
この記事では下記3つについて、分かりやすくご説明いたします。
- 会社の倒産とはどういうことなのか?
- コロナショックが語学学校の経営状況にどう影響するのか?
- そして、なぜカナダ留学コンパスは倒産しないのか?
それでは、みていきましょう。
会社の倒産とは?
会社の倒産とは、端的に言えば会社を運営する資金がなくなったときに起こります。
企業は、営業をし、売上を作り、その中から将来の売上のために「投資」をします。
投資とは例えば、その会社に勤めるスタッフのお給料、オフィスの家賃、広告費などが該当します。
特に「家賃」やスタッフに支払う「お給料」は毎月の固定費となり、会社の売上と関係なく毎月発生する経費で、簡単に調整はできません。
つまり、売上よりも固定費などの経費が多くなる状態(赤字)が続き、会社内のお金がなくなる。
それが倒産です。
- 倒産 = 会社の中にお金がなくなること
- 会社のお金がなくなる = 赤字が続き、貯金が尽きる
一般的に、固定費が高い会社のほうが倒産しやすく、固定費が低い会社の方が倒産しにくいと言えます。
コロナショックによって学校が経営難に?
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、各地の語学学校は今後経営が厳しくなると考えられます。
例えば、カナダ(特にバンクーバー)にあるほとんどの語学学校はダウンタウンの「家賃が高いエリア」にオフィスを構えています。
そしてたくさんの従業員、先生を抱えて学校を運営しています。
一般的な語学学校は、生徒が300名くらい常時在籍しており、先生は20名程度、スタッフは20名くらいです。
その場合の固定費を考えてみましょう。
家賃 | 5万~10万ドル(約400~800万円) |
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月給(先生やスタッフ) | 16万ドル(約1,200万円)(約4,000ドル(約32万円)/1人と想定) |
総額 | 20万ドル(約1,600万円) (月の売り上げがゼロだったとしても必要) |
仮に売上が3ヶ月の間ゼロだとすると、学校の管理する銀行の口座に約60万ドル(約4,800万円)の資金がないと経営を維持できなくなります。
6ヶ月の売上がゼロなら、120万ドル(約1億円)の資金が必要になります。
コロナウイルスの影響で、語学学校の生徒(留学生)がいつカナダへ入国でき、いつから留学ができるかわからない状況下になっています。
将来の留学を申し込む生徒の数は明らかに激減しています。
これは日本だけではなく、他の国の留学生も同様です。
シビアに考えると、語学学校の売上は今後数ヶ月は10%もないかもしれません。
つまり、強力な資金力のない語学学校は、今後数ヵ月~1年以内に経営難に陥る、最悪の場合、倒産する可能性があるかもしれないということです。
カナダ留学コンパスの場合
かつて、10年以上前、日本の大手の留学エージェント2社が倒産しました。
これは日本各地に支店を設け、数百人のスタッフを抱え、膨大な広告費をかけていた=固定費が高かったからです。
一方、留学エージェントであるカナダ留学コンパスのリスクはどうでしょうか?
弊社はこのような状況下でも倒産しないような仕組みで会社を運営しています。
スタッフ数8名、東京とバンクーバーの固定費はあわせて毎月3万ドル(約240万円)程度と非常にコンパクトです。
そして、1年に約400名の新規留学生が弊社を利用して渡航して、毎月約35名のお客様が到着しています。
お客様1人が支払う額 | 5,500ドル〜8,500ドル(42万~65万円)程度 |
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毎月の売上 | 20万ドル〜30万ドル(約1,500万~2,300万円)程度 |
もちろんこの売上がそのまま弊社の利益になるわけではなく、ここから学費や経費を引いて利益となりますが、それでも十分な利益が毎月出ています。
今後もこのビジネスを続ける限り、5年、10年と継続して利益が出続けると確信して、日々いろいろなアイデアを練ってお客様のためのサービスを提供しています。
この状況下でお客様のために動くことが弊社への信頼に繋がり、将来のお客様に伝わると確信しておりますので、学校業界からの反発を覚悟でこの記事を公表しています。
また、いままでたくさんのお客様の賛同、好感を獲得して高い評判をもとに毎日新規で10~20件、年間では5000件を超える留学の相談をいただくようになりました。
そのおかげで創業わずか3年で上記の売上をあげることが出来ました。
つまり今後も長期的に安定して運営できる仕組みがあるのに、それを放棄して会社を倒産させる理由は考えられません。
弊社が倒産することは特別な事情がない限りありえません
最後に
この度の新型コロナウイルス感染症拡大を受け、カナダ留学コンパスでは早い段階から最悪のケース(学校倒産等)を考え、事前に動いているのはこの仕組みをよく理解しているからです。
世界的にも優れている政治運営が行われているカナダでは、この記事を書いている最中も、従業員の給料補償、家賃の支払い延期など、様々な公的な援助が決まりつつあります。
また、銀行の金利も下がり、貸付も特例で多く認めるという情報もあり、外的な援助で学校が倒産することは杞憂かもしれません。
2020年5月15日追記:
この数ヶ月間の内に、カナダ政府は中小企業を支援する強力な経済対策を次々と発表してきました。
例えば、3月30日に発表された緊急給与助成金プログラムでは、新型コロナウイルスの影響を受けた企業の従業員給与の75%を助成すると発表(当初、助成金は3月15日~6月6日の12週間分受給可能とされていましたが、6月以降もこのプログラムは継続する見込みです)。
また、4月24日には中小企業の家賃を75%引き下げる緊急家賃補助プログラムも発表されました。
カナダ政府の強い意志とスピード感を持ったこれらの手厚い支援により、多くの中小企業が新型コロナウイルスによる影響を最小限に抑えることが期待されています。
しかしながら、このような支援にもかかわらず、すでに主要な学校のいくつかは倒産してしまいました。