TOEICとTOEIC Bridgeの違いは? L&RとS&Wに分けて徹底比較

TOEICとTOEIC Bridgeの違い
サト

執筆者

TOEIC980点。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

「TOEIC」には、通常の「TOEIC」とは別に「TOEIC Bridge」があります。

「なにが違うの?」とすこし混乱するかもしれませんね。

そこで本記事では、「TOEIC」と「TOEIC Bridge」の違いを解説します。

「TOEIC」と「TOEIC Bridge」の基本的な違い

まず、「TOEIC」と「TOEIC Bridge」のいちばんの違いはレベルです。

TOEIC Bridgeはレベルが「やさしめ」

「TOEIC Bridge」は、レベルがやさしめに設定されています。

「TOEIC」を実施している「国際ビジネスコミュニケーション協会」の公式サイトに書かれている「TOEIC Bridge」の特徴は次のとおり。

TOEIC Testsへの架け橋として効果的

国際ビジネスコミュニケーション協会 公式サイト

「TOEIC Bridge」は「TOEIC」につながる「架け橋(=bridge)」ということですね。

さらに、「TOEIC Bridge」が想定している対象レベルについては、次のとおりです。

TOEIC Bridge® Listening & Reading Testsは、英語学習初級者から中級者を対象とした、日常生活で活きる“英語で聞く・読む能力”を測定するテストです。

国際ビジネスコミュニケーション協会 公式サイト

初級者でも安心して受験できそうです。

ちなみに「Bridge」ではない、通常の「TOEIC」は次のようにレベルについて触れられていません。

TOEIC® Listening & Reading Testでは、Listening(聞く)・Reading(読む)という2つの英語力を測定します。

国際ビジネスコミュニケーション協会 公式サイト

すべてのレベルが対象と考えられますね。

「L&R」と「W&S」の違い

ところで、先ほどの引用部分で「TOEIC」にも「TOEIC Bridge」にも「Listening & Reading」が付いていることにお気づきかもしれません。

この「Listening & Reading」の試験は、聴解や文法・読解などの4択問題に答えていく試験です。

「TOEIC」と聞いて、わたしが真っ先に思い浮かべるのも「Listening & Reading」です!

なぜわざわざ「Listening & Reading」と付けているかというと、「TOEIC」にも「TOEIC Bridge」にもWriting & Speaking」という「別の試験」があるからです。

測定する技能によって2種類ある

  • Listening & Reading …… 聴く・読む能力を測定
  • Writing & Speaking …… 書く・話す能力を測定

「Writing & Speaking」は文字通り、「書く」「話す」を測定する試験ですね。

「TOEIC Writing & Speaking」と「TOEIC Bridge Writing & Speaking」のいちばん大きな違いも、レベルです。

以下、「Listening & Reading」を「L&R」、「Writing & Speaking」を「W&S」と表記します。

TOEICには4種類ある

まとめると、TOEICには次の4種類の試験があることになります。

4種類

  1. TOEIC L&R
  2. TOEIC Bridge L&R
  3. TOEIC W&S
  4. TOEIC Bridge W&S

では、「TOEIC」と「TOEIC Bridge」は、レベル以外にどんな違いがあるのでしょうか。

次項から、それぞれ「L&R」と「W&S」に分けて比較していきます。

「TOEIC L&R」と「TOEIC Bridge L&R」の比較

「TOEIC L&R」と「TOEIC Bridge L&R」の違いを表にまとめました。

項目名をタップすると、詳細を見ることができます。

項目名TOEIC L&RTOEIC Bridge L&R
実施回数(年間)13回4回
受験料(税込)7,810円4,950円
試験時間Listening: 45分
Reading: 75分
合計: 120分
Listening: 25分
Reading: 35分
合計: 60分
問題数Listening: 100問
Reading: 100問
合計: 200問
Listening: 50問
Reading: 50問
合計: 100問
スコアListening: 5〜495点
Reading: 5〜495点
合計: 10~990点(5点刻み)
Listening: 15〜50点
Reading: 15〜50点
合計: 30~100点(1点刻み)
出題範囲日常生活・ビジネス日常生活
解答方法マークシート(4択)マークシート(4択)
TOEIC L&RとTOEIC Bridge L&Rの比較

L&Rの実施回数

「L&R」の試験が実施される回数は、「TOEIC」が年13回なのに対し、「TOEIC Bridge」は年4回です(2023年度)。

「TOEIC」のほうが、試験を受けるチャンスが圧倒的に多いんですね!

2023年度(2023年4月〜2024年3月)の実施日の比較は、次のとおりです。

TOEIC L&RTOEIC Bridge L&R
4月23日(実施なし)
5月21日21日
6月25日 (実施なし)
7月23日 (実施なし)
8月20日6日
9月10日 (実施なし)
10月1日, 29日1日
11月19日(実施なし)
12月10日(実施なし)
1月28日(実施なし)
2月25日25日
3月17日(実施なし)
TOEIC L&RとTOEIC Bridge L&Rの実施日(2023年度)

「TOEIC」は毎月実施され、10月は2回も受験のチャンスがあります。

一方「TOEIC Bridge」はざっくり春夏秋冬、1回ずつの実施。受験するなら、申し込みのタイミングを逃さないようにしたいところですね。

L&Rの受験料

「L&R」の受験料の比較は次のとおりで、「TOEIC」のほうが高くなっています。

TOEIC L&RTOEIC Bridge L&R
受験料(税込)7,810円4,950円
TOEIC L&RとTOEIC Bridge L&Rの受験料

なんと「TOEIC」の受験料は「TOEIC Bridge」の1.5倍!

「TOEIC」のほうが試験時間が長く、問題数も多いので、高くなるのは当然です。詳しくはこのあと解説します。

L&Rの試験時間

「TOEIC L&R」も「TOEIC Bridge L&R」も、試験時間が2つのパート(ListeningとReading)に分かれています

「L&R」の試験時間の比較は、次のとおりです。

セクションTOEIC L&RTOEIC Bridge L&R
Listening45分25分
Reading75分35分
合計120分(2時間)60分(1時間)
TOEIC L&RとTOEIC Bridge L&Rの試験時間

「TOEIC」は、合計2時間。つまり、「TOEIC Bridge(1時間)」の2倍ですね。

2時間も集中力をキープするのが難しそうなら、まず「TOEIC Bridge」で慣れておくのも手です。

L&Rの問題数

「L&R」の問題数の比較は、次のとおりです。

セクションTOEIC L&RTOEIC Bridge L&R
Listening100問50問
Reading100問50問
合計200問100問
TOEIC L&RとTOEIC Bridge L&Rの問題数

試験時間と同じく、問題数も「TOEIC」は「TOEIC Bridge」の2倍ですね。

単純計算すると、1問あたりに使える時間は変わらないので、「TOEIC Bridge」で問題を解くペースをつかんでから「TOEIC」に臨めそうです。

ただし、先述したようにTOEICのほうが難易度が高いので、その点はご注意ください。

L&Rのスコア

「L&R」のスコアの比較は、次のとおりです。

セクションTOEIC L&R(5点刻み)TOEIC Bridge L&R(1点刻み)
Listening5〜495点15〜50点
Reading5〜495点15〜50点
合計10〜990点30〜100点
TOEIC L&RとTOEIC Bridge L&Rのスコア

「TOEIC」は中途半端な990点であるのに対し、「TOEIC Bridge」は100点満点です。

「TOEIC」のスコアはなんとなくイメージがつかめるものの、「TOEIC Bridge」のスコアは馴染みがないかもしれませんね。

公式サイトには、目安として次の比較表がありました。

TOEIC L&RTOEIC Bridge L&R
〜12030
21040
26550
32560
40070
49080
60590
610〜90〜
TOEIC L&RとTOEIC Bridge L&Rのスコア比較

一番下の行をご覧ください。

「TOEIC Bridge」で満点近く(90点以上)を取っても、「TOEIC」に換算すると610点程度

「TOEIC Bridge」は、あくまで「TOEIC」への「架け橋」というのが、この表からも読み取れますね。

L&Rの出題範囲

L&Rの出題範囲の比較は、次のとおりです。

出題範囲TOEIC L&RTOEIC Bridge L&R
日常生活
ビジネス
TOEIC L&RとTOEIC Bridge L&Rの出題範囲

TOEICもTOEIC Bridgeも、日常生活での英語が問われます。

違いは、ビジネス英語が問われるかどうか

具体的な違いを知るには、公式サイトで問題例を見るのがいちばんです。

問題例のリンクを載せておきますので、興味があればご覧ください。

問題例(公式サイト)

L&Rの解答方法

L&Rの解答方法は、TOEICもTOEIC Bridgeも4択のマークシート方式です。

「TOEIC S&W」と「TOEIC Bridge S&W」の比較

「TOEIC S&W」と「TOEIC Bridge S&W」の違いを表にまとめました。

項目名をタップすると、詳細を見ることができます。

項目名TOEIC S&WTOEIC Bridge S&W
実施回数(年間)24回4回
受験料(税込)10,450円9,350円
試験時間Speaking: 約20分
Writing: 約60分
(合計: 約80分)
Speaking: 約15分
Writing: 約37分
(合計: 約52分)
問題数Speaking: 11問
Writing: 8問
合計: 19問
Speaking: 8問
Writing: 9問
合計: 17問
スコアSpeaking: 0〜200点*
Writing: 0〜200点*
合計: 0〜400点*
*10点刻み
Speaking: 15〜50点**
Writing: 15〜50点**
合計: 30〜100点**
**1点刻み
出題範囲日常生活・ビジネス日常生活
解答方法会場のPCで解答会場のPCで解答
TOEIC S&WとTOEIC Bridge S&Wの比較

S&Wの実施回数

S&Wの実施回数は、TOEICが年24回で、TOEIC Bridgeは年4回です(2023年度)。

ただし、TOEICは同じ日に2回行われるため、実施される日は年に12日間だけです。

TOEIC Bridgeのほうは、L&Rと同じく年に4回しかチャンスがありません。

2023年度(2023年4月〜2024年3月)の実施日の比較は、次の表のとおりです。

TOEIC S&W(各2回実施)TOEIC Bridge S&W
4月16日(実施なし)
5月21日21日
6月11日 (実施なし)
7月9日 (実施なし)
8月6日6日
9月3日 (実施なし)
10月8日8日
11月5日(実施なし)
12月3日(実施なし)
1月14日(実施なし)
2月18日18日
3月24日(実施なし)
TOEIC S&WとTOEIC Bridge S&Wの実施日(2023年度)

S&Wの受験料

S&Wの受験料の比較は、基本的には次の表のとおりです。

TOEIC S&WTOEIC Bridge S&W
受験料(税込)10,450円9,350円
TOEIC S&WとTOEIC Bridge S&Wの受験料

S&Wの場合、TOEICとTOEIC Bridgeの間には、1割ぐらいの違いしかありません。

L&Rの料金では、TOEICのほうが1.5倍だったのとは大違いです。

採点などの手間が、同じぐらいかかるのかもしれません。

基本的な受験料は先ほどの表のとおりなのですが、S&Wの場合、次の料金もあります

必要な料金

  • 追加申し込み期間の受験料
  • 変更手数料
  • キャンセル手数料

「追加申し込み期間の受験料」とは、申し込みをいったん締め切ったものの、空きが出た場合に申し込む際の受験料です。

たとえば、2023年7月実施の試験の申し込みは、6月23日で締め切られます。

ただ、空きがある場合は、6月26日から6月30日まで「追加申し込み」ができるんです。

また「変更手数料」は、試験日や試験を受ける時刻、会場を変更する際の手数料です。

通常の受験料の比較もあわせて表にまとめました。

TOEIC S&WTOEIC Bridge S&W
通常の受験料(税込)10,450円9,350円
追加申し込みの受験料(税込)13,200円12,100円
変更手数料(税込)2,750円2,750円
キャンセル手数料5,000円5,000円
TOEIC S&WとTOEIC Bridge S&Wの受験料

「追加申し込み」だと高くなりますし、変更やキャンセルには手数料がかかってしまいます。

お金をムダにしないためにも、確実に受験できる日をおさえて、早めに申し込みたいところですね。

S&Wの試験時間

「TOEIC S&W」も「TOEIC Bridge S&W」も、2つのパート(SpeakingとWriting)に分かれています。

S&Wの試験時間の比較は、次のとおりです。

セクションTOEIC S&WTOEIC Bridge S&W
Speaking約20分約15分
Writing約60分約37分
合計約80分約52分
TOEIC S&WとTOEIC Bridge S&Wの試験時間

TOEICのほうがTOEIC Bridgeより、1.5倍ほど長くなっています。

この点は、次の「問題数」で掘り下げます。

制限時間内で英語を話したり書いたりする……想像しただけでも緊張してしまいます……。

S&Wの問題数

S&Wの問題数の比較は、次のとおりです。

セクションTOEIC S&WTOEIC Bridge S&W
Speaking11問8問
Writing8問9問
合計19問17問
TOEIC S&WとTOEIC Bridge S&Wの問題数

試験時間には1.5倍もの開きがあるのに対し、問題数だけ見ると、2問しか差がありません。

さらに、Writingに至っては、TOEIC Bridgeのほうが多くなっています。

お察しのとおり、理由は「問題のレベルが違うこと」です。

問題例が公式サイトに掲載されているので、ご参考までにリンクを載せておきます。

問題例(公式サイト)

S&Wのスコア

S&Wのスコアの比較は次のとおりです。

セクションTOEIC S&W(10点刻み)TOEIC Bridge S&W(1点刻み)
Speaking0〜200点15〜50点
Writing0〜200点15〜50点
合計0〜400点(※)30〜100点
TOEIC S&WとTOEIC Bridge S&Wのスコア

便宜上、点数を合計していますが、「TOEIC S&W」の証明書には合計点は記載されません

ただ、この数字だけ見てもピンと来ないかもしれませんね。

「TOEIC S&W」の平均点

公式サイトに、TOEIC S&Wの2020年の国別データがあります。

一部抜粋すると、次のとおりで、SpeakingとWriting、それぞれのスコアが出ています。

Speaking(200点満点)Writing(200点満点)
ドイツ166点(1位)167点(2位)
アルゼンチン155点(2位)166点(3位)
フィリピン155点(2位)170点(1位)
日本114点(20位)133点(20位)
TOEIC S&Wのスコア(2020年)

日本の平均は、200点満点で114点とか133点とか……単純に計算すると、57%〜67%ということになります。

トップとは比べるべくもありませんが、参考になさってください。

「TOEIC Bridge S&W」の平均点

また、TOEIC Bridge S&Wについては、同じく公式サイトに日本のデータ(2023年3月実施分)があったので、こちらも載せておきます。

Speaking(50点満点)Writing(50点満点)
最高50点50点
最低15点15点
平均35.8点39.7点
TOEIC Bridge S&Wのスコア(2023年3月実施分@日本)

「Speaking」と「Writing」は15点から50点の範囲で点数がつきます。

満点の50点を取る人もいるということですね!(最低点を取る人も……)

平均点も、単純に計算すると満点の70%〜80%程度なので、TOEIC S&Wよりは高得点です。

「TOEIC Bridge S&W」で自信をつけてから、「TOEIC S&W」を受けるのもいいかもしれません。

L&Rの場合、公式サイトに「TOEIC」と「TOEIC Bridge」の比較表がありますが、「S&W」については見当たりませんでした。

S&Wの出題範囲

S&Wの出題範囲の比較は、L&Rと同じで、次のとおりです。

出題範囲TOEIC S&WTOEIC Bridge S&W
日常生活
ビジネス
TOEIC S&WとTOEIC Bridge S&Wの出題範囲

問題例のリンクを再度載せておきます。

問題例(公式サイト)

S&Wの解答方法

S&Wは、すべて会場のPC上で解答することになっています。

「TOEIC S&W」も「TOEIC Bridge S&W」も同じです。

次の公式動画のように「Speaking」はマイクに向かって話し「Writing」はPCに入力して解答します。

英語力を鍛えるのはもちろん、PCの操作にも慣れておいたほうがよさそうですね。

まとめ

この記事では「TOEIC」と「TOEIC Bridge」の違いを解説しました。

いちばんの違いは「TOEIC Bridge」のほうが「TOEIC」より難易度が低いという点でしたね。

最後にもう一度比較した表を紹介します。

「TOEIC L&R」と「TOEIC Bridge L&R」の違いは、次のとおりでした。

項目名TOEIC L&RTOEIC Bridge L&R
実施回数(年間)13回4回
受験料(税込)7,810円4,950円
試験時間Listening: 45分
Reading: 75分
合計: 120分
Listening: 25分
Reading: 35分
合計: 60分
問題数Listening: 100問
Reading: 100問
合計: 200問
Listening: 50問
Reading: 50問
合計: 100問
スコアListening: 5〜495点
Reading: 5〜495点
合計: 10~990点(5点刻み)
Listening: 15〜50点
Reading: 15〜50点
合計: 30~100点(1点刻み)
出題範囲日常生活・ビジネス日常生活
解答方法マークシート(4択)マークシート(4択)
TOEIC L&RとTOEIC Bridge L&Rの比較

さらに、「TOEIC S&W」と「TOEIC Bridge S&W」の違いは、次の表のとおり。

項目名TOEIC S&WTOEIC Bridge S&W
実施回数(年間)24回4回
受験料(税込)10,450円9,350円
試験時間Speaking: 約20分
Writing: 約60分
(合計: 約80分)
Speaking: 約15分
Writing: 約37分
(合計: 約52分)
問題数Speaking: 11問
Writing: 8問
合計: 19問
Speaking: 8問
Writing: 9問
合計: 17問
スコアSpeaking: 0〜200点*
Writing: 0〜200点*
合計: 0〜400点*
*10点刻み
Speaking: 15〜50点**
Writing: 15〜50点**
合計: 30〜100点**
**1点刻み
出題範囲日常生活・ビジネス日常生活
解答方法会場のPCで解答会場のPCで解答
TOEIC S&WとTOEIC Bridge S&Wの比較

どちらを受けるにしても、いい結果になるよう祈っております!

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サト
インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。独学でTOEIC980点をマークした秘密が受験英語が好きだったという特異体質。オンライン英会話や電子書籍を試すことにハマっている。>>サトについて詳しくはこちら
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