こんにちは、アメリカ在住ライターのタカコです。
今回は、英単語の「語源」をたどっていくうちに「この語源ってどうなの??」と混乱した経験をした記録です。
目次
「decide」の語源は、「homicide」と同じなのか?
以前の記事で「cide(殺人)」を覚えると「homicide」や「suiside」を簡単に覚えられるという記事を書きました。
で「decide」の「cide」が、これと同じ語源「cide」なのかという疑問がわいたんですね。
ネットで調べると、「同じ語源」と解釈している方もいますし、「違う」と解釈している方もいました。
今度はいろんな辞典を調べたのですが、「同じ語源」と明記しているものはなかったんです。
語源調べ……何を基準に比較すればいいのかわからない!!
私は考えました。
「homicide」などは名詞であるのに、「decide」は動詞です(名詞形は「decision)」。
これ……

「名詞」と「動詞」を同じ土俵にあげて比較するのはどうなんだろう?
……と、違和感があったんです。
その時点で、私の中では「別の語源」と結論を出していましたが、もう少し調べてみることにしました。
「decide」の語源は?
気を取り直して調べてみると、「homicide」と「decide」が違う語源と解釈している方は、
- de→(ほかのものから)離す(=off)
- cide → 切る =「cut」の語源「caedere(ほかのものから切り離す)」が元
この2つを組み合わせて「decide」→「(ほかのものから)切り離す」と解釈しています。
「homicide」などの語源と同じという解釈
次に「homicide(殺人)」「suicide(自殺)」「pesticide(殺虫剤)」などと同じ語源「-cide(殺す人)」の説。
「decide」と同じ語源だと解釈している方も、同じラテン語の「caedere(『cut = 切る』の語源)」からだと言っています。
つまり「切る」→「殺す」に意味を発展させ、同じ語源との解釈しているのです。
「切る」を「殺す」という意味に発展させてもいい?
私は、その解釈に少し疑問がありました。
たしかに、「切る」という行為から「殺す」に発展することはあるかもしれませんが、どうしても「切る」と「殺す」を同じ仲間でくくってしまうことに抵抗があったんです。
なんなんでしょ、このモヤモヤ感。
語の「きょうだい」や「いとこ」
そこで、もう一度よく考えてみると、気がつくことがありました。
私は、今回、「語源を調べることは、語のご先祖さんをたどること」というイメージを持っていました。
品詞や語の構造(+その意味)が共通していて、見た目に「同じ仲間」だとわかる「homicide」や「suicide」、「pesticide」は「きょうだい」なのです。
それに対して「decide」は、「homicide」などとは品詞も違うし、意味合いにも違いを感じるため「homicide」の「いとこ」のようだなぁと。
さかのぼれば、同じ「caedere」ファミリーなのかもしれませんが、「きょうだい」ほどの血の濃さは感じないので。
語の変化(派生)を縦に見るのか、同じ語源の可能性のあるものを横に並べて見るのか、の違い……というのが私の解釈です。
「語源」を単語暗記に使うなら厳密じゃなくていい
「同じ語源か、違うのか」という問題は、専門家でもないと、白か黒で答えるのは難しいです。
ということで、私は専門家ではありませんし、なるつもりもありません。
単に「英単語を覚える」という目的のために語源を利用しようとしているだけなので「この単語は厳密には違うグループだ!!」と覚える必要はないですね。
もっと自由に、英単語動詞を関連付けて覚えるためのツールとして「語源」を利用しましょう!